大光山(1661m)・奥大光山

    [静岡県・安倍奥東山稜](2008/5/17)


【国土地理院1/25000地図】梅ガ島
【参考ガイドブック】新・分県ガイド「静岡の山」


今回の山は前回登りました十枚山の北、同じ安倍奥東山稜上にある大光(おおぴか
り)山(1661.3m)
とそのすぐ北側にある奥大光山です。

これらの山は共に1/25000地形図にはその名前が記載されていませんが、大光山の
方は三角点があり、地形図に標高だけは記載されています。

尚、前回登りました十枚山とは途中、崩壊著しいとの情報がある刈安峠を通っての
稜線上の道で接続されています。いつかは歩きたい道です。

この安倍奥東山稜は熊が生息しているようで特にこの山では途中で昨年小熊を目撃
されたとのネット記録を目にしたため少しびびってましたが蛮勇で行ってきました(^_^;)。

ちなみに前回の十枚山などはガイドブックにも熊のことが書かれていましたし、一昨
年行きました岐阜県の白草山はネットに目撃記録が多数ありましたが幸いにもこれ
までは遭遇していませんでした。しかし、今回の山は登山者が少ないみたいな感じが
あり、ちょっと心配でした。幸い遭遇せずにすみましたが(^_^)

それにしても今回は寝不足で体調悪く気力も薄れ更に最近右足の踵が痛いというこ
とに加えて、この山、標高はたいしたことがないんですけど、意外に厳しい山だったよ
うで時間もかかり、くたびれ果ててしまいました(^_^;)情けないです(:_;)

1.往路

前回同様、東名高速焼津IC国道1号などを経て県道29号線を北上。

新田バス停を過ぎ、左手に現われた静岡市営の黄金の湯の駐車場に車を止めまし
た。新田バス停付近までは昨年、山伏に登った際に走っているので二回目です(山伏
はここから左折して西に走った方面です)が、今回は林道走りはありません。

ここにした理由は登りと下りのコースが異なりガイドブックはここの駐車で説明されて
いましたので・・・で、結局予定していた帰りにこの温泉で汗を流そうという目論みは
くたびれはてて車に戻ったためはずれ諦めました(:_;)

黄金の湯
               黄金の湯



2.山歩き

map
                登山ルート(全体)
map 黄金の湯〜草木集落まで詳細

黄金の湯から左側(東側)に安倍川を眺めながら県道29号を南下、地図の見方が
不十分で最初の曲がり角を左折すると思い込んでいたため、黄金の湯からすぐに
大きな橋が見えたので「あれ?」って。でもこれはやっぱり違いました。

やがて左前方に橋が見えて来ました。目的の安倍川を渡る池尻橋です。
ここまでは18分で来ました。坂道でなければ快調です(笑)

池尻橋
               池尻橋

橋を渡ると舗装されたりん道は左にカーブ。そしてすぐ右手に大きな家があり驚き
ました。ずっと山の中かと思い込んでいましたので(地図にちゃんと建物印ありま
したのに見落としていました(^_^;))。

道が北側でUターンするようになっていたのはこの家を曲がりこむようになってい
たためでした(というかそこに家をたてたのかも)。家でなくペンションなのかもしれ
ません(ガイドブック記載のペンションがあるというのはこれかも)。

林道
          橋を渡って左にカーブすると大きな家が

道は上り坂でやがて左側(東側)に墓地が現われ、その先左側(東側)斜面に茶
畑が見えて来ました。ここから下り坂になりました。

茶畑
          左斜面に茶畑が見える所から下り坂

そして左にカーブする手前に民家が1軒ありました。茶畑の持ち主かもしれません。

やがて民家が2〜3軒現われました。草木集落です。私はガイドブック記載の曲がり
角にあるペンションがここにあるものと勘違いしてましたのできょろきょろ見ましたが
それらしきものは無し。やはり池尻橋のすぐに現われた大きな家がそれだったよう
です。

で、ここで左手にあって男性が朝の体操をしていた民家から突然多数の犬の吼え声
が。そして右手の家の鎖でつながれていない一匹の犬にまで吼えられてしまいまし
た(-_-;)。実はネットサーフィンしてましたら犬に吼えられたという記事を目にしてはい
ましたが、犬同伴登山だったようなのでそのためかと思い込んでました(^_^;)
相当離れるまで吼え続けられちゃいました(^_^;)。

