「科学も主観の世界であった」ことを示したSTAP騒動(’16/4)
大騒ぎになった例のSTAP細胞騒動ですが、小保方さんが一人悪者にされて博士号もはく奪され、
科学界から放逐されて終焉した形になっていたのに対し、小保方さんが今年1月に反論の形で私
記「あの日」を講談社から出し、再び騒動が再燃していますね。
そもそも、この騒動については私自身の中に不信感があり、事件が進展するにつれて、その不信
感は解消されるどころか、私の中では不快感を伴って増大するばかりでした。
特に、マスコミ・メディアで小保方嬢総攻撃の形で煽った科学記者・科学ライタへの不快感があっ
て、日本の科学ジャーナリズムの限界(2)〜影響の怖さ〜
で触れました。大変失礼ながら、私の
目には彼らの主張は決して「公正」ではなく、「科学コミュニティ」の代弁をしているだけに見えたか
らでした。そして、優秀な科学者を自殺においやるというとんでもない悲劇を招きましたが、死者に
追い打ちを掛けたり、それまでも彼女一人のせいにするような論調がネット含めてあり、私が抱い
た不快感・不信感は解消されるどころか、おりのように心の中に残留していましたので、私記が発
行されたこと自体知るのが大変遅れましたけど、この私記(近所の本屋では見つけられずまだ読
んではいないのですがネット上に核心部分の引用が多々ありましたのでそれを読んでの話ですが)
で暴露されたことから、私の中にあった推測の確証といくつかの疑問点のかなりの解消があり、
悩んだ末、とりあえずもう一つのコーナーで挙げました。
(⇒事実だから反論できないのか>「あの日」)
しかしながら、やはり「科学」に関する事件でもあり、言い足りない点もありましたので輻輳すると
ころもありますが、改めてこちらの方の記事としてしたためます。
私がこの件にこだわるのは、当時、この事件に関してなされた報道・ネットの状況にすごく不快感
・不信感・違和感を感じたためでした。
そもそもは、マスコミ・メディアがSTAP細胞の発表で、ノーベル賞ものだと囃子立てたのが全ての
ことの発端のような感を強くしていました。
というのは、大変失礼ながら、あれで多くの科学者さんの反感・ネタミ・ソネミを誘ったのではない
かと感じたからです。一つには、科学界には「ポスドク」問題が現にあるようですが、当時、小保方
嬢は若い私大出の女性でありながら、羨望の的であろう天下の理研のユニットリーダという地位
にあったからです。もう一つは、無名の一私企業の研究員の田中さんがノーベル賞を受賞された
後、ネット上で目にした(恐らくは、田中さんがアカデミズム科学コミュニティ外の「無名の権威でな
い」方だったからとしか思えない)「ノーベル賞を辞退せよ」というようなとんでも発言を目にしてい
たからです。
ですから、コピペ問題が発覚したとき、ネット上は、「それゆけ」という感じで、
コピペ→剽窃→捏造論文⇒研究自体捏造(STAP細胞は捏造)
だという論調での罵倒一色という感じでしたが、私は、
どうして当事者でもないのに、その直接証拠もないまま、
「STAP細胞は小保方博士の捏造である」という決めつけ
られるのか
とネット上に多々見られた罵倒に強く不快感を感じたのでした。この騒動は近年米国で起きた有
名なねつ造事件とまるで様相が違っています。
例えば、米国で起きた世界的な生命科学の権威学者の研究で起きた捏造事件は、その先生の
仮説を証明する実証実験に一人だけ成功したとされた大学院生の実験が悉く捏造だったことが
ばれたというものでした。ベル研究所のシェーンの事件もそうですが、いずれも、「最初から研
究結果自体が捏造だった」ことがばれて「論文捏造事件」とされたものでした(ちなみに、共に
「犯人」は逃亡してしまいましたね)。
しかしながら、このSTAP細胞事件は、
「コピペ」だけで早くも「研究自体が捏造=STAP細胞など存在せず
捏造である」
と決めつけられた感がありました。
要するに、本質的には、日本科学コミュニティのルール?らしい
コピペ→剽窃→捏造論文だ(※1)
ということと、
研究捏造(実験結果捏造)⇒捏造論文(※2)
というのは根本的に異なるはずなのに、(※1)だけで「研究捏造」だと大騒ぎされたものだったとい
うことで、私が拘りの一つはそこにありました。
