ニコラ・テスラ〜なぜ不当な扱い(6)(’17/12)

〜隠された発見とTeslaの実験研究課程の詳細@〜

本コーナでは、既に、ニコラ・テスラ(以後、Nikola TeslaまたはTeslaと表記します)については、ニコラ・テスラ〜なぜ不当な
扱い(1)
ニコラ・テスラ〜なぜ不当な扱い(5)及びNikola Tesla〜哲学と目指したこと@Nikola Tesla〜哲学と目指したこ
とB
という計8本の記事をしたためてきましたが、それは、Nikola Teslaが現代文明を担っている「多相交流」の偉大なる発
明者であるということがアメリカでさえ、物理学者と電気技師以外の一般下々にはほとんど知られていない
−エジソンを電
気の父と誤った教育・宣伝・伝聞がなされていて、かのスミソニアン博物館さえそういう誤解を招くような説明展示がなされ
ている(Teslaにはまるで言及していない)−ことの不当性(ここにも、科学界がいかに真の科学史をきちんと伝えてこなかった
かが如実に現れていることへの一貫した私の怒り)を訴えたかったことと、「謎の人」扱いになっているNikola Teslaの実像に
興味があって海外サイトをネット検索調査して得た驚くべき隠されてきた情報を示したかったことによります。

Teslaを"Mad Scientist"扱いして中傷し、こうやって、彼に言及すること自体、「とんでも」扱いされてしまう気がしますけど、
殊更そういう中傷罵倒をされる方たちは、私に言わせてもらうなら、単に「自己知識の全能化」(国内サイトにあった「日本人
の気質:自己知識の全能化」
を勝手に使わせていただきましたm(__)m)に陥っていて、学校で習ったこと、教科書に書かれて
いることに何も疑問を抱かず、大変失礼ながら「感受性」に欠けていると思っています。少なくとも、『科学は客観的である』
などというのは『神話』にすぎないこと、すなわち、古今東西、「科学界」というのは決して「客観的世界」などではなく、科学
者といえど「一人間」にすぎないゆえに実際には極めて『主観的な世界』であることに気が付くなら、自分が知らないこと・理
解できないこと・アカデミズム科学界が否定していることを簡単に「とんでも」扱いできないこと−それをいかにも正当である
かのように吹聴することがいかに愚かなことであるか−に気が付くと思っています。そして、そういう極めて人間的な愚かな
感情が、偶々運よく支持理解されて世に現れ出でてきたもの以外、本来は「人類の幸福」にとって多大な貢献に結びつくよ
うな多くの発見を闇に葬り去ってきたことに気が付いていただきいと思っています。少なくとも「科学好き」であるなら、もっと
こうやって闇に葬り去られてきた「知らないこと」に多感になって欲しいと思っています。学校で習ったこととかメディア・プレス
による表の情報だけで満足していてはなりません。私は、還暦の時に、そのことに気が付き、後世の学者の教科書とかmedia
&pressの情報ではなく、真の科学史とかその理論・論文のオリジナルを求めるようになり、それゆえ、こういう考え方を強め
ることになりました。本当に驚くばかりであり、本コーナではそういうものを引用紹介してきています。
Nikola Teslaもそうやって、不当な評価をされ闇に葬り去られた科学者の一人だと強く感じているゆえに、彼に関する記事を
多くしたためてきています。

さて、前回の記事、ニコラ・テスラ〜なぜ不当な扱い(5)は、海外サイトの記事から引用したものとネット上で見つけた1892年
のTeslaの講演予稿集(論文より先に出されたもののようです)を元にしたためたものでしたが、前者は抜粋的であり、実は恥
ずかしながら後者を読んでもいまいち凡才の私には理解できないところが気にはなっていたものの多々ありました。そうい
う状態が私をしてイラつかせていたのですが、やはり気になって更に調べてみました。

