大平峠県民の森と夏焼山(1503m)
[長野県南木曾町](2006/11/4)
【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】兀岳
三連休の真ん中。先週、低山といえど、比較的高い山に登り、満足したため当初は予定
していなかったんですが、折角だからと1000m越えでまだ雪が大丈夫そうな山はと候補
探しました。
そうなると遠い山はやばいため、近い山となるんですが、なかなかぴったりくる候補がな
く、やっとそれほど遠くなく、時間的にもあまりかからないのを選び、一旦は決めました。
しかし、全山ひのきの山というのが引っかかり、秋なのにひのきではなぁと考えて他には
ないのかってガイドブックやネットで再調査。そして1つ代替候補発見しました。
それが、今回行きました夏焼山です。
実は、この山は前に愛知県奥三河にある夏焼城ケ山をネットで調べていたときにヒットし
『似たような名前の山があるんだなぁ、でも1500mもあるのか、高いなぁ』と思っていた山
でした。そのときはまだ1500m越えの山には登っていなかったからです。
夏焼山は長野県南木曾(なぎそ)町にあります。国土地理院の1/25000地形図には標高
の記載はありますが、名前は記載されていません。同じ登山口から行く近くにある兀岳
(パイではなくはげたけと読みます)(1636m)は区分地区名にもなっていますけどね。
ちなみにはげやまではありません。
ここは夏焼山がポイントでなく、大平峠県民の森の中の代表ピークという感じの山です。
ネットで見ると山登りする方は山頂めざすだけなら短時間で行けてしまう夏焼山と兀岳の
両方を登られることが多いようですが、私はあくまで山歩きですので結構アップダウンが
ある大平峠県民の森を最大限楽しむ方にして兀岳は行きませんでした。ま、兀岳は途中
に景観のよい所があるのですけど、頂上からの景観は駄目みたいでしたのであまり興味
がある山ではなかったためというのもありますが。
私のガイドブックは夏焼山単独でこの大平峠県民の森コース歩きが併記されていました
ので、今回はこれに従いました。
1.登山口までの往路(ドライブです)
秋は暮れるのが早いため、
登るのが遅い私達ですので
朝早く起き、まだ暗いうちに
出発しました。
引山ICから東名阪に入り、
名古屋ICから東名高速に。
そして小牧JCから中央道に
入りましたが、まだ暗いため
全然車が走っておらず、すい
すい(^_^)。
いつものように内津峠PAに寄り、トイレ休憩。ここでカーナビセットしました。
で、ふと画面を見ましたら恵那ICまで。「あれっ?中津川ICじゃないの?」。で、画面通り
恵那ICで下り、少し街中を走って国道19号線に入りました。
この付近では19号は高架を走っており、信号はあるものの自動車専用自動車道もどき。
国道19号線は中津川市も通るのですが、これなら安くて問題なしでした(^_^)。
しかし、突然、右折指示。「ええっ?」と目が点になりとまどいましたが、とにかく言うとおり
にしようと右折しましたけど、やはり狭い道。多分、途中で入る国道256号へのショートカ
ットだろうとは思いましたが、こんな狭い道が延々と続くと嫌だなぁと思いました。
そうこうするうちに交差点があり、直進指示に従って入りましたら二車線道路になり、ほっ
としました。そこでカーナビ画面見ましたら県道7号。走っていましたら、なんとこの道は有
名な馬籠宿を通る道ではありませんか。驚きました(^_^;)。
後で道路地図見ましたら中山道と併記がされていました。
ここは以前は長野県山口村でしたが、平成の大合併で岐阜県中津川市に越境合併され
今は岐阜県です。
途中の馬籠峠から長野県南木曾町になりましたが、長野県側部分は一車線の狭いところ
もありました。
そしてやっと国道256号線。実はほっとしました。曲がりくねった山道は本当は好きでは
ないんですよ(^_^;)。最近は山歩きでそういう道よく走りますけどね。
そしてやっと目的地に向かう県道8号の標識が現れ、ここで左折しました。で、これが狭
い(-_-;)。行きがけは全然対向車いなくて助かりましたが、帰りは気を使いました(^_^;)
曲がりくねり、まだかまだかと
思いながら進んでいると、目
の前に便所、そして左手に駐
車場の表示が現れました。登
山口に到着です。
しかし、この駐車場の狭さ。
道に直角にに置けるのは
1〜2台程度。一台も駐車して
いませんでしたので、最初は
