大島山(2143m)・本高森山(1890m)

           [長野県](2008/10/11・12)


【国土地理院1/25000地図】安平寺山?
【参考ガイドブック】大島山は無し


大島山
                本高森山から見た大島山
初めて年間20回目の山歩きです。

折角買ったテント、昨年は2回使いましたが今年はまだ0ということで、もう寒くはなりま
したけど、そして健脚の方達は日帰りされる山域ですけど私には日帰りは無理なので
テント持参で行って来ました。

行き先は中央アルプス前衛の2000m峰である大島山(2143m)です。

この山はガイドブック(名古屋周辺の山200/山と渓谷社)に記載がある本高森山
(1889.8m)
の先の奥深い地にあります。
本高森山は実は今年6月に日帰りで登っていて(ここ)、そのとき大島山まで行こうかと
少し先まで歩いたのですが、私には日帰りでは無理かもと思い、途中で引き返してい
ます。

それでテン泊とし、どうせテン泊するならとその先にあるより中央アルプス稜線に近い
念丈岳まで行くつもりでしたが、大島山からの景色に大満足できたことと前日のヘタレ
が尾を引いてこちらは諦めてしまいました(^_^;)。残念無念ですが・・・

朝方雨予報だったんですが午後には上がりそうということでとにかく行ってみようと。
早すぎるかと思いましたが、途中でへたれて時間がかかることが多い私でしたので、
朝まだ暗いうちに出発しました。ま、カーナビ到着予想時刻見たら早く着きすぎるので
途中のSAで時間を潰しましたが(^_^;)。飯田まで雨が降っていて少々心配でした。

往路

駐車場までの往路mapは前述の今年6月の本高森山参照ください。
中央道松川ICで下りて右折し、県道15号に入り、 高森町に入ってすぐ高森CC方面
に右折、高森CCを通り越して先に進むと左側に池が二つあり、二つ目の池のそばの
駐車スペースに駐車しました。何か前回来た時より草が多く茂っていた気がします。

2.山歩き

map
                登山ルート

前回と同じ駐車スペースからの出発でしたが、一番の相違はザックの大きさと重さ。
家で測ったとき、すでに18kgを越えていて過去最大重さ。ここに途中のコンビニで
購入した0.5ml水ペットボトル、お茶ペットボトル、速攻元気(ゼリー)2個、お
にぎり2個、パン2個が追加され、さすがに担いだ途端、ウェストベルト締めたのに
その重さはずしりと・・・。
緩やかな登りの林道はまだなんとかなりましたが、登山口からの急登でもう最初から
ばてばて(^_^;)。前日の寝不足と相まって足が上がらず体が前に進まない・・・。
おまけに少し登ったとき雨まで降り出しました(:_;)。

完全に予定とはずれてしまい、途中やっと1540mの肩部分の展望地までなんと前回
の本高森山頂上までかかった時間かかってしまいました(^_^;)。あまりのだらしなさに
一瞬このまま帰ろうかなんて思ってしまいましたが、折角登ったのにこの重いザック
担いだまま下山なんてと思いなおし先に進みました。でも、もうこれじゃぁ、本高森山
でさえいつつくのかと・・・

とにかく緩い坂道でも苦痛で、珍しく足首裏側が靴ずれ起して痛くなってしまいました。
どうも重い上に担ぎ方が下手だったようです。肩の部分のテープが担いだときどこか
に紛れ込みいいかげんにしたため、後ろにザックが引っ張られたようでした。

本高森山にやっと到着してザック投げ出し、シート引いて山名記載標識にもたれしばら
くぐたっとなってました。ここで昼食用のおにぎりをお茶で胃に流し込みました。
それまでも座れそうなところでは休んでばかりいました。
実は睡眠不足がたたり、途中座って休憩中、居眠りして夢さえ見てしまい、目が覚めた
とき、一瞬どこにいるのかぼんやりしてわからん状態でした(^_^;)。その上、数歩歩いて
は立ち休み状態でしたから、めちゃくちゃ時間がかかったのは当然でした。

