続・相対性理論への疑念(20)
〜SRTとLorentz Theoryについて(’15/8)〜
本コーナーでは、SRT(Theory of "Special Relativity")に関して、海外ネット等で目にし
たこれまで一般下々には知らされてこなかったような(日本語サイトではあまり目にし
ない)歴史的事実・SRTに関する過去・現在の科学者の思考等にいくつも紹介してきま
した。それは、市井のド素人の自分の中で感じた衝撃の大きさから、いかにこれまで、
一般下々(大変失礼ながら、多分にrelativists以外の多くの科学者の方達も)が「勝者
の書いた"歪められた"科学史」伝聞に騙されて来たかを伝えておきたいという衝動ゆ
えでした。SRTを飾られた姿ではなく純粋に「科学的」な視点で考えてもらいたいとい
う気持ちを強く抱いて来たからです。
繰り返し書いてきましたが、私自身は、そもそも、SRTに関してちょろっとわからない
ことがあって、検索したときに、かつてNifty Serveの科学フォーラムというところで目に
した相対性理論に関する反対派へのsysopさんを含む多数派である正しい派からの
嘲笑罵倒状態がインターネット世界でもまだあることを知り、ネットサーフィンして目に
した疑念派の方達の主張に触発され、私自身の中に、自分自身の科学知見から考え
て、「何かおかしい」という気持ちが芽生えたのですが、それでも当初はまだ、「私自身
の知見が不足し誤解もあるかも(私だけの思いかも)という慎重な姿勢でいました。
浅学菲才の私ですからネット上にあった色々なご主張を十分理解できないという情け
なさも実はあったんです。ですから、基本的なことを再度つまみぐいですけど勉強しな
おしたり、そういうご主張を繰り返し自分でも考えながら読んだりしてきました。
自分自身の理解において、「根拠」を求めたわけです。
ただ、その中で、やはり、どうしても、
科学的知見に優れている「科学者」の大半が疑いなど持っていない
(正しいとしている)(※1)
らしい現実が私の心の弱点になっていて、そこから、ふと海外ではどのような議論が
あるのだろうかと英語さえ外国語はだめな私ですが、英語サイトを当たるようになり
ました。その結果、多くの「事実」を知り、衝撃を受けるとともに、私が抱いた基本
的な疑問とずばり同じような主張を目にもして、私の中に厳然と鎮座していた(※1)
という心の壁=弱点が霧散したというわけです。
ですから、同じような思いをしている方達がおられるなら、(※)を「黄門様の印籠」の
ように掲げる主張がいかに愚かなものか、彼らが掲げている「錦の御旗」は実は「薄
汚れた御旗」でしかないということですっきりしてもらいたいという思いからそれらを
紹介してきたわけです。
さて、「勝者が書いた」科学史では、Lorentzについては少ししか触れられていません
し、Poincaréなど名前さえほとんど出てこず、したがって、"Lorentz Ether Theory"
などその名前はおろか、中身の詳細などほとんど知らされてきていません。
欧米でも、やっと今世紀になって、少しずつ出てきているだけという状況です。
ですから、多くの人は、未だ、FitzGeraldの出した主張をLorentzの独創的思考みた
いに思っているのではないかと思います。また、Michelson-Morley experimentのな
されたころ、科学界は「静止エーテル」実在で一致していたと思っているのではな
いでしょうか?そして、
"ether"=静止エーテル⇒Michelson-Morley experiment
は"etherの実在性を確認するための実験であった
と思われているのではないでしょうか?
私は、本コーナーで、それらは「ほんとうではない」ことを暴露してきました。
世界の多くの人々が「勝者の書いた科学史」とrelativistsによる「虚偽的」伝聞によ
り、
(たとえ完全に理解できていなくても)SRTは正しい
と思う方に巧妙に洗脳されてきたことを示したかったからです。
既に書いてきましたが、LorentzはEinsteinがSRTを1905年に発表した一年前の
1904年に二回目の"Lorentz Ether Theory"を発表していて、それに協力した数学
者でもあるPoincaréの思考から、SRTの結論的なところは既に出していたわけで、
SRTの結論的なところの「局所時間」の概念、「時間の遅れ、距離の短縮」などは
先にPoincaréが出していたことは今世紀に入ってフランスの非アカデミズム科学
者(アマチュア科学者/科学愛好家?)が暴露して話題になり、それに触発されて
今更になって「科学史家」が歴史を調べてある程度の事実を報告していることに
ついても概略内容含めて既に示してきました。
その中で気が付いたことは、
SRTが採用されてLorentz Ether Theoryが採用されなかった
のは、決してLorentz Ether Theoryが間違っていてSRTが正
しいことが実証されたからではなく、単に、科学界の「好み」
とSRT派の言わば純粋な科学とは無関係のSRTをmain stream
にすべくなした企みと不幸な時代背景によったものである(※2)
ということでした。それらについては知った限りのことを本コーナーで紹介して
きました。
今、100年間、綿々と築かれて来たSRTを着飾った虚偽の衣を脱ぎ捨てた上
で、SRTの発表された1905年に立ち戻って、純粋に科学的に両者を比べてく
ださい。勿論、今現在の私は既に示してきたように、Dayton Millerの膨大な実
験論文により「共に誤りである」と確信していますが、それはそれとしての話
です。
"Lorentz Ether Theory"はLorentzが「エーテル=静止エーテル」という信念と
古典的な"wave-motion-through-a-medium"で作った実験理論とそれを元に
しての1887年の"Michelson-Morley experiment"の結果が不一致だったこと
