疑惑の中で

前の方で論文ねつ造について書いたのですが、察するに表面化してきたのは氷山の一角では
ないかと思えてなりません。アカデミズムは「事件はまれなこと」として信じたくないのでしょうけど、
表面化したものを見ると、有名なものは
  やりすぎて疑惑を持たれてばれた
だけのようですので、「氷山の一角」であることは疑いもないでしょう。

しかし、なぜこういう事態が起きるのでしょうか?本人特有の名誉欲と矮小化するだけですむ話
でしょうか?
一つの問題は、なぜそういう捏造論文がいとも簡単にパスして権威ある科学論文誌に掲載され
てしまうのかということです。異端説などはよほど有名な権威ある学者のもではないと最初から
すろくに審査もせずに問答無用で却下されてしまうという話をよく聞くのに・・・

私が疑惑を持っているのは、そういう捏造論文が現代定説を補強してきた歴史はないかという
ことです。そういう捏造が補強となり、一旦完全に定説理論になってしまうと後からばれても時
すでに遅し・・・大した影響が出ないように取り繕われてきたのではないのかという大きな不信感
を抱いてしまっています。

かって「ビルトダウン人」という進化論の証拠の一つのようにされ40年間も疑われなかった捏造
がありました。なぜか今でも、定説の進化論者はこういう不祥事に殊更触れようともしませんが。
解釈論ではない唯一に近い直接実験結果とされた航空機における原子時計の遅れ論文は捏
造論文であることが判明してますが、これも相対性理論正しい派はほとんど触れようともしませ
ん。都合が悪いからひたすら言及されるのを避けているわけです。

論文ねつ造は学者の虚栄心から出て来たのは間違いないと思いますが、それが本人一人の
問題で終わらず、学問に対する取り返しのつかない悪要因になることを重々考えていただき
たいです。こういうのを見れば他のだって捏造や恣意的編集をしているのではないかと疑念
が湧いてきます。他は正しいのだなどという証拠はあるのでしょうか?

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