ここに止めてみましたが位置
がヘアピンカーブそばでした
ので、結局、不安になり車の
向きを帰りの方に向けて一番端に止めました。気が小さい輩です(^_^;)
写真ではわかりにくいのですが、駐車場の奥は土盛されており、実際に置けるスペース
は狭いです。
|
駐車場 (そばは県道8号) |
2.登山記
それにしてもやはりここはもう
標高約1160m。さすがに寒か
ったです。
途中の大平峠で県道8号に出
会うため、ここからでも登るこ
とはできますが、ここからだと
頂上が近すぎることと、車は2
台程度しか置けないため、ガ
イドブック通り、旧大平街道入
り口から登ることにしました。
まずは便所に行きました。
ちゃんとトイレットペーパがあ
り驚くやらありがたく思うやら
でした(^_^)。
(1)登山口〜大平峠
そしてゆっくりと準備をして、いよいよ出発。登山口は便所の右手にありました。
登り始めてすぐに休憩用のあずまやがありました。登山道は掘割のようになってました。
|
あずまや |
|
登山道 |
やがて、右が沢になっている沢沿いの道で、前方が通行禁止として封鎖されたところに
つきました。登山道が崩壊していました。左手に登る方向に迂回路がありました。
|
登山道崩壊場所 |
元々は写真の登山道が前方の沢を渡る橋まで続いていたのが途中崩壊したためにここ
から左側に橋まで迂回路が作られていました。
やがて、やっとぼこっとした感じで大平峠到着。ネットで見たあずまやが見え、1台車が
止まっていました。前述のように、ここは県道8号沿いにありますのでここまで車で来れ
るのです。ここの標高は約1360m程度ですのでここまでに200m程度登ったことになりま
した。
トイレから中年女性が出てきて挨拶されました。車ではご主人が登山準備中。挨拶をし、
少し会話を。「飯田方面の山に登るつもりで来たけどガスがかかっていたので、こちらに
来た」とか。兀岳に登られるとのことで先に出発されました。
あずまやでザッグを下ろし、そばの水場でペットボトルに水を汲んで飲みました。夏場は
これではすぐに生ぬるくなってしまうのですが、今の季節は大丈夫です。1リットルスポー
ツボトルがザッグに入っているのですが、途中で飲みたいときにいちいちザッグおろすの
が面倒で・・・。小さいペットボトルですからザッグのサイドネットに入れました。
尚、ここの水場は水道のように整備されていて汲みやすかったです。蛇口ではなく直接パ
イプの先から流れ出ていましたが。涸れていなくてほっとしました。前述のご夫婦もここで、
カップで飲まれていました。
|
大平峠のあずまや |
|
大平峠登山口 |
(2)大平峠〜夏焼山頂上
さて、一服しましたので、いよいよ夏焼山に向かって出発です。あずまやの右手に階段が
ありました。すごく急な階段で、すぐにはぁはぁぜぇぜぇ(^_^;)。これはいかんといつも心が
けている『呼吸に合わせて足を踏み出す』『坂道はつま先を開く』『身体を一直線に保ち、
踏み出した足は骨で立てるまで伸ばす』『小刻みに足は踏み出す』などを実行していきま
したが、ともするとどれかを忘れてしまいます(^_^;)。ま、でも遅れる娘を時々待って1分
程度立ち休みしますと元気が出て登れてしまうので、我ながら不思議というかこの複数の
本で読んだ『疲れにくい登り方』は確かに役に立っています。
いずれにしろ、この道は比較的狭い尾根につけられており、ほとんど直登状態でしたので、
きつかったです。ただ、途中が明るい道でしたのでそれが救いでした。
上から見てもすごい勾配だなぁと思われる登山道を登りきるとそこは三峯という所(表示
はありませんでした。看板がありましたが文字は消えてました。この名前はガイドブックに
記載があったものです。)でした。ここは登山道の交差点になっています。
ここの標高は1500m程度。もう夏焼山と同程度の標高です。
|
登山道の階段 |
|
三峯の道標 |
三峯の前方の下り道はつつじコース、右手の下り道は馬の背コースで、夏焼山は左手
方向です。ここで左側に進みました。明るい楽しい道でした。
目の前に頂上らしきピークが見え、一旦少し下って登りなおしたところが夏焼山頂上
でした。三峯からはすぐの所で、楽についてしまいました(^_^)。
頂上にはベンチがあり、狭いながらも眺望はほぼ360度で抜群でした(^_^)。
ただ、折角、調べていってかつまた写真のような山表示板があったのに、コンパスを見る
