量子について(8)〜がっかり(:_;)
私の中に、量子力学と電磁気学との接点を知りたいという要求がありました。
で、それには、『場の量子論』を学ばないとなぁとは思ったのですが、理学部
出ではないため、手元には教科書がなく、また、啓蒙書の類を目にしておら
ず全く不案内のままでした。
相対性理論批判の中で、量子力学と矛盾するとは書きましたが、詳細を知ら
ないまま誤解の中での受け売りで書いていただけであるのは正直、間違い
ありません(^_^;)。
そこで、とりあえず、ネットで検索してみましたが、結果的に、大ショックを受け
てぼ〜ぜんとしているというのが正直なところです。
検索した中に、
場の量子論の終焉〜(非)相対論的量子力学っていったい何!?
というサイトがありました。で、「量子力学」に反対している数少ないサイトの
一つかなと思いましたら、その方は「場の量子論」「量子力学」「相対性理論」
という現代物理学の基本パラダイムに反対されておられることがわかりまし
た。特に、前述のページは文字通り、「場の量子論」を克明に紹介し、検証し
問題点の指摘をされています。
冒頭で、場の量子論を一生懸命勉強しても、場の量子論は単なる数式しか
示していなくて、リアルな自然界についての答えは呈示されていないという
ような旨が述べられています。要するに、「高等数学」だけの世界だと言う
のを最初にば〜んと提示されてしまい、ある程度は数学展開に耐えられる
つもりの私ですが、そこに物理的イメージも求める私にとっては、「えっ?
それだけかい?」ともう構えてしまいました(^_^;)。単なる「数学」を学ぶつも
りなど私にはありませんから。
ま、でも、我慢して読み始めたのですが・・・
驚くとともに、最初からがっくりきました。これって、「相対性理論」に「量子
力学」を加味したものじゃねぇかと。
「場の量子論」は「第二量子化」とも言われているようですが、どうやら、基
本的な工学部でも習う「量子力学」というのは、言わば「非相対論的量子
力学」であって、この「場の量子論」は「相対論的量子力学」だということを
思い知ったのが冒頭の式からでした。
場の量子論の基本式はクライン・コルドン方程式
で、これが時間の二次微分式のため、数学的操作で使いやすい一次微
分の式であるディラック方程式
が全ての基本式として使われているようです。
で、驚いたのは、このクライン・コルトン方程式は、どこから出てきた式か
ですが、
が基本なんですね。こんな、運動量pとエネルギーEが入っている式は初
めて見ましたので戸惑ってしまいました。で、この式、E=m0c^2と、質量
のローレンツ変換を入れると確かに右辺のように0となるんですね。
要するに、しょっぱなから特殊相対性理論が用いられていると言う訳です。
すなわち、クライン・コルドン方程式というのはまさに相対性理論の結論
に量子力学で用いた演算子を導入しただけの式というわけです。
ちなみに、運動量は四次元座標系
に対する、4元運動量
のものだそうです。
上記サイトではこれら、クライン・コルドン方程式及びディラック方程式の
解であるφ(x)、ψ(x)は式自体のローレンツ変換不変性という縛りから
よく言われる「無限大の発散」が生じているそうです。
要するに、のっけから発散問題を含んでいるんですねぇ。
いずれにしろ、数式が延々と並んでいるため、読みこなす気力が失せて
しまいましたが、この方のご指摘が正しいとするなら、この理論、そこら
じゅうで、「ローレンツ変換不変性」の縛りによる発散が現れ、ご都合主
義的としか思えない論理の飛躍があり、また、数式展開からタキオンし
か出てこないところがあったりと、本当にはちゃめちゃな理論だと思い知
りました。
もてはやされ、一方では「科学以前」と酷評する物理学者がいる「超弦
理論」はこの理論をベースに拡張展開されたものらしいですけど、この
理論自体、そうとうなものって感が強くしました。
「なんなんだ、これ」と、本当にがっかりしてしまいました(:_;)
これじゃぁ、「自然科学」とはかけ離れた単なる高等数学いじくり回しじゃ
ないかとしか思えてなりません。これでは、啓蒙書は書けないはずだわ
とも思いました。
そして、よくわかりました。なぜ、一生懸命、相対性理論にしがみついて
いるかを。相対性理論が否定されたら、20世紀以降の多くの物理学業
績がほとんどぱぁになってしまうからだったんですね。
今の時代に、数学は得意だが、物理イメージを描くのにも優れていたと
いうMaxwellが生きていたら、彼はどうしたんでしょうかねぇ。
きちんとした物理イメージが描けないような物理学がほんとうに自然科
学でしょうか?少なくとも私は絶対それはおかしいと思いますが。
ま、がっくりしていまいましたので、これ以上深入りするのはやめること
にします。クスン(:_;)
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