北ノ俣岳(2661.2m)・寺地山(1996m)

         [岐阜県・富山県](2008/8/13・14)


【国土地理院1/25000地図】下之本・有峰湖・三保蓮華岳
【参考ガイドブック】新・分県別登山ガイド「岐阜県の山」(山渓)


北ノ岳
                 北ノ俣岳(寺地山より)
今回の山はずばり北アルプスの山。初の北アの稜線上の山です。

北アルプス北西に薬師岳という大きな山がありますが、そこから南西を回って南に続く
稜線が黒部五郎岳の方に続いています。

この稜線上で薬師岳に続く太郎平という所から南に下った所に北ノ俣岳(2662m)とい
う山があり、今回ここに行ってきました。

というのはこの山へは岐阜県側から登山道があるからです。
但し、ガイドブックでは往復18.1km、累積標高差±1598mで時間10時間の日帰りで体
力度★★★★(最高)のコースで本来なら私には絶対無理なコースなんですが、途中に
無人の避難小屋があるということで、一泊二日(車中前泊入れると2泊)で行くことにし
ました。

我ながらそれでも無謀じゃないかと思ったんですが、ネットで調べるとほとんどの方が日
帰りされている中で、日帰りは無理だからとこの小屋で一泊で登られた方の記事が目
に止まり、蛮勇で行くことにしました。どうしても北ア稜線の眺望を目にしたいという気持
ちが強かったからです。

有名な山じゃなく、夏でも登山道は人が少ないという話で人が多い山よりもという気持ち
もありましたが、それでも避難小屋は10人で満員、そばのテント張る空地は一張り分く
らいということで昼間から満員だったという記事も目にしてすごく心配していましたが
(昨年、初テン泊は避難小屋が高校生団体で満員だったこともあります)とにかく行って
みることにしました。

で、仕上げは・・・・。

二日目のお天気が予報より悪くなり、ガスで景色は駄目、更に午後は雷雨で散々な目
に会ってしまいました(^_^;)。

ま、それでも私には初の北アルプス稜線立ちでガスで何も見えませんでしたがそれは
それで満足してます。

往路

map
                 飛騨清見ICからの道路

東名阪〜名古屋高速小牧線〜名神高速〜東海北陸道にこの道を通る時の私の定番
である一宮PAのサンクスでおにぎりなどを購入して清見ICまで走りました。

この日(8/12)は飛騨市神岡にある道の駅で車中泊するため、カーナビをこの道の駅
にセットしたのですが、カーナビは何故か高山方面に向う中部縦貫道を示さずここで下
りろという指示。で、おかしいと思い込み逆らって中部縦貫道に入りました。ここは
高山までなので現在無料区間になっています。次の高山西ICは前に下りているので
カーナビはそこに切り替えてくれましたが、行ってみるとその先高山ICまでこの一年間
のうちに伸びていました。カーナビ地図データはまだそこまでなく、高山西ICで下りまし
た。

実は帰り道でカーナビ任せで走り、今朝道路地図を見たら自分のあほさに気づきまし
た(^_^;)(正解は帰り道参照)。

高山西ICからはカーナビに忠実に、国道158号線から県道73号線に入り、次に県道
457号線
(?)を通り国道41号線に入りました。

このまま41号で走るのかなと思いましたら途中で右折せよというカーナビ。そこから
道75号線
に入り、そしてまた国道41号線に出ました。地図で見ますとショートカットした
ようです。地図によればこの県道75号線は旧41号線だったようです。

初めて訪れた神岡の街。途中から右折し、国道471号線に入りました。そしてそのま
ま行くかと思いましたら途中、またショートカットして神岡の市街を通り再び国道471号
へ戻ってすぐ左に今晩の車中泊地である道の駅宙ドーム神岡がありました。深夜でし
たので車は少ししかいませんでした。暗めのところに駐車し、夜食のサンドイッチを食
べて、すぐに寝ましたがいつものように外から聞こえる声などでしばらくは寝付けられま
せんでした。

尚、神岡は鉱山で栄えた街ですが、現在は平成の大合併で飛騨市の一部になってい
ます。神岡といえば東大のニュートリノ観測(スーパーカミオカンテ)で有名ですね。

朝は4時に起き、5時前に出発。ここからもカーナビに従って走りました。
で、県道484号で行くかと思いましたら、目的地の飛越トンネルを通る広域林道の最初
から走るように案内されました。この道、林道ですがずっと片側1車線の2車線道路で
広く、恐らく途中でこの道に出会う県道484号より広いんでしょう。

