十枚山(1719m)
[静岡県](2007/4/29)
【参考ガイドブック】名古屋周辺の山200(山と渓谷社)
静岡の山(山と渓谷社)
【国土地理院1/25000地図】湯の森、南部、篠井山
お天気状態から4月はなかなか山に行けず、うじうじしていたのですが、やっとぎりぎり
で行くことができました。
今回は初めてせがれも同行してくれ三人での山歩きでしたが、実はとんでもない山歩き
になってしまいました。
今回の山は静岡県の安倍川東側、北部は静岡県と山梨県境に連なる安倍東山稜と称
せられている地域(静岡側は静岡市葵区)にある十枚山です。
安倍東山稜は静岡県北部の八紘嶺から安倍峠を経て南は静岡市街付近まで延々と安
倍川東側に連なる稜線で、ここには南に行くに従い標高を下げながら、ハイキングに適
したいくつもの山々があります。
十枚山はその一つで北部にある山です。ガイドブックでは安倍東山稜の中で眺望が一番
優れた山と記載されていました。
実は前日の29日、それより南部にある青笹山(1558m)に登るために28日夜前泊で行
ったのですが、駐車場に向かう途中、雨が降り出し、更に林道でしたので木材運搬のト
ラックが道を塞いで作業していたため、あえなく敗退(^_^;)。29日は好天ということから、
けちがついてしまった青笹山はとりあえず保留にしてこの山を選びリベンジを謀ったと言
う次第です(^_^;)
1.登山口までの往路
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アクセス地図1 |
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アクセス地図2(付近詳細) |
カーナビに従い東名高速道路で焼津ICまで行き、IC下りてすぐに左折、そして仮宿交差
点から国道1号線に入りました。
すぐに国道1号の静清バイパスに合流し、途中、道の宿「宇津ノ谷峠」でトイレ休憩して
昭府ICから県道27号線(安倍街道、井川湖御幸街道)に入り、北上。この道は油島か
ら県道29号線(梅ケ島街道)となりました。
途中狭い所もあるこの道を延々と北上、今日は28日とは違い、明るいうちのドライブと
なりましたので、安倍川やその東側・西側に連なる山々を眺めての楽しいドライブとなり
ました(^_^)。
途中、28日の夜に車中泊した真富士の里PAでトイレ休憩し、お茶のペットボトルを購
入し、再出発しました。PAに到着したとき、何人もの老人団体がたむろしていましたが
私が出発する直前に3台に分乗されて出発されましたので、私はその後についていきま
した。所々一車線になる狭い道は単独で走るより、他の車の後についていく方が実は気
分的に楽ですね(^_^;)。こんなに早くどこに向かうんだろうかと思いながらも・・・
29号線は最初は安倍川の東側を走っていますが、この真富士の里を過ぎ、その先で、
一旦、安倍川の西側に移ります。そして、更に先で再び東側に移ります。
渡と書いて「ど」と読む地区を通り(←一字漢字で更に読み方も一字の地名は三重県の
県庁所在地の津だけかと思っていましたので驚いたのと、「ど」という地名自体にも驚き
ましたが)、やがて29日に入った右手の林道との分岐を通り、ここから先は始めての道
です。
道は再び安倍川の西側に移り、更に走って橋を東側に渡った所が関の沢地区。ここで
左折している県道と別れ狭い農道に直進で入りました。くだんの3台の車は県道をその
まま走って行きましたので、この農道を走るのは私の車だけになりました。
この農道は中の段集落まで続いていますが、やはり狭い道でした。
狭い道を走るときのいつものことですが、対向車が来ないことを祈りつつ、カーナビ案内
してくれない(音声案内は関の沢まで、その先は地図上では薄い青色で続きを示す)ため
不安を感じながら(28日走った林道では屈曲した道路にポインタが追随できずあせりま
くりましたので)ほぼ一本道であったために間違えることなく、インターネットで情報を
得ていた中の段集落手前の道路脇にある駐車スペース(単なる路肩ではありません)を
発見。朝も早かったためか上の方の路肩駐車されたためか私の車1台のみでしたので、
好きな位置に停める事ができました。
ここからくねくねと曲がる道は上のほうに続いています。
あらかじめ調べたネット記事ではここにはこれより先は関係者以外進入禁止とある旨の
情報があり狭い道の路肩駐車は不安を感じましたのでここに停めましたが、私の所有す
る二つのガイドブック共、その関係者以外進入禁止の所に進んだ路肩への駐車してから
の道順となっていましたので行くまではどうするか悩みました(^_^;)。というのは、この駐車
場からは体力と時間の余裕のある人はという記載がガイドブックにあったからでした。
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下の駐車場 |
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こんな看板あるのに |
2.山歩き
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登山道 |
ガイドブックやネット記事では駐車場から農道歩きでなくショートカット登山道があると
記載され地図もありましたが、まず入り口がわかりません(^_^;)。
やむおえあず農道(ここから急な登り坂)を歩き始めましたら、1つ上の左折曲がり角
に登山ポストがありました。ガイドブック地図とはずれています(-_-;)
ここはまだ登山道じゃないよと言いながら進みましたが、地図の道を見ていたので途
中でまた道間違いをしてしまいました(^_^;)。
道らしきものがあり進みましたら先がとても行けそうにないところに・・・。迷ってました
ら息子が先ほどのところで左側に道があったよとのこと。で、そこまで戻りましたらそこ
からくだんの農道の先に出ました。どう見ても、地図の位置とは違う位置でした。
どうもこの最初の道迷いが怖がりの娘を怖気づかせてしまったのかそれとも体調不良
だったのか元々登りの遅い娘が一段と遅くとんでもない結末になりました(^_^;)(^_^;)
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ショートカット道の入り口 |
結局、急坂の上のほうの農道を歩きましたが、歩くうちに2台ほど登山者らしき車に
抜かされました。そして広めの路肩にそれらは駐車され、登山の準備をされていまし
た。
やがて、民家(といっても少ない)が途絶え、道は森に入り、舗装が途絶えてから少
し進んだ所に道は車止めされ、左手に大きな熊危険を知らせる看板がある実際の登山
