貨物列車


実は長い間、私は貨物列車に関する知見がほとんど皆無でしたが、最近、気になって
調べたりしています。ですから、以下はネットから学んだ付け刃的知識ばかりです(^_^;)

かつては貨物輸送は鉄道輸送がメインで調べてみると旧・国鉄だけでなく大手私鉄も皆、
貨物列車を走らせていたそうです(当地の名鉄も瀬戸線大曽根駅でかつてデキと有蓋車
を目にした記憶が残っています)が、近年の高速道路網の整備などによるモータリゼー
ション化が進んで多くがトラック輸送に切り替えられたことから衰退し、既に大手私鉄は
皆、貨物列車を廃止してしまっているそうです。

旧・国鉄は分割民営化され、貨物列車はJR貨物という全国一社体制となり、地域分割さ
れた他の6社から切り離されました。そしてJR貨物はそれらのJR各社の所有線路を使
用料を支払って貨物列車を走らせているわけです。

勿論、その貨物列車も昔とは様変わりし、昔は色々な種別の貨物車を繋いで走っていま
したが、現在、日本では大半がコキ(コンテナ車)になってしまいました。そのため、昔は貨
物車の付け替えのために存在していた「操作場」が消えて久しいですね。それぞれ広大な
敷地だったゆえ、最開発事業が進められていますが。当地では名古屋駅に近い位置に笹
島駅跡地が愛知万博のときはサテライト会場として使用され、今は建設ラッシュが進んで
いるようです(愛知大学の校舎を完成、今は東山丘陵地にある中京テレビが新社屋をこの
地に建てるとか)。

貨物列車の衰退と現状の制約からか、かつては貨物列車が走っていた路線で貨物列車
が消えてしまった線が本線でさえいくつもあるようです。
こちらのJR東海の路線の場合、飯田線やJR東海管轄部分(岐阜県内部分)の高山本線
からは完全に貨物列車が消えてしまいました(富山県側のJR西日本管轄部分には1社の
近傍の会社工場からの貨物列車があるそうですので高山本線という括りでは全廃ではあり
ませんけどね)

そんなこんなで、勝手に当地は特に貨物列車は激減してしまっているのだろうなと思い込
んでいましたが、ネット記事を見ていて驚きました。なんと、遠くからわざわざこの地まで貨
物列車の撮影に出向いてこられている方が沢山おられるらしい・・・
何か、この地が貨物列車ファンの「聖地」みたいな存在になっている感がしました。
それは個人サイト、ブログなどから伺われ、これらの記事からその理由を知ることができま
した。前述のようについ最近まで貨物列車に関する知見は皆無に近い私でしたので本当に
最近になって知ったことですが、なるほどなぁと思いました。

名古屋の北側のJR東海道線・枇杷島駅には平日でも所謂『撮り鉄』の方達が出没してい
るとか。簡単に結論を先に言うとこの地の路線の関係でこの地発の貨物列車がJR東海道
線稲沢駅にあるJR貨物の愛知機関区に一旦入って各地に走って行くため、枇杷島駅付近
は貨物列車が専用レールを走っているそうで、沢山の貨物列車を目にすることができ、ま
た今やこの地でしかお目にかからない貨物列車やファンが多い旧・国鉄時代から継承した
機関車とかその重連を目にできることなどが理由のようです。

存在自体知らなかったのですが、そして一般書店には置いていなく直接購入するものらしい
のですが、毎年1回「貨物列車時刻表」なるものが発行され、貨物ファンの方はこれで貨物
列車の列車番号と運行時間を調べて撮影に出向かれているようですね。先日図書館に前
のものを目にしました。どなたか寄贈されたのかな?

どこで調べられているのかわからないのですが、全国に散らばって使われていたJR貨物
所有の電気機関車「EF64」は愛知機関区に集結されたようです。また、知らなかったので
すが、かつて非電化区間にSLの置き換えとして沢山配備されたことからSLファンの憎悪を
買ったというディーゼル機関車「DD51」は大幅に減っているようで、それが愛知機関区に
は何台かあってこの地で現役で貨物列車牽引に使われていることもあるようです。

さて、撮り鉄さんでもなく非・行動的な輩なので、まだ自分の目では見ていないのですが、
ネット記事を漁って判明した今現在のこの地域ローカル及びこの地域発の貨物列車の概略
を下記の概略の路線図に示します。

