銚子ケ峰(1810m)
[岐阜県郡上市](2006/10/28)
【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200、岐阜県の山(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】二ノ峰
銚子ケ峰は岐阜県郡上市白鳥にある山で、白山禅定道の1つである
石徹白(いとしろ)
道とガイドブックに記載があるように、登山口は郡上市白鳥石徹白というところにありま
す。尚、現地では白山古道という表示がありました。
銚子ケ峰はその白山古道上にある一番南の山です。残念ながら途中にある別山のため
銚子ケ峰からは白山は見えませんが・・・。それでも登山口の地図は白山までの行程が
記されていました。銚子ケ峰登山口という表示はありません。
この石徹白道で白山までは相当の距離があります。最初が銚子ケ峰ですが、その先、こ
の銚子ケ峰から見える範囲だけでも、銚子ケ峰側から一の峰(1839m)、二の峰(1962m)、
三の峰(2128m)、別山(2397m)があり、大変な山行きだそうです。勿論泊まりでの行程
となります。整備が行き届いた避難小屋がいくつかあるようです。
いずれにしろ銚子ケ峰だけなら先般挑戦して満足できた大川入山を健脚向けと規定して
いるガイドブックでは中級向けとありましたのと、ガイドブック記事やネットで見た写真を
眺めて是非登りたいと思っていましたが、比較的遠いのでこれまで躊躇してました。
しかし、今行かないと、なんせ豪雪地帯だから来年まで我慢ってなってしまうため、ついに
思い切って行ってきました。悩んだ末、初の車中泊で行きました。普通なら銚子ケ峰だけ
の場合はそんなことしなくてもいいのですが、なんせコースタイムの1.5倍〜2倍もかかり
休憩時間も多くとる私達ですので(^_^;)。それで恥ずかしくて時間の記載してません。
夜7時半ごろ、家を出発。
名神高速一宮SAにあるコン
ビニ(サークルKサンクス)が
24時間365日営業であるこ
とをサイトで調べておきました
ので、ここで夜食・朝食・昼食
分をペットボトルと一緒に買い
求めました。ちょっと散財(^_^;)
名神高速から東海北陸自動
車道に入り、深夜の車も少な
い山中をひたすら郡上白鳥IC
まで飛ばしました。実は一宮
SAでカーナビをセット。
林道途中までは地名がないため、白鳥で調べて後は地図で探そうと思いましたら、ずば
り石徹白の地名が登録されており、選択し、後は地図で県道の終点を選びセットしまし
た。
当初は途中にある道の駅で車中泊と思ったのですが、それでも暗い道を走るのは同じと
思い結局、登山口の駐車場で一夜を過そうと決断しました。この決断は大正解でしたけ
どね(^_^)
しかし、私って・・・。折角カーナビが教えてくれているのに、そして事前に地図で見てい
たのに、何を勘違いしたのか、白鳥ICゲート出た後、間違えて中部縦貫道に入ってしま
いあせりました(^_^;)。幸い、賢いカーナビは次のICで下りるのを指示し、本来進むべき
国道156号線まで案内してくれました。ちなみに暫定処置で当分の間はこの中部縦貫道
は無料でしたのでダブルで助かりました(^_^)。
国道156号線を北上、まずは右手にコンビニを見つけ、買い忘れた漬物などを購入。
更に進むと、途中右手に当初車中泊予定だった道の駅白鳥があったのでここでトイレ。
店はとっくにしまってましたが、三台ほど車が暗い方に駐車されていましたので多分車
中泊じゃないかなって思います。最近、道の駅や高速PA駐車場で車中泊されて旅され
たり登山される方多いようですから。お店は閉まっていましたが、トイレは近づくとそれ
を検知して自動で電灯が点灯しました。
さて、いよいよ県道214号線に。しかし、ここでまた間違えました(^_^;)。折角カーナビが
教えてくれているのにポインタがずれていて・・・。でもここは少し行き過ぎてもすぐに戻
る道があり、なんなく県道314号線に入りました。真っ暗な中でどこを走っているのか
は皆目着かず、幸い対向車も全然いなくてほとんどハイビームで走行しました。曲がり
道が多いので注意しないと危険でしたから。やがて阿弥陀ガ滝の標識が。ここは以前
来たことがありました。そこに入る道との分岐を右に。カーナビが教えてくれないと私の
ような方向音痴は迷ってしまいます。右に戻るように曲がるためです。
しかしここまでは以前来たのに道の記憶なしです(^_^;)。まして真っ暗な夜中ですから。
道は曲がりくねって続いており、全て山中かと思いましたが時々建物も見えてました。
この県道314号線は福井県に続いています。ほとんど中央車線があり、地図では細い
