市内里山紀行〜猪高緑地〜

(2005/9/11)


たまたま本屋で目にしたNHK趣味悠々の講座テキスト「初めての里山歩き」。「里山」
の文字に引かれてすぐに購入しました。で、里山ブームだとか。それでネットでも色々と
検索して・・・。今は名古屋市内に住んでいますが、元々は田舎生まれで実家はまだ田舎
の私・・・平成の大合併で名前は市になりましたが、自然豊かな田舎街です。こんな私で
すので本当は都会の雑踏より自然豊かな地の方が向いています。
そういうわけで最近では市内地図を見ては自然のあるところを探して歩いてきましたが、
第一回の趣味悠々を見て、「あらら、すでに市内で里山紀行してたんだ」と改めて気がつ
いたというわけです(^_^;)。名古屋市にはまだそういうところが残っているんですよ。
大都市なのにって当初は思ってどんなところなのかと探査を始めたのが最初の動機の1つ
(そういう写真ばかり探してきて名古屋は田舎だって決め付ける輩がいましたからね)
でしたが、実際に自分で探査してやはり自然に触れて逆に満足したというわけでした。

で、前置きが長かったんですが、前から一度行ってみたいと思っていたまとまった自然が
残っているという地域が今回、やっと散策できた「猪高緑地」です。
住所は名東区猪高町。東名高速道路下りで名古屋ICの直前、道路の西側に現れる森が
この猪高緑地です。元々は名古屋市と隣接する愛知郡長久手町(愛知万博長久手会場
のある町)にわたる森でしたが、長久手町側は完全に開発されてしまい、行政と民間が
一緒になって自然保護を進めた名古屋市内だけに森は残っています。
森と書きましたが「オアシスの森」という別名がつけられていますが、本当に自然のまま
で残されていることが今回散策してわかりました。
名東区というのは元々は名古屋市内の東に位置した愛知郡猪高村が名古屋に合併した
地で「村」ですから山と森と田畑の地域だったんですが、合併後に大規模な土地区画整理
事業が行われ、それまで千種区東山公園が終点だった地下鉄東山線を東の端の藤が丘
まで延長したこともあって発展した新興住宅街で、当初は全体が千種区猪高町として元の
字名がそのまま残っていましたが、人口増加に伴い分離して名東区となっています。
ただ、区画整理の過程で所々に自然の緑地(森)が残されました。この猪高緑地もその1つ
です。

map_1 今回は駐車場などの問題もあり、公共交通機関で訪れ
ました。買ったばかりの防水処理したウォーキングシュ
ーズ(安物がショッピングセンタの靴屋にありました(^_^;))
を履き、これまた新たに買ったばかりの24lのザックを
背負い、まずは地下鉄東山線で本郷駅(リニモの始発駅
の東山線東の終点藤が丘の1つ手前、地下から出て高
架になる上社(かみやしろ)駅の次の駅。うちからは¥
260区間です)まで行き、駅前にあるコンビニ(CoCo)で
お茶とおにぎりを仕込みました。そして、本郷駅の北側に
あるバスターミナルへ。最初勘違いして1番バス停のみ
と思い、見たら一時間にわずか一本。ありゃりゃと思った
ら隣の二番に「猪高緑地」行きが。慌てて乗車しました(^_^;)。
乗車区間は3区。平池−楽陶館の次の障害者スポーツ
センタ−
で下車。ちなみに名古屋市内バスは一律¥200です。

さて、ここからいよいよ猪高緑地の散策です。猪高緑地はそばまで市街地になっています
(西側は北から貴船3丁目、勢子坊2・3丁目、極楽1〜3丁目、北側は社が丘3・4丁目と接し
ています)ので所謂「里山」とは違うのかもしれませんが趣味悠々の第一回はそんな地区でし
たから大丈夫ですよね。
map_2 バス停から少しだけ戻り、左側が住宅街に
なっている道を東側に入りました。この道は
すぐに北向きになり緑地が終わる北側の道
にぶつかり、ここを右折しました。
Phot_1
左手に障害者スポーツセンターの建物がある所
の右手森入り口に緑地の案内板がありました。
       (猪高緑地地図)
更に道を進むと緑地への入り口が
見えてきました。
Phot_3

