国見岳(1126m)・大禿山(1083m)・御座峰(1070m)

      [岐阜県・滋賀県](2007/5/12)


【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200(山と渓谷社)
          岐阜県の山(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】美束

連休に二つ静岡県の山に行きましたが、足の痛みが消えると共に、また山歩きしたくなり
り、なんとか娘も登ることができてしかも私自身が満足できる山ということで、ガイドブック
から標高差が少なく、それでいて低山縦走できる山を探し出しました。

今回の山は伊吹山北尾根と称せられている伊吹山から北方向に連なる尾根上にある三
つの山です(本当は密かに時間があればと四つ狙っていたんですが結局三つしか無理で
した(^_^;))。

で、今回の山は岐阜県滋賀県の県境にある国見峠を起点に前述の尾根上、南方向
に並ぶ国見岳(1126m)、大禿山(1083m)、御座峰(ごぜみね)(1070m)です。

尚、いずれも国土地理院の1/25000地図には名前がありません。もちろん登山道も記載
されていません。

1.登山口までの往路

map_1   アクセス地図

思っていたよりは遠めでした(^_^;)。

駐車場の心配と先日の十枚山の悪夢を繰り返さないために早いですが朝5時過ぎに出
発。まずは東名阪自動車道から楠JCで名古屋高速特別区間に入り、小牧ICから名神
高速道路
へと入りました。

尾張一宮PAにあるサンクスでおにぎり、ペットボトルなどを仕込み、一路西へ。
カーナビに従い、大垣ICで高速をおりました。

まずは国道258号線を北上し、楽田町交差点を左折して国道21号線を少し走り、河間
信号を右折し、国道417号線に入りました。初めての道です。

途中左側に赤坂の石灰工場や長年石灰を掘りつくされて完全に山姿が変わってしまっ
た山を見ながら一路北上。大垣市から池田町に入りました。右手に近鉄揖斐線がちら
っと目に入りました。大垣から北部の揖斐川町まで走っています(ちなみに以前は岐阜
市からも揖斐川町まで名鉄揖斐線が走っていましたが廃線になってしまいました)。

そして信号名は失念しましたが、途中で左折し、県道273号線に入りました。
そのまま西に向かって走っていると自動的に県道259号線と変わりました。

私の田舎から遠く西に見え、南北に大きな裾野を広げる池田山がどんどん近づき、あら
ためて感慨深く眺めつつ走りました。この山は標高は929mとたいしたことはありません
が冬は雪深く一級の冬山となります。小学校の頃、遠足かなにかで登った記憶があります。
(他の山と思い違いしているのかもしれませんけどね(^_^;))

そしてカーナビ指示に従い、右折し粕川を渡り、揖斐川町に入り、市場の信号で左折。
国見峠を目差して県道32号線に入り、一路西の方にある山の方へ向かいました。

春日美束、尾西集落を過ぎ、細くなった道にいつも通り嫌だなぁと思いつつ走り、いつし
か道は県道ではなくなりましたが、そのまま舗装道で登り始めました。スキー場への分岐
を過ぎ、更にどんどん道は南方向に向かって登って行きました。

そしてぼこっという感じで登山口のある国見峠に到着。道の右側に数台置ける駐車スペ
ースがあり、1台既に駐車していました。私もここに出易い位置に駐車しました。

峠にはゲートがあり、今日は開いていました。ゲート越えた所にも駐車場がありました。
ガイドブックにもネットで記事にもこのように駐車スペースが二つあるような説明が全然
なかったので実は戸惑いました(^_^;)。

2.山歩き

map_02   登山道



地図で見ると、国見峠から先、滋賀県側南方向に続く破線の道(江洲路)があり、舗装
道路も先に続いています。峠道にはゲートがあり、今日は開いていました。ネット記事
見るとこのゲート閉じていたというのがありましたが、今でも閉じることあるのかどうか
は私には不明です(^_^;)。いずれにしろ、ゲート向こう側にも駐車場がありました。

峠には石碑があり、国見峠への登山口は石碑の左側にありました。

登山口
                    登山口には熊出没注意看板が
石碑
                    石碑

コースタイムから見て、時間はたっぷり。ゆっくりと登山開始しました。私と息子は同じ
ペースで歩き始めましたが、登り道。それでもすぐに娘は遅れ始めてしまいました。
ま、今日は300mくらいの標高差ですからなんとか大丈夫でしょう。過去経験から。

