Alternative science〜ロシアの学説など
私は部外者故に、日本アカデミア界でなされている全ての科学研究の状況には疎いので
すけど、マスコミ・メディア・雑誌・本そしてウエブを見ている限り、その多くは、欧米の権威
筋による基本パラダイム/main stream/central dogmaに基づくものだろうと思っています。
長い鎖国時代から脱した明治時代の文明開化における欧米学問・文化の導入という体質
が今にまで続いているものと思われますが。
ま、一つには、日本国民、国家機関なども含めて特に科学に関しては、欧米の権威筋に
したがっておれば間違いない・安心という意識が根強いからだと思われます。
そして、日本の科学ジャーナリスト(マスコミ・メディア所属の科学記者、教授らの兼任ライ
ター含む)の多くは、もうはっきりと気が付きましたが、学界権威筋の太鼓持ちを飯の糧に
しているに過ぎないのですから、そういうものしか書かない・・・
欧米には、そういう権威に従わない科学者もいて、Alternative scienceの研究をされてい
る方々がいて、また、そういう異端科学者らのAlternative scienceを扱う雑誌、websiteも
あるようです。日本の場合、そういうAlternative scienceはアマチュアのwebsiteとか異端
本でしか目にできませんから状況が違うようです。
で、インターネットサーフィンしてましたら、ロシアの気になる学説(よく知らないのですが、
ネット上で心酔されている方達が紹介されている佐野博士と言う方の説のことではありま
せん。)が目に入りました。どうやら、欧米権威筋したがって日本では無視されているよう
ですが。
ロシアと言えば旧・ソ連、今では笑いものにされている本当に国家イデオロギーに直結し
た文字通り「御用科学」と言われたルイセンコ学説というものがあって日本でも信じた人達
がいたことは有名ですが、東西対立による鉄のカーテンの元、ロシア独自でなされたゆえ
に西側にはあまり知られて来なかったんだろうと思われる学説がいくつもあるようですね。
その一つは「石油無機起源説」というものです。
これは、もうすぐ北風が強くなる
というブログ記事で紹介されていて知ったのですが、どうやらこれは旧・東側諸国では広く
信じられてきた学説だそうです。
一方、西洋側は日本でもそうですが「石油有機起源説」がmain stream学説として長く信
じられていて学校でも教えられてきました。Wikipediaには、現在の学説の主流としての「生
物由来説(有機成因説)」として、
百万年以上の長期間にわたって厚い土砂の堆積層に埋没した生物遺骸は、
高温と高圧によって油母 (en:kerogen) という物質に変わり、次いで液体や
ガスの炭化水素へと変化する。これらは岩盤内の隙間を移動し、貯留層と
呼ばれる砂岩や石灰岩など多孔質岩石に捕捉されて、油田を形成する。
この由来から、石炭とともに化石燃料とも呼ばれる。
とあります。「化石燃料」と考えているゆえ、「世界の推定全埋蔵量」というのが出されて、
やがて枯渇してしまうからと日本も含め西側諸国では石油も省資源・省エネ運動の一つ
のターゲットとされてきました。
しかるに、ロシアなど旧・東側諸国におけるの「石油無機起源説」によれば、その生成メカ
ニズムから石油は枯渇などしないと言われています。こちらも意外にや、Wikipediaに「無
機成因説」として述べられていました。
1870年代、元素の周期律表で知られるロシアの化学者メンデレーエフが
唱えたのが始まりで、旧東側諸国では従来から定説とされていた学説で
ある。ただし、旧西側諸国では、定説とされてきた石油「有機」由来説
に真っ向から反対するものであったため長く顧みられることがなく、そ
の後トーマス・ゴールドが取り上げたことで、西側諸国でも脚光を浴び
ることとなった。天文物理学者であるゴールドの説く石油無機由来説は、
・惑星が誕生する際には必ず大量の炭化水素が含まれる
・炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生する
・「この炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質することで石油
が生まれる
・炭化水素は岩石よりも軽いので地上を目指して浮上してくる
というものである。
確かに、ちょっと考えてみれば、旧・西側諸国の「石油有機起源説」というのはしっかりとし
た証拠などなく、石炭などからの類推でそういう説明がそれらしいと信じられてきただけに
すぎないなという思いはします。私のように、一旦、定説科学に疑念を感じてしまった輩か
ら見ると、随分多くのことが万人が納得できるようなきちんとした根拠なく信じられてきて
いるだけのことって多い気がしています。
この「石油無機起源説」が唱えられたのはそれなりの根拠があるんですね。これもWikipedia
に示されているのですが、
・石油の分布が生物の分布と明らかに異なる
・化石燃料では考えられないほどの超深度から原油がみつかる
