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現代科学へのいちゃもん254
「特殊相対性理論」への疑念(全面改定版5)
〜知られざる歴史〜
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※疑問を抱いてから思考の紆余曲折を経て(17)まで書いてしまいましたが、重複・誤解・
後から得た知見などもあるため、本タイトル分は整理しての全面改定で再編成しました
('14/4)
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Einsteinの『特殊相対性理論(Special Relativity)』は既に示したように、1905年に
発表した論文、”ON THE ELECTRODYNAMICS OF MOVING BODIES”で提起
されたものです。そして、不思議だったんですが、確かに反対者はいましたけど、結構
早い時期に科学界の多くの支持を得たようです。但し、彼の相対性理論にはノーベル
賞はなぜか出ていないのも事実です。
さて、ずっと欲しかった歴史的情報ですが、海外サイト(ここ⇒ANTI-RELATIBITY)にあ
りました。ここで、紹介しておきます。
ローレンツは伝聞と違い、死ぬまで「数学トリックくさい」と疑っていたとか、ポアンカレー
は実証試験が進めば耐えられないだろうという趣旨の言葉を残しているなどの懐疑的
な学者の話は聞いていましたが、ここには反対した科学者・技術家・発明家などが記載
されています。以下に紹介しておきます。意外な方もいます。
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・Albert A. Michelson
あらら、「マイケルソン=モーリー」実験の方です。米国ノーベル賞最初の受賞者で、
President of the American Physical Society (1900), the American Association for
the Advancement of Science (1910-1911), the National Academy of Sciences
(1923-1927)で数々の賞を受賞されたようです。
Michelson never believed relativity to be a tenable theory
even to his death in 1931.
(Michelsonは1931年に死ぬまで決して相対性理論は維持続けられる理論で
あるとは信じなかった)
だそうです。
・Robert A. Millikan
「油滴の実験」で有名なミリカン。米国2番目のノーベル賞受賞者(1927)
“Einstein's photoelectric equation... cannot in my judgment be
looked upon at present as resting upon any sort of a satisfactory
theoretical foundation"
What we now call the photon was, in Millikan's view,
"[a] bold, not to say the reckless, hypothesis"
(「Einsteinの光電気方程式・・・私の判断では任意の種類の満足できる理論的基礎に
基づいてここで提示できるものではない。」
MIllikanの見解では、今や光子と呼ぶ何かは「大胆ではあるが無鉄砲ではない仮説
である)
・Louis Essen
原子時計発明と近代の確定した光速測定責任者だそうです。
“The Special Theory of Relativity: A Critical Analysis”?
"No one has attempted to refute my arguments, but I was warned
that if I persisted I was likely to spoil my career prospects.
…the continued acceptance and teaching of relativity hinders
the development of a rational extension of electromagnetic theory."
"Students are told that the theory must be accepted although
they cannot expect to understand it.
They are encouraged right at the beginning of their careers to
forsake science in favor of dogma.’"
(「特殊相対性理論:批判的解析」?
「誰も私の議論に反駁しようとしないが、私は、もし固執するなら、私のキャリア
展望をだいなしにする可能性があると警告を受けた。
・・・相対性理論の継続的受容と教育は電磁気理論の合理的範囲の発展を妨げる
「学生はたとえそれを理解することを望まなくても理論は受け入れられる必要があ
ると告げられた。
彼らは、キャリアの最初において、ドグマのために科学を放棄することの正当性
を鼓舞された」)
辛辣ですね。
・Ernest Rutherford
かの有名なラザフォードです。
When asked what he thought about relativity he exclaimed
"Oh, that stuff! We never bother with that in our work."
(彼は相対性理論についてどう思うかと尋ねられた時、
「お〜、くだらない!私たちは決して私たちの仕事において、それで邪魔させ
ないぞ」と叫んだ。)
・Herbert Ives
私は知らない方ですが、最初の有線画像伝送(1924)−テレビジョンの公開デモをさ
れた方だそうです。
“The 'principle' of the constancy of the velocity of light is
not merely 'ununderstandable', it is not supported by 'objective
matters of fact'; it is untenable, and, as we shall see, unnecessary
. . . . Also of philosophical import is that with the abandonment of
the 'principle' of the constancy of the velocity of light, the
geometries which have been based on it, with their fusion of space
and time, must be denied their claim to be a true description of
the physical world."
(「光速一定の『原理』は単に「理解不能」というだけでなく、「客観的
事実」により支持されない;それは、支持できないし、我々が見るよ
うに不必要である
・・・また、光速一定の原理の放棄、それに基づいた幾何学、空間・
時間の融合と共に、物理世界の真の描写であるという主張を否定
すべきことは哲学的に重要である」)
「光速一定」のpostulateに懐疑的だったようです。
・Nikola Tesla
天才テスラです。
"Supposing that the bodies act upon the surrounding space causing
curving of the same, it appears to my simple mind that the curved
spaces must react on the bodies, and producing the opposite effects,
straightening out the curves. Since action and reaction are coexistent,
it follows that the supposed curvature of space is entirely impossible
- But even if it existed it would not explain the motions of the bodies,
as observed."
