霊仙山(1107.3m)

          [鈴鹿山脈](2008/4/26)


【国土地理院1/25000地図】彦根東部、霊仙山
【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200
          鈴鹿の山万能ガイド

少なくとも午前中はお天気持ちそうとの予報で6週間連続でまた山歩きしてきました。

中京圏で登山する人ならなじみの山である鈴鹿山脈。ところが私は未だに一度も登
っていませんでした(^_^;)。

1000mそこそこなのに登山口が低いため標高差が比較的高いこと、冬は一級の雪
山になり春も遅くまで雪が残っていること、で、1000mそこそこなので夏は暑いし、
なんと言っても山ヒルが沢山生息しているらしいことなどから敬遠してきました(^_^;)

ただ、そんな中で、二つだけ登りたい山があり、昨年行けずペンディングになってい
ました。

で、今回行きましたのは鈴鹿山脈の最北に位置する霊仙(りょうぜん)山。私の中
で今日しかないという判断で・・・

この山は新幹線から見える山で冬は一級の雪山になります。石灰岩でできている山
で上の方は樹木が無く、笹とそこかしこに白い顔をだしているカレンフェルト(墓石
石灰岩)からなる山で一度登りたいと思っていました。

名古屋周辺の山200には槫ガ畑登山口からのピストンが歩行6時間15分の中級向け
として紹介されていますが、登山コースは他に3個あります。

で、唯一1/25000地形図にその道が記載されておらず、また危険と警告されているも
のに西南尾根コースがありますが、今回、ピストンでなく下りにこの西南尾根コースを
あえて選びました(^_^;)。で、下りといえど長くきつかったです。

私の逆周りがよく選ばれるそうでこの日、そういう方達3パーティと出会いました。

1.登山口までの往路

深夜に出発しようと早く床についたんですが、何度も目が覚めてしまい、それで、仕方
がなく、予定より2時間近く早く、眠たい目をこすりながら出発しました。

で、カーナビ設定したら思っていたよりずっと時間的に短い・・・。それなら途中のSAで
仮眠すりゃいいなと。

東名阪・名古屋高速・名神高速道路と走り、途中養老SAで1時間の仮眠をとりました。
米原JC北陸道に入りすぐにある米原IC国道21号線に入りました。

そしてJR醒ヶ井駅前で右折し、県道17号線に。県道17号は醒ヶ井養鱒場まで続いて
います。尚、醒ヶ井は今は米原市に属しています。

問題は、この先で、駐車場まで林道を走るのですが、一部区間を除き、完全にダート道
でした。タイヤがパンクしないか冷や冷やしどうしでした(^_^;)。
でも、なぜ途中一部だけ舗装されているんか不思議でした。

駐車場は駐車場というより駐車スペースという方がぴったりです。林道終点かと思って
ましたが林道自体は右に直角にカーブして先が少しありましたので。

ちなみに駐車場・登山口ともトイレはありません。

map  近傍道路マップ
駐車場
               駐車場

map    駐車場付近

2.山歩き

map
            登山ルート
駐車スペース奥に登山口の標識がありました。

登山口標識
               登山口標識

少しだけ先にある林道を歩くと休憩所のあずまやが見えて来ました。

あずまやの横を通り過ぎ先に進むと今や石垣しか残っていない廃村跡(槫ガ畑)が現わ
れました。そして、道は両側の跡地に挟まれた水路跡を通っていました。このため途中
で道がわからなくなりあせりました(^_^;)。

ここを過ぎ先に進むと大阪の高校の山小屋と並んで先に山小屋かなやが見えて来まし
た。

かなや
                   かなや

ここはいつも開いているわけではないそうですが、開いてなくてもそばにジュースが冷
やしてあり管理人のいないときは料金は竹筒に入れてくださいと書かれていました。

さて、ここから右側の道を登りいよいよ登山開始です。
ここまで来るのに途中槫ガ畑で道が正しいのか迷って無駄な時間を費やしたこともあり
急坂を我慢して汗拭峠まで急ぎました。9分であっという間に汗拭峠に到着しました。

