なぜこれが大きく問題化されないのでしょうか
〜エディントン(Eddington)のやったこと〜
私は、前に特殊相対性理論への疑念(全面改定版1)で、1919年のEddingtonによる日
食観測発表がsteinの"General Relativity"の証拠とされ、米国新聞・メディアで大々的
に報道されて、それによりEinsteinは一躍"American Hero"になったということ、しかる
にその発表された観測なるものは恣意的に一致するデータだけ用いたものであったと
こなどを二つのサイト記事を読んで書きました。
で、2〜3日前に海外サイトを当っていましたら、ある意見紹介があり、そのリンク先は
海外雑誌サイトの中の一つの概要(article and intoroduction)紹介でした。
そのサイトは"Infinete Energy Magazine"という雑誌サイト、そしてその記事のアドレス
とタイトルはthe Greatest Haox in 20th Century Scienceです。
ふと気がついて、自分の前のarticle見ましたら、やはりそうでした。この雑誌は前に、
New Inquisition(新しい異端審問)で紹介したEugene F. Malloveという方(この方は元・
MIT NEWSのチーフ科学ライタでしたが、MIT NEWSが間違った詐欺的役割を果たした
として1991年に抗議の辞任をしている方、詳細は前article参照)が発行している雑誌
ですね。雑誌の中身は知りませんが、日本的には異端的科学雑誌かもしれません。
話がそれてしまいましたが、表題は要するに「20世紀科学における最大のデッチ
あげ」という意味で、その対象は冒頭で述べたEddingtonの日食観測のことでした。
この著者の素性が不明だったので、検索してみたもののよくわからないままですけど、
内容的に同じ著者によるものと思われる、別サイトの投稿記事を見つけました。それ
はAlbert Einstein: Plagiarist of the Century?というタイトル記事(Plagiaristとは「盗作
者」の意味)というもので、この中にも"The Eclipse of 1919"という項でもう少し詳細な
説明がなされていました。(以下、下線や色付けは下名の勝手にしたものです。また、
下手な和訳は省略しましたm(__)m)。
さて、驚くべきことなのですが、この著者は米国の「市販科学雑誌」の中で、
To this day, this completely manufactured data set is quoted
by prominent scientists and the organs of publication.
It surpasses the Piltdown Fraud—an attempt by a “charlatan”
to fool anthropologists into thinking they had found the
“missing” link—as the greatest hoax of twentieth and
twenty-first century science.
(今日まで、完全にでっちあげられたデータセットが著名な科学者や
出版機関により引用されている。それは、20世紀と21世紀科学の最
大のでっちあげとして、ピルトダウン人−人類学者を「"missing" link
(不足している繋がり)」を発見したと思わせた「いかさま師」による
試み−を越えるものである)
とこきおろし、更には
Hero worship may seem harmless to some, but in the case of
Einstein it has had disastrous consequences for the scientific
community.
(英雄崇拝はあることに対しては害がないように見えるが、Einsteinの
場合は、科学社会に対して大きな損害をもたらした)
とまで主張されています(Hero=Einsteinです)。単にウェブサイトだけでなく・・・
ちなみに、 "Piltdown Fraud"は「進化論」が世に出てきた頃、これを信じた一学生
がでっちあげ、40年もの間、「進化論」の証拠として信じられ当時の教科書に掲載さ
れ続けていたという有名な「ピルトダウン人」捏造事件のことです。
さらに引用を続けますと、
It is almost unimaginable to ponder just how bad “reputable”
scientists are when it comes to understanding the limitations
of scientific instruments, the limits of the physical conditions
under which data is collected, and a complete lack of under-
standing of the logic behind the various predictions for the
deflection of light.
These scientists don’t appear to understand what the scien-
tific method is or how to apply it.
(科学的手法の限界、データが集められる物理的条件の制限、光の
偏向に対する種々の予測の裏にあるロジックの理解の完全な欠如
を理解するとき、「立派な」科学者がいかに悪くなるかを考える
ことは、ほとんど想像もつかないことである。)
と慨嘆されています。
前にこのEddingtonの恣意的行為の話に接したとき、一つの謎を感じたのは、なぜ
1919年と言う初期の時代(1905年のSpecial Relativity発表からまだ14年、1915年の
General Relativity発表からわずか4年)にここまで恣意的だと当時も批判されたとい
うようなことをEddingtonはしたのだろうかということでした。
これについては、次のような記載がされています。
Arthur Eddington traveled to Principe, Africa with the express
purpose of proving Einstein right.
Prior to that, he was an advocate for Einstein, due, in part,
to the fact that both men shared the same political beliefs,
Pacifism.
In his zeal to be both peacemaker and kingmaker (Eddington
wanted to be known as the man who discovered Einstein),
Eddington engaged in corruption and derogation of the
scientific data, the scientific method, and much of the
scientific community.