そして、こちらの方が私をよりかちんとさせたのですが、最初の投稿論文を却下したときのNature
の査読者のコメントを持ち出し、
「『そんな(科学常識に反するもの」(STAP細胞)』はできるはずが
ない」からやはり捏造だったのだ
というような意見が多々見られたことでした。ですから、本件に関して作り出された風潮を批判さ
れている武田邦彦先生の発言に私は共感を覚えています。「科学コミュニティ」と追従するマスコ
ミ・メディアが作り出す「風」に対して、歯に物を着せない批判を展開されているため、その筋の
「科学コミュニティ」からの反発からだろうと思うのですが、ネット上での中傷罵倒もありますけど、
言うならば、
科学の本質は体制・ルールではなく、科学的事実のはず
という趣旨(私はそう捉えていますが)はここで散々主張してきた私の思いに一致していると感じ
ているからです。音声ブログの中で、例を挙げて外国論文誌の査読と国内論文誌の査読の差を
指摘されていました。そして、これも指摘されていますが、
ルールの適用が恣意的
のようです。それは、「論文捏造」でぐぐっていると明白ですね。「科学コミュニティ」における「権
威者」には適用がすごく甘いようです。権威でない人には、問答無用で黒色判定、権威者には
合理的でない形のしがらみなのない一般下々から見れば「灰色」(仲間内で「白判定」)決着さ
れてきた事件がいくつもあるようです。
彼女は「後ろ盾のない、権力も権威もない単なる若き研究員」でしかなかったことと、発表時で
のマスコミ・メディアの異常な持ち上げへの反発が相まって、こういう恣意的ルール適用をいか
にも正当であるかのように拡散する形になったのだろうと思うのです。
即ち、日本社会の一つの欠点が如実に表れた形で、「出てきた杭」をわずかの瑕疵を大事のよ
うにして、叩きのめそうとしたとしか思えないのです。
ま、理研はそういう風の中で迷走し、攻撃の目が彼女一人に向かっていることから、それを強調
する形で組織防衛のために早期決着を図ったのだろうと思います。ただでさえ、予算等で科学コ
ミュニティの中で、羨望や反感が渦巻いていたと思われるからです。
私は専門家でもないし、その方面には熱心に調べるようなモチベもないため、当時、「本当に捏
造なのか、それとも彼女ができたと思い違いしただけなのか」わからないというのが正直な気持
ちでした。ただ、一番不思議だったことは、「もし、確信犯的捏造事件であるなら、当然ながら再
現できるはずはありませんから、ご本人が再現実験への参加を望むはずがないのではないか」
という思いでした。ですから、分子生物学会長らが「(彼女を参加させての)再現実験など不要」
と言明したことにすごく反感を感じていました。単に、レシピという話でしたら、米国の実験捏造と
か旧石器捏造事件のような例もあったからです(ともに、その方の「レシピ」が欺瞞であったこと
が暴露されたのでした。米国の例は人前での再現実験などしようとする前に、前述のように逃亡
しましたよね)。
そして、この分野については全く不案内だったのですが、彼女が成功したというのは「STAP現象」
のことであり、iPS細胞に匹敵する「STAP幹細胞」は彼女の範疇ではなかったことを知りました。
ですから、彼女が「200回以上成功した」と主張したのは、自分の範疇の「STAP現象」の部分だっ
たということです。シニアオーサーは彼女ではなく、私記で名指しされた彼女の不信感の理研に
来ての最初の上司であり、彼はどうやら、ただの指導研究者というだけではなく、この本によれ
ば、「STAP幹細胞」作成・論文担当であったということです。
ネットで説明されている方がおられましたが、二つの論文は共にシニアオーサは彼女でないの
になぜか発表時の記者会見では、それまで却下されて通らなかった論文を、研究内容を見た上
で通りやすく書き直された(実際に、今度は一発で通ったようですね)故・笹井副センター長と彼女
ともう一人の三人だけでした。ま、共に、最初の名前(ファーストオーサー)が彼女になっていた
ということもあったのかもしれませんが、当時の報道はいかにも彼女が一人ですべてをやり、論文
の全てを書き、笹井さんはそれを修正されたという風な報道伝聞になっていた感がありました。
そして、マスコミ・メディアはワイドショー的に、研究室の塗色とかエプロン姿を報道しましたよね?