飛越トンネルは岐阜県と富山県の県境の稜線下に設けられたトンネルです。富山県側
はゲートがあり夜は閉鎖になる有料の有峰林道東谷線となっています。トンネルは冬
は閉鎖されるようです。

トンネルの手前岐阜県側、道の左側に駐車場がありました。前日ここに来なかったの
はここにはトイレがないとの情報からでした。でも登山口脇にあるようですね。
しかし、6時前なのに沢山の車が駐車されていて驚きました。一瞬、止められのかとあ
せりました(^_^;)。さすが北アルプスの稜線に出る登山道ですね。マイナーかと思いまし
たが、マイナーでも中高年団体さん御用達ではないというくらいかもしれません。

飛越トンネル
                飛越トンネルと駐車場

2.山歩き

map
                登山ルート

[一日目](8/13)
登山口
                登山口
心の余裕がなかったんでしょうか。写真見てわかったんですが、トイレボックスも登山
届けポストも存在に気がつきませんでした(^_^;)。登山届は持ってきたんですが。

ゆっくり準備をしている間、3台くらいの車が出てトンネルに入って行きました。有峰林
道のゲートが開くのを待っておられたんでしょう。有峰林道は薬師岳等方面への登山
口である折立まで行っていますから。

私の前には写真の単独男性が出発されていきました。大きなザッグですから、恐らく
テン泊で北アルプス北部縦走をされるんでしょう。
少なくともこんなお盆の連休に北ノ俣岳日帰り登山という健脚者はいないようでした。
約9kmで北アルプス稜線に達することができる登山道ですから隠れた人気があるよう
です。道は飛越トンネルから仙人峠までが飛越新道、そこから先は神岡新道と称せら
れています。後者は打保という集落から林道歩きで登る道でしたが、飛越新道ができ
てからは歩く距離が長いため打保〜仙人峠間は廃れているようです。

登山口からの登りは地図から覚悟してた程の急登でなく短時間で尾根に上がりました。
ガイドブックによれば登りついたこの尾根は遠見尾根というそうです。

ここからは延々、富山県と岐阜県の県境に続く尾根上に登山道が作られています。
ただ、この登山道、到るところが湿地帯になっていてあまり歩き易い道ではありません
でした。

事前情報でスパッツとダブルスティックが有効とあり、忘れて一本しかなかった安物の
スティックの代わりに新たにモンベル品を買ってきました。鈍い私はダブルスティックの
使い方が下手でしっくりこなかったのでずっと一本だけでしたが・・・。確かに有効でし
た(^_^)。スパッツはセミロング品をつけていきましたけど、歩き方が下手なのか、スパッ
ツが届かない上の方のずぼんが汚れてしまいました(^_^;)。

ここから南東に下り、早くもそこかしこで湿地帯に出会い戸惑いながら歩き、くま洞峠
いうところに着きました。ここは標高1643m。登山口が約1440mくらいですから約200m
登った計算です。写真のように寺地山まで2時間とありますが、私はずっとかかりました(^_^;)

くま洞峠
                くま洞峠
ここから北東の尾根に進み、多少のアップダウンはあるものの比較的平坦な広い道を
歩きました。ガイドブック地図には地形図で二つ目のピーク付近を芭蕉平と記載されて
いましたが、表示もなく気がつきませんでした。ただ、湿地帯が続き所々丸木が埋めて
ありました。こういうのは滑りやすく苦手です(帰りについに滑ってこけました(^_^;))

丸木道
                湿地帯の道に埋め込まれた丸木
コンパスを見なかったので気がつきませんでしたが、やがて道は南東方向になりました。
そして登りになり、やがて仙人三兄弟松三男とかかれた松につきました。

仙人三兄弟松三男
                仙人三兄弟松三男
しかし、長男とか次男という松は無かった気がします(見落としたか?)。

やがて仙人峠という道の分岐点につきました。ここは標高1842mです。尚、仙人峠とい
う表示がないなぁと思いましたら割れて下に落ちていました。
ここは打保からの神岡新道とここまでの飛越新道の出会いです。

仙人峠
                仙人峠
ここから道は北東に向かい、更に登りになりました。コースタイムは1時間で寺地山で
す。途中、草原の湿地帯があり、小さな池がありました。鏡池平というところです。
高度計を見るのを忘れてどの付近か不明でした(^_^;)

