メディアに流されないでじっくり考えてみる必要がある('17/6)

〜米国のパリ条約離脱宣言、英国のEU離脱など〜


ちょっと世論に反するような異質な内容です。

国際情勢において、昨年はイギリスのEU離脱が大きな話題になり、今度はアメリカのトランプ
大統領が「地球温暖化防止」のパリ協定離脱を表明したことがこれまた非難ごうごうで報じられ
ています。

しかしながら、色々な思惑を考察するとき、安易に、そういう「非難・批判」に乗るのはこれまた
問題ではないかと思っています。勿論、考え方は人それぞれですが、色々なことをきちんと調
べ考えて自ら判断すべきであると思うのです。

私はこのコーナーで「きれいごと」という批判的タイトルをつけたarticleをアップしていますが、
若かりし頃と違い、比較的長く生きてきて、また、インターネットの発達で居ながらにしてグロー
バルな主張も目にしてきて、私は安易に(紙、視聴覚)メディアに流されないようになりました。
人間の耳にいかにも正当のように聞こえる「きれいごと」について、その裏を考えるようになっ
たのです。そして、その典型的なものとして「グローバル化」と「温暖化対策」というものについ
て考えているのです。

はっきり言うか言わないかの違いだけで、世界中どこの国も、結局は「自国第一」です。これは、
地球人類共通です。そして、それは自分自身の家庭を考えて見たときどうかです。何も違わな
いのです。結局、地球人類は、口とは裏腹で、皆「自分の損得」で判断しているのです。
「理想論」は耳にすごく聞こえがいいのですが、それは、地球人類が皆そういう考えであって初
めて成立することであり、現実はそんなことはないのです。そういう意味では私を含めて地球人
類というのは未だ精神的には低レベルのままとどまっているのです。
そして、「理想論」を唱える方が本当に「聖人君子」かと言えば、そんなことはないことは事実
が語っています。「言っている」ことと「やっている」ことの乖離が大きいのです。

さて、経済的に見た時、イギリスのEU離脱や今回のアメリカのトランプ大統領のパリ協定離脱
表明というのはわが国にとっては不利益な面があることは間違いないでしょう。しかしながら、
イギリスのEU離脱は、グローバルで利益を出しているイギリス企業と、イギリス以外の国の不
利益であり、イギリス国民自体にとってはどうなのかという視点も持つ必要があります。私はあ
のとき、内外サイトを当たりました。そしてEU離脱の国民投票で賛成した方々が何を問題にし
てそういう行動をしたかを知りました。日本ではほとんど報道されませんでしたが。

そして、元々それを選挙前から公約していたトランプのパリ協定離脱宣言。まだ、出たばかりで
すので、これからたくさんの意見が出てくると思いますが、そういう公約をしていた人物がなぜ
大統領に当選したのかそこを考えてみる必要があります。彼の述べている理由です。彼は「不
公平な協定だ」という主張をしているようですね。

そこなんです、きれいごとを言っても、人間と言うのは「不公平」と感じるとそこに怒りがでてく
るのです。結局は「自分第一」なのです。確かに世界一の大国のアメリカの大統領が自国第
一主義をとることは、それ以外の国にとっては不利益になりますから、「困ったものだ」となる
のは当たり前ですし、私もそう思っています。
ただ、私はこの協定が審議されているころ、中身に対して疑問を感じていました。そして、これ
は当然ながら国の思惑がぶつかりあうと思いましたが、あの炭素排出権?売買というのにす
ごい違和感を感じていたのです。当時あったのですが、当然、後進国・発展途上国としては、
先に自分たちが産業で儲けておきながら、これからという俺らをそういうきれいごとで抑圧す
るなどけしからんというような猛反発があり、結局、なだめすかせるための「政治的妥協の産物」
でしかないと強く感じていたのです。
その上、近年、「CO2地球温暖化」説に強い疑念を感じてきました。科学者の中にある根強い
データを示しての反対論に論理性を感じ、主流派のそれに対する反論に説得力を感じるもの
が私的には見当たらなかったからです。そして、例のクライメートゲート事件。私はもう一つの
コーナーで「純粋」な意味での科学と科学界への不信感を書き連ねていて、世界中の科学コ
ミィニティがなしてきたことを知ってしまっていますから、この事件は、私の「CO2地球温暖化」
説への懐疑的感情をより強めてしまいました。

