『浅見光彦』シリーズ(’13/9)


内田康夫さんの『浅見光彦』シリーズはテレビドラマでも定番になっている
シリーズ物で、私自身、過去、沢山の購入した文庫本や図書館で借りた本
を読んでいます。

先日も講談社文庫本の『不等辺三角形』を本屋で見付けて買って一挙に
読みました。解説によると2010年発行のもののようで、この年が30周年記
念だったようです。

解説にありましたが、主人公の名探偵・浅見光彦は主として「歴史と旅」と
いう雑誌に旅行文を書いているルポライター。永遠の33歳設定のようで
ずっと独身、母のいる兄の警察庁刑事局長一家が住む実家に居候という
設定。東大卒キャリアの兄・陽一郎と異なり、三流大学卒で根なし草的な
ルポライター稼業の上、独身でいつまでも実家に居候しているのでいつも
母親から小言をくらっている光彦ですが、その名探偵能力は兄・陽一郎も
一目置いているようで、一線は引きながらも、時には地位による情報提供
で協力したりしています。

でも、いつも事件には本来無関係なのに首を突っ込むため、知らない事件
地元警察から疑われ、結局は警察庁刑事局長の弟でかつ多くの事件解決
をしてきた名探偵とわかってごろっと態度を変えるのが定番になってますし
独身の好青年故、いつも密かに思いを寄せてしまうヒロインが出てきますが、
いつもそのままで終わってしまうのも定番見たいですねぇ(笑)。

テレビドラマシリーズは確か、土曜ワイド劇場が最初ではなかったかと思い
ますが、最初の時の水谷豊さんが一番イメージ的に有っていた気がします。
あくまで私的感想ですが。

さて、今回読んだ『不等辺三角形』。珍しく陽一郎からの依頼。
事件の基本的舞台が名古屋というのは市民としてちょっと嬉しい(^_^;)。
しかも以前住んでいた近所にある邸宅が舞台のモデルで・・・
千種区の覚王山というところにある老舗百貨店の松坂屋(再編で大丸と資
本統合になってしまいましたが名前はそのまま、市内では都心の栄に本館
の他、並びで南館・北館があります。駅前にもJRのビル内に駅前店があり
ましたが、ビル建て替えになりで撤退しました)前身の「いとう呉服店」創業
者の別荘『揚輝荘』がモデル(小説では『陽奇荘』)となっています。
小説ではその百貨店の直系社長が兄・陽一郎の大学同級生ということで
名探偵の誉れ高い弟の光彦に事件解決を依頼するというストーリーでした。

ちなみに、モデルになった『揚輝荘』は市内では有名な日泰寺というお寺の
東南にある東西方向から南北方向に直角に曲がる道の角部にあります。



地下鉄東山線の覚王山という駅の北側に日泰寺への参道が伸びています。
この参道とそれぞれ住宅を挟んで平行に東側と西側に道があり、日泰寺の
門の手前の東西の短い道がこれら三つの道を繋いでいます。
多分、昔はこの辺りは山で、上記三つの道の辺りが尾根だった感じでそこ
から東西側に下りになっています。詳細は忘れましたが、元々、日泰寺とい
うのは日本とタイ国の友好で建立されたお寺で大きく市内では有名ですが
歴史は古くはありません。毎月21日は縁日で朝早くから沢山の老人が押
しかけています。

この『揚輝荘』は深い森の中にようやく建物の二階が見えている広い土地
で2006年(平成18年)度末には伊藤家から土地建物が名古屋市に寄贈さ
れ2008年(平成20年)5月に市の有形文化財に指定されているそうです。
この付近は高級マンションが沢山あります。
実はこの付近のマンションに以前会社経由の賃貸しで住んでいたことがあ
るんですよ。だから、モデルの『揚輝荘』のそばをよく通りましたので、この
小説に親しみがわきました(^◇^)

中身はネタバレになってしまうのであまり書きませんが、仙台箪笥という
のが『幽霊箪笥』として出てきて、修理を頼まれた仙台の仙台箪笥名人職
人の方が出てきます。そして、今回のちょい役ヒロインはそこの娘さん。
この職人さん夫婦にはモデルがおられるそうです。
犯人は、真相は・・・まさかなぁ・・・う〜ん・・・



『浅見光彦』シリーズではたまにあるパターン・・・(おっとネタバレか?!)

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