愛知県と名古屋近隣


鉄道関連を調べている中でちょっと気になって調べてみました。

私が2012年現在住んでいる愛知県人口約740万人全国47都道府県では
@東京都、A神奈川県、B大阪府についで第4位人口密度は@東京都、A大阪
府、B神奈川県、C埼玉県についで第5位の県となっています。人口密度で順位が
一つ低下するのは愛知県が面積27位に対し、人口第5位(約720万人)の埼玉県
は面積が39位とかなり狭いためです。
ちなみに人口が500万人以上の都道府県は9都道府県であり、400万人台は無し
で10位静岡県は約375万人と少し9位(福岡県)との差があります。

愛知県は地理的には『中部地方』の南部に位置し南側で伊勢湾三河湾を介して
太平洋に面しています。そしてここは当地では東海3県(愛知県、岐阜県、三重県)
とか東海4県(東海3県+静岡県)と称せられていて(静岡県の方はうちこそ「東海
地方」そのものだと怒られるかもしれませんがなぜか昔から当地では東海3県と呼
称しているのでご容赦をm(__)m)、人口が10位以内に@東京都、A神奈川県、
D埼玉県、E千葉県の1都3県がある関東地方(7県)とB大阪府、F兵庫県の
1府1県がある関西地方(6県)に挟まれた地域ですが、前述の東海3県の他の県
の岐阜県は約207万人で17位、三重県は約185万人で22位となっており、前述
の「東海4県」という地域括りでは愛知県1県の人口と他の3県の人口合計がほぼ
同等となっています。
一方、面積は岐阜県が7位、静岡県が13位、三重県が25位でいずれも愛知県
より広くなっていて、人口密度順位は静岡県が13位、三重県が19位、岐阜県は
ぐ〜んと下がって30位となっています。
尚、地理的区分では三重県は関西と同じ近畿地方に属しているのですが、地域的
な面から中部地方の他の3県と合わせて東海4県とこちらでは称しているのです。


さて、話を愛知県に絞ります。

愛知県は中京工業地帯の核となっている「工業県」であり、大企業の工場や全国的
に知られたメーカの本社工場もいくつもある地です。その分、「工業都市」が多く、商
業は少し低調な感もします。

ポイントは前述の約740万人という人がどこにどう分布しているかです。
愛知県は2012年現在、54個の市町村自治体があります。内訳は38市、14町、
2村
であり、平成の大合併でそれまでの88からは減少率が35.2%となっています。
また、1万人以下の自治体は現在4個(2町2村)で平成の大合併前の18からは
減少率77.8%となっています。

愛知県は昔の西部の尾張地方、東部の三河地方という地区分類が今でも厳然と
あるようで、この分類に従いますと、それぞれの地区に属する市町村数は下記とな
ります。

       自治体合計   市   町   村
 尾張地区   36      24   11   1
 三河地区   18      14   3    1
 -----------------------------------------
 合計      54      38   14   2

地域を地図的に示すと下図となります(上が北です)。

愛知県               愛知県区分

尾張地区は濃尾平野の一角を占めていて比較的平坦な地域であるのに対し、三河
地区は北部(奥三河とも称せられている)は大半が森林地帯であり、平野部は南部
側となっています。したがって、当然ながら人口は尾張地区と三河南部側に集中し
ているわけです。尚、知多半島渥美半島という二つの半島がありますが、図のよ
うに、知多半島は尾張地区、渥美半島は三河地区となっています。
平成の大合併で渥美半島は一括で田原市となりましたが、似たような大きさの知多
半島の方は以前のままで多くの市・町(半田市、常滑市、知多市の3市と東浦町、
武豊町、阿久比町、美浜町、南知多町の5町)に分かれています。

まず、通常、人口が多いはずの『市』について調べてみました。
上記に市数は全部で38市であることを示していますが、人口区分では

 (a)200万以上       1市
 (b)40万以上50万未満  1市
 (c)30万以上40万未満  5市
 (d)15万以上20万未満  3市
 (e)10万以上15万未満  6市
 (f)5万以上10万未満   19市
 (g)5万未満         4市

となっています。20万人台の市は現在のところでは存在していません。
人口ベスト10の市は下記です。地区区分も含めて示します。
尚[ ]内は”東京市”的な東京23区を除いた全国順位(@横浜市)です。

       尾張地区             三河地区
 @ (a) 名古屋市(226万)[3]
 A (b)                   豊田市*(42万)[40]
 B (c) 一宮*(37.9万)[50]
 C (c)                   豊橋市(37.7万)[51]
 D (c)                   岡崎市*(37.2万)[52]
 E (c) 春日井市(30.6万)[70]
 ---------------------------------------------------
 F (d)                   豊川市*(18.2万)[128]
 G (d)                   安城市(17.9万)[131]
 H (d)                   西尾市*(16.5万)[145]
 I (e) 小牧市(14.7万)[164]