(事実はわかりませんが、あれは理研側の脚色・やらせだったという説もありますし、そもそも、
彼女自身、自分がその発表記者会見に出るということへの疑問を感じていたようですね)。
で、私は彼女が「ある」と言ったのは、上司に対する信頼と組織の一員としての立場もあったか
らだと思うのです。ですから、組織どころか、博士号もはく奪されて「科学コミュニティ」から追放
されてしまった今、そういうしがらみがなくなったゆえに私記で前には言わなかった事実事象を
書かれたのだろうと思うのです。そういう意味では、合理性・論理性を感じました。
私はしがらみのない一般下々の一人ゆえ、事象からしか判断できません。ですから、私記が出
た後のネットの意見を目にしたとき、「今頃こんな本をだすのはけしからん」とか「言い訳けばか
りだ」とか「お世話になった恩師を嵌めるのか」という攻撃には全く正当性が感じられず不快感ば
かりしか感じられないのです。
なぜなら、一つは、この私記で明確化された、研究及び論文は彼女一人が全てを行ったのでは
ないことって当時、きちんと報道されませんでしたよね?そして、未だにそのことに触れないまま
酷評している人たちが多いのです。いまだに当時のまま、共著であることを無視して、嘘つき女
に騙された方達が名前を貸しただけという風にやってますよね?そして、「お世話になった恩師」
と言いますが、彼は事が発覚したあと、かばうどころか、はしごをはずして逃げた上に、後で整合
性が合わずに取り消したりしていましたが、いかにも彼女が全ての捏造の犯人みたいないわば
冤罪化するようなおかしな言動を繰り替えしていたわけですから、何をかいわんやですよね?
一生懸命かばった方を悪く言うならそういう批判は正当性がありますが、事象を見れば全く正当
性がありません。そこにあるのは、「権威学者」を守ろうとする卑しい姿しか見いだせないのは私
だけでしょうか?自分自身がそういう目にあっても同じことが言えるでしょうか?
で、当のご本人は、事実に反する内容なら、間違いなく「名誉棄損」本ですから反論するのが筋
なのに、なぜかだんまりのままです。本人ではない、科学コミュニティやその代弁者になって、
まるで週刊誌記者か社会部記者のような言動をしていた方達でしょうが、そんな言わば「やじう
ま」(当人ではない、直接関係者ではない人)が何を言っても論理的・合理的発言でない限り、
無意味でむだなのです。そして、とても正当性を感じられない、単なる「小保方憎し」だけの感情
的発言としか感じられず、不快感ばかり湧いてきています。
結局のところ、私の判断でしかないのでが、まだこの事件は決して終息しておらず、
@小保方嬢が自ら発見したと言っているはSTAP現象(だけ)であり、
STAP幹細胞ではないこと
A小保方嬢はそのSTAP現象について意図的な捏造はしておらず、
間違いなく発見したのか、(誰かの作為で等で)意図せずにできた
ものをSTAP現象だと思い込んでいるのかいずれかであるが、後者
でも正確には「嘘を言ったわけではない」。
BSTAP幹細胞についてはできていないようで厳密にはまだ不明
(研究担当者が逃げているため。再現実験にも非協力だった理由が不明であるが怪しいから
と言って、−学生時代の言動まで持ち出して来て彼女を嘘つき女だから捏造したに決まって
いるとした連中のようには−情況証拠だけで勝手な決めつけを書こうとは思いません)
でしょう。小保方嬢は3月の終わりに、HOPE PAGEという名で、全文英語のSTAP現象(幹細胞
まえの細胞)のレシピを公開されたようですね。何か、悪意のサーバー攻撃があって(三木弁護
士会見)一時読めなくなったらしいのですが、復帰したようですね。
で、本当に「意図的に捏造」していたのなら、どんな人でもこんなことはできないと思うのですが
私は甘いでしょうか?そして、このサーバー攻撃は、どういう輩の仕業でしょうか?言語道断で
すよね?政治的問題でもありませんから、国家権力ではなく、間違いなく、都合の悪い人達(直
接関係者とは言いません)の所業でしょう。まさか愉快犯?