"Today's scientists have substituted mathematics for experiments,
and they wander off through equation after equation, and eventually
build a structure which has no relation to reality. The scientists
from Franklin to Morse were clear thinkers and did not produce
erroneous theories. The scientists of today think deeply instead
of clearly.
One must be sane to think clearly, but one can think deeply and be
quite insane"
(「物体が周囲空間に同じ曲がりを生ずると仮定すると、単純な私
の心にとって曲がった空間は物体に反作用を及ぼさねばならず、
逆の効果、曲がりをまっすぐにすることを生じることは明らかで
ある。作用と反作用は共存するので、空間が曲がったままという
ことは完全に不可能である。
-しかしながら、たとえそれが存在したとしても、観測されたように
物体の運動を説明できないであろう。」
「今日の科学者は実験を数学で置き換え、方程式のち方程式でさま
よっていて結果的に、現実と無関係な構造を構築している。
FranklinからMorseまでの科学者は明らかに思考家であったが
誤った理論は出さなかった。今日の科学者は明確の代わりに深く
考える。人は明確に考える分別があらねばならないが、深く考えて
全くばかげていることにもなれるのである。」)
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テスラがはからずしも述べていますが、上記の方々を見ますと、皆、「実験」に携わって
いる方達ですねぇ。具体的な指摘内容までは書かれていないので不明ですが。
引用元がわからないのですけど、
Einstein,who had no qualms about abolishing the æther and still retaining
light waves whose properties were expressed by formulae that were
meaningless without it,who was the first to discard physics altogether
and propose a wholly mathematical theory...
(ætherを廃し、それを除いた無意味な式でその属性が表された光波をまだ
保持することになにもとがめを感じず、最初に物理学をすっかり捨て去り
完全な数学的理論を提示したEinstein)
Herbert Dingle, Science at the Cross-Roads.
(⇒ここにありました)と同様の思いだったのかなとも思われます。
私的には印象的だったのは、Louis Essen。この時測定された光速cは1957年のGeneral
Assembly of 12th the Radio-Scientific Unionで承認され、1983年のthe 17th Conférence
Générale des Poids et Mesuresで標準値(c=299,792.458 km/s)とされたそうです。
試験は地球系内で行われています。そういう方が反対者の一人だったんですね。
このサイトには記載はありませんけど、逆にどうやら、パウリとかエディントンとかは早い
時期から賛同者になったようですね
さて、このサイトにはもっと気になる歴史情報が述べられています。
その「気になる情報」は以下です。
@1900/1904年にポアンンカレーが既に"Thoey of Relativity"と名付けて
私案を公開していた
A[NOTE!!]1887年のマイケルソン=モーリーの実験結果は"NULL"(エー
テルが検出されなかった)ことにされているが、実際は"NO NULL"だっ
たのを誤って伝えられた。ただ、1905年にマイケルソンとミラーが再実験し、
正確に"NULL"だと訂正したようだが、その計算には誤りがあった。
その後、ミラーは1922〜1933年、条件・方向などを変えた200,000件の
データを採取、やはり"NO NULL"だったことで、エーテル検出として
1925年にAAAS(the Newcomb Cleveland Prize by the American
Association for the Advancement of Science)に提出
B1913年にGeorges Sagnac(サニャック)がサニャック効果の実験実施
C[NOTE!!]1930年代にEinsteinは自分の特殊相対性理論が「エーテルの
存在」をベースにした数学的解析であることを認め、"no ether" ideals
を撤回した。
近年、海外で「Einsteinはポアンカレーの研究を盗んだ」というような本が出ているそうで
すが、@からの話でしょうね。但し、Einsteinはローレンツ・ポアンカレーらの考察を取り
込みながら、「光速一定」というpostulateを入れた点は「独自のidea」でしょうから
「全て盗んだ」わけではないですけどね。ポアンカレーはad-hocな"Lorentz ether thory"
の確立に協力された方ですし。
特に気になるものの一つはAです。これまであまり気にもしていませんでしたが、実は
これは軽視できない重要な話なんですね。そもそも、マイケルソン=モーリーの実験結