のを忘れて北西方向を北と思い違いしてその場では山の同定ができなかった山がありま
した。帰ってきて調べなおしてやっと同定できたという情けなさです(^_^;)
|
眺望表示板 |
見えましたのは、南木曾岳(なぎそたけ、1677m)、兀岳(はげたけ、1636m)、恵那山
(2190m)、摺古木山(すりこぎやま、2169m)、御岳(3067m)などでした。
近くに見える南木曾岳、兀岳と何度も見ている恵那山はすぐにわかりましたが、摺古木山
と御岳を思い違いしてました(^_^;)
写真が下手であまりよく見えないのが我ながら残念です(^_^;)。御岳は南木曾岳の右に
遠く高く霞んでいる山です。恵那山はひときわ高い山です。
南木曾岳、摺古木山は中央アルプスの山で、恵那山もその末端に位置しますからこの
夏焼山も間にありますのでそうなのかもしれません。
尚、南木曾岳は北西、御岳は北、恵那山は南西、摺古木山は北東、兀岳は東の方向
に位置しています。
南木曾岳は標高はそれほどないですが、登りはきつい山だそうで、鎖場もあるそうです。
岩の地肌が出ていました。避難小屋があるとのことです。登りたい気は十分ありますが
鎖場があることがひっかかってます(^_^;)
摺古木山は2000m級なのに林道で行けば一般向けの山だそうですが。林道自体が難
路だそうで私のような普通車はやばそうですので敬遠してます。頂上の眺望も今一らし
いですし。
(3)夏焼山頂上〜奥石山周遊道頂点
さて、まだ時間的には早すぎるので、ここから北〜北東方向に進む展望コースに入りま
した。展望コースはかなりの急な下り坂が続きました。
地図で見た限り、小さなアップダウンがあるだろうと予想していたのですが、コンパス
見てもなかなか最低コルがどこかわからず、自分の位置の完全な同定ができずじまい。
やっと、県民の森広場に向かう分岐点が現れてわかったという情けなさでした(^_^;)。
|
段差の多い階段 |
この県民の森の遊歩道にある階段は総体的に段差が大きすぎる気がしました。登るのも
下るのもきついです。下りは足を痛めないよう、スティックに頼り横向きになって一段一段
ゆっくりと足を下ろしながら進みました。
分岐点はガイドブック地図と1/25000地図で少し違うのですが、多分、次の上の写真がガ
イド記載のもの、下の写真が地図のものじゃないかと思っています。
|
分岐点道標(1) |
|
分岐点道標(2) |
いずれにしろこの辺りから、道はガイドブックで摺古木コースとある所です。
ここからまた1500m付近まで登り返しなんですが、この道は結構な急登でも階段が無く
坂道だけの所が多く、落ち葉のため滑りやすく一番疲れました。
奥石山周遊道頂点には特にそういう表示がなく、木に赤色のペンキで番号と矢印が書
かれていました。前方右を見ましたら熊笹の中の木々に赤色のペンキが塗られていま
したから先に進む道を示していたのでしょうが道らしきものはなく完全に藪漕ぎになる
感じでした。遊歩道ではないため、多分、この奥石山頂上への道でしょう。
|
奥石山周遊道頂点 |
(4)奥石山周遊道頂点〜県民の森広場
さて、ここで遅れている娘の到着を煙草を吸いながら待ち、娘の到着を待って出発しま
した。今度は県民の森中央にある林道が通じている広場までの下りです。
まずは南東に向かって下りました。途中、黄色く色づいたからまつ林がきれいでした。
そのうち、左手は県道8号方面の分岐路が現れまし
た。
|
色づくからまつ林 |
|
分岐路 |
ここから道は南西方向になり、やがて、声が聞こえ眼下に池が見えてきました。広場到着
です。
ここまでは未舗装で狭いですが林道が来ており、数台の車が入っていました。テント張っ
ている家族、紅葉写真を撮影に来たらしい中高年男女グループなどが来ていました。
11時過ぎてましたので、私達はここで昼食にすることにしました。
池の横に丁度良いあずまやがあり、テーブルがありましたのでここを独占。ザッグから
色々出しての店開き(笑)。一時間半以上も居座ってしまいました(^_^;)。
この広場は約1350m程度あり、歩いている間は汗が出てましたが、すくんでいるとさすが
に寒くなりウインドブレーカを羽織りました。
寒かったので、沸かしたお湯で作ったカップヌードルは暖かくおいしかったです。
そして、娘にはコンソメスープ、私はいつものようにホットコーヒーを楽しみました。
今日も自作のおにぎり持参したのですが、寒いとあまりおいしくないですねぇ(^_^;)
