数式の独り歩き

物理学は哲学とは違いますから、考えた概念、実験・観測結果を数式化すること
が当然求められる学問であることは間違いありません。

このような数式化により、ニュートン力学や電磁気学という18〜19世紀に確立した
理論が今、工学応用技術として使用され、地球人類に大いに役立っているわけで
す。
ですから、私は数式を否定しているわけではありませんし、理系人間ですから、
数式は糧みたいなものですし、仕事の上でも必須のものです。

ですから、物理学の数式など「真理」だとかそういう観念も抱かないまま何も疑うこ
ともなく、60年以上も生きてきましたが(もっとも算数に接した小学校以降の話で
すから、ちょっと大げさですけどね(^_^;))、この2年間、色々と調べて現代物理学の
あり方に不信感を抱いてしまって以来、色々と気になる点がでてきました。

どうも、その数式が出た物理的背景、数式の条件、数式を提唱した理論の提唱者
の意図など
から離れてしまって
 『数式』だけが独り歩きしているのではないか
と・・・

例えば、相対性理論(今は私は納得できないものになりましたがそれはそれとして)
を構築したEinsteinは超光速などというのは認めていなかったようですが、この理論
で物理学界では真理みたくなっているローレンツ変換式がEinsteinの意図から離れ
て一部の物理学者の間で独り歩きしていて、この式は超光速を禁止していないとば
かり超光速粒子(タキオン:昔、この名前は所謂「とんでもさん」扱いされてきた方の
本で初めて目にした時、日本語的な響きを感じ、その方が数々の独自の名称を作
られてきた人なのでその人の勝手な命名だと思ってしまいました(^_^;))の存在を信
じて観測する研究を続けている人達や、また『タイムマシン』も可能と研究をしてい
る学者が海外にはいるようです。
私はこれなど、典型的な「数式の独り歩き」ではないかと感じています。

要するに、その数式が全てになり、そこに数学世界が割り込んでくるわけです。
理論云々というより、数式絶対主義というか『その数式だけが真理』という・・・

数学で許されていることは実際の物理学でも全て真実だという思い込みです。
ホーキングの虚時間などの主張はまさにこれです。
とんでも好きな私ですから昔は信じていたブラックホールは一般相対性理論のEinstein
方程式の解からの帰結と知って、今や私の中では否定的になっています。観測結
果というものも何かご都合主義的解釈のうさんくさい物の気がします。直接見たわ
けではありませんからね。

ちょっと目にした場所を失念してしまいましたので、引用ができないのですが、数式
をこねりまわすだけでその物理的意義を聞いても答えられない(深く考えずに単に、
数学世界でやっているからだろうと思いますが)学者がいることを嘆かれている学者
さんがいるそうです。
現代物理学のあり方を見ていると私自身、そうではないかと感じていますからまさに
その通りなんだなとがっかりしました。

数式だけを独り歩きさせ、高等数学ひねくり回しで自然が全て解けるなどと考えてい
るような現代物理学者の思考に大きな不信感と不快感が増すばかりの昨今です。

ある主張をされている物理学者の本の中に、
 「・・・これは超ひも理論とか、リンデやホーキングの理論のような観測や実験によ
 る根拠があったためしのない新種の数学的幻影
ではなく・・・」
という言葉がありました。まさに私がこのコーナーでいわんとしていることを当の学者
さんの中にも考えている方がいるということです。

それにしても、私はこれこそまさに学者自身のとんでも思考、擬似科学じゃないかと
考えている『タイムマシン』はブルーバックスが出ているのに、なぜ非主流派というだ
けの『プラズマ宇宙論』の啓蒙書が日本では1冊も出ていないのですかねぇ。

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