続・相対性理論への疑念(5)〜奇妙な側面C〜

本コーナーでは、私が海外サイト検索で知った一般に知られていない"Relativity"にまつ
わる色々な歴史的真実を紹介しています(ここここここここなど)が、海外サイトを漁
ると、次から次へとそれが、出てきます。

やはり、20世紀の前半から後半まで、ここで述べたような時代だったものの、そういう時
代(強権的に科学界の中の"Relativity"疑念を抑圧していた)に鬱積していたものが、イン
ターネットの発達で自由に発信できる時代の到来も後押ししたのでしょうか、隠されてきた
驚くべき影の部分が暴露されつつあります。

私がここでまず強調しておきたいのは、"Relativity"について「おかしい」という思いをして
いる人がいるのは、決して「無知・低脳な素人」だからでなく、欧米では、綿々と科学者の
中に疑念を抱いて来た方達がいたということがこれまで一般下々には隠されてきただけ
であり、科学界全般が満場一致で「正しい」と考えてきたわけではないことです。「プロ」の
科学者の中にも絶えず反対意見を持つ人々がいたということです。ですから、しがらみの
ない一般下々であるならば、それは卑下することでもなんでもなく、特に「論理」を重んじ
る理系の方なら、「あっても決しておかしくない」ことを強調しておきたいと思います。

ただ、なぜ、これまで、そういう「疑念」を表明することが「無知・低脳」扱いで「嘲笑罵倒」
を受けてきたかは、この"Relativity"も、ここで引用した『背信の科学者たち』という本で指
摘されている「科学界」の状況を(その本では直接言及されていないようですが)まさに表
してきたことに一因があるというのは、こうやって、理論に関する歴史的事実を知れば知
るほど納得できてしまうのですね。言わば、綿々と「教育」によって、"Relativity"は真理
だと教えまれ、うまく次代の学者の卵達が「理解・納得」するように仕向けられ、すなわち
ある意味、そういう「洗脳」の構図が綿々と未だに続いているからです。

ですから、私は、素朴に「おかしい」と感じている人達は、そういう「洗脳」にかからずにい
たか、はたまた、そういう「洗脳」が融けた方々だろうと思うのです。私は理学部出身では
なく、元々、市販本で知っただけの人間ですが、それでも、後者の部類です。

そして、疑念を持ちながらも、「これはなぁ」と気になって来たものが調べることにより、一
つずつ真相が判明してきて、自分自身の抱いた「疑念」の気持ちをますます強固の存在
になってきているところです。
すなわち、「正しい派」の方達が「たくさん証拠がある(キリッ)」とされてきた「証拠」とやらの
正体が、近年、欧米で次々に暴露されてきているからです。
ただ、日本ではほとんどその事実が知られていないので、僭越ながら、「『騙され続け
る』負の連鎖を少しでも食い止めたいな
」という思いから、そういう自分が海外ネット
検索で知り得た情報をこのコーナーで報告しているところです。

前置きが長くなりましたが、また、そういう情報を入手しました。すでに報告したことと重な
るところもあり(それだけ既述情報の正しさを補填していると思います)が、更に詳しいこと
やこれまでは目にして来なかった情報もありましたので、紹介したく存じます(ちなみに、こ
の論文内には私が理解できないこともありましたが、客観性に欠ける感があり、それは避
けておきます)。

新たに見付けたのは、
Three major pieces of misinformation in Einstein's Theory of Relativity
という論文?です。左上に、Acta Scientiarum 21(4):789-794,1999 ISSN 1415-6814とあり
ました。Acta Scientiarumというのは、Open Journal Systems というサイトで、"Website
featuring journals published by the Publishing House of the State University of Maringá
Press-Eduem"とあり、大学出版部の運営するweb-siteのようです。
最終ページの最後に"received on September24,1999 /Accepted on November04,1999
という記載がありますので、若干、審査があるみたいですね。著者はRoberto A.Montiと
いうイタリアの科学者のようです。1999年のものですから、こういう動きは20世紀末から
既に出て来ていたんですねぇ。

冒頭で、いきなり

 It is time to make the three major pieces of misinformation
 commonly taught in schools and universities all over the
 world clear

 (世界中の学校・大学で共通に教えられてきた3つの誤情報を明確化する
  ときである)

と書いています。本論文に記載のある新たな歴史的事実情報を以下に示しておきます。
一つは、既に、ここここで触れた、Michelson-Morley experimentが実際は"null"結
果ではなかったこととそれを補填する形で行われたMiller experimentの影響、そして、
関連して行われたSagnyac experimentに関する歴史が触れられています。
Millerは当時、American Physical Societyの会長で強力な権限を持っていたそうで
す。そして、やはり、EinsteinはMiller experimentには危機感を抱いたようですね。既に述
べましたが、"Special Relativity"は"null result"を条件した理論でしたから、そうでないと
速攻で崩壊してしまうからです。そこで、Einsteinは最初は無視していたそうですが、やば
くなったためか、溢れるほどの電報・手紙でMillerに質問を送り、回答を求めたようですが、
MIllerは沈黙を保ったそうです。ここで触れましたが、この実験が示すようにMillerは反対
派の立場でした(同じアメリカ人のMichelsonもそうでしたし、またSagnyacも同じです)。
で、Einsteinは、1927年、勝手に

 suggested the idea of possible "sytematic errors" in Miller's experiment
 (Miller実験には「システムエラー」の可能性があると示唆した)