実は、前にちょこと名前だけ紹介したGerry Vassilatosという方の著、"The Secret of Cold War Techonology"という本
のPDF版(アドレス失念してしまいましたm(__)m)が海外サイトに置いてあり、いいのかなと思いながらDLだけしてありました
のを読む気になりました。
その長い前書き("Prolog"とあります)には直接Nikola Teslaへの言及がなされていないのですけど、それに続くChapter1が
"Nikola Tesla and Radiant Energy"となって、どうやら、私が見たサイト記事の種本がこれであることが読んでわかりま
した。尚、海外サイト記事The True Story of Tesla’s Greatest Discovery Radiant MatterにもこのChapter1のNikola Tesla
に関するものがまるまるフルコピーされています。本のpdfでなく著者に少し触れているので、興味のある方はこちらを読ん
でいただくのがベターかもしれません。この本のPDFには出版年月が記載されていませんが、調べてみたらどうやら初版は
1998年発行だそうです。私はそのタイトルゆえにもう少し古いものと思い違いをしていました(^^;。

ちなみに、この"The Secret of Cold War Techonology"という本は、"HAARP"に関して多く出されていた陰謀論者の本に対
して、それらは「科学的でも学究的でもなく、自分の思いから出ただけのものである」と批判し、"HAARP"開発に至った技術
的いきさつに焦点をあてて考察したもののようですが、本稿の趣旨とは異なりますので、本稿ではそれに関しては言及しま
せん。

Chapter1の前書きの冒頭で、Gerry Vassilatosは、

 Deep in the heart of many conspiratist topics sits a desperate desire to rediscover the lost
 magic of Nature.It was with this lost magic, this qualitatively accessed communion with Nature,
 that late Victorian researchers were all too familiar. Their numerous accounts cannot often be
 rationalized against the wall of academic regulation which prides itself in explaining all natural
 phenomena thorough simple mechanisms, the reductions of natural phenomena to meaningless
 force-chains. But even the journals of that day reveal a scientific world absolutely awash in
 discoveries and anomalous phenomena, portraying energies and dynamics which defy mechanistic
 explanation. The lost magic of vital energy! Developments which came with our present century
 represent empirical discoveries which yet have no theoretical precedent. In the very midst of
 that marvelous Epoch stand several personages who must forever remain as legends of
 Qualitative Science. One of these is Nikola Tesla.

 (多くの陰謀論者の話題の中心の深くには、失われた自然の魔術を再発見することへの絶望的な要望が居座って
 いる。ビクトリア王朝末期の研究者が皆、非常に精通していたのは、この失われた自然の魔術、この自然との質的
 に接近した交わりであった。それらの多くの説明は、しばしば、簡単な機構で全ての自然現象を説明すること、自
 然現象を無意味な力の鎖に還元すること自体にプライドを持っているアカデミック規律の壁に対抗して正当化され
 ることができなかった。しかしながら、その当時の機関紙でさえ、科学世界は、力学的説明を否定するエネルギー
 と動力学を演じている発見と異例の現象において完全に波にもまれていることを暴露している。失われた生命力
 の魔術だ!我々の今世紀とともにやってきた発展は、まだ理論的な先例を有していない実験的発見を意味してい
 る。その驚くべき新世代のまさに中心に、質的科学の伝説的人物として永久に残すべき複数の偉人が立っている。
 これらの一人はNikola Teslaである
)

と書いています。"Developments which came with our present century represent empirical discoveries
 which yet have no theoretical precedent
"というのはまさに私が本コーナで主張していることに通じています。

彼は更に、

 Every professional Tesla aficionado secretly knows that Tesla electrical energies were more like
 luminous beams of gaseous light than radiowaves or electrified particles. What they do not know
 is how he produced the energies.

 (すべての専門的なテスラの熱狂的ファンは秘密裏に、テスラの電気エネルギーは電波又は荷電粒子よりずっと気
 体の光学ビームに似ていたことを知っている。彼らが知らないことは、どのようにして彼がそのエネルギーを作り出
 したかである。
)(※1)

と述べて、"Teslian Technology"(テスラ技術)の核心に触れることを最初にほのめかし、また、

 This simple but profound process represents a most fundamental natural principle which could
 never have been predicted. Having been the result of accidental empirical discovery, so few
 suspect it can exist. However basic and simple, Tesla Technology contains the secret of a power
 revolution which each knows would have changed the world

