十枚山(1726m)U&下十枚山(1732m)
[静岡県・安倍奥東山稜](2008/5/4)
【国土地理院1/25000地図】湯の森、篠井山、南部
【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200
新・文県ガイド「静岡の山」
5月に入りましたのでそろそろ1500m越えの山に行きたくなりました。
で、雪の心配はないだろうと静岡県の山に・・・元々静岡県には行きたい山が沢山あ
ります。昨年は3座登りました。
しかしながらほぼ一年前に登りましたその1つは同行した娘がばててしまい、結局、
ガイドブックにもあったすぐ近くのピーク諦めた上に初のヘッデン使用での深夜下山
(まだビバークするためのツェルト所持していない頃でしたので)となってしまって
不完全燃焼でしたので、ふとリベンジしたくなりました。
折角の連休ですので泊り山歩きも考えていたんですが、とりあえずそれは先延ばしし
て、この山に行くことにしました。
で、目的の山は
静岡県・安倍奥東山稜
にそびえる
十枚山
(
ここ
)と近傍の
下十枚山
です。
安倍奥東山稜は
安倍川
の奥・東側に延々と高く繋がる稜線で、静岡市から始まり北
に伸びる山稜で、下十枚山の南にある青笹山から北では東の山梨県との県境にあ
ります。
この山域は私にとって極めて興味深い所であり、特に昨年登頂しました
青笹山
、今回
の
下十枚山
と
十枚山
、
大光山
、
奥大光山
と北方に稜線で連なり、稜線はその先で
西側にカーブして
ばらの段
、
安倍峠
、
八紘嶺
、
大谷嶺
、そして昨年5月に登頂した
山
伏
と続いています。そして、山伏からは北西方向に続き南アルプスまで繋がっている
長大な稜線の南側部分です。この稜線のテン泊縦走にすごく憧れています。
山伏から西・南方面は青笹山を経てその先まで登山道があるそうですし・・・
昨年、十枚山頂上でテント張られていた中年のご夫婦がいらっしゃいましたが、恐らく
縦走されてたんだろうと羨ましく感じました。
変な気がしますが、
国土地理院1/25000地図には十枚山の名はあるものの下十枚山
の名前はありません。変と言うのは実は下十枚山の方が少し高くかつ三角点はこち
らにあるから
です。
とまれ、前回はこの十枚山の南、十枚峠を挟んでそびえる下十枚山行けなかったた
めこれをクリアするのを目的として再度行って来ました。
これで今年8回目の山歩きですがピーク二つはきつかった(^_^;)
1.登山口までの往路
静岡県の安倍奥は名古屋から遠いです。静岡市葵区ですが、南アルプスもそうです
からねぇ。で、早く寝て、深夜に起きて出発しました。
カーナビに従い、
東名高速道路
を
焼津IC
で下り、左折して
県道81号線
に入り藤枝市
へ向かい、
仮宿信号
で右折して
国道1号線
に入りました。
そして宇津谷峠の道の駅でトイレ休憩。
しかし、本来カーナビ指示通りに昭府ICで下りようとしたらどうも入り口が変わったよう
で下りられず、カーナビ指示に従い先にある唐瀬ICで下りてわけわからないままカーナ
ビに従って走りましたら
県道27号線
に出ました。
県道27号線は安倍川の東側を北上し、途中から西方面に曲がって井川に向っていま
す。私は曲がらないでそのまま直進。ここは
県道29号
で
梅ガ島温泉
まで続いています。
県道29号線は安倍川の東岸→西岸→東岸→西岸→東岸と橋を渡りながら走ります。
北部では狭い一車線の部分も多いのでちょっと嫌な道路です。
もっとも、東側は安倍奥東山稜の高い稜線、西側は安倍奥西山稜の稜線が連なり目の
保養になりますのでバスで行けば山好きには楽しい路線でしょう。
さて、二回目に西岸から東岸に橋を渡った所の
関の沢
集落で県道は直角に左に曲がり
ますが、私はここを直進。狭い農道へ。東方向に
中の段
集落(本の少しだけお茶農家あ
り)に向いました。
実は道は山の中に入りまさに林道の雰囲気(舗装はされていますが)で、まさかこの先に
民家があるなんてとても思えない道です。昨年一度来ているんですがちょっと不安になり
ました(^_^;)。一応は舗装されていますけどね。
2.山歩き
登山ルート
駐車場から登山口地図
やがて、前に止めました駐車スペースが現われました。登山口近くにも2台くらい止め