それにしてもここはこの大光山の登山のために通る道ですし、しっかり山歩きスタイ
ルで歩いているのに犬をいさめない飼い主に少し怒りが湧きました(-_-;)。

尚、歩いてきた林道はここで県道28号線にある草木バス停(駐車場もあります)から
の道に出ました。ここに大光山とかかれた矢印標識がありました。

道標
          やっと目にした大光山方面矢印標識

タチ沢の右岸側にあるが舗装はあるもののがたがたの林道は上り坂。タチ沢を右に
見ながら歩きました。

map 草木集落〜登山口まで詳細

林道の途中に堰堤があると思い込んでいましたので下に見えるタチ沢に二つ見え隠
れした堰堤がそれかと思いましたがそれらしき道もなくそのまま先に進みました。

やがて前方に大きな堰堤が見えて来ました。そして、林道はここで終わり細い登山道
になりました。

堰堤
          堰堤が見えてきて林道は終わり

そして堰堤の上に出てそのまま更に先に登山道がついていて歩きました。

やがて沢を渡る箇所の標識が現われました。よく見ると沢の先に道が続いているの
が見えました。

標識
               沢を渡るところに標識あり
沢
               ここで沢を渡ります

沢を渡りいよいよここからまずは尾根の乗越までの300mくらいの登りです。
map
               登り登山道地図(緑線は尾根、紺色線は谷)

途中道は細く斜面に肩幅くらいやっと付けられたような道が続きました。崩れそう
なところもありちょっと怖い気もしました。

登山道
                       細い登山道

しかし、元々登りはいつもすぐには〜は〜ぜ〜ぜ〜で辛い私ですが、今日は前夜の
寝不足がたたって、眠くなりそれで歩きつづける気力が薄れ今日は余計辛い思いを
してしまいました(^_^;)。

やっと上方に峠らしきところが見えて来ました。道は右方向で登りやっと尾根乗越
到着。まだこの先約460mくらい登らないといけないと思うと実はうんざりしてしまいま
した(^_^;)。

尾根乗越には木を切って作った椅子らしきものが数個置かれていて助かりました。

尾根乗越
                       尾根乗越

ここで10分近くも休憩してしまいました。「速攻元気」のゼリー飲んで元気をつけまし
た。これはお気に入りで今日は3個も買ってきましたが正解でした。

ここから右手南側に続く尾根上には東峰方面の登山道があるはずで標識もありまし
たが全然それらしきものが見えずよく見ると薄い踏み跡が登り口に見えたくらいです。

東峰方面
                       東峰方面尾根

いずれにしろ時間を見てがくぜんとしてしまいました。ここまでコースタイムのなんと
2倍もかかってしまっていました(^_^;)。単独で山歩きした中で過去最悪です(^_^;)

ここからしばらくは緩い登りで体力的にすごく助かりました。

やがて水場という造林小屋が見えてきて一登りで到着。造林小屋には鍵がかってい
ましたが、それよりもなによりちゃんと「水場の小屋」という表示がありましたのに
肝心の沢から引かれているという水は出ていませんでした。右手(東側)下には沢が
音をたてて流れていましたのに・・・。

おなかがすいてきたのでここでバナナを食べました。

水場の小屋
                       水場の小屋

さて、ここから支稜に取り付くまでの急な登りが始まりました。

途中、ネットで見た休んでいたら小熊を見たとあった荒れた小屋が岩に取り付くよう
にありました。
今日は軟弱で休んでばかりの私はここでも小休止(^_^;)。また熊が出ないかと恐れな
がらあたりを見回しました(^_^;)。

小屋
                       荒れた小屋(何のためのもの?)

幸いそれらしき気配はなく、出発。道はこちらにいたのかなと思った右側に小屋の上
を巻くようについていました。

やがて、やっと上前方に稜線らしきものが見えて来て、あと少しで支稜とほっとしまし
た。

支稜
                       支稜が見えてきてほっと

支稜について時間を見て休憩ばかりしてたからかまたここまでもコースタイムオーバー
でがっくりでした(^_^;)。休んだのに今日は本当にあかんです。

支稜の道は思ったより広くゆったりとしていて助かりました。

支稜の道
                       支稜の道は歩きやすく

支稜一つ目のこぶは1600mくらいにあり、次のこぶは1650mくらいにありました。
地形図では共に等高線が閉じていないのでわかりませんでしたが・・・

途中で右手(南側)に前回登りました十枚山とその左側に少しだけ下十枚山が見え
ました。

十枚山・下十枚山
            十枚山と下十枚山(十枚の左に少し見えている)

最後の急坂をふ〜ふ〜言いながらやすみやすみ登っているとき、後ろに今日初めて
会う登山者が現われました。単独で私より老人の方でかつ40年ぶりに山登り開始し
てまだ半年とのことでしたが私よりずっとタフでした(^_^;)。

やっと大光山の西峰に到着。頂上標識は先にある東峰側ですが、ネット記事では狭
く木が邪魔して眺めもよくないので休憩には西峰がよいとありましたので私と同じ
ガイドブックで来られた件の藤枝の男性にもそう言いましてここで昼食にしました。

ここは南側は木があって眺めは駄目でしたが北側は眺望がすばらしかったです(^_^)
雪の南アルプスも見えたのですが近くの山も含め残念ながら山座同定できませんで
した(^_^;)。

尚ここ辺りには私の好きな白樺の木があって疲れた心を慰めてくれました(^_^)