いずれにしろ、本稿ももう一つのコーナーの事実だから反論できないのか>「あの日」は、決して
感情的な小保方さん擁護の気持ちでしたためたものではなく、「科学は合理的」というのは幻想
でしかなく、科学者と言えど人間であり、そういう人間自体が介在する「主観的なもの」だというこ
との「現在進行形」で表面化してきた実例としてあげたかったためであり、更に、そこにはマスコミ
・メディアの介在(「風」作り)が必ずあることを強調したかったからです。そして、もっとも私を嘆か
せているのは、科学記者・科学ライタを名乗る方達の言動です。たびたび、権威の意見の垂れ
流しばかりだと批判してきましたが、それどころか、自己権益のためかそういう科学コミュニティ
の意向に従い、かつ独善的な考え方で庶民受けするかのような三面記事的な意図的な風まで
作り出していることがはっきりしたことです。もう本当に「科学」を名乗っていただきたくないです。
素人に毛が生えた程度なのに、一定の影響力を与える「職業属性」とマスコミ権力に乗ってやっ
ているだけ素人より悪質じゃないですか?
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(追記)
よく考えてみますと、2年間の沈黙を破って出版された私記「あの日」が日本国内、とり
わけ、事件は「小保方単独捏造」という形で終息したと思っていたのではないかなと考えられる
「科学コミュニティ」(多分に、日本の科学コミュニティの評価を落としたとして小保方憎しの気持
ちがずっと残っているだろうと思われます)「マスコミ・メディア」「科学ジャーナリスト界」に与えた
と思われる衝撃に畳みかけるようになされた、全文英文のホームページ("STAP HOPE PAGE")
の開設というのは、一人悪者にされて科学界から追放されてしまった彼女の放った「効果的」な
反撃開始ののろしではないでしょうか?
要するに、
・私記「あの日」の出版
⇒日本国内向けで「小保方単独捏造」結論への反論
・全文英文ホームページ「STAP HOPE PAGE」開設
⇒世界に対して、少なくとも自分の担当研究結果は
捏造ではなかったことを示そうというもの
というわけです。とりわけ、私が注目しているのは、ホームページが全文英文だという所です。
はっきり言ってしまえば、その趣旨(ホームページのタイトルにも滲み出されていますよね)
からして、日本語で書いても、最早無意味だからですよね。
なぜだかわかりますでしょうか?
日本の科学コミュニティのマジョリティが「そんなものあるはずがない」と考えるものは、「異端」
であり、まず日本アカデミー界ではやれませんし、ましてや、日本では「捏造」と判定されました
から、彼女の希望を受け継いでくれる方など国内では皆無でしょうからね。
本件には直接関係ないのですが、ネット上に、日本の科学コミュニティに関する、部外者の私
の勝手な「偏見」に一致する言説がありました。どういう属性の方の文章かわかりませんが、
私が気にしていることがずばり書かれてします。(⇒日本人の気質:自己知識の全能化)
世界は広いですから、タブー扱いしない科学者もおられることを期待してのものだと思います。
本当はご自分でやりたいのでしょうが、最早、そういう場所をなくされてしまっていますからね。
「捏造者」のレッテルが貼られ、理研を退職(懲戒免職?)、そして博士号もはく奪されてしまっ
た彼女は、名誉回復されない限り、科学コミュニティには復帰できないすなわち「科学者」扱い
されない、研究を行う・研究を発表する場所がないからです。
こんなことは素人でもわかるのに、「私記・ホームページでなく科学の場で論議して欲しい」な
どとたわけたことを宣う連中がいて失笑しかありません。こういうたわけたことを宣うから反小
保方派の方達の言説の信憑性が薄れてしまうのです。わからないのかなぁ。
どうやら、「あの日」は「本を読んだ人」だけの書評があるサイトでは、圧倒的に「肯定的」に
高評価率が高いようですね。やはり、何か強引に「小保方単独捏造」で幕引きを図るやり方
への疑念を感じていた方が多かったということでしょうね。ま、ネット見ていると、読んだ上で
ネット・マスコミ・メディアによる印象報道により、彼らの目論んだ恣意的な結論作りに惑わさ
れていた方が自己反省されていおられるのを目にしていますから、比較した上で、どちらの
方の意見がすっきりする=説得力があるかということで考え直された方もおられるでしょう。
発売当初、どうやら「読みもしないで」★一つの酷評をされた方達が多々おられたそうですが、
そういうことをするから余計に彼らの言動の信憑性が薄れるのです。
ネットサーフィンしていましたら、どろどろした汚らしい「人間の性(さが)」としか思えない裏話
