光速に関する一つの実験結果報告記事(’17/6)
海外サイトをググっていたら、2015年2月で、もう2年も前の記事ですが、次のものが出てきました。
場所は"SCIENCE NEWS"というサイトで、記事のタイトルは、Speed of light not so constant after all
(光速は結局一定ではない)というものです。
冒頭に、
Light doesn’t always travel at the speed of light. A new experiment
reveals that focusing or manipulating the structure of light pulses
reduces their speed, even in vacuum conditions.
(光はいつでも光速で進んではいない。新しい実験は、光パルス構造に焦点を
当て、操作することで、真空条件の中でさえ、それらの速度を減じることを明ら
かにしている。)
と書かれています。
これは、Glasgow大学の光学物理学者Miles Padgettに指導された研究者達による実験結果報告
だそうです。
勿論、水とかガラスとか(透過性の)物質中を通るとき光が減速することはフィゾーが想定され
ていた理論式(光行差を説明するために出された仮説)を実験的に証明し、現在では確固とした
「実験事実」ですが、彼らは、「真空中の光速が変化できる基本的ファクタがあるのではない
か」と思い装置を工夫して実験を行ったようです。
それは、通常、教科書では、光は平面波として説明されてはいるものの、実際にはそれは近似
的な話であり、光の構成はずっと複雑であることが過去の研究からわかっており、それをヒン
トにして工夫して実験を行ったようです。
記事だけですから具体的な詳細までは書かれていませんが、
研究者たちは光子の対を作り、それらを検出器に対して異なる経路で送った。
一つの光子は光ファイバーをまっすぐに飛んできた。他の光子は光の構造を
操作してそれをスイッチバックさせる一対の装置を通して進んだ。
構造が問題ないなら、二つの光子は同時につくはずだった。しかし、そうはな
らなかった。
と書かれています。
New YorkのRochester大学の光学物理学者Robert Boydという方は、
"It's very impressive work."(「それは大変印象的な仕事である」)
"It's the sort of thing that's so obvious, you wonder why you didn't
think of it first."(「それは、あなた方が、なぜ
最初にそれについて考えなかったかを知りたいと思う大変明白な種類のもの
である」)
と述べ、
"I'm not surprised the effect exists. But it's surprising that the
effect is so large and robust."
(「私はその効果が存在する事には驚かない。しかし、その効果が大変大きく
強固なものであることは驚くべきことである」)
と述べています。
驚きました。これって、物理学コミュニティではどのように取られたのでしょうか?
Einsteinの特殊相対性原理のpostulate2:「光速度一定の原理」(真空中の光速一定)に従い、1950
年代にイギリスの物理研究所が中心となったレーザと原子時計を用いた光速測定プロジェクトの結
果報告が1985年に国際的に認定され、SI単位系の元になっている値c=299792,458m/sが真空中
の光速とされています。この実験結果のそれとの整合性はどうしているのでしょうか?
そもそも、その認定値に関しては、続・相対性理論への疑念(28)〜science estabilishmentが"relativity"
に対してなしてきた驚くべきこと 〜で引用紹介しましたように、当の物理研究所の測量学部門の
トップが驚くべき暴露話(測定値は実は一定ではなかったが「慣習に従って」一定とした)をしてい
ます。また、「光速一定の原理」というのは実証観測されたものではなく、『慣習的』な考えだと言
う意見も目にしています。
そして、これがやっぱり、定説にこだわる科学者の平均的意見かなと思いましたけど、この実験結果
に対して、CharlotteのNorth Carolinaの光学物理学者Greg Gburは、
"the findings won't change the way physicists look at the aura
emanating from a lamp or flashlight."
(「その発見は、物理学者がランプや懐中電灯から放射されるauraを見る
見方を変えないだろう」)
と言い、ただし、
"the speed corrections could be important for physicists studying
extremely short light pulses"
(「速度の修正は、ごく短波の光パルスを研究する物理学者にとっては重要になりうるだろう」)
とコメントしているようです。
どんなに取り繕うと、「原理」というなら、例外は認められないはずです。そして「数学的近似」
は「物理的連続性」とは無縁です。如何でしょうか?
('17/6)
目次に戻る
次へ