太字は上記区分の(a)〜(c)の人口30万以上の市です。両地区とも3市あります。
また、*印の市は平成の大合併で市域を広げ人口増になったところです。
特にトヨタ自動車のおひざ元である「豊田市」は5町2村を併合して面積が3倍にもな
り一挙に県内最大の面積の市となりましたが多くは上の地図の奥三河の地ですので
人口密度は低いです。
ちなみに平成の大合併で市域を広げ人口増になった市は上記表の*印以外には12
位の稲沢市(尾張)、35位の新城市(三河)があります。B一宮市は唯一、旧・市の
尾西市を併合しており、尾西市と言う名称は消滅しました。
新たに町村合併で市になった自治体は5市あり、尾張地区では、あま市(17位)、
北名古屋市(21位)、清須市(28位)、弥富市(38位)の四つ、三河地区では前述の田
原市(31位)の一つです。そして人口増で単独で市に昇格した自治体は3市あり、尾
張地区では日進市(19位)、長久手市(34位)の二つ、三河地区ではみよし市(32位)
の一つです。

上表だけ見ると人口ベスト10は三河地区の方が多いのですが、全合計人口は尾張
地区の方が68.5%(約508万人)で多く、名古屋を除外しても人口は尾張>三河で
す。上記のように自治体数が多い尾張地区は平成の大合併を経ても元々、比較的
狭い小さな自治体が多かった地でもあり、まだまだ市町村域が狭いところが多いの
です。人口が比較的少ないのはそれゆえなのです。
これは下記の県内人口密度ランキングベスト10を見ても明白です。2位になんと町
が入っています。現在、県内の市町村自治体面積では@豊田市、A新城市、B岡
崎市と平成の大合併で市域を広げた三河地区の3市が3位までを独占しており、
名古屋市は4位になってしまいました。

☆県内市町村人口密度ランキングベスト10([ ]内は人口順位)

    尾張地区             三河地区
 @  名古屋市[1]
 A  大治町(海部郡)[45](←注目)
 B  岩倉市[37]
 C  北名古屋市**[21]
 D                   知立市[27]
 E  尾張旭市[23]
 F  清須市**[28]
 G                   高浜市[38]
 H  一宮市[3]
 I  春日井市[6]
(**印の市は前述のように平成の大合併で生まれた市です)

上表だけ見ると人口ベスト10は三河地区の方が多いのですが、全合計人口は尾張
県内人口ベスト10に入っている尾張地区にある30万以上の3市は人口密度ベスト
10にも入っているのに対し、三河地区の3市は入っていません。これらの市は実は
なんと豊橋34位、岡崎43位、豊田48位といくつもの町より低い順位となっています。

ところで、上表で明らかなように、愛知県の県庁所在地である名古屋市は1市だけ
で愛知県の人口の約1/3を担っており、これは近隣の岐阜県、三重県の県人口よ
り多い
人口となっています。それゆえ、東海3県の全国ネットテレビ局は全て名古屋
市にありこの3県をサービスエリアにしています(岐阜県、三重県とも独立民放がそ
れぞれ1局ずつあります。また、全国10位の静岡県は別の静岡県1県内の放送局
エリアとなっています)。