ある英語の科学フォーラムに"ALERT: Trump to pull U.S. out of UN Paris Climate Pact -
A Victory for Science! "というarticleがあり、リンクを辿りましたら Climate Depotというサイ
ト(ブログ主はMarc Moranoと署名がありました)らのものでした。
このサイト、6/3に初めて見たのですが、相当な温暖化説と今の国際協定反対のサイトのよ
うで、このサイトのトップページにも大きなタイトル

 "Sciences Wins!Trump Stomps on climate religion, withdraws from UN pact
 - Round Up
"(科学の勝利!トランプは、クライメート[地球温暖化]宗教を踏みつけて
 国際協定から引き上げる−ニュース要約)
が踊っています。その記事の冒頭で、

 Morano on Newsmax TV's Steve Malzberg show:"The UN has actually
 admitted the real reason for the treaty. They said this is not even
 enviromental policy anymore, we will redistribute wealth by climate policy....
"
 Newsmax TVのSteve MalzbergショーでMorano[は語っている]:
 「国連は、実際に、その協定に対する事実上の理由を認めた。彼らは、これはもはや
 環境政策でさえなく、我々はクレイメート[温暖化]政策により冨の再配分を行うつもり
 であると述べた


と書いていて、5/31付の上記タイトル記事では、これを根拠に、

 "Trump realized that the UN Paris climate pact would not serve the
 interests of U.S. foreign policy or domestic energy policy. The near
 total dismantling of former President Obama’s “climate legacy”
 is now almost complete. Bravo! President Trump understands that
 the UN has no interest in climate. The UN’s real goal is "global
 governance" and "wealth redistribution."
"
 「トランプはパリ国際気象協定は米国の外交政策や国内エネルギー政策の
 関心を支えないだろうことを理解した。前大統領オバマの「気象遺産」が近く
 解体されることは、今やほとんど完全である。ブラボー!トランプ大統領は、
 UNは気象に興味を持っていないことを理解している。UNの真の目標は、
 「世界政府」と「富の再配分」である・・・」


と主張されています。

記事によるとこの方は他にもBlaze TVとかでも主張されているようです。
そして、サイト主のMorano氏はSkyTVというところでのSky TVのアンカーKay Burley氏と国
際グリーンピースのスポークスマンKaisa Kosnen氏とのデベートにおいて、次のように語っ
たことを書いています。一部だけ引用しておきます。

 "This treaty has no basis not only in science, but in actual cost
 benefit analysis. Even if you use all the UN assumptions and believe
 everything they claim about science, you would not be able to
 measure the temperature difference in a 100 years assuming all
 the countries did what they planned to do.If we did face a climate
 apocalypse, you don't need the UN to sit there and decide what
 energy mix countries should have. UN bureaucrats don't have to
 be in charge. You don't need central planning to determine that. "
"
 「この協定は科学的根拠を有していないばかりか、実際に有効なコスト解析も
 持っていない。たとえあなたがた皆がUNの仮定を用い、彼らが科学について
 主張している全てのことを信じているとしても、あなたがたには全ての国がす
 ることを計画していることをなしたと全て仮定して100年間の温度差を測ること
 はできないだろう。もし我々が気象の黙示録に[真に]直面しているなら、あな
 たがたはUNをそこに据えて国々がどんなエネルギー交際をするかを決めさ
 せる必要はない。UN官僚は担当であるべきではない。あなたがたはそれを
 決定する中心的計画を必要としない
。」

と強烈な「UN官僚」不信を示しています。その上でアンカーの(私に言わせてもらうなら、
世界共通の考えの浅いmedia manがよく言う)批判的質問に対して、

 "We been called a rogue nation along with Syria and Nicaragua.(..)
 Standing up to the world and say we are not buying belief in
 superstition that a UN agreement that even if you believe in UN
 assumptions would have no measurable impact on temps in 100
 years or has anything to do with saving the planet or climate.
"
 「我々はシリアやニクラグア[*]と一緒にならず者国家と呼ばれるだろう。
 (中略)世界に対して立ち上がり、我々は、あなたがたがたとえUNの仮説
 を信じていても、UN同意は100年間温度に対するどんな測定可能なイン
 パクトも持っていない、ないしは衛星または気象保護を扱うための何物も
 持っていない[ような]迷信は買わないと言っている

