"A Modern Day Galileo"という方・・・
Halton Arp(ホルトン・アープ)という方がおられます。
日本でも「反ビッグバン宇宙論」の方なら御存知だろうと思います。私は以前買ったあ
る本(所謂「とんでも本ですが)でこの方の存在を知りました。日本語Wikipediaにもあり
ます(⇒ここ)。
但し、日本語版は英語版(⇒ここ)よりちょっと古い・・・
日本語版は更新されていませんが、惜しくも、昨年(2013年)12月にお亡くなりになって
います(享年86歳)。ハーバード大学卒業後、カルテックで博士号を取得された米国人
天文学者ですが、1983年、ドイツに渡られ、生涯、マックスボルン研究所で研究生活を
送られました。
で、たまたま、海外サイトを調べていましたら、"Halton Arp,a Modern Day Galileo"
という記述を目にしました。
御存知のように、この方は、「反ビッグバン学者」で、「redshiftはdoppler効果によるも
の」としてそれを一つの根拠とし、今や「宇宙論」の"main stream"になっている「ビッグ
バン宇宙論(Bigbang cosmology)を脅かす天体写真を発表したが、米国の権威筋から
非論理的理由(「redshiftはdoppler効果によるもの」という決めつけに反しているから
判断間違いだという非科学的な不合理的理由)でけちがつけられうやむやにされてし
まい、挙句の果てには目ざわりとばかり、天体望遠鏡の使用を禁止されてしまい、実
質的に米国での天文学者としての息の音を止められるという大きな迫害を受けてしま
われました。
その写真を見ましたが、ごく素直に何も先入観なしで見るなら、Arpの主張は正です。
しかし、「それが真理なら非常に困ってしまう=redshiftが宇宙膨張の証拠ではなく
なってしまう⇒ビッグバン宇宙論のわずか二つしかない根拠の一角が崩れる」ため、
絶対的根拠もなく、米国の天文学会はその写真解釈を否定したのです。
要するに、権力で「狂信的反証回避策」をとったわけです。これこそ、ポパーが批判し
た姿ではないでしょうか?まさに、私がここで示した通り、ネットで嘯かれている科学
のあり方は伝説でしかないことを露出したのでした。
これはまさに、「地動説」を唱えて、main streamであった「天動説」の学界&教会から
迫害を受けたガリレオ・ガリレイの場合と同じ構図であり、前述の呼称はまさに言い
得て妙ですね。特に、「ビッグバン宇宙論」というのはその構図がまさに、「現代の天
動説」ですから。なぜなら、「天動説」は「仮想的な『周天円』」でつじつまあわせをし
ていた(ここで述べたように、当初はそういう姿の天動説の方が、まだ草創期であっ
た地動説よりうまく観測結果の説明ができた)のと同様、「ビッグバン宇宙論」は理論
本体("Hard core")を守るために、周辺理論(sorrounding"protective belt")として、
ブラックホール、ダークマター、ダークエネルギー等つじつまあわせのために次々
にあまりにad-hocな魅力的な周辺hypothesisを入れており、全く同じ構図(というか、
もっとひどい)ですからね("Hard core","protective belt"についてはここ参照)
ま、「ビッグバン宇宙論」は米国生まれ(ガモフが提唱)のmain stream理論であるこ
ともそのような事態になった理由の一つであろうと思います。ネットによれば、同じ
く米国生まれのmain stream理論の「プレートテクトニクス」も同じような構図(他の
学説は一切rejectされてしまうとか)ですからねぇ。
なぜか、特に、日本アカデミズム物理学は米国完全追従の感じがありますから、
日本のアカデミズム天文学・宇宙物理学が完全に「ビッグバン宇宙論」一本、アカ
デミズム地震学が「プレートテクトニクス」一本なのは必然的なんでしょうね。
大変失礼ながら、「米国物理学権威筋」は彼らにとっては「おおおかみ」の存在な
んでしょうね。
で、日本の学者及びビッグバン信者の方達は、不都合なのか、これについては無
視を決め込んでいます。以前、一人だけ、弁解のようなことを書いていた人を見か
けましたが、説得力ゼロでした。
ま、Arp博士は幸いと言うか、欧州にはまだ世界的に少数派ですけど、ノーベル賞
受賞プラズマ物理学者のAlfven博士が創設した「プラズマ宇宙論」が一定の勢力
を持っており、その筋の招きでドイツに渡ったようです。
どうやら、前述の称号はそういう組織の方達の発言のようです。
(以下、下線・色付けは私が勝手につけたものです)
そういう"Halton Arp,a Modern Day Galileo"という称号の記載のあるweb articleの
一つ(⇒Big Bang Broken And Can't Be Fixed )によれば、
In a paper on galaxy clusters, written in collaboration with
amateur astronomer David G. Russell and published in the
Astrophysical Journal of March 10, 2001, Arp and Russell add
more than 15 new cluster/active galaxy associations to the
list Arp has been gathering for three decades.