から1889年にFitzGeraldが示したad-hocな概念をベースにして生み出したも
のでした。そこから純粋な数学的展開でLorentz変換式が提出されたわけで
す。勿論、それは
Michelson-Morley experiment結果を"NULL"だと判定して
のもの(※3)
でした(既に述べたように、ご自分の政治信条=平和主義で意見が一致して
いた若きEinsteinをその象徴としてのgenious & heroに祭り上げるべく陰湿な
画策をしていたEddingtonが殊更強調広報していたようです)。
一方、Einsteinは、前に示したようにEinsteinianさえ見つけられなかったように
SRTの構築過程については「黙して語らず」だったため、他人が色々と勝手
に推定して都合のよい説明をしたりしていますけど、結果的に見るなら、同じ
く(※3)とした上で、Lorentzらの考え方の再解釈をしたものと言えます。
いずれにしろ、
共に『解釈論』である(※4)
ことには違いがありません。だからこそ、Poincaréが生存中の1910年代まで
は、Lorentz-Poincaré支持のフランス派とEinstein支持者との間の論争には
科学的決着はつかず、前述の科学史家が今更調べた結果、1910年代は両
者間で"peace treaty"が結ばれ、"Lorentz-Einstein Theory"と呼称され
ていたということも既に示してきました。
ですから、私が強調しておきたいことは、やはり、(※2)であるということです。
この歴史的事実から見れば、
Michelson-Moreley experimentがSRTの実証証拠とか
そのpostulateUの実験証拠だという説明がいかにおか
しな非論理的主張であるか(※5)
は一目瞭然だということです。
私は本来、
「証拠」と言うのは『必要十分条件を満たしている』
ものだけである(※6)
と考えています。そして、この条件が満たされていないものは、必ず反対者が
出てくるのは当然であると考えています。
ですから、Michelson-Moreley experiment結果に対して二つの対立する解釈
論があり、(※2)という事実に鑑みるなら、(※6)を満たしていない、即ち、(※5)
なのです。
relativistsの説明に騙されてはいけません。歴史的事実を知らないまたは隠
してMichelson-Morley experiment結果をSRTの正しさの証拠みたいに公言
しているだけなのです。
無論、「証拠」とまで断言していない方達もおられるでしょう。しかしながら、
これも既に紹介しましたが、それを証拠だと断言した上で、互いに矛盾して
いるSRTの二つのpostulateを素直におかしいと考えるstudentsをあざわらい、
正しいのだと断言して教えている学者が存在しているのは事実です。そうい
う学者から学んだstudentsのうち、学者に信頼性を抱いている方達(大半は
そうでしょう)がそれを信じて、次世代にそれをばらまいているわけです。
そうやって、「虚偽の再生産」が綿々と続いてきたわけですね。
ネット上で批判されている方達がおられますが、
relativists/Einstenian(=Einstein's & his rerativity's supporter)
は、現象を"relativity"だけで解釈し、その証拠だと嘯いている
情況が私にははがいくてなりません。彼らの言を見ていると常に、
これだけがうまく説明できる
と断言しています。そして、見ていると、いつもそう言っているだけなのです。
科学者が日ごろのたまうような真に科学的なスタンスでやるなら、探偵小説
の名探偵のように考えうるあらゆる解釈から論理的・合理的にその解釈だけ
が正解であることを示すべきなのですが、そんな姿勢はとんと見られません。
ですから、私は、relativists/Einsteiniansの方達が掲げている「証拠」としての
ご都合主義的「解釈論」による情況証拠
は「証拠」とはとても認められ
ないのです。そんなものをベースにしての、postulateTと論理的・物理的に
矛盾するpostulateUを循環論的に正しいとする説明は全く説得性に乏しい
のです。
前に、ドイツの匿名チームによる100年間の科学界にあった反対論を調査し
た結果の1000ページ以上もの報告書について、ネット上に彼らが出している
そのガイダンス(それでも50ページ以上)でも指摘されているように、
relativsts/Einsteiniansの方達は、先入観なしでご都合主義的解釈なしの
real experimentではなく、どんなに取り繕うと、結局は"thought"でしかない
"thought experiment"を"real experiment"と完全に同等に置いていて、
とにかく脳内で練る"thought experiment"結果だけで「正しい」という証拠に
しているようです。
"thought experiment"の儚さは、それを得意としたEisnteinが反対していた
「量子力学」への反論の切り札として出した"EPR paradox"が実際の試験
の前に脆くも崩れたという事実が証明しています。そして、これも紹介しま
したが、このアスペの実験結果は現実にはrelativistsを大いに混迷させて
いるようです(日経サイエンスでその一人の学者が正直に書いていました
よ)。
話がずれてしまいましたが、前にも書いたと思いますけど、
Lorentz Ether Theoryは"ad-hoc"ではあるが、論理矛盾も
数学的トリックもない。一方、SRTは矛盾したpostulate
を入れ、かつそれに基ずく数学的トリック満載の代物である
Lorentz Ether Theoryは数学者でもあるPoincaréが協力したものですか
ら、数学的トリックの入りようはありません。そして、Poincaréという
人は、数学界でかつて一大議論がなされたという「数学的直観主義」の