鏡池
                鏡池
やがて道が狭く急になり、やっと寺地山(1996m)頂上に到着しました。

寺地山頂上
                寺地山頂上
この山名は国土地理院の地形図にはありませんが、三角点があります。

寺地山三角点
                寺地山三角点
おなかもすいたのでここでザックを下ろし、隅の木にもたれて休みました。ここではおに
ぎりを1つ食べました。頂上は木立に囲まれていましたが、上の写真からも少し見えてい
るようにちょっと道の先からは北アルプスの稜線と北ノ俣岳が眺められます(最初の写真
はそれです)。

ここから一旦60mくらい下ってから登り返してました。黙々と登るうちにやがて、前方に
木の道(登り道です)が見え、大きめの方向板が現われました。やっと標高2100m弱の地
点。今日の目的地は右にある木の道を進んだ先にある北ノ俣避難小屋。方向板の所に
一人男性が佇んでおられたので避難小屋泊まりかと心配しましたら違っていました。

方向標識
                北ノ俣と避難小屋の分岐
避難小屋は少し下って2050m付近の森の中にひっそりと建っていました。前のドアが開い
ていて中を眺められましたが空いているようでほっとしました(^_^)。

短パンの若い男性が一人いました。ドアのところに腰を下ろしましたら彼から「そこの板
ははだしで上がる板なので」と注意されてしまいました(^_^;)。

詳しくは聞きませんでしたが、どうやら彼はそこに泊まってボランティアで色々と掃除とか
小屋と回りの維持をされていたようです。次の朝も早くから働いておられました。

北ノ俣避難小屋
                北ノ俣避難小屋
水は沢の冷たい水がホースで引かれていてドラム缶にこんこんと注いでいました。これ
があるため、今回は湯沸し用の水も空のボトル持ってきただけです(^_^)。本当に助かり
ました。

飲料水
                冷たい飲料水
到着は途中休憩が多くゆっくり歩いてきたため、ここまでのコースタイムの1.5倍強
もかかってしまい午後1時頃でした。

歩くのが遅いとの遅く着くと泊まれなくなるのを恐れて車中前泊とした訳です(^_^;)。
しかし、テン泊記事眼にしましたけど、それらしきスペースはほとんどありませんでした。
軒下くらいかなぁ・・・。広めのところは囲って座れるように木が椅子代わりに置かれて
いましたし・・・

くつとスパッツを洗い、その後は何もすることがありません。座るように置かれた木に腰
かけ、煙草を吸い、水を飲みながら持ってきた本を読んだり、寝袋に入って昼寝をした
りしてのんびりと午後を過しました。携帯出しましたらなんとアンテナたってましたので、
家に電話しました。

今日は比較的お天気はよかったんですが、それでも夕方頃少し曇ってきましたのでやば
いと思い干しておいたスパッツなどを片付けました。

4時ごろ、彼が夕食の用意を始めましたので、私も用意を。今晩はレトルトカレーです。
疲れていると食が進まないのでと前回のテン泊でこれが一番であることがわかりましたの
で・・・。

で、ふと気がつきました。「しまった、前にはよく持参したアルミの食器忘れた・・・」
仕方が無いのでフライパンにもなるクッカーのフタを食器代わりに使いました(^_^;)。
実はこのフタ(ちゃんと取っ手がついています)でベーコン焼くつもりでしたのにやめて
しまいました(^_^;)。漬物を持参したのでそれを付け添えで食べました。お湯はご飯とレ
トルトカレーを暖めるのに使いましたが、残りの一部はほうれん草スープに使いました。

で、今日はこんな連休に二人だけかラッキーと思っていましたらそうは問屋が卸しませ
んでした。夕方頃4人男性グループが到着されました。
この避難小屋は小さく、定員は8名ということですがら、合わせて6人ならましということ
ですけど、こちらは単独二人でしたからねぇ・・・。シェラフに早々ともぐりこみましたが
ガスランプつけ飲み食いされながら談話されてましたのでなかなか寝付かれず閉口しま
した。どうやら彼らは今日同じ道を登ってきたようで、明日は黒部五郎岳まで行って沢に
下り岩魚つりを楽しまれる予定だったようです。
ただ、ラジオで天気予報を聞かれ、明日はお天気が悪化して午後は雷雨という予報に
たなっためどうしようかと相談されていました。そして8時半ごろ寝られまして、やっと私
も眠りにつくことができました。

[二日目](8/14)
夜中目が覚めて時間を見ましたらまだ1時ごろ・・・それから1時間おきに目が覚めてし
まいました(^_^;)。で、携帯に目覚ましセットしておいた4時頃に起き出しました。まずは
トイレに行きました。これが無いような場所では泊まれません(^_^;)。