部分がありましたが、中央線なくても車が問題なくすれ違いできる広さがあり助かりま
した。
そして、やっとカーナビが右折指示。県道127号線に入りました。この県道の周囲は
石徹白(いとろし)地区であり、県道は突き当たりの白山中居神社までの区間で、ここ
も中央車線のある道路で走りやすかったです。ただ、家々から漏れる灯火を目にしま
して車中泊の自分が少しわびしくなりました。
神社から左折し、いよいよ林道に入りました。しかし、この林道、意外に時間がかかり
一瞬道間違えたのではなんて思ったりしました。確か地図ではそんなことなかったはず
でしたのにね。心配性なんですよ(^_^;)。
道は一応は簡易舗装されてはいましたが、小さな落石が転がっていたり、あなぼこが
あったりとやはり林道でした。暗いのでよくわかりませんでしたが、左手は石徹白川、
ハンドルあやまるとどぼんなんて場所もありました。
で、途中に分岐が。「えっ?そんなところあったっけ?」とあせりました。で、左手に案
内板があり、直進は遊歩道となっていましたので、左に曲がり進みました。あまり地図
見ていなかったので実は大変心配しながら走りました(^_^;)。
やっと右手にネットで見ていた登山口そのものが現れたときはほっとしました。で、
横見ても駐車場らしきものが見えません。すぐ左手後ろにあずまやが。駐車場は登山
口左手後方にあったんですね。暗いため通り過ぎて気がつかなかったようです。
駐車場は整備されており、林道はさんだ登山口そばに便所もありました。駐車場には
一台軽四輪が止められていました。朝起きたらバンがありましたので見落としたのか
夜中のうちに来たのかわかりませんが。朝4時ごろは3台止まっていたことになりま
す(私のを含めて)。
早速、コンビニで買った夜食のパンを食べ、座席を後ろに一杯に倒して毛布を出し、
寝ることにしました。で、案がなく驚き感激したのですが、素晴らしい星空が見えまし
た。久しく見たことがないってものでした。これだけでもこの山の中の真っ暗な寂しい
駐車場で車中泊した甲斐がありました(^_^)。
しかし、慣れない車中泊で明日の登りのわくわく感から全然寝付かれず、時間だけどん
どんすぎあせりさえ感じました。ま、目を開けるとまどから星空が見え心は休まりまし
たけどね。一度は夢見ましたので少しだけは眠れたとは思いますが・・・。
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駐車場そばの紅葉 |
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駐車場そばの休憩所 |
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登山口と水場 |
5時には起きようと目覚まし時計まで持参しましたが無用でした(^_^;)。目が覚めてしまっ
ていて、5時はまだ暗かったからです。そしてライトの灯りが見え、一台の軽トラックが来
ました。単独の登山者でした。やっと夜が白み始めた6時前に出発されていかれました。
それから私達は起きだし、座席を戻して買って置いた助六寿司の朝食。そして、便所に
行きました。トイレットペーパも常備され驚きましたが助かりました。
登山準備をし、水場で持参水筒の水を捨てて入れなおすと共にペットボトルにも詰めま
した。冷たくておいしかったです。
明るくなってから周囲を見回して大感激。やはり紅葉が素晴らしかったです。
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紅葉の朝 |
さて、準備も整いいよいよ出発しました。登山口は約
960mの標高、銚子ケ峰頂上は1810.4mの標高ですか
ら、頂上までの標高差は約850m程度です。地図上で
はあまりたいしたアップダウンはなく実際にも苦痛にな
るようなアップダウンはありませんでした。
登山口からは420段の階段があります。420段です
が、低い階段もあり、たいしたことはなくゆっくり登りま
したが、コースタイムの15分を下回りました。
登りきったところは約1040m。正面に大きなスギの木
が。樹齢1800年を誇る国の特別天然記念物石徹白
のすぎです。ただすぎと言われても「そうなんかぁ」とい
う感じで杉の面影はありませんが歴史のある巨木であ
ることは見ても間違いはありません。山に登らなくても
これだけでも見物客の来る観光資源です。
さて、ここからはいよいよ遠くは白山まで続く登山道の始まりです。道はすぐ右手に行っ
たところにある熊清水の水場との分岐を直進、まずは北方向に進みました。登山道は
よく手入れが行き届き、迷うところは全くありませんでした。さすが白山禅定道です。