口が現われました。
この山は熊出没情報が多いらしいです。
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登山口にある熊危険の看板 |
ここからいよいよ登山開始です。人気の山であり、登山道は整備されていて迷うような
ところは全然ありませんでした。
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登山道 |
やがて、駐車場から約430mくらい登った位置(標高1050mくらい)に分岐がありました。
左は直登尾根コースで右は十枚峠コースです。
私達は右の十枚峠コースを選びました。健脚者でも時間がかかる体力がいると書かれ
ていたことから直登コースは下りに使うことにしました。
ちなみにこの道は国土地理院の1/25000地図には記載がなく、ネットで探した道を追記
しておきました(実際に歩いてみて一部違っているような気がしましたが)。
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コース分岐 |
右側が急な狭い緩やかな道を進むうち、沢の音が聞こえてきました。そして、第一の水
場が現われました。地図では沢の青色の記載はありませんが、明らかに谷状表示に
なっているところです。流れ落ちる水は水量も豊富で、ここで所持してきたお茶のペット
ボトルを空にしてから水を詰めました。湧き水でなく流水ですから、飲んでそれほど冷た
いものではありませんでしたが、それでも後々助かりました。
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第一の水場 |
道は次第に上り坂になり、やがて再び瀬の音が聞こえてきました。これも同じく地図上で
は谷状表示になっているところで、第二の水場です。ここは標高1350m付近でした。
ここは苔むした岩の間を流れていました。
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第二の水場 |
道は更に急な登りになり、三度、瀬音が聞こえてきて支流に出ました。ここはさすがに
水場という雰囲気でなく、水場表示もありませんでした(前の二つは水場表示がありま
した)。それでもテン泊らしき男女が水を汲みにきていました。
そしてやっと少し広い部分(尾根上のようで1500m付近)に
つきました。
ガイドブックにはテン場に適するような記事がありましたが、テント所持して
いない私には想像していた場所と違い、こんなところが?って思いました(^_^;)
ここから少しだけ下りましたので、一瞬ガイドブック記事の尾根を乗越すという地点で
はないかと心配になりましたが(←安物高度計のため誤差あり。もし尾根の乗越だと先
がまだまだ長いため)、大丈夫でした。
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ガイドブック記載幕営適地? |
ここまでくれば、十枚峠はあと少し。急坂になりふーふー言いながら登りましたら、先に
行っていたせがれが一人待っていました。
ここで雑木の向こうに富士山が見えました。せがれは案がなかったため気がつかなかっ
たようで指摘したら驚いていました。
ここで、持参のバナナを食べ、水を飲みました。
本当はここから下十枚山往復をするつもりでいましたが、娘の登りが極端に遅く、結局、
時間的な余裕がなくなりあきらめました。
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十枚峠標識 |
娘の到着を待ち、娘がバナナ食べてから十枚山に向けて出発しました。
十枚峠との標高差は120m程度なのでたいしたことはないなと思いましたが、標準コース
タイムは30分。稜線上を左に曲がっていく形の道でしたが、少しアップダウンがあり、
あちゃぁって感じでした。
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峠から十枚山に進む笹の道 |
すでに過去最高の標高差登っていましたから、休みをとってもいつものように最後の登り
はきつく、休み休みの登りでした(^_^;)。
頂上には一組のテントが張られその前で中年夫妻がのんびりと休んでみえました。
頂上は北側は雑木で眺望がありませんでしたが、それ以外は完全な眺望。お天気がよく、
春霞はありましたが、満足できる眺望でした。これがあるから山歩きやめられません。
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十枚山頂上 |
十枚山頂上には三角点がありません(お隣の少し標高が高い下十枚山にあるためか)が
静岡県の山頂の特徴である団子形標識が二つもあり、中央には小さな鐘がありました。
ここから南側には下十枚山から青笹山、真富士山に連なる安倍東山稜の稜線が、東側は
富士山とその南に篠井山が、そして西側には安倍川西の稜線の山々とその上に大無間山、
風シラズ、そして北西方向には真っ白に雪を被った南アルプスなどが眺められました。
さて、下山です。下山は時間短縮のため直登尾根コースとしました。
噂通りの急坂でしたが、所々フィックスロープが取り付けてありましたので助かりました。
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直登コースのフィックスロープ |
ただし、今度も怖がりの娘の歩みがいつも以上にのろく、時間が遅くなってしまい、なんと
下山途中で思いも寄らぬ夜になってしまう事態になりました(^_^;)。全く計算外で・・・
それで初めてヘッデンを使いました。これは常備持参必須品と山歩き入門の本にあった
ので買っておいて、いつもザックの底に眠っていたものです。
ビバーグ道具は持っていないため、あせりましたが、ヘッデンと登山道が幸い一本道で
あったこともあり、慎重に周囲を調べながら長時間かけて無事下山できました。登山口
が見えたときは本当にほっとしました。尚、何回も高度計、コンパス、地図を参照しま
したが、この山、低山ですけど遭難騒ぎが以前あったと聞いており、余計慎重に歩きま
した。
コースタイム、登山開始時間から考えるとありえないような話で恥ずかしいですが、ある
意味貴重な体験をしました(^_^;)。
今回山歩き始めてから初めて1000m以上の高低差を登りましたので、これからは累積標
高差が1000m以上の山はびびって除外しなくてすむようになりました(笑)
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