そうです。ここで触れましたが、Millerは「Einsteinは論文を読みもせずにあれこれ言って
いる」と不快感を示していたそうです。そこで触れましたように、"Relativity"にはノーベル
賞がなぜ授与されなかったかの理由の具体的背景は私には明白になりました。
抵触する実験を行って報告したMillerはなんと当時の米国物理界の最高権力者だったか
らなんですね。権力で抑え込もうとしたわけでなく、実験事実を突き付けたわけです。

更に以下で紹介することも含め、総合して考えて、私には大筋の歴史事実が読めてきま
した。
1905年にEinsteinが"Special Relativity"を世に出した時、Eddington、Max Born、Pauliなど
は早々と支持に回り、順に支持する学者も出てきたようでしたが、それでもまだ、科学界
には反対する主力学者がいたわけです。特に第二postulateには反対があったようで、そ
のためか、ここで示したように、科学者でなく利害関係もある論文編集者がMichelson-
Morley experimentを第二postulateの証拠だと思いついて広めたりした事実もあるようで
す。

Einsteinは1915年に続いて"General Relativity"を発表し、ここで述べたように、Einsteinの
「擁護者」であったEddingtonは自分自身の思惑もあって、"Einstein"の地位を確実にす
るチャンスとばかり、例の「日食観測」を行ったわけです。本当は「失敗」だったのですが、
一部の写真に都合がよいのがあり、彼はそれだけ恣意的に取り出して、"General Relati-
vity"の「証拠」であると大々的に発表、これに米国のジャーナリズムがのっかって、この
1919年に一挙にEinsteinの名声が上がったわけです。
しかしながら、Millerの実験報告はその後、1920年代でしたし、"Special Relativity"の方
はまだ「不動の地位」とはなっていなかったようです。

そこで、支持派(Einsiteinians)はどうしたか、本論文に記載がありました。
1919年の"General Relativity"の「成功」(実は、「捏造」された成功)により、これから
"Special Relativity"の「正しさ」を証明しようという動きが出てきました。
それは、元々、1904年に既にMichelsonがideaを出し(資金難で彼はそのとき出来なかった
そうですが)Sagnacが1913年に"ether"の証明実験という位置づけでおこなった"Sagnyac"
experimentをちゃっかり"Special Relativity"の証拠にすりかえようとしたのです。
1921年にEinsteiniansの一人であるLangevinという人が、まず

 Michelson-Morley experiment And Sagnac's experiment are
 "not comparable"

 (マイケルソン=モーリー実験とサニャック実験は「匹敵しない」)

と言い出し、

 the rotation of the platform causes, within the reference
 frame connected with rotating platform, exactly the
 spece-time variations

 (プラットフォームの回転は回転するプラットフォーム、厳密には
 時空変化に結び付けられた参照系で生じる)

というhypothesisを構築したそうです。ここに、今や、光学式ジャイロ(Optical Gyroscope)
として実用化されているSagnac's effectが"Relativity"の証拠扱いされてきた歴史の発端
があります。
しかしながら、

 @1925年Michelson-Gale experimentにより、Sagnac's experimentも地球に
  固定して働くことができることが判明したこと
 A1941年Dufour and Prunierにより光学回路部分が実験室固定ならLangevin
  の論拠は証拠にならないことが示されたこと
 B1999年E.J.Postにより、Michelson-Morley's experimentとSagnac's experiment
  が等価であることが証明されたこと


により、Langevinの主張は間違いであったことが判明しているようです。

今では大半の「正統派」の方達は、ほとんど知られていない"Michelson-Gale experiment"
共々"General Relativity"で説明できるという「解釈論」をとっていますが、某専門学者だ
けは"Special Relativity"で説明できると強弁してますけど、元になるLangevinのphypotesis
はもう1999年のBで完全崩壊していることを御存知なのでしょうか?
私が不思議で仕方がないのですが、"Sagnyac"experimentも"Michelson-Gale experiment"
も共に、実験者は元々の、"Michelson-Morley's experiment"は決して"null result"などで
はなく、決して"ether"の存在が否定されたわけではないことを更に明確化する目的でやら
れたものだということです。ということは、これらのexperimentは"Relativity"だけで説明で
きるものではないということです。"Relativity"を証明しようと目論んでなされた実験では決
してなかったという事実・・・どうして、これが"Relativity"の「証拠」などと言えるのでしょうか?
完全に「本末転倒」になっているのです。わかりませんか?