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登山道表示板 |
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420段の階段 |
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石徹白(いとしろ) の大スギ |
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熊清水 |
登山道は全体的には急な登りと平坦な部分とがありました。
この大杉からは山腹をじぐざぐに登って尾根に取り付きました。寝不足のはずなのに、
ありがたいことに眠気なし。疲れを軽減するよう、本で読んだように一歩一歩に呼吸を
合わせ、登りはつま先を開き、後ろ足は骨で立つよう身体がまっすぐになるよう努めて
登りましたが、それでも、ザッグの重さのためか、バランスを崩しかけて危ない思いも
最初は何回かありました(^_^;)。岩場だったらやばかったかも。
尾根に出てしばらくして「登山口から1km」の表示が現れました。結局5kmまで表示が
ありました。ガイドブックでは3km表示までは記載ありましたが。
で、高度計とガイドブック地図の1km表示位置に差がありました。ガイドブック地図だと
標高1230mくらいのところに1km表示がありましたが、高度計で見た限りでは1180m
程度のところでしたので少し手前だったようです。安物の高度計ですから多少の誤差は
あるとは思いますけどね。尚、写真のようにあくまで「白山登山道」となっています。
ま、情けない話ですがここまで40分もかかってしまいました(^_^;)。こんな私達です
から絶対に団体登山はできません(^_^;)。
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落ち葉でうまる 登山道 |
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1km表示 |
2km(私の高度計では標高1350m程度のところ)表示を過ぎ、やがて今回の行程で一番
の急登であるおたけりの坂につきました。登り口は右手に
あり、私の高度計では1400m付近から始まります。がけのような急勾配でしたが、石等
が適度に足をかけるようにあり、それほど長く続かないとガイドブックにありましたよ
うにばてるような場所ではありませんでした。坂は登って少し左に進みまた登る形につ
いていました。高さは60m程度か・・・
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おたけりの坂 |
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雨やどりの岩 |
途中に雨やどりの岩という奇岩がありました。名前と違い雨やどりできそうな感じでは
ありませんでした。
おたけり坂を後に先に進み、やがて3km標識がこれも左側に現れました(1〜5km標
識は全て道の左側)。ここは高度計では1500m付近。ここまで撮影・立ち休み・娘待ち
などで時間を余計に食い、1km地点から1時間半もかかってしまいました(^_^;)
そして10分くらいでやっと左手前方に小屋が見えてきました。やっと神鳩避難小屋に到
着しました。なんと登山口から2時間40分もたっていました。ガイドブックのコース
タイム(休憩なし)は頂上往復4時間20分または4時間55分ですから、いかに私達の
歩みがのろいかです(^_^;)。
この小屋は無人の小さい小屋ですが、中を覗いてみましたらこぎれいにされていて、道
具やシェラフまで置かれていました。便所もあり、用を足させてもらいました。これなら泊
まって遠くまで行きたいなぁと思いました。ここまで前日登ってここから出発すればせめ
て三の峰まで明るいうちに行けそうと思われました。
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神鳩避難小屋 |
さて、いよいよ頂上に向けて出発です。道は北西から西方向になり、前方には銚子ケ峰
の前衛峰(1748m)がそびえ、右手には是非その姿を自分の目で見たかった別山が現
れました。素晴らしい眺めの登山道で疲れもすっとぶ満足感の中を登りました。
なお1620m程度のところにガイドブックにはない4km標識がありました。まだ頂上は先
ですので、あれれって感じで。ガイドブックの距離は片道4・4km程度のはずだったから
です。おまけに最後の方で5km標識までありました。
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4km標識 |