大光山西峰
                       大光山の西峰
大光山西峰眺望
           大光山の西峰から北方の眺望

食事しながら件の男性と会話しているうちにぱらぱらと雨が・・・で南側の空を見ました
ら暗灰色。まだ北側には青空も残っていましたけどやばいと早々に休憩を終わること
にしました。で、いつものアフターコーヒーも今日はやめました(折角出掛けに作ったゆ
で卵、このコーヒーと一緒に食べるつもりでしたけど、そのため食べるのを忘れてしま
いました。

立ち上がるとき足がしびれていましたので件の男性には先に行ってもらうことにしまし
た。今日も一期一会です。これまで沢山ありました・・・一期一会。

で、今日はこの山二人だけかと思いましたら、なんと三角点のある方(東峰)に4人も
休憩されていました。男二人+女性一人の3人パーティと単独男性です。どこから登っ
て見えたのか・・・どうも途中でちらっと会話したところでは私が下りにとったものとも
違っていましたから別の山から稜線伝いに来たのかもしれません。

狭い頂上で休憩されてましたので、ぎりぎりのところで例のお団子形標識と三角点の
写真を取り先を急ぎました。

三角点
                  大光山三角点

稜線上の道はアップダウンも少なく穏やかな広い道でした(^_^)。

で、奥大光山は表示がないとわからないような頂上らしきない山でした。

奥大光山頂上
                  奥大光山頂上

ここから先に少し行ったところに道に大きなブナの木があり、その向こう側で左に折
れいよいよ下りの登山道に入りました。大光山西峰から見た黄色の線をつけた尾
根が下りの道です。

道標の文字が消えてしまっていて、反対側からやっと読める程度でした。

道標
                  下り方向道標

map
               下り登山道地図(緑線は尾根、紺色線は谷)

少しだけ緩やかな道を辿りましたがすぐに激下り・・1500m付近のコルまで一気に下
りて行くのですから当たり前ですけど、これが辛かった(^_^;)。フィックスロープがあっ
たので助かりましたが。

少し平坦になりもう終わりかと思うとまた激下りがと続きました。

そして、いよいよネットで目にしたキレットが現われました。フィックスロープがつけて
ありましたのと短い間でしたのででそれほど怖くはありませんでしたが狭い岩場でし
た。おいついてきた三人パーティの女性が多分ロープだけに頼ったためでしょうが危
うくこけかけていました。お父さんらしき方が三点支持のアドバイスをされていました。

キレット
                  キレット

ここを過ぎると1552m小ピークまでの50mくらいの登りでした。

それにしてもまだ600m以上下る必要があります。足が痛いので本当に辛かったです。
ちっとも1326m小ピークに達せず時間だけどんどん過ぎていくので少々焦り気味にな
りながらなかなか進まぬ自分の足をうらめしく感じました(^_^;)。

尚、地形図ではわかりませんが、2箇所ほど小さな二重山稜になっていました。

そして、やっと1326m小ピークらしきところに到着。地形図ではここから右(北側)に
に曲がるように描かれていますが、実際には相当西側向きに延々と下りてから次は
東側という風になっていました。

時間がかかりすぎ予定していたバスはあきらめ途端に歩きが遅くなってしまいました。

そして、やっと安倍の大滝への道との出合いに到着。遊歩道ですからベンチが。
下にはさかさ川の急流が見えました。ここに奥大光山登山口表示もありました。

さかさ川
                  さかさ川の急流

安倍の大滝まで200mとありまして悩みましたが時間が遅くなると諦めました(^_^;)

で、ここから完全に私自身思い違いしてました。ネット記事で誤解していたようです。
よく地形図見ましたらその通りでした。どこで誤解したんだろう・・・。

何を勘違いしたかここから林道に出ると思い込んでいましたが、どんどん遊歩道が
続きついにさかさ川にかかる釣り橋が現れました。これは実に怖かったです(^_^;)。
というのは横にぶらんぶらんするように揺れるんですよ。大丈夫なのにそれでもめ
ちゃ怖かったです(^_^;)。どうも高い橋は少しひやりといつもしているのでだから高所
恐怖症かなぁと思っていたんですが、これまでの山歩きの中で一番怖かったです(^_^;)

つり橋
                  さかさ川にかかるつり橋

この橋を渡りその後右に上がった先に今度は安倍川にかかる橋が見えて来ました。で、
勘違いしていた私はこの時点で橋の向こうは林道だとまだ思い込んでいました。
ネット記事で林道はさかさ川の左岸にあるようになっているが右岸側という記事があっ
たためでした。今地形図を見直したら私の完全な思い込み勘違いであることが判明しま
した。

橋を渡って登った先はなんと県道29号線でした。この川は安倍川とやっと気がついたと
言うわけです。安倍川大滝入り口バス停があってやっと煙に包まれたような気持ちで気
がついたというわけです(^_^;)

右は梅が島温泉方面でっしたので左にこの県道29号を延々と歩きやっとのことで黄金の
湯駐車場に戻りました。件の男性から夏場は6時までと聞いていましたのでまだ間に合い
ましたが、もう一歩も歩く気が起きず、結局そこで上着替えて家に電話して帰宅の途に
つきました(^_^;)。で、家には夜の9:00頃帰着しました(^_^;)。

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