元祖のような方だそうで、無限集合論否定論者だったそうですし、更に
これも既に示したように、real worldとconventional worldの区別をしっか
りつけているphilosophyの持ち主だったそうで、Lorentzも影響を受けた
ようです。そこに、1905年当時のEinsteinとのphilosophyの最大の違いが
あります。すなわち、
●Poincaré、Lorentz:
Lorentz Ether Theoryはreal worldのことではなく、
あくまで、conventinal worldとしてのユークリッド
幾何学体系の中での説明(すなわち「辻褄合わせ」)
●1905年当時のEinstein:
Special RelativityのpostulateUも結論もreal world
のことである
と言う思考だったということです。ただ、海外ネットで暴露されてきてい
るように、Einsteinは、曖昧な表現ながら、思考の変遷があり、対立して
いたPoincaréのものは一切触れないようにしていたものの、Poincaréの
死亡後に、Poincaréのphilosophyを認めるような発言をしていることも
既に紹介しました。
いずれにしろ、relativists/EinsteiniansがやっていることはEinsteinの
SRTというより、1910年代になされたpeace treatyとしての"Lorentz-
Einstein theory"であることに彼ら自身が全く気が付いていないし、
事実は(※2)だということも知らないか隠しています。
relativists/Einsteiniansの方達は、反対論者に対して、「relativityを
理解できていないだけ、ちゃんと理解すれば正しさがわかる」とよく
嘯きますけど、端的に見れば、
『洗脳された』方達が『洗脳されていない』方達に
洗脳されよ
と言っているようなものでしかありません。ネット上では授業でよく
学んだ方の中に「おかしい」とおかしい点を指摘されている方もい
らっしゃるのです。
だからこそ、私は「本当に理解している」というのなら、全ての反対
論に的確で論理的・合理的で万人が納得できるような反論ができ
るはずでしょ?と再三書いて来たわけです。それらに的確に反論
できず、こういうご託宣を並べたり、薄汚れた錦の御旗を掲げても
事実を知ってしまった人間には全く通用しませんよと主張している
のです。
('15/8)
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(追記8/28)
SRTには双子のパラドックスを始め、いくつものパラドックス論議
がなされてきましたが、先に同じLorentz変換式を出している
Lorentz Ether Theoryにはそういうパラドックスはでてきません。
なぜかわかりますでしょうか?
Lorentz Ether Theory(⇒Lorentz ether theory?参照)はMichelson
-Morley experiment結果を(※3)としてつじつま合わせ的な条件を
入れてはいますが、論理矛盾も数学的トリックもありません!。
ですから、パラドックスのでてきようがないわけです。
relativistsは勝手に勝利宣言してきましたが、パラドックス論議
は実際には決着などついていないのです。そこが、再三指摘して
きた、"thought experiment"の一つの大きな問題点なのです。
"thought experiment"というのは、どんなに巧妙なlogicを考え出
そうと、所詮、人間が脳内で考えるものです。そして人間は「万能
の神」などではないわけで、「思考」は人それぞれのものなのです。
「多数決」で正解が決まるわけではなのです。
relativistsは、「万能の神」でもないのに、realityを無視して自分の
頭脳だけに信頼を置いている気がしてなりません。
続・相対性理論への疑念(6)〜3789件ものClaim〜で引用したよう
に
Only relativists beleive that thougt-experiments
are experiments.
As we know, however, thinking is thinking and not
experimenting, and the so-called "thought-
experiments" in reality are "thoght-without-
experiments"
(相対性理論学者のみが思考実験を実験と信じている。
しかしながら、我々が知っているように、思考は思考
であり、実験ではなく、所謂「思考実験」は「実験なし
の思考」である。)
[⇒95 Years of Criticism of the Special Theory of Relativity(1908-2003)]
という痛烈な批判も出ているのです(圧力を避けるべく参加者の
氏名を隠して一つの匿名で出しているドイツのチームによる
documentでの主張。間違いなく科学者が参加していると思われ
る)。
いずれにしろ、「特殊相対性理論」への疑念(全面改定版6)で引
用しましたANTI-RELATIBITYという英語サイトでサイト主さんが
主張されている
Lorentz created an illusion based upon an underlying
reality
Einstein expounded upon the illusion while being
ignorant of the reality.
(Lorentzは基礎になるリアリティに基づいてイリュージョン(幻想)
を造り出した。
Einsteinはリアリティを無視しながら、イリュージョン(幻想)を
拡大した)
に私も完全同意しています。
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