 (注:[*]この二か国はパリ協定に批准していない、また、言っているはトランプのこと)

と答えたと書いています。

欧州において、ENへの批判は、「EN官僚」批判が多いです。感情的には同じ流れなんです。
そして、メディアはなぜかそれに触れません。国家のような国民投票で民主的に選ばれた議
員ではないのに、強大な権限が与えられている・発揮しているからです。得している人、損
している人がおるわけです。そして人間は自分自身の生活に直結する事には敏感なんです。
イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利したのは、「損している」と感じている人が多かった
わけで、そういう方々を他国民がえらそうにとやかくいうのはおかしいのです。
今回のトランプのことだって、元々公約していたことであり、そういう公約をしていた人が当選
したというのが事実なのです。メディアのネガティブキャンペーンにも係らず同じことを考えて
いた方が多かったのでしょう。どうでるかなと予想していた通り、ロシアのプーチン大統領は好
意的なコメントだしましたね。反EUですから。

最初に戻るのですが、世界中どこの国でも口にしないだけで、本質的には自国第一です。そ
れは地球人類のDNAになってしまっているのです。譲ると利用して嵩に着てくる国もある
のです。為政者はへたに本音を漏らすと、メディアが鬼の首を取ったみたいにそれを「失言」
として過大に叩きまくりますので普通は黙っているのは明白ですが、トランプという人は、ど
こまで覚悟と矜持があるかはわかりませんけど、正直に口にする人のようですね。
超大国のアメリカが離脱したらあとはどうなるかですが、経済的な問題が大きいでしょう。
(当然ながら、こういう「作られた世界世論」の恩恵を受けている企業の反発・困惑が早くも出
てきていますね。Tesla Motorsとか。不利になりますから当然ですが)
私は、未だ「Co2温暖化説」で「温暖化防止」の悪影響を馬鹿の一つ覚えみたいに言うメディ
アの言うことなど信じていません。そして、「CO2温暖化説学者」に聞けば批判的言動がなさ
れるのは当たり前です。しかし、上記のサイトにはこんな記事もありました。
一つは、

 "UN Armed Security Shuts Down Skeptics After SHREDDING
 Climate Treaty at Summit Next to Trump Cut-off""
(November 16, 2016)
 「UNはトランプ切り捨ての次のサミットでのクライメート協定を
 ズタズタに切り刻んだ後、疑念派の秘密の排除の武装をした


もう一つは、

 "NASA’s former lead global warming scientist Dr. James
 Hansen is also not a big fan of the UN Paris accord.
 -[The Paris agreement] is a fraud really, a fake. Its' just
 bullshift for them to say.'We'll have a 2C warming target and
 then try to do a little better every five years.' It's just
 worthless words. There is no action, just premise. as long as
 fossil fuels appear to be the cheapest fuels out there, they
 will be continued to be burned.
"

 「NASAの前の指導的地球温暖化科学者のJames Hansen博士もまた、
 UNパリ協定の大きなファンではない。[彼は次のように述べている]
 −[パリ同意は]実際には詐欺であり、偽りである。『2℃の温暖化ター
 ゲットがあり、それから、5年ごとに少しずつよりよくするよう試みる
 だろう』というのはまさに彼らにとっては戯言である。それはまさに価
 値のない言葉である。化石燃料がそこで最も安価な燃料と見えてい
 る限り、彼らは燃やし続けるだろう
-


私は、「熱ものに懲りてなますを吹く」という格言を思い出しました。
愚かな人間の行為を揶揄したものです。そして、「なますを吹く」だけならその人の勝手です
が、そういうのを如何にも真実のように美化して喧伝し、実際には色々な歪を齎していること
もきちんと考えるべきであると思っています。
そして、「多くの科学者が云うから正しいだろう」などというのは幻想でしかないことをよく知る
べきであると強く主張しておきます。

('17/6)
                           

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