がありました。真偽不明なので中身には触れませんが、どなたかが同様なことを書かれてい
ましたけど、匿名ネットゆえに、裏話を暴露するだけでなく、逆に「内部リーク」だとして、本当
は真実ではなく悪意の捏造の拡散ということもなされたりする恐れがあり、この騒動ではそれ
がなされた可能性もありますね。
けしからんのは、最近は、往々にして、そういうことの信憑性をきちんと調査せずに、マスコミ
メディアが悪乗りする形で拡大・拡散したりすることです。
本事件は「科学」に関する物であり、多数の「科学ジャーナリスト」(科学記者、サイエンスラ
イター)の方達が、マスコミ・メディア・ネットなどで活躍されましたけど、彼らにお願いしたい
ことは、真偽を「科学コミュニティ」の権威の言動だけにゆだねないで欲しいということです。
そして自分の常識の中だけで判断して勝手なストーリーを作り出さないで欲しいという事で
す。
当時の状況、そして今回の私記内容を照らし合わせると、彼らがなした主張というのは、とて
も公明正大・公平なものではなかったということが明白化しています。最初から「偏見」で取
材していますよね。要するに、権威の自分に都合のよい言い分の垂れ流しです。それでもう、
一般下々にはそれに従った印象がしっかりと根付いてしまうわけです。そして、そういう印象
に反するような訂正したことは書かない・書いても小さな記事でごまかしたようですね。
もう最初作ったストーリーで「イケイケどんどん」だった感が強く伺えます。「『科学』ジャーナ
リズム」なのに、全然「科学的」ではなかった、他と同様、単なる「売らんかな」に成り下がっ
ていたとしか思えません。
どこかで指摘されていたのですが、日本の科学ジャーナリストには「背信の科学者たち」と
いうような本は書けないだろうと思います。あの本は、「科学コミュニティ」にとっては不都
合なことが暴露されています。
今回、私記を出した講談社に対して、「科学界に喧嘩を売ったから講談社出版本への執筆
はボイコットされるだろう」などという恐るべき意見を目にしました。ですから、権威の意見だ
け聞いてきて記事を書くような風ではとても純粋な科学に関する(政治イデオロギー抜き)
の硬骨な記事は書けないという事です。
尚、長年会社生活を送った私は印象だけで嘘をついてはいないだろうなどという感覚はあ
りません。論理的にどうなのかという視点で考えています。その意味で、私の中の結論を
くつがえすような「小保方単独ねつ造犯」を展開した科学ジャーナリストとそういう風に持っ
て行った感がしていて私記の中で名指し告発されている元上司の反論が是非欲しいです。
そして、だんまりを続けるなら、彼らのなした言動はやはり虚言でしかなかったと判断せざ
るをえません。
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(再追記)
やっと、「あの日」を入手でき、読んでみました。ネット上の断片的な引用だけでは不明で
あったことが色々とわかりました。ま、私自身、生命科学・再生医療の科学の先端等に不
案内だったということもありましたが(^^;
結局、この分野が、人類が望む「再生医療」関連の最先端に位置づけられる新分野であ
り、大変失礼な言い方をするなら、科学者間における「金」(研究資金)と「名誉」を掛けた
厳しい過当競争の世界にあるのですね。どうも、彼女や笹井さんはそういう中での犠牲者
になってしまった感を強くしています。
全然、正確に報道されなかったため、我々一般下々は知らなかったのですが、彼女がSTAP
現象を見つけたのは、ユニットリーダに任命されて正式な理研研究員になる前のポスドク
時代だったのですね。ちょっとややこしいのですが、彼女は早稲田大学で大学院に進む時
希望する「再生医療」研究のために卒研指導教授からの薦めで東京女子医大先端生命
研究所の大和教授の元で研究を開始(これは丁度、早稲田大学と東京女子医大との医学
と工学を組み合わせた組織工学に関する共同研究所設立の動きがあった中でのことだっ
たようです)、そして、博士課程進学後、偶然の幸運から米国ハーバード大学バカンティ研
に留学となり、そこで、バカンティ教授が描いている仮設に基づく研究の指示を受け、そ
の実験研究(スフェア細胞)の中で既に新発見をしたようですね。で、元々は半年の経験
留学だったのを喜んだバカンティ教授が、滞在費・渡航費負担を請け合い留学期間延長と
なったようですね。バカンティ教授の仮説の証拠となる新発見に関してはバカンティ研総
がかりで実験を繰り返し、バカンティ教授の意向で、"PNAS"という三大科学誌につぐ研究
論文誌に投稿したのですが、結局、バカンティ研では設備・技術のない「万能細胞」である