本当は朝食は塩ラーメンと卵かゆの予定でしたが、アルミ容器を忘れたこともあり、
クッカーではお湯の分量がわからないため、卵かゆだけで終わってしまいました(^_^;)。
これが後まで響きました(^_^;)。すぐに空腹になりましたから・・・。

本当は5時頃には出発しないと私の場合下山がやばいと思ったのですが、色々と時間をとら
れ、1時間以上も遅い出発となってしまいました。

山はガスがかかり、もう景色は諦めましたが、折角初の北アルプス稜線上がりだからと行く
ことにしました。

軽いサブザッグで行こうかとも思いましたが、小屋による時間的余裕がなくなるのを恐れ、
又、歩荷(ぽっか)の訓練も兼ねてと重いザッグ背負って出発しました。

標識の所から、上の方の写真のように白い木の道を歩きました。この道所々破損してい
ました。てっきり湿地帯保護のためかと思ったんですが・・・。

登り始めてすぐにこの木の道を下りてこられた単独男性の方と出会い、少しお話をしまし
た。この登山道から登り、テン泊三泊四日で稜線上を黒部五郎岳、三保蓮華岳と歩き、
天空の楽園(?)と呼ばれる雲の平を回って戻ってきたとのこと。昨日まではお天気も
よく楽しかったそうで、羨ましかったです(^_^;)。私に体力があればなぁと・・・。

やがて、両側にいくつかの池塘が現れました。ガイドブックで見た光景です。振り返ると
寺地山が眺められました。

池塘
        草地に点在する池塘と寺地山(少しガスかかっている右端の山)
ただ、少し登りましたらもうガスの中に入り見えなくなりました。

ここを過ぎ少し登りましたら、木の道は無くなり、ハイマツと笹の中の涸れ沢のような登
山道に入りました。沢の横に踏み跡があり、その踏み跡と沢の中を見比べながら歩き
易い所を選んで登りました。

登山道
        歩きにくい登山道
木の道の途中で、件の4人男性グループが結局、今日の沢釣りは諦めた模様でほとん
ど空身で登ってこられたので先に行って貰いました。
また、登る途中で大きなザッグを担いだ二人組の若者達にも道を譲りました。

上のほうで休憩していたら中年男性二人組が「小屋からですか?」と声を掛けていかれ
ました。彼らは私が頂上に到着したとき、休んでおられ下山して行かれましたが、帰り
に水汲みに小屋によりましたら表の木の座れるところで食事をされていましたし、結局
下山されては来なかったので小屋に泊まられたんでしょう。

ガスの中で周囲しか見えなかったんですが、高度計見ましたら後少し・・・上の方に見え
るのが稜線かなと期待し、やっと平坦でハイマツに覆われたそれ以上登るところがない
ところまでたどり着きました。思わず心の中でばんざいしてしまいました(笑)。

2〜3m程度下ったところに左右(南北)に白い木の道が見え、そして方向表示板があり
ました。ついに初の北アルプス稜線到着です(^_^)。ガスって景色は何も見えないのが残
念でしたが、初の北アルプス稜線に立てたというだけですごく満足感を味わいました。

稜線出会い
             稜線出会い道
北ノ俣岳はここから右に折れ、少しだけ木の道を歩き、その先、50mくらい登った所
でした。ガスで見難くなってましたが、そして名前標識がとれてしまったのか棒だけあ
りましたけど、探しましたら三角点があり間違いありませんでした。

稜線出会い
             ガスに煙る北ノ俣岳頂上
三角点
             北ノ俣岳三角点
何も見えないし、風も強かったので数分写真撮影だけして下山にかかりました。

途中、走るように下りていく若者二人に道を譲りましたが、あの歩きにくい急な道を走
るように下りて行かれる姿には若者に対する羨ましさがこみ上げてきました。

ところで今回、今までの山と違い多くの若者に出会いましたが、彼らは向こうから挨拶
してくれる方ばかりで少し嬉しくなりました(^_^)。中年者より山の礼儀をよく知っている
ようですね。すがすがしさを感じました。

やっと小屋の分岐に昼過ぎに到着。もう時間が少なくなりましたがまだまだここから累
積で1000m以上6km以上くだらなくてはなりません。ここにザックをデポして水筒と
ペットボトル持って小屋に水汲みに行ってきました。

