単位系って
暇なので、40年以上も前の学生時代に購入した電磁気学の本を今更趣味的に
再度読み始めています。
この本、頭からベクトル解析ばかりで私には当時も今も難解ですが・・・(^_^;)
しかし、やはり40年も前の教科書本ですから、やはり最大の問題は単位系。
当然ながら当時は今のSI単位系などありません。昔はCGS単位系、MKS
単位系、MKS合理単位系などが輻輳してましたからねぇ。
私らは古い人間ですから今のSI単位系に慣れるのに苦労しましたけど、ある
意味、慣れればかなりすっきりするんですねぇ。ま、仕事でよく使う単位につ
いては今はすっかり慣れましたし、この単位系のおかげで昔はある式で係数
が覚えられなくて苦労したのですが今やすっきり式で助かっています(^◇^)
しかし、古い本と現在の物理量の単位の定義などを見てますと、本音のところ
で、「ん?」・・・
前述の電磁気学など最初からそうなんですね。
例えば、この古い教科書では電荷の単位[C](クーロン)は
1m隔てた二つの電荷間に働くクーロン力がF=10^7/c^2[N]のときの
電荷の単位を1「C]とする
とあります。そして、電流は単位時間における電荷の移動量という概念で
[A]=[C]/[s]
という式が載っています。
しかしながら、なんと現在では、まず、電流単位[A]が
真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形の断面を
有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の
1メートルにつき千万分の2ニュートン(2×10−7 N)の力を及ぼし合う直流
の電流
と先に定義され、クーロンはこの[A]から
[C]=[A・s]
と逆に定義されてます。定義の流れが昔と今とでは全く逆になっているんです
ねぇ。
物理公式を全体的総合的に見てより計算に都合のよい統一体系にしたため
だろうと勝手に想像しているのですが(調べたことがないので(^_^;))、SI単位
系では[A]が基本単位になったためだと思うのですけど、そもそもの法則の
発見とそれから決めた単位という源が何か無視され、都合よく変更されてし
まっている気がして、そこに何か所謂「プラグマティズム」を感じてしまってい
るのですが・・・こんなことまでいちゃもんつける私って(^_^;)(^_^;)。
ま、もっとも、クーロンの法則の比例定数が
K=1/4πε0
で
ε0=10^7/4πc^2
とこんなところに光速cが出てくるのに今更ながら驚いたんですけどね。
結構古くからcが一定と言うことからなのか単位系統合の面で基準になって
いるためか、一見、無関係なようなクーロンの法則に出てきたためですが・・・
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