られるんですが、関係者の農道侵入禁止の看板があるため、前も今回もここに止めま
した。実はここに止めると登山口まで200mくらい登らないといけないので辛いんですけ
どね(^_^;)。
ガイドブックは上の駐車スペースからの説明になっていますし、上に止める人も多いん
です。あの表示(昨年分に写真あり)はなんでしょうかねぇ・・・
今回も下の駐車スペースに止めました
ここから上を見ると農道が何度も曲がりくねってどんどん高度を増しているのがわかり
ます。
下から見上げた中の段地区
で、記憶が不確かだったのが今回行って見てわかりました。ガイドブックが古いため
か農道パスしての近道登山道が書かれていましたが、全然違っていました(-_-;)
前回、それで道間違いをしかけたんです(^_^;)
一部、農道の図に間違いがあるかもしれませんが、基本的には上の地図のようでし
た。
駐車スペースの先を左回りヘアピンカーブし、その先で右回りにヘアピンカーブしま
す。その突き当たり左回りに曲がる所がショートカットの入り口かと思ってましたらこ
れが違い、更に農道を進み民家の横を通り、その先で右回りにカーブして進んだ先
のまた農道が左にカーブするところに登山道標識がありました。
ここから道路ののり部の端につけられた階段を登り、そこから山の中に。そして青い
ビニールシートで囲まれたしいたけ小屋過ぎて左に曲がってまた農道に出ました。
昨年はここから右側にあるしいたけ小屋方向への狭い道を進んでしまいました(^_^;)
再び農道へ
ガイドブックの地図と記述は最後の道の所まであるように書かれていましたので。
ここからまた急坂の農道を進みました。そしてやっと一番上の右回りカーブを過ぎて
右に進みますと舗装が消えてダート道になりました。ここの左側に2台くらい置ける
駐車スペースがあります。ガイドブックに記載のあった上の駐車場でしょうが・・・
とにかく駐車場というものはなくて、私が止めた一番下のスペース、途中の路肩、そ
してこことせいぜい6〜7台分くらいしか置けないようです。平地がない所ですから。
バスで来るなら関の沢からここまで歩かなくてはなりませんからめちゃくちゃ健脚向
けになります。
尚、ガイドブックにあった上のほうの道ですが、道の下に壊れた木の梯子が落ちて
いましたから、ひょっとするとそれで上に続いていたのかもしれません。もっとも下を
見てもそこまで道らしきものが見当たりませんでしたけどね。
さて、ダートになった道を少し進みますとやがて昨年見たとおり、そのままで道の左
側に入る登山口が現れました。大きな熊出没注意看板もそのまま。登山ポストがあ
り、初めて投函しました。ちょっと心配でしたので(^_^;)。ムダでしたが(笑)
色々あって賑やかな登山口です
登山道はすぐに右に曲がり支尾根にとりつきました。緩やかに登り、やがておだや
かなやせ尾根道を進みますと左方向の直登尾根コースと右方向の峠道コースとの
分岐点に到着しました(写真は前回分参照)。
ところで地図によればここまでの途中に904m小ピークを通るように書かれていま
したがそんなアップダウンありませんでしたので少しずれているのかもしれません。
行きは前回同様、右側の峠道を進みましたが、どうもこの峠道、1/25000地形図に
は記載が無く、ガイドブックもネットで調べたものも道が違っているようでした。
かなり複雑な地形ですからわかりにくいのかも。今回、それを確かめるべく地図と
高度計とコンパスを見ながら歩いたんですが(そのためコースタイムよりかなり時
間かけてしまったみたいですが(^_^;))、それでもよくわかりませんでした(^_^;)
いずれにしろ分岐点はガイドブックも前述のネットにあった地図も間違っていて、
標高1000mのところでした(ガイドブックは900m付近、ネットで見た地図は1100m
付近になっていました)。
峠道は全体として右側がかなり切れ落ちた部分に付けられていました。
しばらくは道自体は平坦でしたが左上も右下も急ながけ(木は生えてますが)状態
で、地形図でも1000m等高線付近は等高線が密になっていますのでここを進んだの
は間違いないでしょう。
急な山腹にへばりつくように設けられた細い峠道
やがて水の流れる音がし、右側下に沢が見えて来ました。そして北部で沢を渡りま