登山道のそばの松にはなぜかテープが巻かれていてせがれとなんだろうと首をかしげ
ながら進みました。そのうち道は小ピークに。
一本道で間違えることはないのですが、先日のこともあり、遅れている娘の姿がなかな
か見えないため途中で少し姿が見えるまで待ってやり、その間に息子は先に進みまし
た。

登山道
                登山道脇の松の幹にはなぜかテープが

ゆっくり歩きましたが30分くらいで北からの登り道との分岐点に到着しました。

分岐
                    分岐点。ここから道は南方向へ

私はここで道を間違えるといけないので娘を待ち、待っていたせがれは先に出発しまし
た。

娘の姿が見えてから、こちら方向ということを言っておいて私も出発しました。

最初の方は地図でもそうであるように緩やかですが、頂上直下になると地図上の等高線
が密になっているように急登になりました。そして、2箇所、岩がごろごろした固定
ロープのあるところがありました。

ここだけは娘は登れるかなって少しだけ懸念していたのですが、実際に見て、岩場その
ものでなく、大き目の岩がごろごろした急登でスタンス(足置き場)もちゃんとあるの
で、姉が無理でないかと心配するせがれに「大丈夫だ」と言って先に行かせました。

やがて一番急な部分についた娘に最初の部分だけ手を引いてやり、後は足の置き場を
指示してやって上まで登ってちゃんと無事に登りつくのを確認して先を進みました。

ガイドブックに固定ロープ箇所は二箇所あるとあったように再び固定ロープ場が現われ
ましたが、今度は虎ロープがたらされた急な直登箇所とそれの緩やかな巻き道とに別れ
娘には巻き道を行くように言い、私は直登の方を行きました。岩のみでなく岩と土のあ
る斜面で距離的にも短く、怖くも無く大丈夫でした(むしろアスレチックみたいで結構
おもしろかったです)。

巻き道側から娘が来るのを待って先を進みました。

固定ロープ場(1)
                    最初の固定ロープ場
固定ロープ場(2)
                    2番目の固定ロープ場

ここさえクリアすれば後は危険箇所はない登山道。すぐに広い場所に出ました。

この国見岳はこの広い台地状の部分とその先にある小ピーク状の部分とからなり、地図
上の1126m表示は小ピークの方に記載されています。
この台地状の広い部分は以前は電波塔があったそうで、今は全て撤去され、フェンスで
囲まれたKDDI管理地となっています。

ここからは北から東方面が開かれていて眺望抜群でした。

国見岳頂上台地
                    KDDI管理地の国見岳頂上台地

この台地、どこにも表示がなかったのでどこで調べられたのか不明ですが、あるネット
記事では銀助平という名称が記載されていました。

少し下り再び登りなおしたところに国見峠の表示があり、道の左側(東側)にわずかな
切り開きがありました。

国見岳標識
                    国見岳標識
東側切り開き
                    東側の切り開き

狭い場所ですが、ここでちょっと休憩。バナナを食べました。

ここからの眺めは抜群で、山座同定はできませんでしたが、それでも北北東方面には白
白山が見え、また北東方面には同じく遠くに雪を被った御岳が浮かんでいました。

ちなみに上の写真の正面一番奥の山は前述の池田山です。

大禿山方面
        これから進む大禿山、御座峰

次は大禿山に向かいました。

道の途中で下ろしていたザックを担ごうとされていた男性に出会い、少し待っていました
ら話しかけられました。全く案がなかったんですが、指をさされ、山芍薬の花があると。
この稜線歩きの人気の1つに花々を見るというのがあるらしく、ネット記事でも色々な花
の写真はありましたが、これは知りませんでした。この方は反対方向から登ってこられた
ようで大禿山の先にも二輪咲いていると教えていただきました。

帰宅してから調べたんですが、山芍薬(やましゃくやく)と芍薬は別のもののようです。
また山芍薬は白い花と赤い花があるらしいですが、今回見ましたのは白い花でした。

山芍薬の花
                    山芍薬の花

登山道では他にも小さな色々な花々が咲いており、またぜんまいも目にしました。

やっと大禿山に到着。道沿いの両側に石がごつごとと出ている場所で広くはないのです
が北・東・南側(岐阜県側)が開かれていて素晴らしい眺望でした(^_^)。私はもうこれだけ
で大満足。

大禿山標識
                    大禿山標識
大禿山頂上
                    大禿山頂上

ここでザックをおろし、まだ時間的に早めでしたが昼食大休憩をしました。

いつものようにストーブとクッカー、水ボトルを出して早速湯をわかし、塩ラーメンを
作りました(せがれにさせました(^_^;))。
そして買って来たおにぎり、茹で卵なども食べ、のんびりとすごしました。

