ベクトルポテンシャルって?

ベクトルポテンシャルってなんでしょうか?その前にポテンシャルって何かです。
ネットで「ポテンシャル:ポテンシャルエネルギーの略」という説明をしているサイトが一
つありましたけど、これは明らかに誤りでしょう。

ただ、ネットを見る限り、真の理解をするのはちょっと程遠い説明ばかりの気がして
います。恐らく、ポテンシャルというのは言語的には「潜在能力」という少しばかり
抽象的概念だからです。ですから、説明はポテンシャルエネルギーからの説明ばかり
となっています。

スカラーポテンシャルというのは高校の力学において「位置エネルギー」という概念
を敷衍した狭義の「ポテンシャルエネルギー」からの概念でしょう。電気的には静電
ポテンシャルとも称せされているものです。そして、電荷との相互作用によりエネル
ギーすなわち位置エネルギーの概念を敷衍したポテンシャルエネルギーとなるもの
をスカラーポテンシャルと称しているようです。
  電荷q×スカラーポテンシャルφ
電気の世界でいえば、電位がまさにこのスカラーポテンシャルですね。ですから、
静電界は一般的にはスカラーポテンシャルφを用いて
  =−∇φ
と書かれていますけど、電位Vを用いて
  =−∇V
という表記もあります。

一方、長い間、ベクトル演算
  =∇×
から計算の便宜的なものと考えられてきた(既に述べたように、AB効果と実証実験に
より物理的実在とされるようになっていますが、ネット見ると未だ昔の教科書説明で物
理的な意味はないと書かれているサイトがあるのでなんだかなぁと思うのですが)もの
ですが、それでもポテンシャルという名前がついているわけです。
スカラーに対してベクトルとくれば「方向性」を持つポテンシャルということになります。
これは電流との相互作用でポテンシャルエネルギーとなるものという概念のものです。
電流ですから電荷×速度ということで
  −電荷q×速度v×ベクトルポテンシャルA
がポテンシャルエネルギーとなるものと説明されています。その方向は電流方向です。

でも、この説明は式の説明にしか過ぎない気がします。ではその物理的本質って何か
という意味での説明はネット探しても見当たりませんでした。

しかしながら、前項で説明しましたが、元々のベクトルポテンシャル表示のMaxwellの
方程式から、ベクトルポテンシャルに関する波動方程式が導出され、所謂電磁波はこ
の解としての球面波ということを考えますとやはり「波」なんですね。しかるに何の波な
んでしょうか?

実は現代物理学はここでも曖昧さが残されている気がするのです。どうしても「抽象的」
存在には厳密に言及していないようにしている気がしてなりません。これは既に述べた
私が究極の「波」と考えている「作用」と同じです。
本質的な概念説明無きまま、実在するとだけ云われても理解できない方が多いでしょう。
わからないのは私だけではないと思うのですが・・・

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