前衛峰が近づき、山頂付近に岩が見えました。そのそばを歩いている登山者も見えあん
なとこまで登るのかとちょっと弱気の虫がでてきました。尚、山はここまで来ると大笹の野
原です。さえぎるものはありません。ここからも眺めはもう抜群でした。
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前衛峰 |
前衛峰頂上付近には登山道右側に母御石という奇岩がありました。
前衛峰写真で上のほうに小さくぽつんと見える岩です。
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母御石 |
そして、いよいよ銚子ケ峰が目前に見えてきました。あと少しの登りだけ。
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銚子ケ峰 |
頂上に先に登られた方の姿が見え、そしてやっと頂上到着(^_^)。何回もの休憩はしてき
たものの往復のコースタイムくらいかかってやっとの到着です(^_^;)。でも、まだ覚悟して
いた時間よりも早い。これなら明るいうちに戻れるとほっとしました。
それにしても頂上は期待以上の360度の素晴らしい展望でした(^_^)。
北には一の峰、二の峰、三の峰が左に向かうようにそびえ、北正面には岩肌を広々と見せ
てそびえる別山が。西側には願教寺山(1691m)、よも太郎山(1581m)、薙刀山(1647m)、
野伏ケ岳と南に続く石徹白の山々、南側には大日岳が見え、更に遠く東にはなんと穂高や
雪を抱いた立山、御岳、西側遠くにも経ケ岳など晴れてましたのでどれがどれかわからな
い程沢山の峰々が見渡せ大満足でした。
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一の峰から別山 |
三の峰 二の峰 一の峰 別山
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石徹白の山々 |
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願教寺山・赤兎山 経ケ岳 |
頂上は沢山の登山者が来ました。いつものようにストーブでお湯を沸かし、カップヌー
ドルを食べ、今回はコンビニおにぎり、漬物、玉子焼きなどを時間をかけて楽しみまし
た。やがて、一の峰方面からやってくる青年を目にし、片付け、団体さんが下山して
行った後にやっと下山出発。もう12時を過ぎていましたのに、団体さんが登って来る
のを目にし、途中で脇にどいて道を譲りました。皆さんに挨拶されてしまいました(^_^;)
母御石まで来て遅れている娘を待つ間に男性がお2人登って見えました。先ほどの団体
の方で遅れてしまったとか。一人が出発しようとしたのに対してもう一人が頂上まで行く
のかと・・・時間的なこと考えたんでしょう。お2人とも疲れて辛そうでした。
で、娘の後に先ほど私達の出発直前に頂上に到着した女性達の姿が・・・。こりゃ負けら
れないとどんどん下山を急ぎました。で、避難小屋についてほっとしたら、その前に頂上
について立っておはぎなどを食べていた女性ばかりのパーティが小屋の前のテーブルで
食事の真っ最中。なんで早く降りて行ったのか氷解しました。で、ザッグをおろして水を
飲んでいたら、先ほどの中年女性達到着。彼女達もここで昼食にしてました。
ここからは娘もペース上げて私が負けそうになるくらい(^_^;)。
あまり急ぎましたので最後の方は足が痛くなってしましました。そして、行きの約1/2の
時間で登山口到着。最後の階段下りているときに朝早く出発された単独男性に追い
抜かされましたが、頂上で見なかったので恐らく先の一の峰とか三の峰まで足を伸ば
されていたのだろうと思います。
帰りのドライブは前日が夜で何も見えなかったのでるんるん気分でした(^_^)。
前夜は真っ暗で何も見えず、ただ駐車場で流れる音だけ聞いた石徹白川を十分右手
に堪能しながら走れました。
それにしても運転中4時過ぎて暗くなりましたので(15時に下山)、早めに下山できて
よかったです。
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高い所は紅葉終わり 避難小屋への下山途中 |
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紅葉に囲まれた石徹白川 |
いずれにしろ大満足して帰ってきました。今年はもうやめてもいいくらいの気分です。
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