 (この単純であるが深遠なプロセスは、決して予測できてこなかった最も基本的な自然原理を表わしている。
 偶然の実験的発見の結果であり、ほとんどの人はそれが存在できるだろうとは思わない。数学的にがっちりしてい
 るモデルの盲目的威光は、単に、他の現実が存在できるあるいは存在することに気づくことを阻害しているだけ
 ある。しかしながら、基本的に単純に、テスラ技術は、世界を変えたであろうめいめいが知っているパワー革命
 秘密を含んでいる。
)(※2)

と、テスラの発見の重要性と、それが科学界からないがしろにされてきたことを批判的に述べられています。
ここにも、"The blinding influence of mathematically precise models serves only to block awareness
that other realities can or do exist
"とまさに私が主張し続けていることに通じる指摘がなされていました。

では、Gerry Vassilatosはどこからこの本で述べていることを知ったのでしょうか?本文では、

  The most diligent examination of Tesla lectures and other lost Tesla publications, coupled with
  access to corroborative experimental work which vindicates most of tesla’s own findings, has
  made the following chapter possible.

 (テスラの講演と他の失われたテスラの出版物の、テスラ自身の発見の大部分を証明する確証的な実験的仕事
 へのアクセスと結びつけての、最大の熱心さでの精査が次の章を可能にした。
)

と書かれているだけです。海外ネット上に著者のGerry Vassilatosは一体全体この情報をどこから入手したのだろうかとい
う問いかけでの議論サイトがありました。公開されているNikola Tesla自身の著や彼が取得している特許からだけではわか
らない詳細な結果やNikola Teslaの考察過程が示されているゆえです。「彼は〜と信じた」というように、本人自身が書いた
非公開のものないしは本人から聞いた方が書いたのを見ないと書けないような表現もあるのです。
ただ、上記の、"The True Story of Tesla’s Greatest Discovery Radiant Matter"という記事には、前回示したような説明が
ありました。そのまま引用しておきます。

 Gerry Vassilatos does not quote sources for this work which lead many to question where he
 got the knowledge, did he simply channel it from the aether or spirits?

 The answer is not so exotic. Vassilatos was know to be a researcher of epic scope and
 thoroughness. Before the New York Public Library was drained, neutered and outright robbed
 of it’s old work Vassilatos combed through it’s halls and extracted tomes of works not known
 anywhere else. Documents in middle english that used the old notation system from the 1700's
 still remained and works now long banned and archived away graced his eyes.

 (Gerry Vassilatosはこの仕事のために、彼がその知識をどこで得たかという疑問に多くの人を導くソースを引用
 しなかった。彼はそれを、単純に、エーテルまたは精神から導いたのであろうか?

 その答えはそれほどエキゾチックではない。Vassilatosは抒情詩的視野と完璧さの研究者として知られていた。
 NewYorkの公立図書館がその古い仕事について失われ去勢されあからさまに奪い取る前、Vassilatosは会館中
 をくまなく探索し、他のどこでも知られていない仕事の大きな本を引き出した。1700年代からの古い表記法を用
 いた中期英語の書類はまだ残っていて、今では長く禁止され保管されていた仕事は彼の目を見晴らせた。
)

この記事の作者は、これをどこで知ったのかは不明ですが、私が注目したのは、「他のどこでも知られていない仕事の大き
な本」というのと、続く「1700年代からの古い表記法を用いた中期英語の書類はまだ残っていて、今では長く禁止され保管
されていた」という記述です。そういう書類はどういうルートでその図書館に入り保管されていたのか・・・
公開されているテスラの出版した論文は、1900年のscience essay論文を除くとネット上には1893年のものまでしかありませ
ん。Nikola Teslaはその後の研究結果を論文として出版していないみたいです

[訂正]私の誤解で間違ったことを書いていました。Tesla Book Listというサイトにリストが掲載されていました。有料配布リストのようです。
但し、かれが公開していなかったものも多いようです。


