航空機事故の番組(’13/9)


スカパーにナショナルグラフィック(ch.675)というテレビ局があるので
すが、毎日連続で「メーデー」という番組があります。航空機事故に関
するもので、1回が1時間、それぞれ一つの航空機事故を取り上げ、
事故調査委員会の苦労についてのものです。

私は実は飛行機は好きでなく、これまでもやむおえず乗っただけで喜
んで乗った事は一度もありません(^_^;)。事故にあえば、助かる見込
みは極めて低いからです。
しかしながら、年中、乗っていて無事な人と、飛行機嫌いでめったに
乗らないと言う人がたまたまやむおえず乗った飛行機が事故を起こし
たという話を聞いた事が有ります。昔あった羽田沖墜落事故で、その
方は助かったそうですが。

それにしても、事故原因。ほんのささいなことが大きな事故に繋がる
ことを知り、寒気がします。
今日の分では、ピトー管の異常がクルーを惑わせ事故に繋がったと
いうものでした。機体異常ではなく、乗客不足で25日間格納庫に置か
れていた間、なんと本来はなされるべきピトー管カバーが施されてい
なかったため、昆虫が巣を作ってしまって動作不良を起こしたと結論
づけていました。それは、ボイスレコーダの結果から、機長と副操縦士
の速度計値が大きく乖離していたことがわかったことから深海に墜落
したため事故機のピトー管は未発見でしたが、格納庫近辺にはそうい
う巣作りをする昆虫がいたことからの結論です。機長までパニックに
陥ってしまったようです。

一方、エンジン全機停止状態の飛行機をなんとか乗客乗員全員無事に
着陸させた機長の手腕のあった事故もやってました。エンジンが停ま
るとグライダーと同じ状態になりますが、ジェット機は羽根が相対的に
小さいのでやばいんですよね。

大事故があって原因が荷物室のとびらの構造にあることがわり、改善
命令が飛行機メーカに出されたのに、根本的な改善をせず、作業者に
頼る小手先の改善でお茶を濁した航空機メーカの飛行機はそれが原
因で2年後に同じ事故を再発してしまいました。
結局、莫大な補償金でこのメーカは存続できずライバルメーカに吸収
されたそうです。目先の利益を求めてなぁなぁでごまかしたつけは大
きかったわけですけど、亡くなった乗員乗客はもう戻ってこないんです
よねぇ。

最新式のハイテク航空機でも落ちてます。どうやら、飛行機が飛ぶ原
理は啓蒙書の類で書かれているような単純な流体力学ではないらしい
です。要するに、経験に基づいた「設計技術」で飛ばしているものです
から、いくら対策しても事故の完全防止は不可能じゃないかと思いま
す。人的要因もあるようです。それを航空会社や関連会社自体が放置し
ていて事故になった例も多々やっています。
前述の「小手先」の対策はまさにそれでしたが、作業者が英語を読めず
またそういう注意を受けていなかったために同じ作業をしてしまったと
いうのが真相でした。
たまたま無事でしたが、全エンジン停止事故は燃料が必要な量の半分し
か入っていなかったこと、それは丁度重量単位が変わったのに、乗員も
給油作業者も教育を受けておらず、計算間違いをしたことになりました。

安全のために警告ランプ・警告音が設置されていますが、乗組員が原因
をきちんと把握できないとパニック状態にするだけというのも見ている
とよくわかります。不具合が単純な要因ではないということは制御装置
などでもよくあることですから、ハイテクになればなるほどブラック・
ボックス化が進みそういう恐れは大きくなるでしょう。

設計段階では思いもしなかったような問題が致命的になる例も多々ある
ようです。

やっぱり、飛行機は怖いですね。

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