ことの実証がないことから論文は受理されたものの最終的にはrejectされてしまったよう
です(万能細胞発見研究は過酷な競争下にあり、論文審査が厳しい状況にあったようで
すね)。彼女は論文受理後、研究設備の関係で帰国し、元の東京女子医大先端生命研に
戻っていたのですが、この"PNAS"からの論文rejectもあって、大和教授の薦めでキメラマ
ウス造りの第一人者である当時理研にいた、現山梨大学の若山教授の元に行き、その指
導の元で、STAP現象を示すSTAP細胞造りを行ったというわけですね。そのとき彼女は単
なるポスドクでしかなかったわけです。そして、若山教授がキメラマウスによる所謂、万能
細胞としてのSTAP幹細胞ができたということで若山教授をシニアオーサとする論文を
Natureに投稿したのですが、これは報道されているように見事に却下されてしまったわけ
ですね。相関関係がややこしいのですが、これは、正式にはハーバード大学バカンティ研
所属のままで、若山研に研究のために臨時で所属していた時代のことだったようです。
その後、理研が小さい研究室のユニットリーダを募集し、この本によれば、若山教授の言
動に不信感を持ってしまった彼女はそれに応募、多分に、最先端で競争の激しい再生医
療関連分野でのその研究内容の新規性に興味を抱いたと思われる理研は彼女を抜擢採
用したようですね(ここでやっと正式にバカンティ研から所属が理研に代わったということ
です)。これは、STAP細胞発見記者会見の2年前だそうですから、彼女がユニットリーダ
に採用されてからした仕事は、結局は論文を通すために、笹井さんの指導の下での必要
な追加実験研究だったということですね。
やっとこさ、いまいち、よくわからなかった事情がわかりました。
色々とネットで調べて見ると、そもそも最初に万能細胞として発見研究されていたES細
胞は人の卵子を使うために、人間の尊厳問題から禁止への動きがあって代替細胞が求
められ、世界の生命科学分野での過酷な研究競争にさらされていたんですねぇ。
しかし、海の物とも山の物ともわからないことから、研究資金獲得(実験には多額の費用
がかかるため)という研究者にとっては科学自体とは別の課題があるようですね。
その中ででてきたのが山中さんが発見しノーベル賞受賞につながったiPS細胞だそうで
す。山中さんは留学中に取り組み、帰国後、就職先や研究資金で相当苦労されたようで
すね。特に日本では、従来の知見の延長上にない新規性の高いものは、関連科学コミュ
ニティになかなか受け入れてもらえないようですからねぇ。
ここまでの事情に鑑みれば、ネットやマスコミ・メディアの印象報道から一般下々が思い
込まされた「STAPは全く存在せず、ことごとく彼女のねつ造でしかない」というのは完全
にねつ造された「嘘っぱち」だということがはっきりしました。バカンティ研で最初に
PDASに論文出したときはバカンティ研総がかりで追試実験やっての結果ですからね。
しかし、本当に胸糞悪くなりますねぇ(-_-メ)。
色々と調べた結果を元に、本コーナーでは科学界のあり方、日本の科学ライターの実情等
大変失礼ながら、散々批判してきましたが、ここまでとは思いませんでしたので、「いやはや」
というか、「科学好き」な私にとっては知りたくなかったと本当に悲しくなっています。
本研究は直接、事業に結びつくため、ネット上では大きな陰謀論を唱える方達もおられま
すが、私は、そんな大掛かりな話ではなく、もっと低レベルのところでの「人間」が織りなし
た策謀のような気がしています。たとえば、この本の中にあった匿名の「陰湿な内部リーク」
・・・。実名もばれていますけど、彼女をおとしこめるための、ためにするとしか思われない
「でたらめ」解析提示(ネットに詳細にそのでたらめさを指摘したサイトがあります)。
一番間抜けなのは、それを検証もせず、そのまま垂れ流したNHKや科学ジャーナリストで
すね。「科学ジャーナリスト」を名乗るなら、きちんと「科学的」に検証して記事にすべきなの
に、総じて、ただの三文ジャーナリストとなんら変わらないことをしてきましたよね。
この騒動がそもそも異常だったのは、上記で指摘したように、一部の「コピペ」と「研究捏造」
とはなんら直接関係はないのに、最初から、「コピペ」⇒「研究捏造」と決めつけたことでし
た。ですから、ちょっと考えてみれば、一部「コピペ」という論文の瑕疵を殊更大問題化して
STAP細胞自体を葬り去ろうという勢力の存在があったというのが見て取れますね。
そして、一部「コピペ」を殊更大問題にするなら、後から調べて訂正だけで済ませた他の方達
のものはどうだというのですか?あまりに「不公正・不公平」じゃないですか?
