千石平(1674m)鋸山(1668m)
[静岡県](2009/10/10)
【国土地理院1/25000地図】蕎麦粒山
前回、右足の痛みから今年は断念していた山歩きを10ヶ月ぶりに行い、やっぱり思った
通りめろめろでしたが、それにも懲りず今年2回目の山歩きをしてきました。
しかし、やっぱり右足を庇っていたこと、体力維持活動なしなしのままだったことが影響し
ただでさえ時間がかかる私ですから結局時間的に当初目的の山に行けず途中の山で
引き返す情けない敗退に終わってしまいました。ですからタイトルは元々の予定と違って
しまっています(^_^;)。
元々の目的地は房子山という山でしたが、そしてネットでこの山を紹介されている方達は
皆さん日帰りされていらっしゃるのですが、それができなかった私は残念無念です。
南ア深南部の尾根風景を写真で見て憧れたんですがねぇ・・・その風景が始まる場所まで
さえ行けずに終わりました(:_;)。悔しい〜
尚、タイトルの所はは静岡県の川根本町と浜松市の境界にあります。南ア深南部と称せら
れている黒法師岳(×マークの三角点で有名)・バラ谷の頭(地図にその名はありません
が日本最南端の2000m峰だそうです)から南に岩岳山方面まで連なる稜線上にあります。
実は当初目的の房小山はこの稜線上でもっと北にあります。
それにしてもわざわざ前日、駐車場にある山犬段休憩小屋に一人で前泊までしたのにと
思うと本当に残念無念ナサケナイ気持ちで一杯です(:_;)。しかも晴れると思いましたら
夜中のまま午前中は小雨が時々降る期待はずれのお天気でした。
結局、腕時計とタオルをどこかで落としてしまいおまけに下山が夜中になってしまうとい
う本当に情けない山歩きになってしまいました(^_^;)。
往路
カーナビのタッチパネルが駄目になりましたが、前回一度行っているので。
今回は東名高速
道路を袋井ICで下り、1号線へ。大代ICから国道473号線、林道南赤石線で山犬段駐車場
までいやなダート道をしかも夜中にのろのろと走って到着しました。
この付近は1/25000地形図は少し間違っている感じがします。下図のようになっています。
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山犬段休憩小屋付近図 |
今回はここの休憩小屋で前泊です。駐車場そばですからありがたい・・・
残念ながら空は曇り空。
広い小屋に私一人だけ・・・おでんで一杯(私の睡眠薬(^_^;))。そしてレトルトカレーの夕食を
終え、ラジオを聴きながら寝ました。折角寝付け薬とビール・ワンカップ酒を飲んだのですが
なかなか眠りにつけずあまりじっくりと眠れないままで過してしまいました(^_^;)
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山犬段駐車場と避難小屋(前回の写真) |
山歩き
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山歩きコース |
今回、目的の山まで行けなかったのは最初から誤算続きだったことに尽きます。
夜中の3時頃、小雨が降っていて4時半ごろは止んでいたのでですが、空はそのまま。
いかに駄目駄目だったかは朝5時台、まだ暗いうちにヘッデンつけて出発したのに目的地まで
行くのを断念せざるを得なかったかということに尽きます。
泊りの道具はそのまま車に積んでおき、スパッツだけは最初からつけていざ出発です。最初は
登山口までの南赤石林道歩きです。
駐車場までの道もその一部ですが、元々、南赤石林道は前黒法師岳付近まで作られたようで
すが(国土地理院の1/25000地形図には記載があります)、使われずにところどころ崩壊した
ままになっているそうです。駐車場の少し先にゲートがありそこから先は千石沢登山口付近ま
では所々造山工事中でなんとか歩けるようにはなっています。しかし今回は先月歩いたときに
はなかった木が道に倒れこんでいました。木曜日の台風の影響かもしれません。
実は歩き始めたら雨が降り出してしまいました。仕方がなくレインウェアの上だけ羽織りました。
標高1400mくらい山小屋の温度計は9度くらいでしたけどなぜか寒くなかったんですけどね。
駐車場から千石沢登山口までは下り気味であり、アップダウンはありませんが、個人サイトに
1時間くらいとありましたけど、地図上で見ると4kmくらいあるようで、私はなんと1時間40分
くらいもかかってしまいました(^_^;)。
(もっともわざわざ三つ合山経由で登って復路に千石沢登山口からこの林道を使われて7時間
くらいで房子山往復された健脚の方でさえ林道が1時間半くらいになっていましたから1時間と
いうのは間違いじゃないかと思います。平地の整備された道路と違いますから)。
暗いうちに出発したため林道から見える黒法師岳などはガスっていたことも合わせて見えませ
んでした。ただ、五樽登山口を見落としてしまい、一体全体いつになったら登山口につくんだと
ぶつぶつぼやきながら歩きました(^_^;)。
そして前述のように思わぬ長時間かかってやっとのことで千石沢登山口到着。雨の後だから
か直ぐ手前にも小沢が流れ落ちていました。この付近右手山側は地形図ではずっと崖マー
クになっており、五樽登山口でもそうですが、地形図だけ眺めているとどこに登山路があるん
