大川入山(1908m)

           [長野県](2006/010/8)




【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】浪合

色々ありましたが、今回、やっと大川入山という山に登ってきました。この山、近くにある
中央アルプス最南端の恵那山の陰に隠れて少し地味ですが意外に人気があるそうで、
今回も多くの登山者がいました。恵那山からの縦走路があればもっと有名になっている
かもしれません。ネットで調べたら藪漕ぎ不要の冬に雪の中を縦走された方がいるそう
ですけどね。途中が藪ですと、藪漕ぎ愛好者くらいじゃないと無雪期は駄目ですから。

ガイドブックでは体力が★★★で健脚向けとあったこの山ですが、ネットでは結構HITし
眺望の素晴らしさとか小さな子供つれて登ったという報告などを見て私の心の中に次第
に登ってみたいという欲求がでてきました。一般向けとある山でも体力不足を感じている
のに無謀じゃないかという自問自答しましたが、登りたいという欲望が勝ってしまって(^_^;)
長野県の山なんですが、中央道使えばそれほど遠い山じゃないというのも実は選択理由
の1つでした。登山口までかかる時間、コースタイム、少し高目の山という選択肢からして
健脚向けというネック以外はなんとか候補になりそうと考えました。
ただ、ガイドブックの標準コースタイムは休憩なしで往復で5時間25分。我家は私の体力
問題はありますが、若いのに登りになるとめちゃくちゃ歩みがのろい娘がいますので、大
抵1.5倍以上、下手すると2倍くらいかかることもあるため、なんとか日帰りしようとする
と暗いうちに家を出ないとと考え、前日行って車中泊するか真夜中に出発するか悩みまし
たが私のようなセダンの車では車中泊無理だなぁと思い、後者にすることにしました。

やはり健脚向けとされることだけあって、体力的には辛いものがありましたが、それを補
ってあまりある素晴らしい眺望に一時の幸せを感じました(^_^)

map_1 前述のようにまだ真っ暗な時
間に車で出発。市内の引山IC
から東名阪に。深夜割引きで
¥350でした(^_^)。
名古屋ICから小牧JCまで東名
高速を走り、中央道に入りまし
た。さすがにまだ暗い夜中のた
め、車は少なく快適に飛ばしま
した。途中いつもよるPAでトイ
レ休憩。こんな時間でも人はい
るんですねぇ。深夜便ではなく
普通乗用車で。若い女性まで
いましたので驚きました。
やはり眠くなりましたので無糖缶コーヒーをぐびっと(^_^;)。で、ここでカーナビをセット。
国道256号線から153号線の分岐部がどのあたりなのか、到着予想時間はいつなのか
を調べたいためでした。先週下調べ兼ねた思いつきのドライブしたんですけどね(^_^;)
ま、最初の予想時間より早くついてしまいましたが(^_^;)

map_2 ←登山道→ map_3


ガイドブックでは国道153号線左側(東側)の駐車場からとありましたが、ネットで見ま
したら、登山口そばに駐車可能とありましたので、そこに駐車しました。上右図のように
153号線からこまくさという赤い看板の先を右折するとすぐ左側に登山案内板がありそ
この左手先に進みますとT字路に行きあたりました。で、左側は袋小路になっており、そ
こに駐車しました。当然ながら朝早いので一台も止まっていませんでした。
私は勘違いしてT字路に登山口があるものと思っていましたら右に少しだけ行ったとこ
ろでした。その先はチェーンで車止めされていましたから、車転回の邪魔になら無い限
りここ辺りは駐車可能のようでした。

Phot_1  駐車場所
車のあるところは
行き止まり部
Phot_2  登山口

朝早く暗かったので写真も暗いです(^_^;)
登山口はネットで見たそのまんま。表示の下には登山届けポストがありましたけど、出し
ませんでした(^_^;)。本当はあかんのですが用意もしてなく迷うわき道もないしと・・・
この登山口からの道、写真のように右側にコンクリートが残ってます。1/25000地図では
林道の表記ですが、荒れ果ててしまったもののようです。道は少し先で左にカーブしてお
りすぐに右側のコンクリート部がなくなり、また先で少しだけ復活しています。
すぐに林道跡は終わり、右に金網で囲まれた取水小屋が現れ、その先で右に曲がりま
すと本格的な登山道となり、沢の音が聞こえてきました。ガイドブックではここが最後の
水場と書かれている所です。
Phot_3   取水小屋