ま、それでも私はこれが楽しみで山歩きしているようなものです。ストーブは¥6000強し
ましたが、もう完全に元取れました(^_^)。
それにしても、今回はあまりに余分に水を運んでしまいました(^_^;)。暑くないために
1リットルスポーツボトルの水、全然減らないのに、食事用水がいつも1リットルボトルで
は足らないと0.5リットルボトルを買い、合わせて1.5リットルも食事用として水をかつぎま
したが、結局、1リットルスポーツボトルの水は大量にあまり、捨ててしまいました。
おまけに0.5リットルの魔法瓶に暖かいお茶まで持参しましたからねぇ(^_^;)
|
池 |
|
県民の森広場 |
池にはあまごが放流されていました。
(5)県民の森広場〜再び夏焼山頂上
ここでトイレもすませ、パチパチと撮影をしてそろそろと出発することにしました。
道はガイドブックとは代え、馬の背ルートとしました。これは正解でした。
たいした時間も疲れも無く比較的短時間で三峯まで登れてしまいました。
|
登り始めの木の道 |
|
すすきの道 |
写真のすすきの道はネットで見たとおりでした。馬の背という名前がついているくらい
でしたので、少しやせ尾根でしたがここも明るい道でした。
頂上には男性が一人食事をされていました。山の上で見た唯一の方でした。
(6)夏焼山頂上〜木曾見茶屋〜駐車場
さて、いよいよ最後の道です。頂上から南方向に階段をおり、後はだいたい西のほうに
どんどん下りて行きました。地図通りでちいさなアップダウンはありましたが。
それにしてもこの道は休憩所が沢山ありました。
思ったより遠かったですが、やっと右手に展望台というところが現れました。上で眺望
は楽しみましたので、ここはさらっと眺めただけでした(^_^;)。そして左手に曲がって
進みました
やがて、前方に県道8号が現れました。ここで右折し県道を歩きましたら木曾見茶屋が
現れました。ここも展望台になっており、沢山の車がとまって眺望を楽しんでいました。
登山姿は私たちだけでしたのでちょっと恥ずかしい思いをしてしまいました(^_^;)
|
展望台 |
|
木曾見茶屋 |
頂上と駐車場の標高差は350m程度でしたが、何度も登り直しがありましたので、累積
では650m程度上り下りした一日でした。ゆっくりお昼を過したのに3時前には駐車場
に戻れました。
3.復路
帰りはカーナビをセットしようとしましたら、希望の道で無い私には大回りとしか思え
ない道を指定されましたのでとりあえずやめて元来た道を走りました。行きと違い、対抗
車が比較的多く、県道8号は狭い道のため少し嫌でした。
国道256号に出てほっとし、途中の道路脇にとめてカーナビを目的地:自宅でセット。
やはりショートカットの県道7号を走ることに。そうしましたら前方に大きな観光バス
を先頭にした数台の車がのろのろ運転。せまくカーブが多い県道7号では観光バスが
すれ違いに難渋していたため、後ろにもずらっと車が並び渋滞になってしまいました。
結局、峠の退避帯でバスは停車し、その後はすいすい。馬籠も寄らず、今度は中津川
ICから入る指示でしたので、中津川IC〜恵那IC間にある恵那峡SAに寄りました。
いつもそうですが、ほとんど駐車場は満車近い状態で沢山の人、人、人でした。
これもいつも通りですが、小牧JC前で渋滞があったものの6時前に家に帰着しました。
4.おまけ
今回で今年は5月からの約6ヶ月間で17回山歩きしました。自分でもこのはまりように
驚いています。今のところ無理な山にせず、時間をかけて歩くためなんとかもっているの
かもしれません。日ごろは何もトレーニングもしてませんから(^_^;)。
でも、大自然と触れ合うということから三日坊主の私なのに今の所全然飽きません。
これから冬に向かうので、そろそろ一時中断になりますが、実はちょっと残念な気持ちで
一杯です。ほとんど雪の降らない低山ででも行って繋ごうかなぁとも思っていますが、
残雪残る春山というのも大変興味があります。重登山靴でないので本格的アイゼンは取
付けられませんが、軽アイゼンでも買おうかなとも思っています。雪は興味はあります
ので。スノーシューは高価ですし、私のような登山初心者には見分不相応でしょうから。
あと、今興味があるのはアルプスではなく八ヶ岳と実は先日登った銚子ケ峰の先にある
白山に通じる道沿いの一ガ峰、二ガ峰、三ガ峰、別山の縦走です。これは泊り込みでしか
無理ですが大変興味があります。そのうち是非トライしたいですね。
戻る