山伏(2014m)

      [静岡県・山梨県](2007/5/3)


【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200(山と渓谷社)
          静岡県の山(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】梅ケ島

連休中に二つは行きたいと考えていましたが、前回のこともあり、単独で行くことにして
前から登ってみたいと思っていた初の2000m越えの山に行ってきました。

今回の山は静岡県の安倍奥と称せられている地域(安倍川の上流を囲む地域)にある
山々の中で最高峰の山伏(やんぶし)2013.7m)という山です。

国土地理院の地形図には山伏と表記されており、「山伏」が正式らしいですが、混乱が
あるようで「山伏岳」という言い方もあるようです。手元のガイドブックでも、名古屋
周辺では「山伏岳」、静岡県の山では「山伏」となっています。
こだわる人がいるようで、山頂にある表示板が元々「山伏岳」となっていたため、この
「岳」の字を黒く塗りつぶしてしまった人(人達?)がいて、表示板の後ろが間抜けし
ていますし、更にこの地区の山々に共通の団子形表示板では岳の字が書かれていた
円板がはずされてしまっていました。

ネットで調べると「山伏岳」で出てきますけど、この名前の山は秋田県にもあるようです。

前日の天気予報では全国的に晴れとの予想でしたので、4日以降やばいかなと思って
当初は5日に予定していたのですが前出しで行ってきました。しかしながら、当地は残
念ながら曇りがちのお天気でした。

尚、安倍奥の山々には北部の西から東に連なる稜線上の山伏新窪乗越大谷嶺
八紘嶺安倍峠、安倍川東側に北部から南部に延々と連なる稜線(安倍東山稜と称せ
られます)上に ある北から大光山十枚山青笹山真富士山竜爪山等、そして安倍
川西側の稜線上にある二王山などです。大抵はハイキングコースが整備されています。

ちなみに山伏、新窪乗越、大谷嶺、八紘嶺、安倍峠、大光山、十枚山、青笹山は山梨
県との県境に位置します。

map_X   安倍奥の山々

1.登山口までの往路

4/29に登った十枚山と同じ県道(静岡県)29号線でその先のため、十枚山に向かう農
道分岐地点までは十枚山を参照下さい。下記はその先のみ示します。
map_1
  アクセス地図

安倍奥は名古屋から遠い(3時間半以上かかります)のと駐車場の心配のため、今回
も深夜(2時過ぎ)に車で出発しました。道順は十枚山と同じで、東名高速を焼津ICで
下り、国道1号線に向かい、1号線を走り、昭府ICから県道27号線そのまま直進して
県道29号線(梅ケ島街道)を北に向かって走りました。

今回は、前回十枚山に向かう際に直進で入った農道との分岐を左折し先に進みました。
狭いところも沢山ありあまり得意でない道でした(^_^;)

カーナビは林道まではボイス案内してくれないですが、とりあえず林道分岐の新田バス
停までは案内してくれ、林道自体も色を変えてくれていましたので、ここで左折して林道
に入りました。狭いですがしばらくは舗装されていて助かりました。

そして、問題の大谷崩れ方面との分岐点。右にカーブしている舗装路は大谷崩れ方面
で、山伏方面は直進の未舗装路。路面は穴ぼこがあったりして悪いためゆっくりと慎重
に走るところを選んで走りました。

道は西日影沢の右岸(沢は上流から見て右岸、左岸と呼びます)の河原の中を通り、
やがて、ネットで見て置いたように、登山用駐車場が左手河原側に現われました。

早朝到着だったのでこれまでのように最初の1台かと思っていましたら既に2台も駐車
されていました。

駐車場
                    駐車場

2.山歩き

map_02   登山道



山伏頂上への道は4種類あるようで、一番安直なのは井川から続いている林道からの
もの(30分くらいで頂上)です。今回は古くからあるというオーソドックスで両方のガイド
ブックで記載された西日影沢登山口からの道(一番時間がかかる)を選びました。

いつものように登山靴に履き替え、駐車場を予定時刻より早く出発しました。5分ほど
はのんびりと林道歩きです。出発するときに1台車が到着しました。

やがて曲がり込むようになっている石造りの橋を渡りました(ガイドブックには沈下橋
と記載されていましたが、それらしき表示は見つけられませんでした。ひょっとすると
名称でなくこういう橋の総称かな?)。