橋がありましたが、どうも暗くしか写っていませんでしたので掲載止めました(^_^;)
橋を過ぎてからは尾根までジグザグの急な登り道でした。歩き始めたばかりで気力・体
力も充実してましたので軽い感じで登れました(^_^)
やがて上のほうに尾根が現れ、尾根にとりつき左へ。ここからはしばらく写真のような木
の根が張り巡らされ階段状になった尾根登り道になりました。写真以上に勾配は見た目
急です。そして比較的やせ尾根でした。道は西向きに進み途中から北西向きに進みまし
た。ここはコンパスと高度計で何度も確認して歩きました。一本道で踏み跡もはっきりし
ており、迷うということはなかったんですが、近頃は私はこれが楽しみの1つなんですよ。
地図も国土地理院の地図試験サービスの1/25000からDLしたものを加工して張り合わ
せて持参しています。この山の登山道はきちんと掲載されていますので、自分で書きこ
みは不要で助かりました。1/25000地図では全ての登山道書かれているわけではないか
らです。そういうときはガイドブックと照らし合わせて推定線引いてます。

しかし地図からはわからない小さなアップダウンが結構ありました。木の根の尾根道は
登りではあまり気がつきませんでしたが下りで結構長く続いていることに気がつきました。
Phot_4   木の根尾根道


道はやがて1400m付近のところから西向きになりました。この尾根は途中通過する横岳
(1574m)から東に伸びているものです。割と平坦なところもありましたが、やはり急登が
続きました。途中、地図にもある崩壊地が右側にありました。大川入山が右手遠くに見え
ましたが、まだまだ先だなぁっていう感じでした。
Phot_5   急登
Phot_6   崩壊地

そして、やっと横岳頂上に到着。登山口標高が1200m程度ですからここまで約370mの登り
でしたが、距離も約2kmありました。横岳頂上には小さなベンチが二つありました。三人
座れば一杯という小ささでした。このは三角点がありますが、周りは樹木に囲まれ眺望は
ゼロでそたが、疲れた身体にはやっとザッグ下ろせる休憩場ということで有難かったです。
ここで娘がなかなか来ず、結局かなり休憩してしまいました(^_^;)。単独男性の豊橋から
という方としばらくお話することができ楽しかったです。槍ヶ岳登る予定だったそうです
が松本まで行ったら大雨で諦めて引き返されたとのこと。で、数年前に一度登られたこの
山に急遽変更されたとか。北アルプスは吹雪だったようですから正解だったようですね。
もっとも山スキーされるそうで、雪洞ほってビバーグされた経験もあるそうでしたが。

ここで長居したため、その前の一人と合わせて5人に抜かれてしまいました(^_^;)(^_^;)
Phot_7   横岳頂上
Phot_8   横岳三角点

やっと娘が到着し、ザッグを下ろさせて水飲ませてから、すぐに出発。いよいよ大川入山
までの稜線歩きです。しばらくは多少のアップダウンはあるものの比較的穏やかな稜線歩
きとのことでしたけど、ピークを3個程度超えましたし、なんといっても距離が長く大変は大
変でした。大川入山直下からの厳しい急登にそなえゆっくり歩くことに努めましたが娘を待
っていたりしてここでも何人かに追い抜かれてしまいました(^_^;)。

Phot_9   稜線プロムナード

しばらく行きましたら周囲が開け眺望抜群の場所に出ました。ここには小さなベンチが1つ
ありました。眺望がよいだけ風も強かったです。
そうこうするうちに前方に大川入山の雄大な姿が明白に見えてきました。
Phot_10   高嶺(1599m)
柳川挟んだ南側
Phot_11   大川入山
まだ遠いです

この後高度計と地図見ながら歩いたんですが、なかなか地図と現在位置がうまくマッチで
きませんでした。方向はほぼ北西から北向きの歩きでしたが。地図では1616mと1683m
の小ピークが登山道に記載されていたんですが、記憶では三つくらいピークがあり、
1683mの場所はなかったような(1660m程度でした)。
ちょっと休憩できそうな小ピーク過ぎていよいよというかやっと大きな下り。ガイドブックで
は最低鞍部とあったところへの下りでした。ここは地図の上でも1650m等高線二つに囲ま
れた部分で50m程度の急な下りでした。途中にやっとまだ完全ではないですが紅葉のよ
い場所が見えました。
今年は夏の気候のせいで紅葉はあまりきれいでないという噂もあります。
Phot_12 最低鞍部への
途中から見た
紅葉

さて、最低鞍部からわずか600m程度の水平距離なのになんと350m程度の急登が始ま
りました。横岳から水平距離2km以上の長い稜線歩きの後でしたのでさすがに堪えまし
た。
途中までは樹木がありましたが、最後の方は完全にくまざさの中の登りでした。ネットで
見て憧れていた風景が目の前に現れました(^_^)。しかし、登山道は急登で景色と裏腹に
きつかったです(^_^;)。
日ごろ山歩きの本で疲れにくい登り方というのを学んでいてなんとか実践しようとしました
が、辛い急登が続きますとやはりそれでも疲れます(^_^;)
足が上がりにくくなったりしましたが、人の声で後ろを振り返ると、下のほうに数人の
パーティが見えました。それで、負けてはならないとばかりなかなか動かない足を上げて
最後は気力で登りきりました(^_^;)
Phot_12 笹の中の登山道
左の方の三角頭
が頂上です