した。ここには水場の表示がありましたが昨年ここの水を飲んでみましたけどあま
り冷たくありませんでしたので今回は飲むのはパスしました。
第一の水場付近地図
第一の水場
第一の水場の先のロープで保護された道
道は水場を過ぎると南側に曲がり、すぐにガレ場をロープで保護された木の橋で渡
りました。そして滑り易い急坂を登り先に進みました。
やがて支尾根を乗り越し歩くうち、再び水の音が聞こえてきました。第二の水場です。
ここは石が苔むしているんですが今日は水量が豊富で、沢を渡るのに滑りそうで苦労
しました(^_^;)。水に手を入れてみたら冷たい・・・で、コップを出して飲みました
ら冷たくておいしく2杯も飲んでしまいました。
第二の水場の水は冷たくおいしかったです
道は少しこの沢の東側に沿って登っていました。
そしてまた再び沢の音が聞こえてきました。ここは水場表示がありませんが再び沢を
渡りました。どうも私の記憶はこの付近で曖昧になってしまっています(^_^;)。
第二の水場と次の沢の付近の地形図は下記となっています。
第二の水場及び三つ目の沢付近地図
間違いなく第二の水場の東側を沿って登りましたが、ここから第三の沢までの行程
が地形図と照合すると「???」状態です(^_^;)。
右上に見えてきた右方向への涸沢を渡ったことは記憶があります。で、自分の地図
にここだろうとペンで矢印を書き込んであります。しかし、そうなると図のように道が
ある感じですがどうもそういう覚えがありません(^_^;)。
人間の記憶ってあかんですねぇ(^_^;)。
道はどんどん急になり、は〜は〜ぜ〜ぜ〜しながらゆっくりと登るうち一瞬峠かと思う
ところが上方に見えて来ました。で、峠でなく地形図の上でも少し平坦になっている所
でした。ここを乗り越し山腹を巻いて一登りでやっと
十枚峠(約1590m)
に到着しまし
た。
やれやれまずは一服。前回はばてばてで極めて登りが遅い娘をところどころで立ち止
まって待ったためここに着くのが極めて遅くやむおえずここで食事にした覚えがありま
したが、今日はまだ9時頃(これでもゆっくりの登り、水場での休憩、地形図との照合、
写真撮影などで相当コースタイムをオーバー(^_^;))。そういえば、ここまで本日は全然
煙草をすわずに来ました。
十枚峠(左・北方面は十枚山、右・南方面は下十枚山)
さて、ここから右に進み、南にある前回登る時間がなかった
下十枚山
に挑みました。
ここで下りて来た快調な足運びの男性ペアに出会いました。青笹山方面からの縦走者
かもしれません。
ここは滑り易い急登で辛かったです(^_^;)。そして男性ペアと単独男性に抜かれました。
途中南アルプスまで望める素晴らしい場所がありましたが、坂道の途中でゆっくりでき
ませんでした。頂上はまだ先です。ゆっくり休み休みやっとのことで頂上到着(^_^)。
本日の最大の目的はここでした。
下十枚山頂上標識
ここは十枚山より少し高く三角点がありました。ただ、周囲は樹木があり眺望は駄
目でした。
ここでもザックを下ろし、すわりこみました(^_^;)。は〜は〜ぜ〜ぜ〜でしたので(^_^;)
そしておなかがすいてきましたのでバナナを食べました。
ここで失敗。着いたときは真っ白に雪をかぶった富士山がきれいに見えました。で、
やっと落ち着いていざ写真を撮ろうとしたら・・・なんと雲に隠れてしまいました(:_;)
本の数分の違いです。
重い腰を上げて次は十枚山に向うべく十枚峠まで下りました。後ろから男性ペアが
追い着いてきましたが今度は十枚峠までは道を譲らず下りました(^_^;)。ゆっくり下
りてこればいいのにと腹の中で毒ずきながら・・・尚、単独男性は先に下りていかれ
ました。そして峠まで下る途中で中年夫婦に出会いました。
十枚峠から下十枚山までの標高差は140m強ですが、急勾配でもあり、往復のコース
タイムは50分くらいです。
またこの十枚峠で休憩(^_^;)。誰もいなかったので本日始めて煙草を一服。でも一度
吸うと駄目ですね。立て続けに2本も灰にしてしまいました(^_^;)(^_^;)
そのうち、単独の老人が登って見え、挨拶だけされてそのまま左折して十枚山に向わ
れました。それを潮に私も十枚山に出発しました。
道は一旦少し下ってから十枚山に登ります。件の男性は道の途中で休憩されておられ