貨物路線       名古屋近辺の貨物路線

JR東海道本線はかつての大動脈でしたから、東西間のコンテナ貨物列車が通過します。
この路線図で名古屋西臨港線(第三セクタのあおなみ線は基本はこの線に先の路線を追加
し電化したもの)沿いにある名古屋貨物ターミナル関西本線側から来ている貨物は一旦、
稲沢駅併設JR貨物愛知機関区に行ってここから先に行く形をとっています。ですからここで
折り返す貨物列車もあるわけです。

尚、上記路線図で中央西線春日井駅を記載しているのは、この駅に貨物用側線がいくつ
かあって、ここに王子製紙春日井工場からの引き込み線が接続されていて工場でできた紙を
貨物列車で送り出しているそうです。実は今年2012年3月までその貨物車として「青ワム」の
名で貨物列車ファンの注目を浴びていた青色の有蓋車が使われていたそうですが、コキに変
更されてしまったそうです(もっと早く気がついていたら近隣なので見れたのに残念)。
この貨物もまずは一旦、東海道線で稲沢駅へ行ってから東京方面に折り返ししたりするよう
です。

私は時々、中央西線の大曽根駅付近で夕方に緑色のタキ(タンク車)を目にしていますが、こ
れは四日市にある二つの石油精製会社工場から南松本駅まで運ばれているものだそうです。
四日市の臨港線からJR関西本線の四日市駅でJRに入るようで、この臨港線が非電化であ
るためこの付近の関西本線及び東海道本線は電化区間にも係わらず、前述の稲沢の愛知
機関区まで関西本線⇒東海道本線下り方向でDD51が牽引しているようです。
そして稲沢駅でEF64重連に機関車が付け替えられて東海道線上り方向に折り返し金山駅
を通過して中央西線に入る運行のようです。

さて、かつては大きな港には旧・国鉄の臨港線とか臨海鉄道の線路が沢山埠頭まであった
そうですが現在その線路の多くは既に廃止されて消滅しつつあるようです。
そして名古屋市内にある旧・国鉄、現JR貨物所有の二つの臨港線(西臨港線、東臨港線)も
同様で西は前述のようにメインが「あおなみ線」になり、わずかに名古屋貨物ターミナルから
の部分が現役となっています。東の方はネット記事によると週三回、レール集積置き場からの
レールの運び出しかディーゼル機関車の単機運転があるだけだそうです(まだあるのかな?)

しかしながら、驚きましたのは、全国的にも数が少なくなった臨海鉄道がなんと名古屋近辺に
二つも存在して現役で貨物列車を走らせているらしいということでした(貨物専用路線)。
一つは名古屋市内のJR東海道本線笠寺駅から出ている名古屋臨海鉄道で、現在は途中
の側線が多数ある東港駅(別項で紹介済み)、東海市にある新日鉄駅を経て南貨物駅まで
の間で運行されているようです。JR貨物、日本通運などが出資している会社だそうですが、
元々は臨海工業地帯の荷駅運搬がメインだったようで、近年の貨物列車輸送廃止に伴い、
東港駅で分岐していた他の路線は今では廃線化したようで、笠寺〜東港駅間の東港線と東
港駅〜南貨物駅までの南港線だけが現存運行されているようです。2年ほど前まではまだ南
貨物駅の先の知多駅まで1便/回の運行があったらしいのですがそこはもうやめになったよ
うです。
で、この線に貨物列車ファンの方達の注目貨物が走っているようです。一つは南貨物駅から
JRに乗り入れて東北の工場迄部品運搬に使われているトヨタ自動車の青色の専用コンテナ
ともう一つは今や全国ではここだけの存在となったそうである貨物ファンの方々が「赤ホキ
とか「矢橋ホキ」と呼称されている赤いホッパー車が南貨物駅に近い新日鉄駅から住友製鉄
引き込み線内まで乗り入れて運行しているそうです。
これは製鉄工程で必要な石灰を運ぶ貨物車で、「矢橋ホキ」というのは矢橋工業という会社の
所有車両であるゆえでしょう。
路線図にある岐阜県大垣市の北の赤坂にある金生山という石灰岩の山から掘り出した石灰
石をそこにある矢橋工業という会社が加工したものを西濃鉄道という貨物専用私鉄
(非電化路線、ディーゼル機関車による運航)で、その乙女坂駅からJR東海道線赤坂支線
の美濃赤坂駅まで運び、美濃赤坂で電気機関車に付け替えて稲沢駅を経て笠寺駅までJR
東海道本線で運び、笠寺駅で名古屋臨海鉄道のディーゼル機関車に付け替えられるという
3路線2回の機関車の付け替えで日に3回(定期2回、臨時1回)運行されているようです。
電気機関車は愛知機関区のEF64がメインのようですが、時に吹田機関区所属のEF66
が使われたりするようです。あのブルートレインを牽引していた精悍な顔のEF66にローカル
で線路先には草むらさえある赤坂駅で機関車付け替えされている映像があってちょっと何か
違和感を感じてしまいましたが(^_^;)
これについてはYouTubeに映像がいくつもある他、多数のブログで写真紹介されていますが、
岐阜県の中学?の社会の先生で鉄ちゃんの方のなぜ製鉄に必要か、運行はどうなっている
か(途中停車駅なども含めて)なども合わせての詳細な説明がなされているサイトがありまし
た。