・石油の組成が多くの地域でおおむね同一である
・ヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなど、生物起源
では説明できない成分が含まれている
だそうです。そして、これは化石燃料ではありえないのですが、ロシアでは一度涸れた油
井がしばらく放置すると再び原油産出が可能となることが確認されているそうです。
また、ゴールド博士は、スエーデンで、純粋な花崗岩でできており、沈殿物が何もなかった
何も生物学的なものがなく、ただ硬くもろい岩の巨大なクレーターで、「石油有機起源説」
に従えば石油発掘などありえないとして、それを「ばかげたこと、きちがいだ」と嘲笑罵倒
をうけながらも果敢に試みたところ、最初に80バレルの石油を引き上げたそうです。
「石油有機起源説」に従うならありえないことですが、「石油無機起源説」ならば何も矛盾
はなくおかしくないことですね。
どうでしょうか?この二つの事実からだけでも、確たる証拠もない「石油有機起源説」など
捨てられるべきだと思いませんか?しかしながら、未だ、そういう事実を明示せずに「石
油有機起源説」を教えて、化石燃料だとしてキャンペーンされている現実。おかしいです
ね。勿論、「石油無機起源説」が解くメカニズムがほんとうかどうか私にはわかりません。
しかしながら、これって、学者の投票で選ぶべきものではなく、実験等通して、真摯に科
学的に判断すべきことではないでしょうか?ま、Wikipediaにはもう一つ「石油分解菌説」
というのが日本学者から出ているそうですが。いずれにしろ、「石油有機起源説」はもう
科学的ではない間違っていた仮説だと言えるのではないでしょうか?なぜ、現実から目
をそらせて間違った仮説にしがみついているのでしょうか?
科学界の情況を調べていたら、米国石油地質家協会(AAPG)研究会議 「石油の起源、
無機起源か有機起源か」に参加して という報告書があり、ちらちらと読んでみました。
AAPG の執行役員は、長い経験と豊富な知識を有する Halbouty 氏に対して、「なぜ、そ
こまで無機起源説を含めた会議の開催に拘るのか」と尋ねたところ、同氏は「現在の学
説では、全ての疑問に答えることができないから。石油の起源について無機起源説も
取り入れて、改めてオープンな会議を行うことで、今後どこを探せば新たな油田やガス
田が見つかるか、ヒントが得られるかも知れないからだ。」と答えたというというのが書か
れていました。極めて「真摯な科学的態度だ」と思いました。ま、どうやら、やはりスポン
サーにとっては従来の説のままというのがよいわけで、延期になったりキャンセルになっ
たりと圧力があったみたいですね。結局、アリゾナ大学の、AAPG 執行役員の Mancini
という方の尽力で開催にこぎつけたらしいです。
しかし、結局、両者の対立で終わったらしいですが、やはりなと思ったのは、
有機起源説が如何に伝統ある確立された学問体系であるか
を力説する有機派が多く、有機起源説以外に受け入れる余
地は全く無いと主張する者さえ現れた
なんですか、これ?ちっとも「科学的」でないですよね?
地動説のガリレイに対してなされた権威・天動説学者を見ているようなデジャブを・・・
ここにもクーンのパラダイム論の証拠が・・・。こりゃだめだですなぁ。
「伝統ある確立された学問体系」(プッ)。天動説は「伝統ある確立された学問体系」とし
て2000年も続きましたなぁ・・・ゴールデンの石油発掘やロシアの油田復活という事実に
きちんとご自分たちの「伝統ある確立された学問体系」で反証しないでよく言うわです。
また一つ、私が反対する定説ができてしまいました。
ちなみに、私は、異端説Bを信じるから定説Aに反対というのではなく、異端説Bの方が
正しいかどうかは決めていないが、定説Aはおかしいという立場です。進化論、ビッグバ
ン宇宙論、プレートテクトニクス+断層地震学などはそういうスタンスでいます。
もう一つ、紹介しておきたいものがあります。正しいかどうかはわからないのでbelieverで
はないのですが、旧・ソ連時代に世界で最初の原子力発電所事故がチェルノブイリで起
きてから、ロシアでは放射能除去研究がなされていたそうです。その中で、放射能耐性が
あるのみならず放射能を除去してしまう−放射物質を安全な非放射物質に変えてしまう
菌を発見したとロシアの学者が発表しています。
当然ながら世界の科学界からは無視されているようですが・・・適切な放射能除去科学
も提示できていないくせしてねぇ。
ま、最近では「凝集系科学」として研究に参加する科学者が増えてきてるそうですが、未
だに権威筋は"Cold Fusion"を認めようとしていない科学界において、沢山の観測結果を
示しても無視されたゲル・ブランの研究結果のことを考えれば「認められない」のでしょう
ね。彼らの長年の知見がじゃまをしてしまって・・・
('16/9)
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