尚、秋になって木々の葉が散り、前回よりは少し景色が見えました。

やっとその気になり、本高森山から大島山への登山道に足を踏み入れました。
この頃にはお天気も晴れて来て山々にはガスも無くなりました。

ここから大島山方面へ
                本高森山からの大島山への登山道入り口(左端)
この道は国土地理院の1/25000地形図には記載がありませんが、地元の念丈クラブ
の方達のボランティアにより整備されており、迷う所もなくちゃんとした道でした。

道は中央アルプス主稜線上にある奥念丈岳から伊那谷方面に繋がるY字形の尾根
の南側に向う尾根上に付けられています。上の写真の入り口から少しの間だけは尾
根の左側(西側)ちょっと下をトラバースするようにつけられていますが後はほぼ忠実
に尾根上に設けられていました。

尚、この尾根上には北から念丈岳、大島山、本高森山、前高森山、吉田山等が次第
に標高を下げながらピークをなしています。

反対方向の東方面尾根上には池の平山、今年登った烏帽子岳などがあり、こちらも
登山道がありますので、足さえ確保できれば幕営縦走が可能です。

map   近辺の山々

しっかりした道があるそうでネットサーフィンしますと、小八郎岳・烏帽子岳・池の平山
経由で念丈岳往復された記事は多いですが、本高森山・大島山経由の記事はほとん
どないようです。前者は私がひーひー言いながら烏帽子岳に登る途中、テン泊すると
重いザック担いで登られた単独男性に会いましたが、日帰りされる健脚者もいるよう
です。

烏帽子岳登山口には小八郎岳〜烏帽子岳〜池の平山〜念丈岳〜大島山〜本高森
山〜登山口のルートとコースタイムが記された念丈倶楽部製看板がありました。

いずれにしても避難小屋さえありませんので日帰りできないなら幕営必須地域です。
ちなみに念丈岳から奥念丈岳の間は登山道はないそうで、笹の藪漕ぎが必要だそう
です。中央アルプス主稜線上でも南部にあたるこの付近は登山道が整備されておら
ず笹の藪漕ぎ必要だとか。何か奥深い山々で興味深々です。

さて、本高森山を過ぎ、約1810mのコルまで下りました。ここは往路の左側(西側)が
崖になっていて遠くの山が見えました。

ここから約1840mPまで登り坂になっています。ここを過ぎますと一旦約1810mのコル
まで下り再び登りになり、笹原の斜面のあるピーク(1872Pか?)に。ここもそうです
が木立の中のやせ尾根以外は笹が深く、笹を刈払いし、その笹がそのまま道に残っ
ている所が多かったです。尾根の直登道の急登でもそういうところがあり帰路で滑って
しまいました(^_^;)。

1872P当り?
                1872P付近か?
笹の道
                刈払いされた笹がそのまま道に
実はここを過ぎ下りになってもうよろよろ・・・ザック放り出したくなってしまい、当初
予定の幕営地まで行けそうになく、もうどこかテント張れそうな場所あればそこでテ
ント張っちゃおうときょろきょろ。なかなか広い場所がなく、仕方が無く歩いていま
したらひょっこり広めの場所に出ました。浅井窪という表示がありましたが意味不
明でした。
土地は傾いており、刈払いした後の短い笹がありましたが、「もういいや、ここで」
整地もろくにせず無理矢理テントを隅に張りました(^_^;)。焚き火の跡があったこと
もありましたが。

ここは西側は笹と木立があり、東側は見晴らし台になっていました。前には南アル
プスの山並が見え、下には伊那谷の市街地が見えました。

テントのなかにマットを敷いてシェラフを置きましたが、整地してなかったので下に
出っ張りがあったりして「しまった」と思いましたが幸い足の方だったこともあり面
倒なのでザック置いてごまかしました(^_^;)。

整理が済んでから早速夕ご飯の用意。重いですが軽いアルファ米はまずかったこ
とからサトウのご飯。これを暖め、同じく暖めたレトルトカレーかけ、他にベーコン
を焼いて夕食としました。これが一番簡単で疲れている私の口には丁度いいんで
す。

