「科学的解明」は成功しているのかA(’15/8)/追
前に、「科学的解明」は成功しているのかというarticleをしたためていますが
本項はその続きです。
スカパーにナショナル・ジオグラフィ(675ch)というチャンネルがあるのですが、
そこに超常現象の解明を試みる番組があります。最近、あまり番組表を見な
くなってしまっていて、わざわざ調べて見たのではなく、たまたまチャンネル
を合わせたらやっていたというわけですが。
今回は比較的古いいくつかの外国でのUFO遭遇事件を扱っていました。
農村の多くの住民の目撃報告があり、軍が調査にまで乗り出して一時大騒
ぎが起きたものの、今ではほとんどが忘れ去られたというものを取り上げて
いました(有名になったロズウェル事件も上げられていました。実はこれも
人気テレビ番組Xfileで取り上げられるまで忘れられた存在だったそうです
←番組内での解説です)。
いずれの事件でも、調査に乗り出してきた軍は調査中、その場所を封鎖して
民間人・ジャーナリストらの立ち入りを厳しく禁止していたようです。たま
たまドライブ中に騒ぎを聞いて現場にかけつけた当時の青年は立ち去らない
と車を没収すると脅かされ、現場に急行した新聞記者はカメラを没収されて
しまったとか。で、多数の軍人を投入しながら、また、中には内部規制がな
される前に真相?(その人の個人的感想?)ぽい談話が出たりしたものの、
公式発表では、明らかなウソとわかるわずかな人数しか投入していなかった
とか述べて、要するに「なんでもなかった、単なる落下物だった」というよ
うな常に過去そうであったのと同じ発表でthe endにされたようです。
当然ながら、当の目撃した村人たちには釈然としないものがトラウマのよう
に未だも残っているわけですね。一般社会では忘れられた存在になってい
てもです。
私がこの番組構成に好感を持てているのは、科学者、肯定派、目撃者とそ
の家族(古い事件のため、もう目撃者が亡くなられている例もあり)等の
主張を公平・公正に上げ、強引に結論付けようとしていない(要するに視
聴者に判断をまかせよう)という姿勢がうかがえることです。
科学者を含め、多くの人々はUFOには懐疑的・否定的です。番組内でも
目撃者(ある例では二人の誠実な警官が含まれていました)は目撃者でな
い他の住民から陰口をたたかれ、後ろ指をさされたりして、最初に目撃報
告し、既に亡くなられている方の娘さんが「父は『黙っていればよかった』
と生前、しきりに後悔されていたと番組内でインタビューに答えていました。
事情聴取した警察官は誠実に聴取に応じていたとして、ほら・デマを流す
ような人ではなかったとしていました。
で、番組内では科学者が出てきて、例によって、これが真相ですとばかり
自信たっぷりに結論付けていましたが、私的には「詭弁的つじつまわせ解
釈」にしか聞こえませんでした。中には目撃者を冒涜するようなことまで言
明する科学者もいて、娘さんは不快感を示されていました。
まだ、生存している目撃者の一人は「到底納得できない。我々には真実を
知る権利があるはずだ」と主張されていました。
私が科学者の説明を「詭弁的つじつまわせ解釈」にしか聞こえなかったと
いう一例を示しておきます。
ある例では、科学者は「金星を見間違えたのだ。それはよくあること」と最
初に断定しました。で、番組では「しかし、あのとき、その地で金星が地上
に現れる時間よりずっと早い午前3時の目撃だが」という疑問を呈したのに
対し、件の科学者は「蜃気楼現象によるもの」とこれまた断定していました。
しかしながら、番組ではもう一つ追い打ちをかける質問「しかし、このときは
レーダーにも反応があったが・・・蜃気楼ではありえないのではないか」
これに対する回答には唖然としてしまいました。
「当時のレーダーは不正確で誤動作が多かった」・・・
どうですか?こんな解釈で「その通り、はい終わり」って納得される方はお
られるでしょうか?一つも「直接的証拠はない」にも係らず、それでつじつ
まはあうという断定ゆえに私は不快感と不信感の塊になったわけです。
これらの断定は、この事件に関して完全に証拠調査したのではなく、従来
からの、はからずしも彼らが言っていた「まっとうな科学」知見からの推定
ばかりでした。「それに決まってる」と言う風な口調にも不快感を感じたの
です。そして、「あるというのならスミソニアン博物館に展示できるような証
拠を出せ」というようなことまで言ってました。ま、この方は多分ご自分で目
撃しても否定的になるだろうと感じました。
私には、そこには「誠実な科学者の態度」を見いだせず、だから不快感と
不信感を感じたと言ったわけです。
一方、別の番組だったと思うのですが、たまたま最近YouTubeで見たノル
ウェーに現れた不思議な渦巻き光線に関して、ある科学者の解明説明が
ありました(ロシアの打ち上げ失敗ミサイルというようなもの)が、その真偽
はともかく、この方はきちんと科学者としては単なる推測にとどまらず綿密
に調査してご自分の見解に関する論理的証拠を挙げられておられました。
こういうのが科学者として説得力のある誠実な態度ではないでしょうか?