今回の平成の大合併では名古屋は動きませんでした。実は名古屋市はかつての
昭和の大合併で自ら声をかける形で周辺市町村を併合して今の市域としています。

名古屋市               名古屋市と隣接市町村

上の地図は2012年現在の名古屋市と隣接市町村を示しています。
上の地図において、北西部の守山区は旧・守山市を併合して最初から独立区と
して発足した所、南部の緑区は愛知郡・鳴海町、知多郡・大高町、知多郡・有松
町が名古屋に合併してこれも最初から独立区として発足した所、名東区は愛知
郡・猪高村が併合されて千種区猪高町となり、その後、宅地化・人口増で千種区
から独立分区した所(住民希望等で一地区は千種区に残留)、天白区は愛知郡
・天白村が併合されて昭和区天白町となり、その後、名東区と同様、宅地化・人
口増で名東区と同時期に昭和区から独立分区した所です。
その他、庄内川の北側と西側の地区が当時名古屋市に併合された所で、庄内川
の北側では西春日井郡・楠村が楠町として北区に、西春日井郡・山田村が山田
として西区となり、共に現在は市街地化されて多くの地域が町名変更されてい
ます。
一方、西側では海部郡・富田町がそのまま富田町として中川区に、海部郡・南陽
町がそのまま南陽町として港区となっています。これらの地には大規模な水田地
帯が残されていて市街化調整区域となっているところが多いようです。低地である
ためか、東部より市街化は遅れていますが、それでも遅ればせながらも少しずつ
土地区画整理事業が進められているようで、新たに宅地化された地域を含めて多
くの地域で町名変更がなされてきている(不思議ですが広大な水田地帯でも町名
変更されて○○□丁目となっている所もあります)もののまだまだ旧地名の大字
・小字地名が沢山残っています。
これは現在、土地区画整理組合による宅地化・市街化事業が進められている緑
区や守山区・志段味地区(上の地図の北西部の尾張旭市と庄内川の間に半島の
ように突き出ている地域、長い間、まるで山村風景が残り、『名古屋のチベット』と
こちらでは揶揄されていた地区)も同じで、広大な水田というのはもうほとんど無く
なって来ているものの旧・地名が沢山まだ残っています。
ちなみに緑区は元々面積が一番広かった鳴海町地区が一番早くから開発が進め
られてきているようでかなりの地域が開発・市街化されてきており、つい最近では
そこに地下鉄も延長されてきていますがまだまだ現在進行形のようです。
大高町、有松町でも開発が進められていて大高町の南部ではその地に大きなイ
オンモールとそのそばにJR東海道本線の新駅(南大高)もできましたが、ここは
沢山の高速道路が輻輳して通っている所で、市街化にはまだ期間がかかるので
はないかと思います。特に西隣の東海市との南部での境界には小高い森の丘が
あり、ここと東側に南北に走る高架・有料の知多半島道路との間の狭い地域は
南部の方では一見して手つかずの山村風景が広がっていますが、場所的に見て
も今後もずっとそのままではないかと思われます。
尚、名古屋市内では現在、前述の昭和の大合併で名古屋市に併合されてできた
区で人口増加率が現在市内1番という緑区が人口は約23万人で市内トップ、併
合されて近傍の既存区に組みいれられた地のある中川区が約22万人で市内2
位、緑区と同様、名古屋市に併合されてできた区である守山区が人口約17万人
で市内3位となっています。併合後に人口増で分区した名東区、天白区も守山区
と人口が近くともに約16万人います。ただし、これらの区は面積が市内でも比較
的広く、人口密度では市内16区のうちでは最下位付近にあり、中川区13位、
緑区14位、守山区15位となっています。ちなみに名古屋市を16の区に分割して
県内の他の市町村と一緒に見た人口密度のランキングでは1位〜15位が名古
屋市の区で独占しており、唯一、港区だけが27位と他の市町村の後塵を拝して
います(上記の人口密度順位の2位〜10位の後にJ江南市、K海部郡・蟹江町
があって港区だけはその次です)。

ところで、東京圏、大阪圏の大都市近隣と様相が異なり、名古屋市は上の地図
に示すように多くの比較的面積的に小規模の市町村と隣接しています。
瀬戸市のようにほんの少しだけ接している所も含めると、平成の大合併を経た
今でもなんと11市、4町、1村の名古屋市の現在の区の数と同じ16もの自治
体(市町村)と隣接しているのです。
今回の平成の大合併に際しどうやらそれらのうちの多くの自治体が名古屋へ
の併合を望んで名古屋市に申し入れを行ったそうですが、名古屋市は前述の
昭和の大合併の時とは一変して、自ら声掛けることもなく、また、それら周辺
の市や町の言わばラブコールに積極的に応えることをやらなかったようです。

詳細ないきさつについては不案内ですが、名古屋市北部で名古屋市と隣接し
ていた西春日井郡のうちの師勝町と西春町が合併して人口約8.2万人の北名
古屋市(県内人口21位)に、同じ西春日井郡のうちの西枇杷島町、新川町、
清州町、春日町が合併して人口約6.6万人の清須市(県内人口28位)に、海部
(あま)郡のうちの七宝町、美和町、甚目寺町が合併して人口約8.7万人のあ
ま市(県内人口17位)になり、人口8.4万人の日進市(県内人口19位)と人口
5.2万人の長久手市((県内人口34位)は単独で市に昇格しましたが、尚も4町
1村が従来のまま残っています。

これらはそれぞれに思惑と事情があるようで、西春日井郡・豊山町は県営名
古屋空港(セントレアができてから県営空港に格下げになっていますがそれ
でも小型機などによる国内航空でセンタレアの補完をしています)があり、
また、「大都市・名古屋市内に村が隣接している」と驚きである「飛島村」は村
内に多くの工場があるなど両者は財政が豊か故に合併メリットがないとして
独立独歩の道を選んだようです。
東郷町は他の近隣自治体と一緒になっての名古屋併合を望んだらしいので
すがつれない名古屋の対応から、今後は日進市や長久手市同様に人口増
での単独での市昇格の道を選んだようです。