食事の後、ふと見ましたら私のAU携帯アンテナ立っているではありませんか。
早速家に電話しておきました。

浅井窪標識
                開けた場所にあった浅井窪の標識
浅井窪
                不適なのに幕営してしまった浅井窪
今日は草履持参しましたのでしばし外で煙草を吸ったり景色を眺めたりしていました。
南アルプスの峰峰には丁度夕日があたって素晴らしい眺めでした。私の小型デジカメ
ではうまく撮れていませんでしたので掲載没です(^_^;)。

後はすることもなく早々にシェラフにもぐりこみ、ラジオを聞いていました。で、寒くフリ
ーズセータ着ましたがまだ寒い・・・鼻水さえ出てきました。で、もう一枚セータ着込ん
でシェラフに潜り込みました。

疲れているはずなのに全然眠られません。テントの前開けて外見ましたら月明かりで
星はあまり見えず・・・下に見える市街地の灯が点々と見えました。

やっぱり場所が悪く、寝苦しくて夜中に何度も目が覚めてしまいました。

昔はラジオ聞きながら寝たものですが、なかなか寝付かれず仕方が無いのでラジオ
消した後、眠りにつけたようですけどそれでも1時間おきくらいに目が覚めて困りまし
た。どうも私は家でもそうですけど早く床についてもなかなか眠られずまた夜中に目
が覚めてしまいます。熟睡できないんですね(^_^;)(:_;)。

尚、ラジオはNHK長野放送局聞いていたんですが、お天気はばっちりの予報。ちな
みにサイパンで身柄拘束されロス市警が尚も殺人疑惑追求の構えだったロス疑惑の
M氏が拘置所で自殺したというニュースには驚きました。

4時過ぎ頃目が覚めもう起きてしまいました。外はまだ真っ暗。で、月が沈み空は満
点の星空。これがいいんですよね(^_^)。

5時が過ぎ、遠く南アルプスの稜線上の空に赤みが見えてきて次第に回りも明るく
なってきてから朝食の準備に。本当はラーメンと卵粥を準備するつもりでしたが、面
倒になりベーコン入れた塩ラーメンだけで終わりました(^_^;)。

そうこうしているうちにラジオが6時の時報を告げました。とりあえずテントは帰りに
撤収することにし、サブザック取り出して、水、アウターのフリーズセータ、パン、み
かんなどを入れ、他はとりあえず大型ザックに詰めてテント内にデポしておきました。

7時前にサブザックを背負っていざ大島山向けて出発。さすが荷物の少ない25Lサブ
ザックは空身みたいにかる〜い(^_^)。

安物の高度計が狂っていて幕営場所がどの辺か自信がなくひょっとしてまだ1872Pは
先でこの登りはそれへの登りじゃないかと疑心暗鬼でしたが、ずっと登り基調でつい
に予定していた幕営場所(ネットで笹が刈払われて2張りくらいできると写真が出て
いた場所)につき高度計見ましたら2000m越えていたので大島山への登りだとやっと
安心できました。ま、荷物が軽くても前日靴ずれ起してしまった足首裏側が急登では
時々痛み辛かったですけどね(^_^;)。

尚、ネットで見た写真にはここから水場へ下る標識がありましたがもう無くなっていま
した。道はありましたが・・・ひょっとしたら涸れているかも。ここには地名があるはず
でしたがその標識もありませんでした。
ま、よれよれの昨日はとてもここまでは来れそうでなく途中で諦めて正解でした。他に
テント張れそうな場所はありませんでしたので・・・

ここを過ぎ、いよいよ最後の笹山の登りでした。大島山頂上直下は笹原です。
幕営用場所
                大島山頂上直下の幕営用笹刈払い場所(約2080m付近)
ここから頂上までは笹原の中の九十九折の道でした。お天気がよくもう周囲の山々が
しっかりと見渡せ、辛い登りも救われました。

そしてついに来たかった大島山頂上到着。

大島山頂上
                大島山頂上
大島山標識
                大島山標識ありました(^_^)
ネットでは標識がないという記事がありましたがちゃんとありました(^_^)。
三角点はないんですけどね。