5合目見晴らし台
                   5合目見晴らし台

ここから左に折れて先に進みました。1/25000地形図では標高520mくらいの汗拭峠から
標高900mくらいまでの標高差380mくらいの等高線が密になっており急坂を覚悟してい
ました。しかし、直登道ではないこともあり思ったほど急坂ではありませんでした。
もっとも上り坂は急でなくてもすぐは〜は〜ぜ〜ぜ〜になる私ですが(^_^;)。
時間も早かったのでものすごくゆっくりと登りました。

やがて5合目見晴らし台というところに着きました。しかし木立に囲まれ見晴らしはよく
ありませんでした。右手に大きな山容が見られましたがガイドブックによると南霊仙山
だそうです。

5合目見晴らし台
                   5合目見晴らし台(こんな場所です)
南霊仙山
            5合目見晴らし台付近から見た南霊仙山(西南尾根)

やがて、直進方向が冬道と書かれ、左手方向は展望のよい近道と書かれた道標が現
われました。この近道は新道で、冬道は旧道です。尚、これらはお猿岩の所でまた1つ
の道に戻ります。

私のガイドブックは記事が古いためどうやら旧道に相当する記事がありました。

新道は北側(登りでは左側)が切れ落ちた山腹を巻くように付けられた道です。
のんびりと景色を楽しみながら歩きました(登り道ですがこういうのは精神的にいいです
ね(^_^)。

新旧道分岐道標
                   お猿岩までの新旧道分岐道標

お猿岩はなんでお猿岩かよくわかりませんでした(^_^;)。
岩はこれしかなかったので多分これ(↓)だろうと思うんですが・・・(違うかな?)

お猿岩?
                   お猿岩?

このあたりからは勾配も地形図通り緩やかになり笹の中を緩やかに登る道が見えました。

笹の中の道
                   前方には笹の中の道が

登りきった所にお虎ガ池がありました。琵琶湖に形が似ていると言われていますが・・
小さな鳥居があり、霊仙神社と書かれ賽銭箱も置かれていました。

お虎ガ池
                   お虎ガ池

ここからは右方向に折れ、一旦少し下りました。下った先から一登りで京塚山(1040m)
に到着。
京塚山
                   京塚山山頂

カレンフェルト(墓石石灰岩)が点在する山です。ここで初めてザック下ろして休憩を
し、バナナなどを食べました。まだ8時台です。

休憩中に若い男女カップルが到着、そして先に出発されていきました。

そして、いよいよ目の前にそびえる霊仙山頂上目差して進みました。ここでも一旦は
少しくだってからの登り返しです。わずか50mくらいの登りのはずですが急坂で私に
はきつく、後から来た単独の男性に先を譲りました。

霊仙山
                   高く遠く見える霊仙山(京塚山より)

そしてやっと霊仙山頂到着。今日はめちゃくちゃ風が強く(ガイドブックにはこの山は
風の吹き出しが強いとありましたが)、少し留まっていましたら寒くなってきました。

時間もまだお昼には早すぎましたが、そうでなくてもとてもこんなところでは食事でき
ません。ザックはおろしましたが、写真を撮るだけで終わり・・・

霊仙山山頂
                   霊仙山山頂標識
三角点
                   霊仙山山頂三角点

カップルも単独男性も最高点方面に先に出発されました。この霊仙山頂上は三角点
がありますが標高は1084m。すぐ隣に最高点のピークがあり、こちらは1098mです。
最高点
                   最高点ピーク

少し下って一登りで頂上到着です。ここも樹木はありませんから360度光景です。

まだお昼にはめちゃくちゃ早かったんですが、他に昼食場所も無いのでここで大休止
することにしました。といっても頂上は風が強いため北斜面の2mくらい下がった所に
丁度座るのによい石がありましたので、ここにシートを敷いてどっしりと腰をおろししま
た。