果はローレンツらが「光速は静止エーテル(絶対静止系)に対して一定」という当時の
学界の考え方に基づいて「光を『そのエーテル内を通る波の運動』という概念で作った
理論による計算値に対して、測定値が極端に小さかった」というのが正確な事実なんで
すね。ですから、彼らのレポートには"NULL"という文字はなかったんですが、理論と合
わないほど小さい値だったゆえに"NULL"とされてしまい、ローレンツらも"NULL"として、
その後の展開をやったようです。ちなみに、当時の英国王立科学アカデミーの権威であ
るエディントンが"NULL"と発表したとか。
そもそも、マイケルソンはここで述べたようにLorentz
ら主流の考え方(「(透明物質のみ
の)エーテル引きずり説」)に反対でストークスの「完全引きずり説」支持者だったようで
すから、とにかくローレンツの理論による予測値よりかなり小さい値でしかなかったことを
強調していたのですからね。
問題は、長期に渡って事細かく行われたミラーの実験結果です。そしてこれはBに示し
たサニャックがなぜ実験したかにも繋がる話ですが、1900年代前半には、まだエーテル
自体の存在を信じておられる方がいたということです。Bのサニャックの実験も元々は
そのエーテルの実在性を証明するためになしたものだそうですだから、"no ether"
idealsでの特殊相対性理論の誤りを示す目的で試験装置を工夫してやり、彼自身は
「満足する結果を得た」と考えたようです。「えっ?あれっ?!」ですなぁ。今日では相対
性理論の正しさの証拠扱いされていますが・・・
で、ミラーの実験はさすが、Einsteinも危機感を感じたようですね。ミラーに言わせると、
「Einsteinは論文を見ないで、"NON NULL"の結果を『温度の影響だろう』と反論した」ら
しいです。ただ、多くの人は、Einsteinの相対性理論にノーベル賞が出なかったのはこの
ミラーの実験結果によるものだろうと信じているそうです。私はこれは知りませんでした。
ただ、ミラーはきちんと温度の影響も考慮していたのに、ミラーの死後、弟子が裏切り、
「温度の影響はあった」と述べたとかで、うやむやにされた感がしています。
さて、もう一つの問題はCです。こんな話、ほとんど誰も知らないのではないかな?
21世紀の今でも、
Einsteinはエーテルを否定("no ether" ideals)して特殊相対性理論を
構築した
と広く流布されていますから。もしこれが事実なら、どうして未だにこうなのでしょうか?
不思議ですね。実はこれには、事情があったようで、「その理論を理解できなかった誰
かが
theory mathematically based upon ether's effect on light could
describe an etherless environment
(光へのエーテルの影響に基づいてなされた数学理論がエーテルの無い
環境を記述できた)
と信じていて、それをEinsteinは知っていて、1930年代に"no ether" idealsを公式に撤回
したと書かれています。詳細が書かれていないので不明ですけど、私自身はここで述べ
たように、Einsteinの論文で出てくる
はローレンツらの「光速は静止エーテル系に対して一定」という概念からしか合理的に
は導出されないと考えていますので、そのことかもしれません。
しかし、そうなると、Einsteinの相対性理論というのは極めて奇妙なものとなりますね。
しかし、なぜ、Millerの200,000件もの実験結果とか、これが事実ならそういう話がうやむ
やにされてしまったのでしょうか?
そこに、一つの科学の限界と科学界の病巣を感じてしまったのは私だけでしょうか?
恐らく、「Millerの観測結果すなわち"NO NULL"(エーテルが検出された)を認めてしまう
とその頃の科学では理論的なものが出て来ない」という事情があったのではないかと・・・。
要するに、間違いなく
"Lorentz eher theory"もEinsteinの"Special Relativity"も共に
Michelson-Morley Experiment結果が"NULL"ということを条件
としたもの
ですから、
もし、結果が"NO NULL"であるとなると、採用されなかった
"Lorentz ether theory"ばかりか、Einsteinの"Special Relativity"
も両方とも"OUT"
となるのです。
私は、Millerの観測が「考えうるあらゆる条件」でなされ、200,000件もの結果であるとい
う点で信頼性は大すなわち真実だと考えます。不都合な結果に対してアカデミズム科
学がよく使う常套手段である「測定誤差とかで逃げられるもの」ではないと思います。
マイケルソンは一連の光に関する高精度測定などでノーベル賞授与されている方で、
この装置も二次オーダまで高精度に設計製作されたものだったそうです。そして、Miller
は1905年にそのマイケルソンモーリーと一緒に再実験を経験されているのです。
結局のところ、ローレンツらは、光とエーテルの関係を「古典的な媒質を通る光の運
動」理論で解析しようとしたことに諸悪の根源−誤り−があったのだろうと思うのです。
要するに、19世紀に考えられていたような「光を伝達するだけの媒体」というエーテル
は否定されたが、「エーテルの存在自体は否定されていない」ということです。
間違いなく、空間を"empty"または"vacuum"というのでは説明できないことが増えてい
るようです。
問題は「それがなんであるか?」でしょう。
(’14/4) (続く)
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