『悪貨』と『良貨』


悪貨は良貨を駆逐する」という格言?があります。

しかしながら、今更、ふと、考えてしまっています。それは、

 誰が『悪貨』、『良貨』って決めたのか?
 何が『悪貨』で何が『良貨』なのか?


ということです。

もし、私が20歳代で死んでいたら、誤解したまま・真実を知らないままだったでしょう。

昔の平均寿命は、男・50歳などというTVショッピングのCM見ました。現代人ゆえの恩
恵なのか、平均年齢がぐっと上がったためなのか、そんな予想はしていなかったのに
60代中間を過ぎようとしている私がいます。

それだけ余分に生きて来たために、わかってしまったこと・・・

それは、「良貨」だと思っていた多くが、実はとんでもない「食わせ物」だったこと・・・
「悪貨」だと思い込んでいたものが、実は悉く「悪貨」だったわけではなかったことを。

そして、真正の『悪貨』は、頭でっかちだけの弱い「良貨」を巧妙に取り込んで、手管を
使って、自分を「良貨」と見せかけ、真の「良貨」の中の生一本にまで「悪貨」のレッテ
ルを貼って来たことを。

一番驚いたことは「敵の敵は味方」をリアルタイムに目にしたこと・・・
一番がっくりきたことは、もともと『悪貨』であることを見せつけていたものだけではな
く、かつて『良貨』だと思っていたものが、実は、獅子中の虫で腐りきった果実でしか
なかったことがわかってしまったこと・・・

愚かなのは、それでもなお、そういう手管・幻想にしがみついている・・・


昔の儘だったらと思うと、ぞっとしてしまう私がいます。技術革新のおかげ・・・

('15/1)

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