全然決着などしていない<STAP事件の闇(3)
私は、私記「あの日」で色々な事実を目にする前、前にも書いたのですが、そもそも研究捏造な
どしていたら、再現実験などに自ら積極的に参加しようなどということなどありえないということか
ら彼女は捏造研究者ではないと考えていましたから、あの日を読み、色々な方の言説を見て自
分自身の抱いた考えは間違っていなかったと確信している次第です。
これに関しては、前述の下條竜男さんと言う方が次のように書かれているそうです。
「ここで注目すべきは「全部で1,615個の細胞塊を宿主胚に移植し845個の
胚発生を確認した」という途方もない実験の回数だ。」
(世界における再現実験数は全部合わせてもわずか133個だそうです)
「もしSTAP細胞=ES細胞説が真相であり、それに小保方氏が深く関わっ
ているとしたら、徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行
えるだろうか。もちろんただの印象論にすぎないが、やったとしてもせいぜ
い数百回でお茶を濁すところではないか。」
私が素朴に感じたことがきちんと説明されています。ちなみにこの方の本は「あの日」より先に出
版されているそうです(2016/1/15)
この下條竜男さんと言う方は物理学者だそうですが、もう一つのコーナー(現代科学へのいちゃも
ん)の続・相対性理論への疑念(22)〜更なる虚像の証拠〜で引用したように"Genuine physicists"
(本物の物理学者)すなわち、"physicists who make observations and experiments as well as
theories"(理論と同様観測と実験を行う物理学者)の方でしょう。だからこそ、
「私たち実験家が実験を成功させるためには、小さなアイデアをたくさん
の実験で積み重ね、しかもいろいろな違った方法でトライしなければなら
ない。(中略)私を含め凡庸な実験家は、たくさんのアイデアは出せない。
ましてや、同じような実験を何度もやるのは無駄が多いし疲れる。だから
失敗したらそれで諦めてしまう。」
「ところが、「小保方晴子氏は失敗すればするほど、さらに多くの実験を
積み重ね、かつ失敗の原因を突き詰め、次の作戦を持って来た」
と述べられ、
「こういうすばらしい現象や、その技術を発見・発明できる小保方氏は、
ある種の天才だ」
とまで称賛されています。私が大変注目して、この方の言を大目に引用しましたのは、前述のよ
うにこの本は「あの日」の出版より前だったことです。「真に科学の探求をしている」方ゆえに抱か
れた印象だったのだろうと思うのです。そして、かの笹井さんもその一人だったようです。
それゆえに、追い込まれて自ら死を選ばれてしまったのだろうと思うのです。
大変失礼ながら、科学者と言えど「客観的存在」などではなく、「一人の人間」です。「生活」が
掛っていますし、「名誉欲」「地位への固執」があるのは当然でしょう。ですから、大抵は「自己防
衛」に走るのは致しがたいことかもしれません。で、W氏はそういう一般的なことをなされ、彼より
ずっと「真の科学者」として上位にあった笹井さんはそこまで自分を殺しての自己防衛に走ること
をよしとされなかったゆえに、大変失礼ながらそういう連中が闊歩する世界において、追いつめら
れてしまったのだろうと思うのです。
大変けしからんのは、笹井さんを自殺に追い込んだのは日本科学コミュニティであり、理研であ
り、一人よがりで科学コミュニティに寄生して糊代をかせいでいるエセ「科学ライタ」であり、エン
ドクレジットもないようなデタラメ偏向報道をしたNHKであったことは明白なのに、今に至っても
尚、そういう原罪を小保方さんになすりつけようという盗人猛々しい連中がいて、心にもない笹
井さんへの追悼の弁を宣っていることです。
ま、支援ブログに来るアンチの連中は、あのkahoなる人物を高評価し、一般社会通念では認め
られない、そして「国立大学の教授」であることへの矜持もない恥ずべき言動を繰り返し、不都
合には三猿で逃げている(武田教授は徹底的に批判されています)W氏を擁護するような輩です
から、愚かにも自ら一般社会通念とは乖離した異質な「価値観」が日本科学コミュニティにはあ