(Arthur EddingtonはEinsteinの正当性を証明する明確な目的で中央
アフリカを旅した。
それに先立ち、彼は、いくぶんか、両者は同じ政治的信念、平和主義
であったという事実により、Einsteinの擁護者であった。
彼のピースメーカとキングメーカ(EddingtonはEinsteinを発見した
人として知られるのを望んだ)であることへの熱意で、Eddingtonは
科学的データ、科学的手法と科学社会の多くの腐敗と堕落に従事し
た)
要するに、Eddingtonは単なる理論の支持者などではなく、政治的信条を共用する
ことによるEinsteinの同胞的擁護者だったことと、それゆえ、Einsteinを"Scientic
Hero"として売り出し、自身はそのHero発掘者という名誉を担おうという目的でなさ
れた"The Greatest Haox in 20th Century Science"だと断罪しています。
なるほど、これが真相なら確かに筋が通っていますね。
後者のサイトの"The Eclipse of 1919"に示されたEddingtonの発言引用を見ると、こ
の観測と言うのは、「提案された理論が正しいか間違っているか」を調査する科学
的公平な意図でなされたものではなく、「なんとしてでも正しさの証拠を掴もう」と
いう意図であったことを如実に示しているものですね。勿論、そういうのが絶対駄目
とまで私は断言するつもりは毛頭ないのですけど、一番の問題は、そこにはどうして
も都合よく見てしまう「恣意性」が科学者と言えど人間故に出て来てしまうという問題
を含蓄しているのです。そして、このEddingtonの観測報告にまさにそういうものが含
まれているのです。
この観測結果に関しては、 Poor (1930), Brown (1967), Clark (1984), McCausland
(2001)らが言及しているそうです。
Clark (1984)によるEddington自身の発言引用を示しますと、
"May 29 began with heavy rain, which stopped only about noon.
Not until 1.30 pm when the eclipse had already begun did the
party get its first glimpse of the sun: 'We had to carry out our
programme of photographs on faith..."'
"It looked as though the effort, so far as the Principe expedition
was concerned, might have been abortive"
"We developed the photographs, two each night for six nights
after the eclipse... The cloudy weather upset my plans and
I had to treat the measures in a different way from what I
intended; consequently I have not been able to make any
preliminary announcement of the result"
(3月29日、豪雨、ほぼ午後までにはやんだ。
日食が既に始まっていた午後1:30までは、一行は太陽の最初のきらめき
を見ることができなかった:「我々は信念で我々の撮影計画を行うべき
であった。...」
「努力にもかかわらず、Principe探検隊に関する限り、失敗しつつある
ように見えた。」
「我々は、日食の後、6夜の各々の夜、写真を現像した...曇りは私の計
画をだいなしにし、私は目論んでいたのと異なった方法でその測定を取
り扱うべきであった:結果的に、私はその結果のいくつかの予備的公表
ができなかった」)
どうですか?Eddington自身が自ら吐露しているように、こんな散々な状況下のもの
で「証明された」と発表した事実。驚くべきことです。また、
Poor did, and he completely repudiated the findings of Eddington.
(Poorはやり、Edingtonの発見を完全に拒否した)
(Poorは反対した科学者)と述べ、
The absurdity of the data collected during the Eclipse of 1919
was demonstrated by Poor (1930), who pointed out that 85% of
the data were discarded from the South American eclipse due
to "accidental error", i.e., it contradicted Einstein's scale
constant. By a strange coincidence, the 15% of the "good" data
were consistent with Einstein's scale constant.
Somehow, the stars that did not conform to Einstein's theories
conveniently got temporarily shelved-and the myth began
(1919年の日食で集められたデータの不条理はそのデータの85%が
「偶発的誤り」による南アメリカの日食から捨てられたものである
すなわち、それはEinsteinの宇宙定数と矛盾していると指摘したPoor
(1930)により証明された。奇妙な一致により、15%の「よい」データが
Einsteinの宇宙定数と一致していた。
どういうものか、、Einsteinの理論に適合しない星は一時、便宜的に
握りつぶされ、神話が始まった)
と言及しています。
また、Brown (1967)によればとして、
Eddington could not wait to get out to the world community that
Einstein's theory was confirmed. What Eddington based this on
was a premature assessment of the photographic plates.
Initially, stars did "appear" to bend as they should, as
required by Einstein, but then, according to Brown, the
unexpected happened: several stars were then observed to bend
in a direction transverse to the expected direction and still
others to bend in a direction opposite to that predicted by
relativity.
(Eddingtonは、世界社会に対して、Einstein理論が確定することが
知れ渡るのを待てなかった。Eddingtonがこれをベースにしたもの
は写真乾板の早計な評価であった。最初に、星は、彼らがそうした、
Einsteinによって要求されたように曲げられて「見えた」が、そのと
き、Brownによれば、予期せぬことが起きた:いくつかの星は、期待
された方向と交差する方向に曲げられ、他のものは、相対性理論に
よって予言されたものと反対方向に観測された。)
と述べています。
更にもう一つ、
As pointed out in a 2002 Internet article by the British
Institute of Precise Physics, the cap cameras used in the
expeditions were accurate to only 1/25th of a degree.