さて、もう一つ、衣浦臨海鉄道という第三セクタの路線があります。
これは東海道本線の大府駅から知多半島付け根付近の武豊町まで走っているJR武豊線
途中東浦駅成岩駅からの二つの路線を有する臨海鉄道ですが、現在、メインは東浦駅か
碧南駅までの碧南線です。
ここに貨物ファンの方々が「白ホキ」と呼称しているこれも全国ここだけのホッパー車があるよ
うです。白い塗装が施されたもので前述の赤ホキとは運搬物も姿形も異なります。
これは三重県にある三岐鉄道東藤原駅(鈴鹿山脈の登山の山・藤原岳の麓の駅)からこの
碧南駅まで毎日往路1便、帰路2便走っているそうです。
運搬物は東藤原駅からは炭酸カルシウム、反対方向はフライアッシュ(石炭灰)だそうで、
碧南駅近くにある知多火力発電所が石炭火力であるため、炭酸カルシウムが必要であり、フラ
イアッシュはセメント生成に必要ということで往復空荷でなくうまく需要と供給が回っているようで
すね。ちなみに相手側は太平洋セメントだそうです。私、実はこの名を知らなかったのですが、
旧・小野田セメントだそうですね。

ルートは三岐鉄道は自社の電気機関車牽引で東藤原駅とJR関西線富田駅間でこの「白ホキ」
を運行、富田駅からは関西本線⇒東海道本線ルートをなぜかどうやらDD51でまずは稲沢駅ま
で運行しているようです。そして稲沢からはそのまま折り返して東海道線を南下するか時に
EF64などに付け替えられて大府駅まで運ばれ、大府で迎えの衣浦臨海鉄道のディーゼル機関
車に付け替えられJR武豊線に入ってそのまま東浦から衣浦臨海鉄道線に入るようです。

後一つは貨車こそコキですが、現在、紀勢本線唯一の貨物列車が一日1便あるようです。
これは電化されているJR西日本管轄駅である新宮駅一つ手前のJR東海管轄下路線である
殿駅
からのもので、これは近くに紀州製紙という製紙会社工場があってそこからこの駅まで引
き込み線があり、スッチャー牽引のコキで紙をこの駅まで運ばれここでDD51に付け替えられて
紀勢本線⇒伊勢鉄道⇒関西本線⇒東海道本線で稲沢駅まで運行されているようです。
わずか1社のための列車ですから、ここが鉄道輸送をやめたら紀勢本線から貨物列車は消えて
しまうことになりますね。

尚、以上説明しました貨物列車ルートから稲沢駅の南、名古屋駅の北にあって東海道線だけの
駅で貨物専用線路がある枇杷島駅というのは貨物列車撮影に最適の駅のようですね。
勿論、大阪駅とか東京駅と違い、別の専用貨物線がない名古屋地区のためこれらの貨物列車
は名古屋駅も通過しますが、名古屋駅は新幹線、東海道線、関西線、中央西線の電車が頻繁
に出ますので撮影にはちょっと不利なんでしょうね。

ま、本当は私らのような年代のものにとってのかつての有蓋車、無蓋車、タンク車、家畜車など
色々な貨物車を沢山繋いで走っていた貨物列車というのが郷愁をさそうのですけど、それはも
う帰ることがない過去の話とあきらめているものの、それでもとことこと走る貨物列車と言うもの
はいつまでも残って欲しいものです。

----------(2013/2)-------------------------------------------
ネット検索してましたら、どうやら紀勢本線に唯一、紀州製紙の紙運搬で1往復あった鵜殿貨物
今年の3月に廃止になるという記事を目にしました。貨物列車ファンではなかったので実物は見
ていない(ネットで見ただけ)のですが、何か寂しいですねぇ・・・
----------(2013/4)-------------------------------------------
鉄道輸送から船舶輸送に代ったんだそうですね。
このラストランはjtrainという雑誌にも記事がありました。

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