上記の番組ですが、必ず出てくる見解に「集団幻想」だとか「伝言ゲーム的
なもの」のような説明をする学者がいます。今回の番組内だったかどうか忘
れましたが、ある村の例では、そのとき、目撃した多くの住民が影響を受け
てか「けが」をしたそうです。で、番組では「ではけがはどう説明するのか」
という疑問の投げかけがありました。誰も答えませんでした。
要するに、頭からの決めつけばかりなんですね。更には、もう亡くなってい
る当時の最初の目撃者をいわば冒涜するようなひどいことを平気でいう学
者がいて最初の目撃者がいた森には食べると幻覚症状を起こす果物があ
り、それを食べて幻覚を起こしたのだろうと決めつけていました。
そういう説明を聞いた娘さんが不快感を示していました。
「長年ここに住んでいて森のことなど十分知り尽くしている父がそんなもの
食べるはずがない」と。
私はUFO肯定者です(目撃したわけではないのですが、ある理由で高校時代
からその存在のbelieverです。)が、なんでもかんでもそれで説明しようと
いうのには否定的な気持ちがあります。そして、前にも書きましたが、
地球に置ける現在の科学知見では科学者が否定的になるのは理解して
います(だからこそ、私は現在の地球人の物理常識、科学知見って「ほん
とう」なのかという強い疑念を抱いているのですが・・・)
しかしながら、私は綿密な調査なしに、従来からの科学的知見に基づいて
脳内でつじつまわせした回答をあたかも真実かのように断定されるやり方
には不快感と不信感しか湧いてきません。
探偵小説で名探偵は多くのつじつまのあう回答案を作り、そこから綿密に
調べて、警察が見逃したような証拠まで含めてすべてにマッチする解決を
最後に出し、それが結局は真実だったという風になっています。
それと同じではないでしょうか?単なる一つの"idea"にしかすぎないもの
を真相みたいに断定するというのはいかがなものかということです。
前に、続・相対性理論への疑念(6)〜3789件ものClaim〜というところで
紹介したドイツの匿名チームの報告書の前書きで書かれていたように、そ
してそれは私自身がずっと感じていて思考実験でも書いたのですが、
"thought experiment"(思考実験)は実際の実験ではないわけです。
それは「従来の科学知見を駆使して脳内でつじつま合わせをする」という
"thought"(思考)でしかないわけです。
何かこの番組に出てくる科学者を見ていると、皆、"thought experiment"
でだけで断定しているのですが、そういうのを"science"だと考えることは
正しいことなのでしょうか?私には「片手落ち」にしか思えないのですが・・
少なくとも、私には全く説得性は感じられませんでした。
ちなみに、そういう事件における目撃者はペテン師的な人間でもなく、む
しろその後の人生に置いて、それを漏らしたこと自体が暗い影を与えたの
が大半のようです。得になるどころか損でしかない・・・ひどい話もしていま
したが、ロズウェル事件の後、地元のメディアはここの村民をはなから馬
鹿にした態度をとり続けたとか・・・こういうことから一切しゃべらないという
方もいるそうです。
('15/8)
------------------------------------------------------------
(追記)(’16/5)
前の番組と同じなのかわからないのですが・・・。たまたま、又やっている
のを目にしました(スカパー/ナショジオ)UFO
本当にこういう番組で解説する「科学者」は頭から否定するスタンスであれ
これ解釈したことを科学的真相みたいに話をしますね。
番組の中で彼らがやっている解説。皆、部分的な説明ばかり。全部をきち
んとしているものは皆無でした。
場所が全然異なるところで目撃されたのを「共同幻想」だと。
「共同ヒステリー」というのなら、どうして別々の場所で同じものを見るとい
うのでしょうか?1か所だけならありえるかもしれませんが。
で、やはり、この番組でも沢山の人々が同じ位置に傷を負っていることに
ついては誰も答えませんでした。診察した医者の話では、皆同じような傷
だったそうです。
単に聞いた事柄だけで、自分の中にある「科学知識」で解釈しているだけ。
こんなもの「科学的態度」ではなく、単に自分の科学的知識をえらぶって、
披露しているにすぎません。
本当の「科学的態度」というのは、各自からきちんと話を聞き、それらを記
録し詳細に分析することではないでしょうか?
勿論、部分的解釈論など問題外です。全部を論理的に説明しなければ駄
目です。聞いていると、別に科学者じゃなくても、ちょろっと知識あれば言
えるようなものばかりでした。
番組は、科学者の解説には疑問を示して納得していない形で終わりました。
当然でしょう。
当時の公的記録はやはり、未だ一部しか公開されていないようです。
1000ページくらいあるうち300ページくらいしか公開されていないそうですし
映像・写真は非公開のままだそうです。
科学者達がいうような話なら、隠しておく必要はないはずですよね。
恐らく、当時しかるべき権威科学者達も分析に参画しているはずですが、答
が出なかったのではないかと思います。
そういうことにも常識で考えて解説している科学者は答えていませんね。
目次に戻る