This meant that just for the cap camera uncertainty alone,
Eddington was reading values over 200 times too precise.
(2002年のBritish Institute of Precise Physicsによるインターネット
記事により指摘されているように、遠征隊で使用された蓋つきカメ
ラはただ1/25°の精度であった。このことは、蓋つきカメラの不正
確さだけで、Eddingtonは200倍を超える値を正確に読んでいたこと
になる)
という指摘もされています。
そして、McCausland (2001)はthe former Editor of Nature, Sir John Maddoxの次の
発言を引用しているそうです。
"They [Crommelin and Eddington] were bent on measuring
the deflection of light…"
"What is not so well documented is that the measurements
in 1919 were not particularly accurate"
"In spite of the fact that experimental evidence for
relativity seems to have been very flimsy in 1919,
Einstein's enormous fame has remained intact and his theory
has ever since been held to be one of the highest
achievements of human thought"
(「彼ら [Crommelin and Eddington] は光の偏向の測定について
曲げたのである...」
「そんなにうまく実証されなかったことは、1919年の測定が特に
厳密ではなかったということである」
「相対性理論の実験的証拠は1919年に非常にもろいようであると
言う事実にも拘らず、Einsteinの莫大な名声がそのまま残り、彼
の理論が、それ以来、人類の思考の最高の成功の一つとして保
持されてきた」)
私は、『背信の科学者たち』(ここで引用しました)とか、元・ロンドン天文台長の慨嘆
を思い出しました。もし、これらが真実なら、Eddingtonは世界の科学に対して重大な
裏切り行為をしたことになります。このサイト記事の著者は、
Eddington ceased to be a scientist and, instead, became
an advocate for Einstein
(Eddingtonは科学者であることをやめ、代わりにEinsteinの擁護
者となった)
とまで決めつけられていますが、私もそんな気になっています。
更に、McCauslandの引用がされていますのでこれも引用しておきます。
McCausland stated that "In the author's opinion, the confident
announcement of the decisive confirmation of Einstein's general
theory in November 1919 was not a triumph of science, as it is
often portrayed, but one of the most unfortunate incidents in
the history of 20th-century science".
(McCauslandは「著者の意見では、1919年11月のEinsteinの一般相対性
理論の決定的確証の大胆な告知は、それがしばしば描かれて来たよう
な科学の勝利ではなく、20世紀科学史における最も不幸な事件の一つ
である)
こういう暴露話が海外では公然と科学雑誌などで語られるようになってきています。
この件について日本の科学アカデミーは御存知ないのでしょうか?それとも、知っ
ていて無視し、しら〜ん顔で「証拠」として今でも教科書に掲載しるのでしょうか?
はたまた、頭からこんなものは「云いがかり」「でっちあげ」だと決めつけてしまって
おられるのでしょうか?
ま、こうやって、「不都合」ゆえに、隠されてそっとしてきたことが暴露されてきても
ここ、ここ、ここ
で指摘したように、「それがどうした。そんなものどうでもいいのだ。
理論には揺るぎなどはない(キリッ)」とEinsteniansの方々は嘯かれるでしょうけどね。
ただ、数少ない「直接証拠」だとされるものが今後も順に暴かれていくのではないか
と思えてなりません。
"General Relativity"と表裏一体みたいになっているmain stream宇宙論、これまで
も観測結果のたびに綻びが出るため、専門学者さんらは一生懸命、余分なものを
追加してまで綻びの取り繕いに必死になってきたようですけど、どんどん追いつめら
れてきてるようですねぇ。「数学理論」に合わせるために、blackhole、dark-matter、
そしてdark-energyなる多くのhypothesisを追加して綻びの取り繕いをしてきました
が、最近の観測では、理論的にdark-matterがあらねばならない場所でそれが観測
できなかったとか、とうとう、BlackHole学者であるあのHawkingが「光の出て来ない
BlackHoleは存在しない」などと言い出したり、英国で開催された学会で「ダークマ
ターはないかもしれない」という研究報告がなされたり、NASAが公開した天体写真
が今のmain stream宇宙論では説明つかないなどで衝撃を受けているとか。
尚、こういう情報は、日本のサイト(⇒In Deep)にありました。
"BigBan"と二人三脚になっている"General Relativity"も危うしというのが欧米の状
況なのかもしれません(井口博士のブログ記事通りの感がしますね。で、日本だけ
は未だ「裸の王様」状態になっている気がしてなりません。)
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(追加)
そういえば、Michelsonの論文には"NULL"という言及はありませんが、Eddingtonが
勝手にそういう発表をしたという指摘をどこかで目にしました。
(’14/7)
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