海部郡に残る二つの町の内、蟹江町は十四村を併合して弥富市に昇格した
旧・弥富町との合併協議が物別れ(旧・弥富町側が市の名前も庁舎位置も
自分のところとすることを提案したため)に終わって協議から離脱したようで
すが今後の対応は調べた限り部外者の私にはわかりませんでした。
後、残る大治町は名古屋市のベッドタウンだそうで、市長が名古屋市併合派
(名古屋市は積極的対応はしていませんが)、議会はあま市合併要望で新興
市民は名古屋派というところで小さな町のまま残っています。
面積が小さいため、人口は3万人程度ですが前述のリストのように人口密度
は名古屋市以外の他の全ての市を越えて県内2位となっています。

尚、比較的小さい自治体と言いましたが、面積が小さいということで、これら
名古屋に隣接している16市町村の面積の大きい順に比較のために名古屋
市の区を入れて示します。また、合わせて人口の大きい順に同様に比較の
ために名古屋市の区を入れて示します。( )内は県内順位です。

  面積順位          人口順位
 ----------------------------------------
 瀬戸市(13)          春日井市(6)
  港区              緑区
 春日井市(14)         中川区
 東海市(28)           守山区
  緑区              北区
 日進市(31)           名東区
  守山区            千種区
 大府市(32)           天白区
  中川区            港区
 あま市*(36)          西区
 豊明市(40)           南区
 飛島村(41)           中村区
  天白区            瀬戸市(13)
 長久手市(42)         東海市(15)
 尾張旭市(43)          昭和区
  名東区             瑞穂区
  南区             あま市*(17)
 北名古屋市*(44)      大府市(18)
  千種区            日進市(19)
 東郷町(45)          北名古屋市*(21)
  西区              尾張旭市(23)
  北区              中区
 清須市*(46)          東区
  中村区            豊明市(26)
  瑞穂区            清須市*(28)
 蟹江町(51)           熱田区
  昭和区            長久手市(34)
  中区              東郷町(41)
  熱田区            蟹江町(43)
  東区              大治町(45)
 大治町(53)           豊山町(50)
 豊山町(54)           飛島村(52)

名古屋市の一つの区より面積が小さい自治体が多いことがわかります。人
口第6位、人口密度第10位の30万都市である春日井市でさえ山林を市内に
かかえながら港区より面積が狭いのには驚きました。ま、港区はその分前
述のように人口密度は名古屋市内最下位ですけどね。広域水田地帯があ
りますからね。
また、3町が合併してできたあま市が名古屋市内の4つの区よりまだ面積
が狭いこと、3町が合併してできた清須市が名古屋市内の10個の区よりま
だ面積が狭いこと、2町が合併してできた北名古屋市が名古屋市内の7つ
の区より狭く、そしてそういう清須市、北名古屋市が共に飛島村よりまだ面
積が狭いのにも驚かされました。


時に「三大都市圏」と称されることがありますが、これはたまたま前述のよ
うに数字的には愛知県が人口第四位であること、"東京市"みたいな存在
の東京23区を除く「市町村」ではその県庁所在地である名古屋市が「東京
圏」の横浜市、「大阪圏」の大阪市についで人口第三位であることからの
表層的なものであり、実態は私的には悔しいですが、「東京圏」「大阪圏」
という2大都市圏以外の「地方圏」の中では一番大きいというのが正解であ
ろうと思います。
人口が巨大な割に都道府県面積、市の面積が比較的狭く、近隣の県や市
まで広域に通勤圏・商圏が広がっている「東京圏」「大阪圏」と異なり、
市県とかの面積がやや広く、人口的にも「東京圏」「大阪圏より少ないゆえ
に様相が異なっているわけです。今回調べていて、大阪市の面積が名古
屋市より狭いことを知って実に驚きました。人口だけでなく面積も大阪の方
が大きいと思い込んでいたためです。ま、大阪市は市内がほとんど市街化
されていると思いますので、市街地面積では大阪市の方が広いんでしょう
が。名古屋の地下鉄環状線の「名城線」が大阪のJR環状線より距離が長
いという情報を目にしていますが市内面積見ればありえるのがわかりまし
た。
東京や大阪と異なり、名古屋市はまだまだ市内に宅地・市街化の余地が残
っていて未だ(遅れてかもしれませんけど)開発進行中の街です。以前は
人口が200万人行くかどうかが話題になったことがありましたが、気がつか
ないうちに226万人と当時の話題の200万人のボーダーラインを約26万人も
越え、かつては膨大な差があった大阪市との差が約40万人ほどに縮まって
います。ま、今やかつての名古屋市の人口に北の都「札幌市」が到達して
いるようですから今後はどうなるかわかりませんが・・・。
逆に大阪市を人口で抜いたと聞いて驚いた横浜市は今や約370万人という
のには首都圏への1点集中化が進んでいることになり改めて驚きました。

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以上、下記サイトを参考にさせていただきましたm(__)m。
愛知県のデータ


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