林道
                    林道歩き
石造りの橋
                    石造りの橋を渡る

橋を渡ってすぐ目の前に林道ゲートがあり、右手に登山口がありました。
いよいよ登山開始です。期待に胸が高まりました。

登山口
                    林道右手の登山口

ちなみに地形図にはこの登山道が記載されていませんので地図上での正確なルートが
よくわかりませんでした(^_^;)。ガイドブックも曖昧です。

まずは林道の北側から西方面に延びる西日影沢と林道の間にある小さな尾根に上がり
モノレールに平行して歩きました。

登山道1
                    モノレールに平行した登山道

すぐに右の眼下に西日影沢が現われ、しばらく沢の右岸(←沢の右岸・左岸は上流側か
らの右側・左側を指すようです。忘れていてガイドブック読んでいたとき、あれっ?て思っ
てしまいました(^_^;))を登り、そして沢側に下って丸太橋で西日影沢を渡りました。
西日影沢は水量豊富な沢でごうごうと流れていました。

最初の丸太橋
                    最初の丸太橋で右側に渡る

しばらくは杉林の中の歩きです。どこでも歩ける感じで道自体が少し曖昧でした。

杉林の中の登山道
                    道が不鮮明な杉林の中の登山道

やがて右側にコンクリート造りで段々になったわさび田が現われ、その左側の小さな沢
(人工かな?)を丸木橋で渡って、わさび田の左側脇を登りました。

わさび田
                    段々になったわさび田

再び西日影沢に下り、二番目の丸太橋で右岸側へ渡りました。

写真ではたいしたことありませんが、岩にかけてあるだけの橋で以外に怖いです(^_^;)。
丸太橋2
                    二番目の丸太橋

橋を渡って西日影沢の右岸側を登っていきますと、すぐに右側と正面に大きな岩が現わ
れました。特に名前はつけられてはいないようです。
正面の岩の脇下、道からは左上にはわさび小屋がありました。岩の下に道標がありまし
た。ここから道は右手に行きます。

大岩
              正面に立ちはだかる大岩と脇下のわさび小屋

大岩から離れ、すぐに三番目の丸太橋で西日影沢を左岸に渡り、ここから沢を離れて
西北方向に登っていきました。

丸太橋3
              最後の丸太橋で左岸に渡る

小さな沢を渡り小石がごろごろしているざれて歩きにくい九十九折れの道を登っていくと、
この登山道最後の水場が現われました。
水場であることはコップが一個枝にかけられていることからわかります。これはガイドブッ
クに記載はありませんが、ネット記事で調べていきました。

ここでペットボトルに水を汲みました。今回は汗が沢山出て喉が渇いたためちょくちょく水
を飲みましたのでありがたかったです。

水場にはベンチがあり、ここで追いつかれた静岡の方としばし歓談したため、予定以上
の休憩時間をとってしまいました(^_^;)。

ざれた登山道
              ざれていて登りにくい登山道
水場
              水場で水を汲みました

すぐに下流で合流しているもうひとつの小さな沢を渡り、山腹をどんどん北方面に登って
行きました。ここも砂と石の歩きにくい道で設けられているフィックスロープをつかんで登
りました。下山は嫌な道だなと思いながら・・・。

フィックスロープのつけられた道
              フィックスロープが付けられた滑り易い登山道

入門本に書かれていた疲れにくい登り方を心がけていたのですが、ここでもう足が痛く
て立ち止まりながらゆっくりと登りました。

そしてやっと蓬峠に着きました。ここにはベンチが4個あり休憩に丁度よい場所です。

くだんの方が先に休んでおられ、再び山談義。そこにお元気そうなやはり単独登山の老
が登ってこられました。彼は、山伏から東への稜線伝いの登山道で新窪乗越〜大谷嶺
に登ってから大谷崩れのそばの道を下る行程とのことでした。この下り道は立ち止まっ
ているとずるずると滑り落ちていくすごい道だそうです。

私はここで予定通り持参のバナナを食べました。

蓬峠
              やっと中間点の蓬峠です(後ろは1472m小ピーク)