彼女は本の中でも、そういう「ミス」がこのような大騒動になり、関係者に大変迷惑をかけた
ことを一生懸命謝罪されているのです。決して「言い訳」などしていませんね。
だからこそ、本が出てからも批判をした「科学ジャーナリスト」を名乗る連中は、本自体全然
読まずに書いていることは一目瞭然ですね。合理的・論理的・公正明大な反論など全然あ
りませんでしたね。むしろ、必死になって、無意味な恥ずかしい自分たちがなした言動の正
統性−そんなものは全然ない不公平・不公正な不当なもの−を繰り返した恥ずべき言動で
しかないですね(-_-メ)。
ネット上で、時系列的に詳細に出てきている発言等を分析して科学的に理研の公式発表の
矛盾をついていて、更には、どうやら、昨年、理研の一上級研究員による兵庫県警に対し
て行った「小保方さんがES細胞を盗んだ」との(不当な)告発(なぜ追い打ちをかけるよう
に、後からこんなことまでしたのか理解に苦しみますけど)に対抗して、その告発先だっ
た警察署に、逆告発書を出され、警察からの呼び出し質問に「一般人です」と答えたとい
う関係者でも研究者でもないこの方の警察事情聴取情況もアップされていました。
それによれば、三点のうち、告訴のポイントになる一点が時効案件ゆえにその告訴は受
理されなかった−この方は論理的に不受理自体理解されたようです−そうですが、相手
の警察の課長さんはその内容自体には十分理解されたそうです(和モガブログ)。
なぜか、今頃、兵庫県警はこの件で彼女を事情聴取したらしく、「逮捕か」などと馬鹿な
ことを書いたマスコミがあったようですけど、結局は検察には「被疑者不詳」での書類送
検で終わったそうですね。元々、無理筋だったということでしょう。
情けないのは、科学ジャーナリストの中に、そういう公正・公平な時系列的・科学的分析を
した人が皆無だったことです。いくら博士号を持っていても、「科学ジャーナリスト」としては
失格でしょうね。関係者でもない匿名の部外者からブログでその論文の「でたらめ性」を科
学的に指摘されているのに、理研内部の人間が匿名(後で名前が判明したよでうす)ブロ
グで提示した解析結果を検証もせずにそのまま信用して拡散したというのも、とても「科学」
ジャーナリストを名乗れるような話ではないでしょう。「情けない!ばかめ!」の一言です(-_-メ)
あなたたちがやらなくてはならないのは、「適用が恣意的で不公平・不公正な今回、殊更、
科学コミュニティが針小棒大に批判した『コピペ』問題」などではなく、事件の「真相」を
きちんと検証することじゃないですか?そのためには「科学知識」に習熟している必要があ
ると思うのです。勿論、これだけ科学分野が細かく分かれている現在、全てに詳しいなどと
いう人はいないのはわかっています。しかしながら、そこに身を置いていて、科学研究とい
うもののやり方・論文の読み方などは習熟していると思います。人に聞くのではなく、自分
で本などで調べればいいわけです。それをせずに、利害対立側の意見だけ聞いて一方的
な記事を書く・一方的にメディアで公言する・・・馬鹿じゃないでしょうか?