もう肩が痛くなり、座って担ぎました。本で膝に一旦乗せてから担げとありそれを実践
したのですが、同じ側(右肩)からばかり担ぎ上げたため、右肩が痛くて・・・(^_^;)
日帰りで担いでいる45Lザックとは大きさが違うのもあるのかもしれません。極端に
重さが違うわけではないんですが、45Lの方はそのまま下から担いでいて肩が痛くなる
なんてことないですから・・・。

さて、ここからの下山ですが、予報どおり雷雨が始まり、面倒で上だけしかレイウンウェ
ア着なかったつけでずぼんもパンツもずぶぬれになってしまいました(^_^;)。

例の湿地帯が多い道はもう川と池状態・・・。どこを歩こうかと思い注意しながら歩いて
いてもつい深みにどぼん(^_^;)。ただでさえ疲労困憊状態になる嫌いな下山、余計に時間
かかり、「こんなにアップダウンあったっけ?こんな急坂登ったっけ?」状態で・・・。
やがて雷雨はやんで来ましたが、もうよれよれ。肩は痛い、腰まで痛くなり、更に右ひざ
までも痛みが走りで気だけあせるのに余計歩みがのろくなりました(^_^;)。

途中、やっとのことで仙人峠到着。ぐったりして休憩していましたら単独男性が下りてこ
られ彼もここで休憩・・・疲れ果てていた私は挨拶もすろくにせず(^_^;)。
やっとザックを担がれた彼から「これから登るんですか?」と聞かれ「いえ、下りです」
先に下りて行かれ、すぐに私も出発しましたが、もう姿は見えませんでした。速いんです
ねぇ、皆さんは。

この後、足が疲れていたんでしょう。二回もすべってこけてしまいました(^_^;)。
一回目は苦手の丸木道で滑り、横にあった水溜りに横倒し(^_^;)。次は雨で濡れて弱く
なっていた土が崩れ(それまでそういうところではずっと注意してきたんですが)又
転倒・・・背中のザックが頭の上までかぶり腰が痛くなりました(^_^;)。
悲惨なもので靴もずぼんもスパッツも泥だらけ(^_^;)。泣きたくなりました。

やがて日が山の下に沈み、唯一時間見る携帯の電池切れで時間もわからず、結局最後
の方はヘッデンかぁと諦めました。でもせめて少しでも見えるうちに直ぐ近くまで到
達したいと気だけあせり、くま洞峠過ぎていたのにまだくま洞峠にも着かないのか、
なんでまた登りがあるんだと悲鳴を上げそうになりました。

もう暗くなり少ししか見えなくなる頃、なんと飛越トンネルこの下すぐの表示が・・・
思わず、よかったぁと安堵しました。そして下に駐車場が見えたときは本当にやっと無事
に下山できたぁと嬉しくなりました。この下りだけヘッデンを使いました。

復路

車に戻り、着替える気力もなく、ザックもレインウェアもみなそのまま車に放り込んで
カーナビをセット。いつもなら家に電話するんですが、携帯は電池切れのため諦めて
そのまま家路を急ぎました。帰りはカーナビに忠実に走りました。

そして、41号線から途中右折指示で入りました道が県道90号線
途中長いトンネルがありました。やがて東海北陸自動車道の飛騨清見IC到着。後で
地図見たらこれが正解の道でした。往路でも言うとおりにすべきでした(^_^;)。

ところで、汗掻いたまま車に乗りましたが、清見IC付近は標高も高く気温も低め。
カーエアコンがすごく寒く感じ、まずは寄ったひるがの高原サービスエリアで着たまま
のTシャツの上に長袖を着ようと外に出た途端、ぶるぶるぶる・・・(^_^;)。

後ろの座席においてあった着替え用袋から長袖を出してそのまま上に羽織ったのです
がしばらくは震えていました(^_^;)。鼻水もでかけました(^_^;)。

そして走っているうち疲労で眠気を催し、危険なため、又PAに寄り、10分以上仮眠
してから眠気をたって家路を急ぎました。

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思わぬ雷雨で帰りは本当によれよれになりましたけど、行くまで心配していた★4つの
コース。私のような体力もない中高年の輩でも二日もかければ登れることがわかりまし
て本当にほっとしました。

晴れていれば申し分の無い素晴らしい景色が見えたのにとそれだけは残念でしたが、初
アルプスですからむしろその喜びが大きいです。景色は次の機会にと。

ちなみに今回、登りつめた稜線付近は以下のような峰峰が続いています。いつかは行き
たいです。

map  付近の北アルプスの峰々

薬師岳(2926m)、黒部五郎岳(2839.6m)、
鷲羽岳(2924.2m)、水晶岳(2986m)
は百名山です



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