眺めも抜群(^_^)。早いですけどおなかも丁度すいてきましたので、いつものように
ザックからストーブ・小クッカー・燃料・水を出しセットしてお湯を沸かしました。
そしてこれで小カップヌードルを食べました。お湯が湧くのを待つ間におにぎりをお茶
で食べました。

目の前には通ってきた京塚山、その右には避難小屋が立つピークそしてその先には
薄くかすんだ伊吹山がそびえていました。

最高点から北西
                   最高点ピークから北西を見る

さて、登るまではまだ迷っていた西南尾根経由での下山ですが、まだ時間が早かった
こと、同じ道を戻るのはなんだかなぁという思いから決行することにしました。

最高点からは東方向にささの中に道が見えていました。そして、店じまいしてザック
を担いでこの道を進もうとしましたら西南尾根方向(今畑登山口からのコース)から
登ってこられた方がいました。福寿草が咲いていたと聞きました。福寿草のことは、
私の頭からすっぽり抜けていました(^_^;)。実はもう1つ鈴鹿山脈で登りたい山である
藤原岳はこの福寿草で有名でシーズンの早春はものすごい人出だと聞いています。
実はこの霊仙山西南尾根も福寿草があるというのをネットで目にしていました。
残念ながら私は花などは知識が薄く、結局目にしましたがそれだと断定できずに写真
を撮らずじまいでした(^_^;)。

西南尾根は私完全に想像違いをしていました。広い笹の急坂だと思い込んでいたんで
す。ですが、全く異なり、ごつごつした花崗岩が恐竜の背のように続くやせ尾根でし
た。

西南尾根
                   ごつごつした岩が続くやせた西南尾根

草場には道跡がありましたが岩場にかかるともうわかりません。靴でついた土の跡を
慎重に見ながら歩いたんですが、ともすると少し下に続く踏み跡らしきものに騙され
て下りまた登り返すということを2回もしてしまいました(^_^;)。とても通れるような
感じがしない岩場でしたので・・・

そのうち岩場に潅木が混じるところに着きました。で、「ええっ、どこ進めばいいの?」
ときょろきょろ。慎重に靴で岩についた土の跡を辿りながら歩きましたがちゃんと通れ
るんですねぇ・・・簡単なルートフィンディングでした(^_^;)。

潅木が・・・
                   潅木が行く手を塞ぐ

反対側からこの西南尾根を登ってきた何組かのパーティに合いました。

それにしてもこうやって苦労して歩いていて結局どこが南霊仙山かわからずじまいで
した(^_^;)。

反対側から来られた男性三人パーティが小休止されているピークは南霊仙山より先
近江展望でしたので。近江展望と赤字で書かれた小さい看板はもう文字がほとん
ど消えかけていました。

近江展望
                   文字が消えかけている近江展望看板

やがて延々と続いてきた岩場の細尾根が終わり、私が想像してきた笹の中の急な
尾根の下りが始まりました。普通はこちらを登りにすることが多いコースだそうです
が私にはとてもとてもというくらいの急坂でした(^_^;)。下りた先の向こうが切れ落ち
て見えるんですから・・・

尾根を振り返る
                   下りてきた尾根を振り返るとそびえてます

やがて下に見えていた場所につきここからは緩やかな下りになりました。

雑木林の中であのそびえるような西南尾根も見えなくなりました。道は尾根の右側
(西側)を巻くように続き広い遊歩道みたいになりました。

やがてやっと廃村の旧・今畑集落に到着。お寺がまだ残っていましたが民家は廃屋
が少しだけ・・・こんな車も入れない山奥にも人が住んでいたんだなぁと不思議な
感じがしました。

そしてやっと舗装道が下に見えて来ました。そしてここも廃村とガイドブックに記
載された落合集落に出ました。登山口には登山届けポストもありました。
そういえば登山届け書いてきましたがポストに気がつかず(あったかどうかすっか
り忘れていて探そうともしませんでしたが)またも出しじまい(^_^;)。今まで一度
も出したことありません(^_^;)。よくないんですけどね。