ベル研究所のねつ造事件は、実験をやらずに論文掲載データをでっちあげた事件です。
そしてその疑いが公になったとき(ノーベル賞候補とマスコミ・メディアで讃えられていた
そうですから余計大事になったのです)彼は逃亡してしまいましたね。
世界からポスドクが集まる有名な生命科学の先生のところでのねつ造は、先生の仮説を
誰一人再現できなかったのに、ぽっと出の地方大学卒の大学院生が一人だけ次々に成
功させたという前提があり、たまたま、不在のときに他の研究者が実験不正を発見して
実験自体が捏造だっことが暴露されたものであり、こちらも発覚後、捏造犯は逃亡して
しまいましたね。
こうやってみれば、今回の事件の様相は全然違うという事です。なぜなら、一人で実験し、
一人で論文を書いたわけではないからです。明確化しているのは、本人が認めて自分を
責め謝罪しているのように、「コピペミス」だけなんです。
どこにも、「STAP細胞などなく、小保方さんが捏造しただけ」という絶対的証拠などないわ
けです。裁判なら、告訴さえできない・しても有能な弁護士なら容易にひっり返すことがで
きるような事例です。理研は間違いなく、こういう意図的に作り出された「風」の中で組織
防衛で迷走して、一番若くて理研正式研究員としてはキャリアが薄い(まだ、実績がない)
小保方さん一人を切ることで早期収拾を図っただけでしょう。だからこそ時系列的に見ると
矛盾が出てくるような発表で逃げたのでしょうね。
彼女はそのとき、まだ組織の一員であり、だからこそ、組織内部で圧力から言いたいこと
も十分言えずにいたことは、14章「戦えなかった、戦う術がなかった」から十二分に伺え
ます。
ま、多分に、そういう圧力に屈していたことから理研も科学コミュニティも甘く考えていた
のでしょうな。うがった見方をするなら、彼女も自殺してくれたらと思っていたのではない
かと思いますね。だからこそ、理研に衝撃が走ったのでしょうな。そして、本を読みもしな
いで、話をすりかえて攻撃していた科学ライタとか科学者代表面している方達への痛烈
なパンチがあのホームページの開設でしょうね。彼らはみな、だんまりですなぁ。恥ずか
しくて出てこれないのかな?
彼女は、例えば、執行猶予中の犯罪者なら直ちに法違反で拘束されるという立小便のよ
うな軽犯罪みたいな微罪で、死刑宣告されてしまったようなものでしょう。ご本人はただた
だ、自分の名誉回復と研究者復帰を望まれていると本から伺えますが、彼女の空白期間
は戻ってきませんし、亡くなられた笹井さんはもう戻ってきません。
なんとかないらないものでしょうか?
それにしても、まだわかっていないたわけものがいますなぁ。
もう、小保方さんは十分な反論の機会も与えられないまま、博士号もはく奪され、科学ア
カデミアから追放されてしまった身ですよ。追加実験研究など不可能ですし、公平・公正
な科学論議をする場もないのです。もう「科学者」という属性がはく奪されたいわば一般
人です。「一般人」個人にどうやって、「犯罪者だ」と判定を下してしまった科学アカデミ
アと対決できるというのでしょうか?ましてや、第四の権力者たるマスコミ・メディアは完
全に彼らのサイドにいるのです。どうやっても普通なら泣き寝入りするしかないような状
況です。
どうしても「泣き寝入りしない」のがお気に召さないようで・・・(-_-メ)
でも、こういうあんぽんたんばかりではないことを知りました。少数でしょうが、何ら彼女
とは接点もない「心ある」科学者さんがおられるようで、あの日が出る前に「小保方さん
は実験の天才だ」と認めて口にしていたという話を聞きました。私も実は「あの日」を
読んで、すごいなぁと思っていたので、見ている人はちゃんと見ているんだなぁと驚きま
した。ちなみにその中の一人は英語がnativeの外人科学者らしく、「日本から出てくる科
学論文なんてコピペまるけだ」と断言し、その上で、(下手な英語なら、そういう英語が
nativeの科学者の論文からのコピペの方がずっと読みやすくわかりやすい」というような
ことも言っていたそうです。ここにも、日本の「科学コミュニティ」のこの騒動における取り
繕いなどちゃんちゃらおかしいわということがしっかり証明されてますね。
やっぱり、カビの生えたような教典を持ち出して来て、小保方さんを断罪しましたけど、
問題が起きるとあわてて取り繕う「不公平・不公正」な断罪でしかなかったことが明白化
してますなぁ。本業の「科学研究」で大した研究実績もないくせに、テレビに出てきてした
り顔で「科学リテラシーがどうのこうの」と宣ったそうな「教授」って「あんぽんたん」と言わ
れても仕方がないですなぁ。そして、同じことを繰り返している「科学ライター」を名乗って
いる連中もそうです。
('16/4)
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