解釈論ではないとする数少ない実験も、例のヘイフリー and キーティング実験はここで述
べたように、捏造論文であることが生データを調べた学者により暴露されていますし、μ粒
子の実験については多くの人がおかしさを指摘しています。
ですから、どんどんメッキが剥がれて行っているところです。論争などしなくても、科学者が
メッキ剥がしをしてくれてきていますので、それをどんどん紹介するだけでよいと考えてい
ます。ここで引用したような歌が出てくること自体、最早、20世紀の前半から続いて来た「不
磨の大典」扱いの「基本原理」という地位に、少なくとも欧米では大きな陰りが見えて来てい
る証拠ではないかと思います。なぜなら、「正しい(キリッ)」なら"beleive"とか"Divine"などとい
うような、「宗教」的な言葉など"Einsteinians"が自ら出してくるはずがないからです。

話がずれてきましたが、Millerの件に関するその後の話がありました。
Millerは1941年に死亡しており、その後、第二次世界大戦の混乱期を経て、戦後になり、
Shakelandと言う人が1955年に新解析したとしてMillerの結論にけちつけたようですが、
既にこれも述べたように、1997年、Maurice Allaisとういう物理学者兼経済学者(ノーベ
ル経済学賞受賞者)の方が改めて再計算した方がいて、Millerの解析の正当性−すなわ
ち、"no null result"であったということ−の主張とこういう重大な実験結果を無視放置した
物理学界のあり方を大批判されています(日本では報道されなかったみたいですね(;一_一))

こういうことも、別項で述べたような、第二postulateを逃れようという学者が出てきている
裏事情の一つの気もしますね。

ところで、例のEddingtonですが、更に"General Relativity"を証拠づけようと"gravitation
redshift" of B Syrius実験をJ.Adamsという方と共同でやったそうですけど、失敗に終わっ
ているそうです。そうは問屋が卸さなかったわけですなぁ。

後、これは私のまだ知らなかった話・・・
あの有名なHubbleさんは、一貫して、

 refused, on the basis of his experimenta data, to accept the forced
 relativistic interpretation of the redshifts as a Doppler effect

 (彼の実験データに基づき、ドプラー効果としての赤方偏移の強制的な相対論的
  解釈を拒絶した)
そうです。そして、1947年秋にパロマ天文台に200-inch望遠鏡が建造された後に、

 the problem (of the red shifts) is essentially one for the 200-inch...
 it is well-known that a rapid receding light appears fainter than a
 similar, but stationary, light at the same momentary distance...the
 receding light appears abnormally faint ...if redshifts are evidence
 of acutual recession, the reduction of apparent brigtness should
 become appreciable near the limits of mesurement with the 100-inch
 and should be conspicuos near the limit of the 200-inch.
 At the very limit of direct photographs with the 200-inch, the
 factor should approach the order of 40 to 50 percent, and should
 be unmistakable

 (その問題(赤方偏移の)は本質的には200-inchに対するものである...
  よく知られているように「急速に後退する光は同じ瞬間の距離にある
  類似のしかしながら静止している光よりもぼんやり見える。...
  交代する光は異常にぼんやりしている...もし、赤方偏移が実際の
  後退の証拠であるなら、明らかな光度の減少が100-inchでの測定
  限界付近で感知されるはずであり、200-inchの限界付近ではっきり
  見えるはずである。
  200-inchの直接写真の限界において、ファクターは40〜50%オーダ
  に近づくはずであり、それはまぎれもないはずである。)

と言い、4年後の最初の実験結果は宇宙膨張に反する彼の意見を肯定するものだったと
か。1953年に新たな研究プログラムを計画したそうですが、その年に亡くなられたそうで、
彼の"antirelativistic"研究は彼の死と共に葬り去られたようです。

こうやって、歴史的事実を見ていますと、なぜか強力な反対者が亡くなると、それで一息
ついたかのように「安泰」時代が続いて来たような気がしてなりません。反対が「点」でし
かなかったのでしょうけど、なぜだったのか疑問に残ります。なぜなら、解決したわけでな
く不都合をその主張者がいなくなり、これ幸いとばかりに無視・放置してきただけという感
じがすごく伺えてしまうからです。

「いや、そんなことはない」と反論されるなら、その証拠をきちんと提示してもらいたいもの
です。そういう反論は見当てらないので「できないだろう」と判断しているところです。

この論文の最後の結論として、

 The real difficulty seems to be that Relativity is not a scientific
 question, but an academic subject.

 (現実の困難さは相対性理論が科学的問題ではなくアカデミー題目
 であるように見える)

とあります。更には、

 many scientist work in elementary particle to study the 10^-37s after
 an event(the BigBang) which never occurred.
 Againt this background the best sound scientific argumentation do not
 have much of an impact.
 But notwithstanding the present difficulties the scientific should
 prevail.

 (多くの科学者は、素粒子で、決して起きなかった出来事(ビッグバン)の後の
 10^-37sを研究する仕事に従事している。
 この背景に対して、もっともよいうるさい科学的議論は多くのインパクトを持た
 なかった。
 しかし、この現在の困難さにも係らず、科学的(議論)は功を奏するであろう)

全その通りですね。


もし、あの世があるなら、この方達は今、何考えているのでしょうか?

        Divine Albert and old "Einsteinians"(Eddington and Langevin)
        (photographs from wikipedia)

                             (’14/7)                           

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