頂上はあまり広くないので驚きましたが、北西を除きほぼ360度の眺望でした(^_^)
今日は連休中日で晴れの登山日和。この狭い山頂で10人以上もの方がそれぞれ昼
食を楽しまれました。私は東向きの隅の日当たり場所に陣取りました。娘がまた遅れ
てなかなか来ないので娘のザッグに入ったお弁当になかなかありつけません(^_^;)。
それで、水を飲んで持参したみかんを立て続けに2個食べました。とてもおいしかった
です。あまりになかなか来ないので下り口まで行きましたらやっと疲れた顔して現れま
したので励まして登らせました。
そして早速ストーブに火をつけお湯を沸かしている間におにぎりを食べました。空腹を
覚えていましたのでなんとか一息つけました。いつも通り小カップヌードルにお湯を注
ぎ食べましたが肌寒くなってましたのでいつもよりおいしく感じました。
後でまた水を足してお湯を沸かして飲みましたコーヒーは格別おいしかったです。

人の背中後ろぎりぎりまで(私は座るのに丁度よい小さな石の上に携帯ザブトン乗せて
展望を見ながら座っていたんですが)シートを敷いてわいわい言いながら食事をしてい
た中高年パーティは食後すぐに下山していきましたが、次々に登山者が山頂に現れまし
て、結局何人登ったのか数える気にもならなくなってしまいました(^_^;)。
驚きましたのは1900mの山頂までマウンテンバイクで2人の若い男性が来たことです。
登山道途中のぬかるみに轍がありましたのでそちらから登ったか下りたかでしょう。
この山は登山口が二箇所あり共に1/25000地図に登山道が描かれています。逆方向は
あららぎスキー場からの道ですがその方が距離は短いそうです。そちらから登って
こられた方達が話をされていましたので。

さて、私は食事が終わり、やっと行動開始。まずは壊れてはずれて下におかれてあった
頂上表示板と二等三角点をぱちり。普通はなにをさておきこれするんですがあまりにも
どんどん人が増えるので後回しになりました(^_^;)
Phot_14 山頂標識
Phot_15 大川入山三角点

それにしても景色の素晴らしさにはしばし見とれました。残念ながら私の小さな小形の
デジカメではきれいに撮れませんでしたが。
両方の登山道と直角方向には今回の登山道方面から見て右側下のほうには飯田市
が、そして前方には中央アルプスの南木曾岳だと思う雄大な山容、左奥のほうには
雲がかぶっていましたが御岳だろうと思う山々が望まれ、反対側では三段になった山
並で一番奥は南アルプスの雄大な眺めがありました。雲やガスがかかっておらずくっ
きりと赤石岳、聖岳などの3000m級のやまやまがその頂上付近の荒々しい岩嶺姿で
望めました。
南東方向も奥三河方面までの深い山々の陣容が眺められました。
この山は途中の稜線も眺望が所々でよくすっかり満足できました(^_^)。
少しアララギ高原スキー場方面の道を進みますと恵那山も見えました。
いずれにしろ山頂部分は紅葉がまずますでした。
付近には笹山がいくつか見えましたが、地図で見ますと1790mや1860mの無名峰が
ありますのでそれらではないかと思います。
Phot_16 中央アルプスと
飯田街並
Phot_17 南アルプス
Phot_18 恵那山方面
Phot_19 山頂の紅葉

去りがたく2時間ほど山頂で過してしまいました。で、大半の方が先に帰っていかれま
した。あまり遅くまでいるとうちのペースでは明るいうちに登山口まで戻れないとやっ
と腰をあげ、片付けてザッグを背負っている途中に写真撮影依頼が。それを終えてから
また名残惜しく写真を撮りやっと下山開始しました。
しかし、下山も厳しい山でした(^_^;)。推定より余計にかかってしまい、暗くなる直前
にやっとのことで登山口まで戻ってきました。帰りのほうが道が長く感じられました(^_^;)

帰りの中央道は恵那ICから土岐JCまでが17km渋滞でやれやれでした。恵那峡SA
は人、人、人で食堂もみな一杯。結局缶コーヒー飲んだだけで立ち去りました(^_^;)

帰ってPCでニュースなど見ましたら北アルプスは大変な気候だったようですね。
南信地区は晴れで本当によかったです。

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