るということを示して、自らの品位・品格を自らの手で落とし込めていることに全く気が付いてい
ないようです。全く持って笑止千万ですよね。多分に「科学者」というステータスだけがidentity
になっているさもしい連中でしょうね。
ところで、この事件は隠された謎がまだ一杯残っています。世の中には推理力に優れた方がい
て、自己のブログで推理解明されている方々がいらっしゃいます。
和モガさんという方もその一人で
一貫して、この事件は「ES細胞混入偽装」のものであると主張されています。つい最近も、
「STAP細胞事件」−「ES細胞混入偽装」は2つの業務妨害の合わせ業
という記事を上奏され
ています。和モガさんによれば、2つの業務妨害とは、「STAP細胞作製時の実験業務妨害」と
「調査委員会が行う解析業務妨害」というものだそうです。和モガさんの結論はSTAP細胞はあ
りというものですが、驚くべき指摘は特に前者です。
これは、Natureに掲載された論文ではなく、W研時代に出された(結局はリジェクトされた)論文を
潰すために当時なされたものだという推理指摘です。それゆえ、和モガさんは、それをしたのは、
W氏ではなく、W研の別の人間だったと結論付けています。すなわち、今回のES細胞混入疑惑
はSTAP細胞など世間一般は誰も知らなかった小保方さんがスフィア細胞を持ってW研に来た
時から一貫してその人がそれを抹殺する目的で企んだものだという主張ですね。
こちらはすでに「偽計業務妨害罪」としては時効になっていると書かれていますので、1月に書
かれていた「告発の顛末」で告発先の神戸水上警察署の刑事課長からの事情聴取の際に「こ
れもう時効になってますよ」と言われ結局不受理となったと言う件はこれだったんですね。
よく調べて推理考察されていて実にエレガントで説得力は感じられますが、ただ、残念なことは
「密室」で過去に行われたことであり、「証拠がない」(出てこない)ということであり、当然ながら
前述の刑事課長さんからもそれを尋ねられたそうです。本人が自白しない限り、単なる一つの
推理であり、解明は不可能でしょう。
一つ、この分野には全く不案内故に私が完全に思い違いしていたのかもしれませんが、気にな
る指摘がありました。「STAP幹細胞は電子顕微鏡で見てもES細胞とそっくりで、その特徴や培
養方法が同じでありES細胞とは区別が付かない。ラベルにES細胞と書けば、STAP幹細胞は
ES細胞となる」と。要するに、調査委員会は騙されてラベルだけで判断したという主張です。
不思議なのは、論文修正当初、笹井さん達が見られた細胞は何だったのだろうかということで
す。そして、調査委員会は最初からバイアスがかかった思考で調査を進めた感が強くします。
一方、ryobu-0123さんという方が、ryobu-0123ブログで、和モガさんの推理を高評価されなが
ら、でも一つの疑問があるとして、W氏犯人説を述べられています。
その疑問と言うのは、「STAP幹細胞株を樹立するという世界的な細胞操作技術を確立したは
ずだったW氏がなぜそれを捨てることにしたのか?」というようなことです。そして、この方はW
氏が言明していた「細胞塊を切り刻む」ということに注目されています。これは当初W氏が言明
していたようにW氏が見出した「STAP細胞のキーテクノロジー」であったということです。
しかしながら、「その現場は誰も見ていない」−「マウスのコントロールやブラックボックス的な
胚操作などの細胞工学的な手技を活用すれば偽装工作さえも可能な要素技術の材料には事
欠かない」−と指摘されています。
ま、ご本人が三猿を続けられていますので事の真相は不明ですけど、手のひら返しをしたこと
には何か決定的な理由があるだろうということは私のような推理力に乏しい輩でもわかります。
様相を見れば、W氏は既にY大学に赴任してしまっていて理研からは離れています。そして、
小保方さんはついてこいという誘いを断り、PIとして理研所属となっていました。
そういう事実も勘案するとき、W氏には自分の成果を諦め、一般社会からのバッシングは甘ん
じて受けてでも重要な守るべきことが出て来たのではないかという推理も成り立つのではない
でしょうか?