蓬峠の右側は1471mの小ピーク(写真後ろ側)があり、登る踏み跡がありました。

先にお2人は順に出発されていき、私は少し遅れて出発しました。私は後ろに人が来ま
すと嫌ですので、大抵は先に行ってもらっています(^_^;)

ここからは後、560mくらいの登りです。ここまで同じくらい登ってきました。
ここからは西方向に山伏まで伸びている尾根の右左を巻いてじぐざくに登っていきまし
た。やはり途中にフィックロープもありました。

尚、この尾根は地形図見ますと、途中蓬峠がコルになっていて新田集落まで下っていま
す。下山時にお話した方が言っていらっしゃったように前述の尾根上、蓬峠右側の小ピ
ークについていた踏み跡はひょっとするとこの尾根上に新田地区まで続いているのかも
しれません。地形図見る楽しみができましたのでこういう実態と照らし合わせることは楽
しいです。

途中道には倒木が道をふさいでいました。上側の一部を跨ぎ易いように削ってありまし た。

倒木
              道に横たわる倒木

少しだけやせ尾根があったりしましたが、どんどん高度を稼いで行き、やっとのことで
縦走路出会に到着しました。実は、地図の等高線を見間違えていて2000m付近に出会
いがあると思い違いしていましたから高度計みて「あれ?高度計狂ったかな?」なんて
思ってしまいました。実際は1960m当りでした。

縦走路出会
              縦走路出会

ここを左に行くと緩やかな尾根になっていてすぐに無人の避難小屋があり、先は牛首峠
まで下り道です。林道には30台以上停められる駐車場があるそうで、この登山道での
登山日誌もネットにはありました。

尚、ここに「西日影沢から牛首への道は極めて危険」という注意看板がありましたが、
よくわからない警告でした。ネット記事見てましたら明らかに勘違いではないかという
のもありました。大岩から左へのわさび小屋への道をそれだとされていましたので。
地形図にはこの縦走路出会から牛首峠(地形図にはその名は未記載)への登山道が
記載されており、更に牛首峠から西日影沢への道(駐車場より前の林道に繋がる)が
記載されています。私はこの道のことではないかと勝手に考えました。西日影沢登山
口から山伏に登り、下りをこの牛首峠への緩やかな縦走路で下りてそこから西日影沢
に戻ろうと考える方への警告ではないかと。

やっと道は緩やかになり、緩やかな階段も現われました。いよいよ頂上間近。
頂上付近は笹原となっており、そして写真で見ていた枯れ木が現われました。

頂上はベンチがいくつか置かれていました。私を追い抜いていかれた方以外にも既に
別の登山口から登ってこられた方達もいらっしゃいました。

頂上到着は11時前。コースタイム+休憩時間より少し余分にかかりましたが、休憩
時間無しのガイドブックコースタイムは登りが3時間ですから、途中で何度もした休憩
時間を差し引いた歩き時間は体力無し無しの私ですがなんとか1.2〜1.3倍程度に収まり
ました(^_^;)。

唯一の階段
              山頂付近の唯一の階段
枯れ木と笹原
              枯れ木のある頂上笹原
標識
              岳の字を塗りつぶされた標識
団子形標識
              岳の部分を取り外された団子形標識
三角点
                   三角点

先ほどのご老人が出発されてから彼がいたベンチに陣取り、早速昼食の準備です。
今回は忘れ物なくちゃんとラーメンもトッピングのベーコンも持ってきました(笑)
寒かったのですぐにウンドブレーカを羽織りました。フリーズセータも入れておいたの
ですが面倒なので出しませんでした(^_^;)

昼食は塩ラーメン、おにぎり二つ、そして食後のコーヒーでした。

曇っていたので富士山は見れませんでしたが、南アルプスの雪山は望めました(^_^)
これだけで大満足でした。
残念ながら未だ山座同定来ていませんが、右から赤石岳、聖岳、上河内岳などだろうと
思います。