だろうかと思ってしまいます。もっとも五樽登山口から尾根までの道は九十連折で道が整備さ
れていますけどね。
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千石沢登山口 |
上の写真のようにこの登山道は左に見えている沢登りです。
しかしながら、写真でもわかるように登山口からして明確な登山道はありませんでした。
急な崖のようなところになにかそれらしき踏み跡みたいな感じの道らしきものがあるだけ。
しょっぱなから驚かされてしまいました(^_^;)。強引に登るとすぐに写真のような木の階段
がありすぐ前方で沢の右岸(川上から見て右)に出ました。
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木製の階段橋 |
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千石沢登山口〜千石沢コルまでの道 |
すぐに沢に出るのですが、ここからどう歩くのかさっぱり何も印もありません。
ネット記事に丸木橋渡ってとありましたが、なにか太い木が一本倒れるようにありました
ものの一本丸木なんて私には渡るのは無理でしたし、両側とも似たようなものでしたので
そのまま右岸を少し登ったのですがこれまたどこを歩いたらいいかいちいち沢筋を眺めて
のルートファインティングの連続。こんな沢登りは初めてでしたので最初から戸惑ってしま
いました(^_^;)。
少し登った標高1360mくらいのところで二俣になりました。ここが調べておいた二俣だなと
思ったんですが右俣上流にやはり左俣が見えたので心配になり地形図を見ましたら上流
のものが記載ありましたので間違いないなと。それと確かこの山付近特有の⇔マークがあ
りました(付け方がちょっとの気がしましたが・・・)。とにかくここで水を汲み水筒と空きの
ペットボトルを満たしましたが、これは最後まで私の助けになりました。
一部だけ左岸に沢からはずれた道が見えましたので沢を渡ってその道を辿ったんですが、
これもわずかの間だけでやはり沢登りです。
左俣を辿りすぐにまた左股が見えました。地形図で確かめると確かにそれらしきものがあり
安心して更に登りました。それにしても厳しい急勾配の沢(後の方は涸れ沢)で自分でよい
ところをいちいち探して登らなければならないので体力不足ともあいまって時間がどんどん
過ぎていくので少々あせりました。まだかなと思うと高度計はまだ1400m・・・。
やっと左手上方に尾根らしきものが見えて来ました。そこに細い急な涸れ沢がありましたの
でまさかこれじゃないだろうなと地図と高度計みてちゃうなと判断し先を進みました。
そしてやっと左手にピンクリボンが結ばれた緩やかな涸れ沢が現われました。ここを登ると
とりあえず千石沢のコルです。涸れ沢が終わりそこから少し道を登るとやっとのことで千石
沢のコルにある方向表示板が現われました。
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千石沢涸れ沢のつめ |
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千石沢コル方向表示板 |
写真のように周りはガスっていました。
登って左手に腰を下ろせる木がありましたのでここで休憩。この時点ですでにとんでもない
情けないような時間が過ぎていました。で、あの沢を再び下るのは自信が全然なくなり、ど
うしようかと思案の挙句、予定外でしたが、稜線伝いに歩き、前回通った三つ合山・五樽の
コル・五樽登山口経由で林道に戻ることにしました。予定外のため地形図をもってきていな
いですけど、林道歩きより当然時間がかかるだろうと考え、元々の予定の房小山はここで
すっかり諦めました。残念無念。
登りなのに無理をしたため痛めている右足が痛い事もあり、天気もよくないのでこのまま帰
ろうかという弱気の虫がでかかったのですが、折角だからせめて千石平と鋸山に行くことに
しました。
千石沢のコルは約1540m、千石平は1674mですからわずか134mの登りなんですが今日は
これさえ辛くて・・・
地形図を見ますと最初の方と後のほうに等高線が密のところがあるのですが、その途中の
緩いところは実は少し下りになっていました。ま、等高線は10m置きですから10m未満の
アップダウンは現われていませんからねぇ。ただ、地形図をよく見るとこの部分1600mの
等高線が稜線側に天狗の鼻のように出っ張っていてしかもその途中から西側に下る尾根
が出ていますからここに10m未満の小ピークがあったんですねぇ。
最後の一登りで広めの千石平に到着しました。
ここは登って左側の一部ががれていて(地形図には記載なし)そこから景色が見えました。
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千石平 |
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千石平がれ側から見た眺望 |
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千石平のがれ |
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千石平東方尾根方面 |