それは、以前どこかで誰かが述べられていたことなのですが、恐らく、和モガさんが考えておら
れる実行犯はもう私の中では同定して納得していますから。私的にはまだ、2つの考えがあっ
てどちらなのかは完全に決めかねてはいますが。そして事件が大騒ぎになった背景は、
前項で引用しました根本的疑問さんのPPT文書の結論に示されているような理由によるものだ
と思います。それはポスドク問題とも関係しているでしょうが。
いずれにしろ、この事件は、科学史の中で、「全く新規なものを発見した」科学者が直面してきた
受難を「スフィア細胞」を発見した若き無名の女性科学者の小保方さんが、最悪の形で受けた事
件−人権侵害の限りを受けた−であったことは間違いないでしょうね。しかし、小保方さんの発
見した方は海外では確実に興味を持たれている科学者がいることがどんどん出て来てますよね。
担当パートの研究者が野望を抱き、そして結果的に自ら否定した、理研が色気を出した「STAP
幹細胞/キメラマス」などではないのです。勿論、「新規性」と言う意味での価値は小保方パート
なのです。一緒に語って誤魔化し続けるのはもういい加減やめていただきたいものです。
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小保方さんの支援者は今年になって広がりを見せている感があります。どちらが正しいかという
観点で眺めた場合、反小保方派(科学コミュニティ、三流科学ライター、マス'ゴ'ミ・メディア)がど
んどん自ら墓穴を掘っていますのでおのずとそうなるのは当たり前でしょう。最早、ただの「判官
びいき」などではありません。論理的・合理的考察から出てくる必然的結論なわけです。
小保方さんは「うつ病」をわずらっていたと告白されていますが、組織の中で、その締め付けの
渦の中で「戦えなかった、戦う術がなかった」のは当然でしょう。「大人の事情」というやつでひど
過ぎる仕打ちをうけたのですから。小保方さんにとって、それまでの研究者としてのidentityを根
拠なく否定され捏造研究者とまで決めつけられたのですから・・・人間の尊厳まで奪われたので
すから。
今年になって、私記「あの日」が出版され、"STAP HOPE PAGE"を開設し、また、呼びかけに応じ
て婦人公論での誌上対談で、人々の前に久しぶりに出てこられました。まだまだ、体調不十分と
のことであり、BPO審議も残っていますけど、今後はどうされるのかなと支援者は気になると思
います(私もです)。
あの、狂騒曲が奏でられていた時代、マス'ゴ'ミ・メディアは調子こいて小保方叩きをやりまくりま
したが、例え一片でも「人間的心」があるなら、彼らには笹井さんを自殺に追い込んだという負い
目があるはずですし、今年に入り、彼らのなしたことに都合の悪い事実がどんどん出てきていま
す。だからこそ卑怯にも「だまてん」を決め込んでいるのです。絶対に自分たちの誤りを認めよう
としない連中ですからね。でも、弱くても完全に潮目は変わりました。彼らの最後の砦だったとお
もわれる理研OBの「ES細胞窃盗告発」も神戸地検から完全否定されました。
最早、前と同じことをすれば、世論を敵に回すことは必定でしょうから、そこまで馬鹿でないなら
しないでしょう。その意味で、例えば法的反撃の機会はまもなく熟すでしょう(BPO審査結果が
出てからですが)。前のようには小保方攻撃はできないからです。ま、小保方さんがそれをされ
るかどうかはご本人の意思ですからわかりませんけどね。
後は、ひどい目に合わせた科学界に研究者として戻る意思があるかどうかですね。
ご本人もおっしゃっているように、「博士号」という資格を奪われてしまった身です。そして、一旦
捏造犯のレッテルを貼ってそれを世界に通告し科学界から追放してしまった日本科学コミュニ
ティが、もし、公的に冤罪だったとして晴れて「無実」が証明されたとしても容易に受け入れると
は思えません。自分たちのなした言説の崩壊を恐れてだろうと思いますが、姑息にも、証拠も
なく勝手に「嘘だ」と叫んだ三流科学ライターがいたそうですけど、オファがきているなら、もし研
究者に戻る意思があるなら、彼女は海外でやり直すしかないでしょうね。理不尽ですけど。
(終わり)
('16/8)
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