南アルプス
              南アルプスの眺望

私がいる間にも一杯人が登ってきました。さすが人気の山です。

ここは夏には保護されているやなぎらんが咲き誇り花を見に来る人が多いそうですが、
雪が積もって下から凍りつく冬にも結構登山者が多いそうです。

ちなみに保護のためにやなぎらんが咲く場所には木の遊歩道が設けられていました。

私の食事中にくだんの静岡の方は下山されていきました。
私は頂上では1時間以上過し、12時ちょっと過ぎにやっと重い腰を上げて下山開始し
ました。すぐに後ろから追いついてくる方がいましたので先にいってもらいました。
この方は途中で休んでおられたので再び抜き返しましたが・・・先で今度は私が煙草
休憩している間にまた抜き返されてしまいました(^_^;)。他にも三人に抜かされました。

途中でまだ登ってくる7人ほどの方達と出会いました。今日は登山中下山中無愛想な
マスクをした一人を除き他の方達とは挨拶を交わしました。

さて、下山ですが、最初は快調に飛ばしましたがすぐに登りで疲れが溜まっていた足に
痛みが出てきて辛くなりゆっくりとなってしまいました(^_^;)。

やっと蓬峠まで下りつきましたら、途中で追い抜かされた三人の方が休んでおられまし
た。熊警告の表示板がないなどが話題になり、2人連れの奥さんのほうが「あまりに人
が多いので熊も出て来れないのでは」なんて言っていらっしゃいました。
ガイドブックには熊出没情報が多いため単独登山は避けよとありましたけどねぇ・・・
先日の十枚山より北部にあるのに大きな警告板のあった十枚山とは大きな違いですね。

先に夫婦が出発され、残った若い単独男性と少しお話しました。この一年体調不良で登
山できず久し振りの登山だったとか。足の小指を骨折されているそうで、よく山にいくわぁ
と言われそうだといっていらっしゃいました。

ここから水場まで私が先にたって降りて行きました。彼はこの水場でいつも水割り用に
水を汲むそうです。冬にも雪の中をアイゼン付けて登られているそうです。

ここで彼は先に出発し、私はゆっくり休憩しました(^_^;)。おいしい水を飲み、そして煙草
を一服。

後はのんびりゆっくりと足をかばいながら降りて行きました。滑り易いところはロープつ
かみ滑りながら下りました(滑らないようにと堪えると足に来ます。これが楽な方法でし
た)。

3.帰路

休んでばかりいましたので、休憩抜きコースタイム2時間の下山時間を50分程度もオー
バーやっと3時前に車に到着しました。駐車場にはまだ数台車がありました。

靴を履き替え帰宅の途に。舗装された道に入ってほっとしました。で、前に1台。途中に
分岐が・・・往きには気がつきませんでした。前の車が止まって少し考えてから右手の道
に。で、私もそれに習いました。すぐに前の道とは違うことに気がつきましたが、ネット
記事で見た地図の中に行きに使った道ではないショートカットの道路が記載されていたの
を思い出しました。これは地形図には記載がない道でしたが。実はそのため、往きに注意
していました。それらしい分岐があったのですが、工事用云々という看板が合ったので、
そのための道かと思いました。新田よりずっと下の方で県道29号線に出ることができま
した(^_^)。

ちなみにこの前を走っていた車のおかげで狭い県道すれ違い苦労しなくてすみました。

途中、前にも停車した真富士の里PAに寄りましたが、満車状態。仕方が無いのでトイレ
横に停め、汗臭い山シャツを脱いで上にウインドブレーカ羽織ました。そして暖かい缶の
ブラックコーヒーを自販機で買ってぐい〜。

一路静岡ICへ。煙草が乏しくなったのでコンビニに寄ろうと探しましたが全部反対側。
やっと高速手前で見つけ購入し、静岡ICに入りました。

高速に入り、すぐにある日本坂トンネル出た先の日本坂PAに寄り、土産を購入。そして
煙草休憩(^_^;)。

後は一路・・・と思いましたら、音羽蒲郡IC〜豊田JC付近まで13km渋滞表示・・・
れれれ・・・って感じ。結局、最初の表示の岡崎ICまでで渋滞は解消されましたが、予定
より大幅に遅れての帰宅となりました。

帰宅して缶ビールで疲れを癒しました。しかし、風呂で念入りに足のマッサージしました
が、痛いです(^_^;)

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