千石平から東方に大きな尾根が出ています。地形図で見ると千石平に近いところは緩やか
な丘のような場所です。実際にもそんな感じでした。そちらの方に踏み跡がありました。
林道から北方に見上げるように連なっている尾根ですのでちょっと興味がありました。
南赤石林道はカーブにある千石沢の先、この尾根の南側から尾根の東の端の方を回り込む
ように設けられています。最早崩壊しているそうですが・・・
ここで昼食用のパンを1個だけお茶で流し込みました。とにかく喉が渇いて・・・
それから時間を見て折角だから鋸山まで行ってこようとから身で出かけました。途中小ピーク
が二つあるんですが、1つはほとんど感じられないようなものでした。
ゆっくり歩いて10分そこそこで鋸山に到着しました。
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鋸山頂上 |
鋸山頂上は周囲が樹木に囲まれています。本来は行く予定の道が隅にありました。ここから
70mくらいの急下りのはずですが頂上広場からは緩やかな道が下っていました。
ところでこの鋸山ですが、実は1/25000の地図では4つの東西方向にあるほとんど差が少ない
4つ並んだピーク全体に横文字でその名が記されています。どうやら山名辞典ではその中の
一番東側の1674mピークを鋸山としているそうですが、現地の標識ではここは千石平、そして
一番西側の地形図で1668と記載されたピークを鋸山としています。「鋸」というのは4つの
ピークが鋸刃みたいに近傍で連ねているからそういうのだろうと思いますけどねぇ。
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鋸山地図 |
さて、再び千石沢のコルまで降りてきました。ここでアミノバイタルを飲んで体力温存を。
これがこれから始まる稜線の南側三つ合い山までの間のアップダウンに実は効いた気がしま
す。なぜか登りの気力にも(^_^;)。
本当はここから元来た千石沢登山口まで下りれば林道歩きですみますが、前述のようにあの
千石沢を下る勇気がなかったのと三つ合山からの稜線状況を見たい気もあって稜線上をそ
のまま進みました。急遽決めたため前述のように地形図を持ってきておらず、いくつアップダ
ウンがあるのかわからないままに・・・
ですから大下りして前にピークが現れるとまたあのピークから大くだりして登るのかぁって辛く
感じながらの歩きでした。帰って地形図を見ましたら三つ合山までにピークが4個ありのが
わかりました。数えていなかったので記憶は定かではなかったですがそんなものだったような。
ただ、左手北東に見える蕎麦粒山位置から多分これが三つ合山だろうと思った山もその前に
前方にもう1つ山が見えまさかあれかな、あれならまだ遠いなぁと思ったため、元々これとだ
思った山がそうでしたのでついたときは本当にほっとしました。
さて、左足を庇ったため大下りは無論のこと、ちょっとした下りでもヒーヒー言いながら時間
ばかり過ぎていくのであせりましたが、この稜線で1箇所怖い思いをしました。
心の余裕がなかったのか下にある巻き道を見落としていたためですが・・・。
左手北側にがれて垂直に落ち込んでいる所に出て景色がいいなと撮影しいざ進もうとしました
なんと、前方ががれが進んで登山道がわずか20cm程度のまるで刃みたいなところに出会い
ました。どうしよう・・・で、右側の潅木につかまり強引に上に足を乗せましたが、その先でなん
その狭い2mくらいの長さの部分に倒木が倒れこんでいるじゃありませんか。さあ、困った。
実はふと右下を見たら巻き道らしきものが・・・でも今更ここから下りれません(^_^;)。
そこでその狭い危険な場所で慎重にザックをおろし倒木の向こう側のそこはもう大丈夫の所
に放り投げておき、倒木の下のわずかの空間を這うようにして通り抜けやっと安全な場所に
つきました。で、そこについたらなんとやっぱり巻き道がありました(^_^;)。
以前はあそこが登山道だったのが崩壊が進んでしまったんでしょうね。よくそんな所を通った
なと帰ってきてからも冷や汗ものでした(^_^;)。
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恐怖のがればのそばの旧登山道 |
尚、フィックロープが垂らしてある場所がありましたが、ここはたいしたところではなく、足を
庇っている私にはむしろ有難い存在でした。スタンスは十分ありましたから。
また、なぜかこの道、三つ合山から少しの間だけ背は低いですがささが道を覆っています。
ちゃんと道筋はわかりますけどね。
途中で時計を落としてしまい、携帯で時間を見て・・・あ〜あ、こりゅ林道はヘッデンだな
情けないまたもこの尾根歩きで時間がかかりすぎてしまっていました(^_^;)。
暗い林道歩きは辛いものがありました。
携帯の電池も切れ家に連絡できないまま、そしてもう何もする気がないまま靴だけ履き替えて
家路につきましたがやっぱり高速で眠くなり本当に辛い復路ドライブでした。
今回は前回のような左足の筋肉痛はありませんが、庇っていたといえ活躍せざるを得なかった
痛めている右足はこれ書いている翌日の今日は辛い状況で家に蟄居してます(^_^;)。
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