"Colorado Springs Journal"は1897〜1899
年のものですが、元々は非公開だった私的日誌ですし・・・。この本では、Nikola Teslaは「自己亡命した」と書いています。
そして、彼が公開しないで所持していたものは、一部はホテル支払いの担保として残して散逸し、最後まで所持していたもの
は、既に述べたように、彼の死後、速攻でFBIが全て押収してしまい、国家秘密文書保管所に極秘扱いで保管されている・・・
・・・謎は深いです。いつかは明るみに出てくるのでしょうか?
とにかく、1900年(19世紀最後の年)に出版されたscience essayともいうべき論文"The Problem of Increasing Human Energy"
(⇒Nikola Tesla〜哲学と目指したこと@Nikola Tesla〜哲学と目指したことB参照)は版を重ねるほど売れたそうですが、
Morgan財閥の資金援助で建てた彼の研究の延長上にあったWardenclyffe Towerは、その後、Teslaの真の目的を知った
Morgan財閥から資金援助延長を断られ、第一次世界大戦前に手放さざるを得なくなりました(鉄塔は第一次世界大戦中に
破壊されたそうです)。結局、特に20世紀には次第に科学界からも疎んじられるようになり、今では、真偽不明の伝説に
まみれた謎の人物(特に"mad scientist"中傷がなされるような)扱いされてしまった−Vassilatosは

  But why is Tesla the shadow which yet so haunts and provokes military researchers?
  (しかしながら、なぜ、Teslaは軍事研究者を絶えずつきまとわせ、刺激させる影なのか?)

また、

  Why are the various achievements of Tesla so often quoted in military hardware articles,
  proposals which seem to attract the greatest interest only after mentioning both his name
  and some aspect of his work?

  (なぜ、Teslaの種々の業績が、あまりにもしばしば、軍事的武器、彼の名前といくつかの彼の仕事を述べた
  後に、最大の興味を引いているように見える提案において引用されるのか?
)

と述べ、

  Because of a long-standing network of misinformation and the resultant skewed academic
  perceptions, Teslian Impulse Technology has never been openly legitimized or endorsed as
  a viable threat to either military or industrial agencies. This gloss is of coursea complete
  fabrication.

 (長年の誤情報ネットワークと結果的に捻じ曲げられたアカデミーの受け取りのために、テスラのインパルス
 技術は軍事または産業エージェンシーに対する実行可能な脅威として、決してオープンには正当化ないし
 は是認化されてこなかった。このみせかけは、勿論、完全な偽造である。
)(※3)

と主張されています。
文章的には前後しますが、前述の(※2)の後には、

 Tesla became the target of dubious financial intrigues, failed death attempts, and outrageous
 deprivations and deprecations. The fear which surrounded this rare genius seemed to heighten
 with his every announcement, a thing which greatly amused him throughout the years of his
 self-exiles.

  (テスラは疑惑の金銭的陰謀、失敗した殺人未遂、無法なはく奪と非難の標的になった。この類まれな天才
  を取り囲む恐れは、彼の全ての告知、彼の自主亡命の年月を通して大変彼を楽しませたことで増したよう
  に見える。
)

とも述べられています。Nikola Teslaの道徳・哲学は前述の"The Problem of Increasing Human Energy"によく現れていると
思います。それゆえ、20世紀になり、このような彼を囲む雰囲気に対し、1943年に亡くなるまで、Vassilatosの言う"self-exiles"
(自己亡命)をするようになり、それも彼を謎の人にしたのかもしれません。ただ信頼できるごく少数の方との付き合いはあり、
彼らにはいろいろと話をしていたようです。

彼の実験に立ち会い、その結果の正当性の証人になっている方々の名前が示されていました。

 Samuel Clemens, Marguerite Merington, Robert Underwood Johnson, Edward Hewitt, Kolman
 Czito, Frits Lowenstein, George Scherff, Dr. John Hammond, Lee de Forest, and Dr. Anton
 Kammela


そして、上記の当時の名士に加え、

 簡単に「Uhlmann氏、Ailey氏、Myers氏」と言及されているTeslaが実際の試験を行うのを補助したミステリア
 スな専門家


更には、

 多くの彼の個人的工作機械オペレータ、Dorothy SkerrittとMuriel Arbusを含む多くの彼の秘書

ま、上記の説明を記事に書かれている方は、これをGerry Vassilatosから聞いたのではないことは確か−面識はない−で
あることは、「もしどなたか、Gerry Vassilatosの所在をご存知なら、どうぞコメントを残してください。我々は生きている最大
のTesla学徒からもっと学びたい。」と書かれていますので明らかです。

本題に入る前の前置きが長くなってしまいましたので、ここで一旦分けることにします。
(続く)
 ('17/12)

目次に戻る
次へ