抜いて進みましたがこの山も急登。最後の方で件の男性に追いつかれ道を譲りました。
私は体力ないですねぇ・・・今日は暑かったし、最後の方で気力も萎えてしまって(^_^;)
そしてやっとのことで
十枚山
頂上到着です(^_^)。
何組かのパーティが既に登られて食事をされていました。私も笹のそばにシート敷いて
へたり込みました。やっとメシ〜です(^_^)。
十枚山頂上のベル
ここは北側だけが樹木で視界をさえぎられていますが他は素晴らしい見晴らし。
それで人気が高い山です。
まずは定番にしているチューブゼリーを飲み、お湯を沸かして今日はどんべいき
つねのミニを食べ、コンビニおにぎりを1個(2個入りでしたが最近小食で1個し
か食べられませんでした)、ペーパードリップコーヒーを入れてコンビニで買って
来た半熟ゆで卵1個を食べ、最後にみかんのゼリーまで食べました。
ここでは1時間以上も過してしまいました(^_^;)。不思議なんですが頂上の団子形
標識では1719mとありますが地形図では1726mとなっています。
あこがれの大無間山や白銀の南アルプスが望め大満足しました(^_^)。
西方の南ア深南部の山並
下十枚山と南に続く稜線
南側は先ほど登りました下十枚山とそれに続く南に伸びる稜線上の山々が望めま
した。山座同定ができませんでしたが・・・下十枚山の先の右から伸びている急な
尾根は登山道はありませんがネットにこの尾根を登られた方の記事がありました。
こういう藪漕ぎ+ルートファインティングされている方は凄いですね。
その先の丸い頂はネット記事で岩岳(1682m)と書かれていました。その先には昨
年登りました地蔵峠(1414m)・仏谷山(1503.6m)を経て青笹山(1558m)があるの
ですがどれがどれかよくわかりませんでした(^_^;)。
北側はしっかりと笹を刈払いされた道が伸びていました。写真のように道標もあり
ました。刈安峠、大光山(おおぴかりやま)、奥大光山、ばらの段を経て遠く安倍
峠まで続く稜線上の道です。歩くにはテン泊しか手はありませんが憧れています。
私の体力、交通手段、そして熊出没などでとても無理ですけどね(^_^;)
北に伸びる稜線上道への道標
さて、最後に登って来られた夫婦を除き沢山いた人達は下山されて行きましたので
私もやっと重い腰を上げました。その前にお尻を下ろしてしまっていたため立ち上
がるのに苦労して左足が吊ってしまって痛くて揉んでましたので余計立ち上がるの
が億劫になっていたこともあります。
下山は右手の直登尾根コースをとりました。滑り易い要素が三つもあった急坂下り
でした。落ち葉の坂、ロープが張られていてとても助かった黒土の滑り易い坂、それ
に小型の岩がごろごろしたがれた坂道。嫌な道でした(^_^;)。
急な分どんどん高度が下がりましたが、途中2箇所で休憩してしまい、その間に最後
に残っていらっしゃったご夫婦に抜かされ、また単独男性にも抜かされてしまいまし
た。
やがて分岐に到着、もう誰も来ないだろうとゆっくり下りていたら後ろの方で声がした
ので振り向き見上げましたら、頂上から先に十枚峠方面に下りて行かれたグループ。
こりゃあかんと先を急ぎました(^_^;)。どうやら後で下十枚山に登られたようです。
静岡の山記載の先に直登尾根コースで登られたんでしょう。
結局ゆっくりしてましたので登山口までコースタイムより30分も余計にかかりました(^_^;)。
そしてどんどん下りてやっと駐車場に到着。私のそばに1台車が。
件の数人の中年男女グループの方の車でした。足立ナンバーでしたので驚きました。
帰りは狭い県道嫌だなと思いましたら先に数台車が走っているのに追いつきました
ので助かりました(笑)。いつも寄る(行きにも寄りましたが)真富士の里PAにより
冷たい飲み物を買って帰路を急ぎました。
帰路もカーナビ設定に従って昭府ICから国道1号線に入り、仮宿で左折、県道81号
線を走り焼津ICから東名高速道路に入りました。
ガソリンが乏しくなり、牧の原SAで30Lだけ補給。しかし、東名高速は三ケ日IC付近
で渋滞し、更に豊川〜岡崎間で15km以上の大渋滞で予定より帰宅が遅くなり、この
渋滞での運転が一番堪えました(^_^;)。
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