到着したときは途中で娘を待つ間追い抜いていかれた方達も含め誰も山頂にいません
でしたが、食べているうちに何人もの方達がいらっしゃいました。
狭い山頂で道沿いのところでの食事でしたのでちょっと気恥ずかしかったです(^_^;)
ガスストーブなぞを出している方がいませんでしたから。

食事も終わり、ここで体力のない娘を待たせ、ザックをデポし息子と次の山の御座峰
に空身で向かうことにしました。

地図をじっくり見ておらず、100mくらい一旦下りて登りなおすことだけはわかってい
たのですが、大禿山からの下りが意外に急で驚きました。
次々に反対側から団体さんなどが登ってこられ、登山道は登り優先というのを忠実に
守って道を譲りましたが、ここで休憩するから先にと言われて先におりました。

しかし空身は確かに楽ですね(^_^)。

そして、この下りの途中で、くだんの男性から教えてもらっていた二輪の山芍薬を発見
し見ていましたら、やはり山芍薬見るのを楽しみにされてきたらしい方達が感激されて
みな、ぱちぱち。

そういえば、今回私のこれまでの山歩きで初めてカメラで接写されている方達を結構
目にしましたので、やはりお花観察を目的に登られている山のようです。

この登山道は楽しい道でした。道は写真のようにがれのそばを通っていて、道自体は
かなりのやせ尾根上にあります。がれが進行したら道が崩壊するのじゃないかと思い
ました。せまい登山道ですから。

御座峰への道
                 大禿山から御座峰に向かう道

御座峰直下はやはり急登になっていてふーふー言いながら頂上到着しました。

狭いながらもおどやかな頂上で大休憩には向いていますが、眺望は木々に囲まれてあり
ませんでした(これが大休憩場所にしなかった理由です)。

御座峰標識
                    御座峰標識
三角点
                    この山だけ三角点がありました
御座峰頂上
                    御座峰頂上

読み方がわからなかったんですが、標識では「ごぜみね」となっていました。
他の二つの山には三角点はありませんでしたが、この山にはありました。ただ、大半が
地中に埋められていて、だれかが上に落書きしていました。

ここで少し休憩していましたら数人の団体さんが到着されました。
それを塩に私達は娘が待つ大禿山に引き返し出発しました。やはり、急降下だった大禿
山の登りはきつかったですが、今日はあまり標高差を登っていませんでしたので、体力
消耗をしておらず、比較的快調に登ることが出来ました(^_^)。

大禿山に到着しましたら、団体さんで一杯でいた。で、ザックを担いで帰路につきました。
前に一人の男性が歩いていらっしゃいましたが、そこかしこでかがみこんで花々の接写を
されており、途中で抜きました。

やがて、例の岩場につきました。上の岩場は今度は巻き道をおりました。で、問題は下
の岩場。私は大丈夫ですが、問題は怖がりの娘です。何度も手を引いてやり、また足の
置き場などを指示しながらやっと通過。後は大丈夫と私は先を急ぎました。この岩場で
くだんの男性に抜き返されてしまいました(^_^;)。ちなみにせがれは先に行くとすでに最初
のほうから先に行ってしまいました。

そして、やっと分岐点。ここで道を間違えるといけないので、ずっと遅い娘を待ちました。
団体さんなどが先に抜いていかれました。

水も飲んでしまってなく、携帯食料も今日持参した一口ようかんも食べつくし、煙草を吸う
以外することもなく座る場所もないためぼんやりと立ち尽くしていました(^_^;)

やっと、娘の姿が現われ、道を指示して先に出発。一路、登山口の国見峠に向かいました。

息子はここで一時間半くらい待っていたらしいです。分岐で追い越していった団体さんは
観光バスで帰っていかれたそうです。

実は早い時間にここに戻ることができるなら、娘は車に待たせておいて、反対側の登山口
から登る北西にある往復2時間程度の虎子山にも行こうかなと思っていたのですが、時間
的に遅くなり(3時過ぎ)、あきらめました(^_^;)。ま、藪山であるというネット記事を
沢山目にしていましたし・・・ガイトブックでは案内されていたんですけどね。

尚、上では触れませんでしたが、頂上まで続くドライブウェイの頂上直下の北側部分が見
える伊吹山の堂々たる姿がどこからもゆく望めました。

伊吹山
              ドライブウエィが見える伊吹山(大禿山から)

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