水上勉の『飢餓海峡』に出てくる地は・・('12/3記)


ついにブルートレイン『日本海』がこれを書いている2012/3/17(私の63回目の誕生日
です(^_^;))の一日前、JRグループの列車ダイヤ改正があった3/16で廃止になったこと
から連想でたまたまYouTube見ていたら青函連絡船の映像がありました。
私は20代の頃、一度だけ北海道出張で乗船経験があるのですがほとんど当時の記
憶がなぜかなくて・・・。上野から電車寝台で青森まで行き、青函連絡船で北海道に渡
り、そこから函館本線のディーゼル特急で札幌まで行ったんですが、電車寝台特急
(結局、私の人生でそれに乗ったのはこのときの一回きり)の愛称名も北海道の特急
の愛称名も完全に記憶の彼方になってます。それが私の初めての北海道訪問だった
のにねぇ・・・旅行でなく、出張だったためかも(^_^;)。唯一の北海道出張経験でしが。
もう三十数年も前のことです。

おっと、前置きが長くなってますが、青函連絡船について調べていて、ふと、水上勉の
『飢餓海峡』という小説を思い出しました。
実は、これ、私が学生時代かまだ入社してあまり立たない頃だったかちょっと記憶が
薄いんですけど、先に映画を見たのです。元々、松本清張の『点と線』の映画が上映
されているのを知り、それを見に行ったら、この映画がメインで点と線はむしろ併映
のような感じだったようです。白黒映画ですごく暗い感じの映画でしたが、これも推理
小説の映画化だと見ていて知ったわけで、そのときは水上勉原作のものとは知る由
もありませんでした・・・思い出しましたが、水上勉の推理小説の存在は学生時代に
知ってはいましたが。私にしては極めて珍しいのですが、小説を後から読んだという
わけです。

映画は内田吟夢という監督作品であり、三国連太郎主演、刑事役で伴淳三郎そして
後の方で高倉健さんが出演されてました。女性メインは左幸子さんです。
ネタバレするといけないので事件の内容自体は書きませんが・・・悲しい物語ではあり
ますね。
で、小説も映画も冒頭に、事実に基づく台風による青函連絡船沈没の大事故が出て
きます。昭和28年のことだそうですね。1000人以上の方が亡くなられたとか。
そしてもう一つ、同時に起きた岩内大火。小説では岩幌大火と改名して描かれていま
す。

遠い地である北海道についてはあまり知識がなく、岩内という地関連で調べてみました。
かつて国鉄時代は函館本線の小沢という駅から日本海に面する岩内町まで岩内線と
いうローカル線があったんですね。もう廃線になってしまってますが。函館本線に入って、
急行『雷電』となるディーゼルカーもあったそうですね。
岩内の南は雷電海岸という地があり、岩内は積丹半島から南に下ったところにあること
を地図で確認しました。『飢餓海峡』には朝日温泉というのが出てくるのですが、これは
実在の温泉でネット調べましたらすごい荒れた狭い急坂の林道を車などで走らないと行
けない一軒宿と知りました。で、土砂崩れで交通遮断のために現在、休業中とか。
地図上では岩内町に近いところにあるんですね。

岩内で調べていたら小説には出てこないのですが、道路を北上して積丹半島に入ると、
神威岬というのがあることを知り、これまた調べました。すごいきれいな所なんですね。
是非行きたいなと・・・。前に旅行して大感激した礼文島の海と同じコバルトブルーの海
は心が癒されそうですね。

ところで『飢餓海峡』は映画では伴淳さん演ずる函館署の刑事が犯人の足跡探して青森
県に渡るのですが、それは下北半島なんですね。仏が浦とか恐山とか森林鉄道なども出
て来てこれまた遠く不案内な青森県の地の果ての各地が出て来て興味深く調べたもので
す。地図も眺めてみました。地名も牛滝、野平、畑、川内、大湊などができてきます。
調べたら、この飢餓海峡の地を歩くというサイトを発見しました。
野平(のだい)は現在はダム湖に沈んでいるそうです。牛滝、畑などという地は遠い私に
いく機会はありませんので私には貴重な写真情報です(^◇^)。かつての森林鉄道地図
まで掲載されています。ネットの有難さですね。

ところで水上勉は実際にこの地を訪れて書いたのではないらしいです。五万分の一の地
形図を見て書いたようですね。ネットにありました。

話は完全にそれますが、上の方で書いた「岩内線」が出ていた函館本線の小沢駅って小
沢というところは地図見ても大きな町でもないのにかつては急行ニセコ号の停車駅だった
んですよね。どうやら上り方面も下り方面も登り坂になっているため、上り坂が苦手なSL
時代だったためのような感がしています。YouTubeにはこのSL牽引の急行ニセコの小沢
駅出発映像などの貴重な映像がありますね(^◇^)

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