「学問の世界」の事件考(2)
これは科学に関する物ですが、こちらに書いておきます。
偶々、小保方さん支援側のブログで目にしたのですが、以前、日本の科学者が米国で産業スパイ
事件に巻き込まれたそうです。全く寡聞にして知りませんでした(^^;昔、日本の電気メーカ社員がI
BMの技術を盗んだとして逮捕されたというニュースは知っていましたが。
要するに、「研究結果を外部に持ち出した」とFBIが判断して、在米(一人は帰国後)逮捕または逮
捕状を出したという事件だったようです。
色々ネット検索しました結果、どうやら、「人間関係のもつれ」から告発がなされ、捜査が入ったよ
うですね。一方の事件では、中国人の夫と一緒に逮捕された女性科学者が日本のメーカに無断
で研究成果を送った(売り込んだ?)とされたものであり、もう一方の事件は、主犯とされた方は帰
国後、理研に入っていた研究者の在米中の行為に係るものだったようです。こちらは、従犯とされ
た在米の准教授だった方が逮捕され、それで職を失ったのに対し、主犯とされた方は、米国の引き
渡し要求を日本側が結局最終的に拒否したようで、何か不公平な感もしました。(勿論、米国は時
効はないので、この方は米国領土には一生足を入れられないでしょう。理研は退社されている(く
び?)そうで今は勤務医になっているそうですから研究者としては終わってしまったらしいですけ
どね。。以前ロス事件の犯人とされていた人が偶々米国領土の島に足を入れて速攻ロス市警に
逮捕されたという話がありましたよね。日本国内では法的には安泰ですが、米国的には無罪放免
ではありません。)
ただ、ネット検索していましたら、大変失礼ながら、日本科学コミュニティの意識というものがよくわ
かりました。極めて考えが甘いことを・・・。
彼らは「なぜ、FBIが逮捕状迄取ったのか」を十分に理解していませんね。理解しないまま米国批
判をしている連中を多々見かけました。こんなもん、日本人だけが考えが甘っちょろいのです。
科学者って「自己資金」で研究しているのでしょうか?違いますよね?まずはそこに思いをはせる
ことがない・・・。資金を提供する側は「社会奉仕」でやっているわけではないのです。そして、「科
学者」は資金を提供してもらうという権利などないのですが、完全に勘違いしているのではないか
と思うのです。研究成果物は科学者のものではないのです。科学者に与えられるものは「論文」の
評価による名誉だけなのです。そこをわかっていないからFBIに引っかかったのです。
日本はスパイ法がないので、あまっちょろい考え方をしているものと思われます。情報保護法も適
用に厳しさがあり、技術研究情報を盗まれても仕方がないような杜撰な管理をしていると告訴して
も負けてしまうそうです。
米国は契約世界ですよね?こういう物品の移動は、きちんと承認を取って文書を交わしておけば
事件化されず、単なる仲たがいだけで終わったものですが、日本人は甘いのでそれをしていなか
った−だからこそ、事件化されてしまったのだと思います。真相はわかりませんが・・・。
なぜ、これを書いたかと言いますと、一つは帰国後理研に入った研究者(既に退社)が起こしたも
のであり、この事件に関して、文科省がMTAという取り決めについての規定をしたということです
が、そういう規定があるにもかかわらず、わかっていない研究者がいるらしいことが露呈している
からです。
当の理研自体、STAP細胞騒動が勃発してからあわててあとづも行動を起こしています。それは
W氏がY大学に赴任するとき、多くの研究成果を持ち出しているですが、こういうときはMTAを結
ぶ必要性があることを、前述の米国での産業スパイ事件を契機に文科省が規定していたにも関
わらず、それがなされていなくて、事件発生後、あわててかのように、W氏にリスト作成を強く要請
したようです(私記「あの日」による)。規定があるのに遵守していなかった杜撰さが明白ですね。
で、STAP事件に関し、小保方さん支援ブログで、例の理研OBがやり、結局は神戸地検が否定し
不起訴とした「ES細胞窃盗告発」にあったものがそのMTAリストにないことを指摘されているのに
対し、間抜けにも、簡素化の規定を拡大解釈して、MTAなど日常では結んでいないような規定が
無視されている実態を暴露している反STAP・反小保方の研究者たちがいたそうです。
こういう愚かな考え方していると、また、他国で産業スパイでやられてしまうのではないかと思いま
すし、盗まれてしまうのではないかと思いますね。
どうも日本アカデミアは傲慢不遜というか、治外法権みたいに考えている連中が多々見られますが、
一般社会の法律規定の元では一般社会と平等なのです。甘っちょろい考えは通用しません。
研究不正を告発された大学学長が、告発した側を相手取って起こした「名誉棄損」裁判では、告発
側の「科学的論述」など一顧だにされず、大学学長側が勝訴したそうですね。
このように、アカデミア内での対立・騒動が法廷の場に持ち込まれる例はネット検索していると多々
見られます。それらの裁判の結果を見ると、「科学的」というようなものはあまり考慮されていない感
がします。明らかに、最高裁まで行っても独自の「治外法権的」主張は認められないようですね。
('16/8)
戻る