お天気がよいと本当によい場所です。一発で気に入りました。

四方の山々はもう紅葉真っ盛り。そして、仙崖嶺や安平路山などの中央アルプス、東に
は南アルプスの峰峰、南西には遠く恵那山などが望めました。

中央アルプス1
                仙崖嶺・越百山
中央アルプス2
                安平路山方面
念丈岳
                念丈岳と途中にある紅葉の無名ピーク
本高森山
                本高森山から南方面に続く尾根
南アルプス
                遠く浮かぶ南アルプス
私のデジカメでは素晴らしい眺望がうまく撮れていませんでしたが、本当に素晴らしい
眺望に囲まれた心の安らぐ場所で昼なら昼寝でもしたくなるような所でした。
ここで持参したパン1個とみかんを食べました。

まだ、朝早いしと思いましたが、当初予定の念丈岳までは片道2.5HRのコースタイム。
その間地図上でも小ピークが3個もあるし、大島山頂上で大満足できてしまったのでと
念丈岳まで行くのは諦めました(^_^;)。

それにしてもそろそろ帰ろうかと思う頃、同じ方角から一人の男性が到着。驚きです。
まだ朝8時。ここまでのコースタイムは5.5HR。朝5時に出発してもわずか3HRでの
到着とはめちゃくちゃ健脚の方ですね。

後ろ髪を引かれる思いで下山開始。まだ朝早いですからゆっくり下りても余裕です(^_^)
ただ、刈払いされた笹がそのまま置かれた激下りの道は注意してたのにやっぱり滑って
転んでしまいました(^_^;)。

やっと浅井窪に戻り、テント撤収。テントからザックを出し、敷いたシートに中味を全部
出しました。そしてテントをたたみ、いつもながら変形形状のフライのたたみが下手な私。
不器用ですからねぇ(^_^;)。苦労してたたんでなんとか袋に収め、テントを一番下に、その
上にシェラフという順番でザックを詰めました。パッキング下手ですので上まで一杯・・

水筒の水と残っていた湯沸かし用水を二つのペットボトルに詰め、1つはベストのふとこ
ろに。慎重に担ぎ上げ今度はきちんと肩ベルトも引いてと。軽いサブザックよりずっと重
く、なんで軽くなっているはずなのにと思いましたが、歩いているうちすぐに軽くなって
いること(水と食料が減りましたから)が実感できました(^_^)。下山ですしアップダウンが
あるとはいえ往路とは全然違います。

それでもあえぎながら本高森山への登り道で人の気配を後ろに感じ振り向きましたら件
の男性が・・・やはりすごい健脚です。テント撤収で時間をかけていましたので恐らく彼は
念丈岳も往復されたんでしょう。往復10時間のコースタイムを半分くらいでやられたよう
でいくら小さく軽いザックといえ、羨ましい健脚ぶりでした。先に行ってもらいましたが、
スティックも無しで力強い早い登りぶりでした。

やっと本高森山に到着。そして少し休憩してから下山にかかりました。すぐに一組のご夫
婦に出会いました。下のほうで真っ黒なかもしかに出会ったそうです。

ダブルスティック頼みでどんどん下りましたがそれでも息が切れ、また暑くないのに今回は
すぐに喉が乾き、時々座り込んでの小休止をしてしまいました。前高森山との分岐を過ぎ、
尾根の左から右へとトラバース(右側はやっと歩けるような狭い所あり)しながら、1540m
の肩に到着。ここでも小休止で煙草一服。こうも平坦なところあったっけ?と思いながら急
下りと水平道をどんどん下山しました。そして下のほうで一人の老人に出会いました。きの
ことりに来たとか。地元の方でした。

本高森山から登山口までのコースタイム1.5HRだそうですけど、私にしては急いで下山した
つもりでしたがとてもそんな時間では下山できませんでした(^_^;)。小走りに下りるんでしょ
うか?結局自分の目標時間より少し長くかかってしまってやっと登山口到着。林道が下に見
えたときはほっとしましたが、いつもながらこの林道歩きが一番というくらい辛い・・・
こんなに遠かったかなというくらいでした。

駐車スペースにもその前にも老人のと思われる軽トラックしかなかったのであのご夫婦はどこ
から登られたのかなぁと思いました。

帰りにはまた阿智PAに寄り、みやげを買ってまだ明るいうちに家に帰り着きました。

それにしてもやはりテント泊で風邪ひいてしまったみたいで鼻水止まりません(^_^;)。

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