曲がってすぐ右手には名東プール
左手には池が見えてきました。
この池は猪高緑地最大の塚ノ杁
です。左の案内板でも
大きく描かれている池です。
池の周囲を巡る小道がありましたので入り込みました。入り口付近は池にフェンスがされてい
ましたが、すぐに途絶えました。少し入り込んだ左手に「里山復元地」という表示がありまし
たが予約しないと入れないとあり、通行止めにされていました。やはりここは旧猪高村の里山
地区であったことが偲ばれます。池は2箇所で池の砂州まで行くことができ魚釣りされている
方が一人いました。
Phot_4 Phot_5
        塚ノ杁池             里山復元地帯

塚ノ杁池の迂回路を巡って元のメインルートに戻りました。メインルートは上の地図で上か
ら下まで繋がっている約1.5kmの行程です。
少し歩いたところで右手に分岐する枕木が並んでいる道が見えてきました。持参したネット
からプリントアウトした地図の1つに分岐道で枕木道の表示があり、そちらは違う道である
ことがわかりましたので安心してそのまま進みました。
すぐに凹池という小さい池が左手に現れま
した。標識がありましたのですぐにわかり
ました。
そしてすぐに「井堀分岐」という標識が。
後から来た人がそちらに行くので、やっぱり
地図を出して見ましたら池が二つあることが
わかり寄り道することにしました(大正解で
した(^_^))。
少し上り道になりましたが、やがて下り道に。
また右手への分岐の標識があり「ん?」と思
いましたら井堀の大クスというのがありまし
た。大きなくすの木でした。

         (凹池)
Phot_7 Phot_8
        井堀のクス             井堀上池
やがて右手に池が現れました。井堀上池で す。そして次に井堀下池が現れてきました。
Phot_9 Phot_10
        井堀下池             めだか池
更に小さなめだか池と続きました。
更に歩くうち、前方に東名高速道路が見えてきました。散策路の右側に田んぼが現れました。
猪高緑地名物の「棚田」です。低い段々ですが確かに棚になって
いました。
Phot_11 Phot_12
        井堀の棚田         棚田から見た高速道路
Phot_13 Phot_14
        表示看板         入り口
ここは農家の私有ではなく、保存会でやっているものだそうです。丁度中年夫婦の人が
草取りをしていて挨拶をされました。また、小屋もあり、働いていた人が小屋の中着替え
をされていました。屋根のついた座れる休憩場所がありましたので、そこでおにぎりの昼
食にしました。コンビニで仕入れてきたものでしたが、こういうところで食べるのは楽しく
また余計にうまく感じました(^_^)

ゆっくりくつろいだ後、再び井堀分岐点に戻りメインルートを南下。竹が沢山生えている所
に出ました。勢子坊の竹林という表示がありました。
Phot_15 Phot_16
        勢子坊の竹林             標識
この付近が地図上ではメインルートの中央当たりのようです。後は道なりにどんどん歩いて
行きました。やがて、きつい上り坂に。幸い、新調のウォーキングシューズのおかげで体に
はきつかったですが、足は滑らず歩きやすかったです(^_^)。で、上りきった所がろばの背
というところ。山の背にあたるところでしたが、最高峰はこの先。更に上り坂になりいよい
よ最高峰親鸞山(111.6m)です。ま、すでに急な山道を登って
いたろばの背の先にありましたのでそれほどきつくなく頂上に着きました。
頂上そばに神社があり、そこからは神社の下り坂になっていてやがて公園が目の前に。
猪高緑地縦断散策は終わりました。標識に従って市バス猪高緑地バス停に。そして汗まみれ
になっていたことに気がつきましたが、バスを待つうちに乾きました(笑)。
Phot_17 Phot_18
        ろばの背標識             公園


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