とあり、ドイツに渡ってからも精力的にnew cluster/active galaxyを観測撮影され
ていたようですね。ちなみに記事にはArp博士に関するreferenceとして、二つあり
ます。
そもそも、この記事は"Thunderbolts.info"という「プラズマ宇宙論学者」組織の方
の投稿ですから、上側のリンクはそこのサイトのものです。
Halton Arp, A Modern Day Galileo: For his discoveries, he was
denied telescope time, and now must carry on his research in
Germany. But Halton Arp's continuing research will forever
change the direction of astronomy.
(⇒Link)
Halton Arp's Website: Technical articles are available about
quasars and galaxies and black holes, plus articles in which
Halton Arp shares personal experiences about what it is like
being a maverick in astronomy (A Symposium on Active
Galactic Nuclei -- One Astronomer's View and Working With
Fred Hoyle).
(⇒Link)
ちなみに、誤解を招くといけないので、あえて書きますが、この記事はわざわざ「プラ
ズマ宇宙論」から辿ったわけではなく、ふと思いついてHalton Arpで検索し、たまたま、
abstractにこの"A Modern Day Galileo"というワードを発見し、これで再検索したら、
最初の方にこのサイトが出てきたというだけです。私自身は、市井の一般人ですし、
「○○理論信者」などという立場にはありません。本コーナーはそもそも"Relativity"
への疑念から開設したものであり、その中で、次々に、現在の"main stream"理論へ
の疑念が湧いて来たというだけです。ただ、あちこち手を出すほど知見も根気もなく、
宇宙論については、ずっと以前にここで簡単な疑念を書いただけで、やっとここを書
いた後に、「プラズマ宇宙論」ってどんなん?とネットで調べるようになったというだけ
です。ただ、この論に集う学者の基本的スタンスは私が本コーナーで一貫して主張
しているのと一致しているのでそのスタンスはおおいに支持しているところです。
そこには、本来の「自然科学」に対するあるべき姿が伺えるからです。
ところで、そして、昔も今も、フレッド・ホイル博士が書いているように
これらの進展に貢献した科学者各人の称賛に値する業績は
偉大であり、その名は永く刻まれるようになっている。
科学者たちが大進展の主役になりたいと野心を持つのは当
然である。ある者はその才能により成功し、ある者は幸運に
恵まれ、さらにある者はけしからんことに作り話で成功を収
めた。そのやり方は、何もないのに大進展があったかのよう
に振る舞うのである。
(⇒In Deepブログから勝手に引用させていただきましたm(__)m)
この「けしからんことに・・・」は勿論、ビッグバン宇宙論と創始者ガモフ博士のことで
しょう。しかし、まだ彼らはやってます。COBEの写真でノーベル賞獲得していますが、
反対している学者は多いそうです。そして、つい最近、また、米国学者ですけど「重
力波の痕跡を捉えた」と発表しましたが、どうやら間違いであることが強くなっている
そうです。
ま、古今到来、「不合理」状態が永遠に継続した試しはありません。将来笑われ者
になる・子孫が肩身の狭い思いをするようになる可能性大のような振る舞いだけは
止めていただきたいものです。
恐らくは、将来、「間違って与えられたノーベル賞」リストに「ロボトミー」と共にいの
一番に乗ると思いますよ。<COBE写真の解釈証拠論
ちなみに、"main stream"である「ビッグバン宇宙論」の本土の米国天文学界はめざ
わりだったArp博士を結果的に追放してしまって、不都合な証拠写真を握り潰してし
まいましたけど、上記サイトBig Bang Broken And Can't Be Fixed の記事によれば
ビッグバン宇宙論ではありえないはずの説明できないくらい「若すぎる」(90億年、
ビッグバンから60億年後)galaxy clustersが発見されているそうです。(写真を転載
しておきます)。さて、彼らは、どのようにまた取り繕いをするのでしょうかねぇ・・・
大変失礼ながら、その場限りの対処療法的なad-hocなつじつま合わせを思いつい
て勝利宣言するのでしょうか?
(’14/7)
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