廃林道、森林鉄道(’11/12)
山歩きに興味を覚えていくつかの『林道』を利用してきました。
本来、林道は山から切り出した材木運搬のために作られた道ですが、安い輸入材に押され
て国内の林業は廃れる一方なのか、多くの林道が廃道になり、その一部が登山用で利用さ
れているところも多いようです(もっとも新たに作られて国土地理院の地形図に記載のない
林道もあることはあるようですし、まだ、ちゃんと林道本来の役目をしている道も目撃してい
ますけどね)。
ネット見ますと、それでもなんとかマウンテンバイクなら通れるような道の紹介個人サイトが
沢山あります。オフロード趣味の方も結構いらっしゃるようです。
ま、元々、一般用でない林道ですから、本来の用途使用がなされなくなった所は荒れるにま
かせているようで、未舗装のひどい道ところや、落石ごろごろという道も登山口まで車を転
がした経験を多々しています。私のようなセダンの乗用車では本当にひやひやですが(^_^;)
地形図に記載があってももう廃道化している林道は多々あるようですね。で、そういう記事
すごく興味があって読んだりしています。
山歩き始めた頃、遠いとしてあまり興味がなかったお隣の静岡県ですが、その後、静岡県(
というか今では静岡市葵区となっている)の北部が南アルプスであること、ハイキングの山
が多いことなどから興味が湧いて東部の安倍川の東側、山梨県との県境にある安倍川東山
稜のいくつかの山に登り、地形図を眺めてますます私の興味(ただし、あすなろ的なあこがれ
でしかない−私には現実問題として困難のため)を引き、ネット見てもう廃道化している長い
林道がいくつもあることを知りました。
静岡県の北部山岳部は南アルプス深南部と称せられ、勿論、集落はなく険しい山塊で占めら
れていて、長い間、静岡県は海の県と思い込んでいた私を驚かせたものです。
このもう所々で完全崩壊してしまって荒れ果てている長い林道として、特に山歩き趣味の方
達には周知のものとして大井川の支流の寸俣川沿いの寸俣左岸林道やその支線の日向林
道、そして、途中の山犬段避難小屋のある駐車場の先の延々と続く道は廃道化して車通行
禁止になっている南赤石林道というのが地形図上には名前は未記載ですがあります。
前者はその終点前のところに南アルプスで有人山小屋がある最南端の光岳に続く登山道が
あるらしく(地図にあり)果敢に長距離林道歩きで登山に利用された方達の個人サイト記事・
写真がいくつもありますが、大樽沢、大根沢、小根沢など魅力的な名前の沢が途中にありま
すけど完全に崩壊してしまっているところを危険を承知で通過されて無事帰還されそれを記
事にされているんですね(言わば人柱)。私にはとても無理ですけど、こういう記事がある
おかげでどういう道と周囲状態かがわかって楽しく読ませてもらっています。
さて、よくよく考えてみれば(というかあるところを読んでいて気がついたというわけですけど)
林道ってそんなに大昔に作られたものじゃないんですね。その前は、全国の深い林業が盛ん
な山々には『森林鉄道』なるものが木材運搬用として走っていたんですね。
調べてみましたら、もう日本で残っているのは屋久島だけのようでした(残っているようでそ
の映像がYouTubeにあり実は驚きましたが)。皆、林道建設と共に消え去っていったんですね。
木曽にある赤沢自然休養林というところには十数年前に一度行ったことがありますが、この辺
はその昔は王滝森林鉄道などというのがあったそうで、その一部かどうか忘れましたがこの赤
沢自然休養林には観光用としてほんの少しの区間だけ人を乗せるトロッコを牽引したものがあ
り乗った記憶があります。
林道より先にあって廃止されたものですから、崩壊は更に激しく自然に帰りつつあり、廃線跡
をたどられている奇特な方達の記事を見ますとみなさん危険な思いをしてたどられて写真を公
開されています。
ただ、私は前にも書きましたが、何も活動していませんけど、根が鉄道好きの隠れ鉄道ファン。
そして何が好きかと考えましたら、私は『線路』が好きなことに気が付きました。線路であれば
トロッコの線路でも好きなんですね。
ですから、そういう山の中に線路があったというのをこの目で見ることなく廃止されてしまった
ということはすごく残念です。特に、前述の寸俣川沿いには源流の方の柴沢までかつては森林
鉄道があったとことで是非その線路と機関車+貨車編成の走る姿を見たかったですねぇ。
子供の頃、なぜか森林鉄道にも憧れていた記憶があります。
「飢餓海峡」という水上勉の推理小説に青森県下北半島の森林鉄道が出てくるのですが、三国
連太郎主演の映画の中にも堂々走る姿が出てきました。青森県では下北半島、津軽半島とも
森林鉄道が多く走っていたようです。ここは切りだしたひばの搬送で使われていたようですね。
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