エーテルの復権?
「エーテル(Aether)」というと私もそうでしたが、大抵の方は19世紀には
科学界では波ということで合意を得ていた光が真空中でも伝搬されるこ
とから、波を伝える媒体があるはずとして考え出された「静止エーテル」
を思い浮かべられると思います。そして、「マイケルソン=モーリーの実
験」で見出すのに失敗し、それでも存在を否定できなかったLorentzらは
ちょっと強引なつじつまわせをし、ローレンツ変換を生み出したこと、そ
の後、Einsteinが"no ether"idealsにより「特殊相対性理論」を世に提示し、
「正しい理論」扱いになったこともあって、最早存在自体を否定された昔
の概念と考えられているものと思います。
そもそも、その19世紀でも「具体的にはどういうものか」は分からないま
まではありましたけどね。当時の知見では、思いつくものはなかったとい
いうことで、とにかく「『光』という横波を伝達する媒体」というだけの存在
だったわけです。ですから、マイケルソン=モーリーの実験の予測値を
求めたLorentzらの理論は古典的な「媒体を通過する波の『運動』」で解
析したものだったわけです。
しかし、つい最近、「プラズマ宇宙論」というのに興味が湧き、本も何もな
いので、海外サイトを読んでいるところ(英語さえおぼつかなくなっている
私ですので読みこなすのに苦労してますが(^_^;))ですが、その中に、気
になる記事があり、ここで少しだけ触れました。そこのあるページの最後
に、「マイケルソン=モーリーの実験」と言うセクションがあったからでした。
そして、どうやら、ANTI-RELATIVITYという
海外サイトを参照しているよ
うでした。で、そこを読んで、衝撃を受けて、ここ、
ここなどに得た情報を
UPしました。
で、そこで述べたように、上記サイト記事は「相対性理論関連の歴史」に<
触れられていて、私自身、全く知らなかったわけではないのに気にしても
いなかった、「マイケルソン=モーリー実験結果」の真相とこちらは全然知
らなかったのですが、1905年にマイケルソンと一緒に再試験に従事した
Millerという方が1922〜1933年に渡りらゆる条件・方向を変えて実験を繰
り返し、計200,000件のデータを採取してその結果を、1925年、
Newcomb Cleveland Prize by the American Association for the
Advancement of Science (AAAS)
に報告しているという事実があったそうです。
何が問題かというと、「マイケルソン=モーリーの実験結果は"NULL"」
すなわち「静止エーテルは見いだせなかった」ということになっている
のですが、事実は、「Lorentzらが考えた理論予想値よりずっと小さい
値しか出なかった」だけで、実際には"NON NULL"であったということ、
そして、Millerの沢山の試験結果でも同様であった("NON NULL")という
ことです。で、"NON NULL"だと何が問題になるかですが、実は、この結果
を受けてLorentz達がローレンツ変換を作り出した理論も、それを参照して
Eisnteinが出した特殊相対性理論も実は、「完全に"NULL"」であることが
理論の根本にあるためです。しかしながら、実は"NON NULL"でしたとなる
と大変なことになるのです。すなわち、小さい値ながらその出てきた数値を
見出す理論が必須になるわけで、Lorentz達の理論に勝った特殊相対性理
論もOUTなのです。
さすがにEinsteinは危機感を抱いたようで、Miller実験結果報告には反論を
したようですが、1919年のEddingtonの日食観測結果で一躍ヒーローに祭り上
げられてはいましたが、なぜか相対性理論にはノーベル賞が授与されなかっ
たのはこのMiller報告によるものと多くの人から信じられているとかです。
こういう事実が今あまり知られていないのは、ひょっとすると、ノーベル賞授
与をしない代わりに、バーターでMiller報告がうやむやになったのかもしれま
せん(前項で触れましたけど、Millerの死後、実験助手の裏切りもありますか
らねぇ。真相は闇の中です)
実は、前にMaxwellという人で『Maxwellの応力』というものに
ちょろっと触れ
ました。これは今もちゃんと「電磁気学」の教科書にあるはずですが、「真空
中」でも適用されるものです。で、ちょっと考えると「えっ?!」と思われる方
もいらっしゃると思います。「真空中で応力って?」と。MaxwellがMaxwellの方
程式(今のMaxwell-Heaviside方程式では無くオリジナルのもの)を出した時は
1960年代初頭で、まだ、静止エーテルが信じられていた時期ですから、Maxwell
本人は違和感無く提示されたものと思われますが。
何を言いたいかといいますと、「19世紀に考えられていたような形での『静止
エーテル』」(すなわち、波を伝えるだけの古典的な波と媒体の関係としての
もの)はないであろうが、真空中はempty/Vacuumでなく、別の形での「エーテ
ル」はやはり存在するのではないかと言うことです。そういうことを言う学者
がいると聞いていますが、まだ、コンセンサスは得られていないようです。
プラズマ物理学者でもある「プラズマ宇宙論」を唱えて研究されている方達は
「空間の99%はプラズマから構成されている」と主張されているので、どうや
ら彼らは、このプラズマがエーテルの正体だと考えているようです。
「プラズマ」は固体・液体・気体に並ぶ第四の形態と言うのが認定されていま
すが、自由電子の存在により、強く「電磁気」の影響を受けるそうです。
そこで、ぴ〜んと感じませんか?
Millerの実験が正とする(すなわち、"NON NULL")ならば、「マイケルソン=
モーリーの実験結果」が古典的な「媒体を通過する波の『運動』」で解析した
ものと一致しなかったのは、「光が『エーテル』からの何らかの影響を受けた」
ためにそういう古典的理論では合わなかったと考えることもできるのです。
で、光は電磁波ですから、例えば、プラズマならありえる話だと・・・。
(’14/3)
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