今畑道登山口
           今畑道登山口

ここは数軒民家が残り廃村とは知りませんでした。男性が一人見えましたので。
少しこの方とお話をして舗装道を進みましたら向こうから確か西南尾根に向おうと
したときに最高点に登ってこられた方々にまたお会いしました。私がいかに遅い
歩きかをまた実感してしまいました(^_^;)(:_;)

大洞谷を渡る
           道の終わりで大洞谷を渡って左折して林道に入る

で、橋を渡ったところでこの道だと思っていた道のとりつきに林道云々の看板が。
1/25000地形図では破線の道でしたので「???」状態。間違えたかと地図と風景
を照合しながら少し戻ってみたりしましたが、どう見てもこの道で間違いなし。

いずれにしろ沢沿いの道で沢はここしかないのでこの沢は間違いなく大洞谷と同定
して広い林道をゆるやかに登りました。途中で道は大洞谷の右岸になるはずがなか
なか渡らないのでまだ不安でした。そしてやっと橋を渡りやっと間違いないと確信
できました(^_^;)。

やがて、まだ道は大洞谷沿いではありますが、どんどん急坂になり登っていきまし
た。そして地形図で覚悟をしてましたが突然左側にめちゃくちゃな急登が現われま
した。汗拭峠への最後の一登りです。一番苦手な滑り易い土の急登ですぐには〜
は〜ぜ〜ぜ〜。ここでも確か西南尾根で出あったグループに出会いました。いつも

私が道を譲るんですが、ルール通りか全員私が通り過ぎるのを待っていただいてし
まいましたm(__)m。

そしてやっとのことで汗拭峠到着。思わず木に座り込みました。私が登りに使った
道から男性三人のパーティが下山されてきてそのまま下っていかれました。

それを潮に私も思い腰を上げて出発。やっとかなやにつきました。で、なんと開いて
いました。到着するなりジュース買おうとしていましたら若い単独の男性も到着。
水で顔を洗われましたので私も真似して(^_^;)。

ジュース飲みながらこの男性、及び老管理人さんとしばし歓談しました。犬がいたん
ですが、かなやや管理人さんの飼い犬でなく、登山者について山に登るなどここでう
ろついていた犬だそうです。先日の日本ガ塚山でも登山者に同行する犬に出あったば
かりでしたので驚きました。

しっかり休憩しましたのでここから駐車場までの下りは足取り軽くできました(^_^)

私の後ろをついてきた男性はそのまま歩いて林道を下っていかれました。多分、醒ヶ
井養鱒場バス停まで歩かれるんでしょう。車の私は途中で追いつきましたが道端の花
を撮影されたりしてましたので声かけずに通りすぎてしまいました(^_^;)。

尚、午前中は雲は大目でしたんですが一応は晴れていました。しかし、汗拭峠では雷
の音が聞こえ、かなやからの戻りでとうとう雨が降り出しました。頂上も午後にはガ
スが出てきたそうです。早く登って大正解でした。

それにしても今回は時間的な余裕があったこともあり完全に標準コースタイムなど無
視して本当にゆっくりの長時間かけての山歩きでした。かなりのタイムオーバーのよ
うです(^_^;)。

西南尾根の歩きでは東側がかなり切れ落ちて下に山々が見えましたのでかなりスリル
を感じ、岩場の歩きではともすると足がもつれてひやっとしたりもしましたけど、ま
ずはこんな道も歩けたということで「入門初心者」からは一歩先に進めたかなとかな
りの満足感にひたっています(^_^)

寝不足と右足踵の痛みがあってベストコンディションではなかったんですけどね。

最後は足裏が痛くなり歩きが辛かったんですが一夜明けた今日はなぜか踵の痛みがひ
いているようです。ここ何日間か痛みが続いていたんですが・・・。手で押すと少し
痛みが残る太股などは昨晩からパテックスを貼っています(^_^;)。



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